「名経営者が、なぜ失敗するのか?」シドニー・フィンケルシュタイン
2007/02/01公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★☆☆☆☆(58点)
●日米企業の失敗のケースを列挙て、
その失敗の原因を研究している一冊です。
雪印乳業の食中毒事件も掲載されており、
最近の事例もうまく取り入れています。
●この本で指摘する失敗の原因のすべては、
( 不正確な現状認識 )にあるようです。
たとえば、商品の将来性に対する現状認識が甘いと、
いくつもの衛星を打ち上げて破綻したイリジウムのように
なるわけです。
・自分の商品やサービスに惚れこむな。
それは顧客がやることだ。(p93)
●また、私は知りませんでしたが、韓国のサムスンは
1997年自動車の製造に乗り出しました。
しかし、工場への投資が膨れ上がり、車の販売も伸びず、
サムスン・モーターズは1999年に銀行の管理下に置かれる
ことになります。
・問題は、人を信用し、意見を聞き、
発言の機会を与える社風を
どこまで育てられるかである。(p408)
●このように、結論としては、
「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」
ということであり、
会社のトップに正しい現状認識を与えるためには、
それを許す環境(社風)が必要となるわけです。
実際の企業で働いたことのない著者には厳しいかもしれませんが、
失敗の事例の把握と、失敗への対策は表面的に見えました。
このレベルであれば、日経ビジネスを読んでいれば、
この本と同じような学びが得られると感じましたので、★1つとしました。
(この本が日経BP社から出ているのが皮肉ですが・・・)
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・傲慢と大変な思い上がりに対する
しっぺ返しですよ・・・(p103)
・問題意識を持つこと。(p128)
・第一に学ぶべき教訓は、
シナジーというものは常に、思ったより
実現するのがずっと難しいということだ。(p159)
・戦略とは何をするかを決めることであると同時に、
何をしないかを決めることである。(p181)
▼引用は、この本からです。
日経BP社
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身近でも起こっていそうな失敗談の数々
疑問が残る・・・。
【私の評価】★☆☆☆☆(58点)
■著者経歴・・・シドニー・フィンケルシュタイン
ダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネス、スティーブン
・ロス経営学教授。コンコルディア大学より学士号、ロンドンスクール・
オブ・エコノミクスから理学修士号、コロンビア大学から博士号を取得。
タック・スクールのエグゼクティブ・プログラムの学部長。
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