「素人のように考え、玄人として実行する―問題解決のメタ技術」金出 武雄
2006/05/15公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(83点)
●著者はアメリカ工学アカデミー特別会員に
日本人として最年少で選ばれるなど、
ロボット工学の研究の第一人者です。
日本と違ってアメリカの教授は、
研究資金だけでなく、
自分の給与の一部さえ、
自分で調達しなくてはなりません。
したがって、教授とは、
金を集めることのできる
アイディア発想のプロなのです。
・大学の重要な役割の一つは
「新しい研究を起こす」業(なりわい)である。(p268)
●著者の研究者としてのモットーは
「素人発想 玄人実行」であり、
良い発想は、知識にとらわれない
素直な発想から生まれるということでしょう。
私は、「素人発想 玄人実行」という言葉に、
マックやiPODを作り上げた
スティーブ・ジョブスをイメージしました。
・素人は知識や経験がないから、
固定観念にしばられずに自由な発想ができる。
なにせ、「できるかどうか」より「こうあってほしい」
という希望がすべてのもとなのだから(p42)
●この本の後半では、
日米の文化の差について論じており、
一冊を通して、飽きの来ない
充実した一冊となっています。
・アメリカと日本のシステムの両方に住んでみて、
一番の違いとして感じるのは、
日本には「自分が決定者である」という立場に
なりたがらない人が多いということだ(p315)
●日米で認められたロボット工学のプロの考え方を
学べる一冊ということで、★4つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・ほとんどの創造は、真似に付加価値を
つけたものである(p117)
・「日本は世界第二位の経済大国なのに、
どうして無視されるのか?」・・・
私は理由は二つあると見ている。
一つ目は、日本は本気で、自ら率先して「する」という形で
物事に取り組む姿勢を見せないからだろうと考えている・・・
もう一つは、日本はほとんどいつも、
自分の態度を最後まで鮮明にしない(p291)
・DARPAのプロジェクトマネージャーに、
お前の仕事は一言で言うとなんだと訊いたら、
「人々ができないと思っていることをできるようにする仕事だ」
と言う。この気概は見習うところがある。(p321)
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【私の評価】★★★★☆(83点)
■著者経歴・・・金出 武雄
1945年生まれ。京都大学で学び工学博士。同学、助手、助教授を経て、
80年アメリカのカーネギーメロン大学に招聘される。92~2001年
同ロボット工学研究所所長。数々研究成果と受賞多数。
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