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「プラネタリウムを作りました。―7畳間で生まれた410万の星」大平 貴之

2005/11/08公開 更新
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プラネタリウムを作りました。―7畳間で生まれた410万の星


【私の評価】★★★☆☆(79点)


要約と感想レビュー

 よく日本人は「物まね」「独創性がない」と言われる場合があります。確かに日本人は、目新しいものを見ると、自分でも同じものを作ってみよう! と考える人が多いのでしょう。著者の大平 貴之さんも小学生のときに星座の美しさに感激し、自分でプラネタリウムをつくり始めました。


 当然、素人ですから、お金もなければ、知識もない。ただ、試行錯誤を繰り返しながら、プラネタリウムを作っていくのです。


・恒星原板は、プラネタリウムの無数の星のもととなる板だ。・・・けれど、アルバイトだけが資金源で、高校を卒業したばかりという素人同然の僕にとって、原板製作は試行錯誤の連続だった。(p54)


 素人が自己資金で、市販のプラネタリウム以上の性能を持つプラネタリウムを作るなど、普通の人では考えません。しかし、大平さんに言わせれば試行錯誤を繰り返すうちに、市販のプラネタリウムが投影しないほどの多くの星を投影するプラネタリウムを作ってしまったということのようです。(双眼鏡でないと見えない星もあるそうです)


 著者が国際会議に参加したとき、個人の趣味で開発されたプラネタリウムを説明し、「It's my hobby(これは私の趣味です)」と言ったら、場内は大爆笑となったという。プロには著者の作ったプラネタリウムの凄さがわかるのです。


 この本を読んでいてプラネタリウムが星空を作り出したとき、なぜか涙がでてきました。なぜでしょうか?大平さんの達成感のようなものを疑似体験したようです。


・かなり組み上がっていた恒星球に組み込んで、天井へ投影してみた。スイッチを入れ、部屋の明かりを消す。天井に現れた星空は、まさに素晴らしいものだった。「天井が抜けたかと思った」(p157)


 こういう日本人が、今の日本の繁栄を築いてきたのだなと感心しました。感動をくれた大平さんに感謝して★3つとしました。


この本で私が共感した名言

・露光に使える青色レーザーが八十万円で見つかった。ちょうど会社のボーナスが出ていて、貯金と合わせて何とか購入可能だった。(p151)


・当時、僕はパソコンを持っていなかった。そして使い方も知らなかった。幸い、高校時代の友人の岡本くんが、パソコンの扱いに長けている。(p57)


プラネタリウムを作りました。―7畳間で生まれた410万の星


【私の評価】★★★☆☆(79点)


目次

第1章 欲しいものは自分で作る!プラネタリウムとロケットに夢中の子ども
第2章 大学生活のすべてを注ぎ込んだ初のレンズ式プラネタリウム「アストロライナー」
第3章 170万の星を映し出せ!大幅な軽量化と性能向上を目指した「メガスター」



著者経歴

 大平 貴之(おおひら たかゆき)・・・1970年生まれ。小学生からプラネタリウムをつくり始める。大学時代、個人製作では不可能といわれたレンズ式プラネタリウムを91年に完成。就職後、96年に170万個の星を投影できる「メガスター」、03年410万個の星を投影できる「メガスター2」を完成させる。現在、電機メーカーを退職し、フリー。


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