「ミュータント・メッセージ」マルロ・モーガン
2005/07/18公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(71点)
●オーストラリアには、
アボリジニという原住民がいます。
アボリジニの人々はアメリカのインディアンのように、
土地を奪われ、人種差別を受け、
その文化は危機に瀕しています。
●この本は、白人女性である著者が、
砂漠を歩くアボリジニと四か月もの間、
生活をともにした記録です。
はじめのうちは、足の裏が傷だらけになり、
ハエにまとわりつかれ、
砂漠で用を足すことになります。
・不快なものを理解する代わりに排除しようとするなら
人間は存在しえない。
蠅がきたら降伏するだけだよ。
あなたもそろそろそうしてもいいころだ。(p87)
●しかし、彼女はアボリジニと一緒に旅する間に、
彼らが砂漠で生き残る知恵、
人間的成長を称える知恵、
自然と一体化する知恵を持っていることに
気づきます。
・一年を通して、仲間のひとりが特別な才能を発揮したり
精神的に成長したり部族に貢献したときは祝うが、
各人の誕生日を祝う習慣はない。
年をとることを祝わず、
人が向上したときに祝うのだ。(p165)
●私はこのような原住民の文化についての
本を読むと悩みます。
確かに彼らの文化、考え方は精神的に高度であり、
学ぶべきものがあるのです。
・私の父はよくこう言ったものだ。
「人は会社のためにはたらくんじゃない、
人のためにはたらくんだよ」。
私は奥地の部族の族長の言動に、
大企業の社長と同じ人徳を見いだすことができた(p85)
●しかし、どうしてその優秀な文化をもった民族が
土地を奪われたのか、
その精神文化が世界に広まらないのか、
ということです。
日本も素晴らしい精神文化を持っていると思っていますので、
同じ轍を踏まないようちゃんと学びたいものです。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・「年をとることを祝わないとしたら、
なにを祝うの?」私は言った。
「よくなることに」という答えが返ってきた。
「去年より今年のほうがさらに賢くていい人間になったら、
それを祝うんだ(p98)
・ある種の動物が絶滅しつつあると私が言ったとき、
彼らにこうきかれた。
ミュータント(現代人)はひとつの種の動物が絶えるごとに
人類が終わりに近づくことに気づいているのか、と(p123)
・ひとつになるっていうことは、
みんなが同じになるという意味じゃない。
人はみんなユニークなんだ。
同じ場所を共有する人はふたりといない。
葉を完成するにはすべての部分が必要なのと同じように、
それぞれの魂も特別な場所を持っている(p149)
角川書店 (1999/04)
バカンスそのもの、って本です。
ときどき ふっと節目のようによむ本
【私の評価】★★★☆☆(71点)
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