【書評】「藁(わら)のハンドル」ヘンリー・フォード
2004/12/07公開 更新

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●まるで、松下幸之助やトヨタの大野耐一さんの本を読んでいるような気が
する一冊でした。
・もし、あなたが「標準化」を現在知るかぎりでの最良のものでは
あるが、明日は改良されるべきものと考えるならば、あなたは
見込みがある。(p95)
●まさしく、標準なくして改善なし。そして、改善がなければ標準を
作っても意味がないということです。
・わが社には、改善が仕事を減らすと考えるものは一人もいない。
なぜなら、みな、これと正反対のことが起こるのを知っているから
である。私たちは、このような改善がコストを引き下げ、その
結果、市場を拡大し、より高い賃金でより多くの仕事を生み出す
ことを知っている。(p137)
●ところが、この本は100年も前に書かれたものなのです!フォード自動車
を作り上げたヘンリー・フォードは、その革新的な考え方から、周囲から
"理解を超えた存在"であったといいます。
・企業は、これまで大衆にサービスしたために成長してきたのであり、企業
の規模を制約するものが存在するとすれば、それは大衆に対するサービス
の能力によって決まる。(p47)
●今、読むと常識に思えますが、当時の非常識だったのでしょう。当時は、
ロシア革命などの時代で、資本家、労働者といった思考の時代だった
のです。
・世の中には、いつも二通りの人間がいる。つまり開拓する者と、ゆっくり
進む者とである。ゆっくり進む者はいつも開拓者を非難する。(p16)
●とはいえ、今の日本にも100年前と同じような考え方をする人、組織
は存在します。
・驚くべきことに、産業界では、動力と機械が出現するずっと以前に
用いられていた方法に、人々がいまだに固執している。(p82)
●保守的なのは人間の業なのかもしれません。いままで通りが一番
いい、という考え方の人は多いものです。
・わが社では、新しい仕事をはじめる場合には、その仕事について
の先入観がなく、そのため「それはできません」などとまったく
言ったことのない人々に指揮をまかせるようにしている。(p84)
●100年衰えない智恵に感服しました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・支払った賃金の価値を満たすだけの仕事を労働者にさせないこと
には、どんな場合でも、彼の賃金を減少させ、生計を困難に
させるのを助長することになる。(p135)
・慈善を受けるものは、たいていだめになる。一度ある男に無償で
何かを与えると、その男は同様のことを外の人にも期待するよう
になるからである。(p100)
中央公論新社
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【私の評価】★★★★☆(87点)
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