「「武士道」解題―ノーブレス・オブリージュとは」李登輝
2003/07/14公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(82点)
要約と感想レビュー
旧制中学や旧制高校の学生たちは、「死とは何か」「生とは何か」「人生いかに生きるべきか」といったことばかり考え続けていたのです。それなのに、いまの日本の青少年には、「人を殺して何で悪いのか?」などと、馬鹿なことを言う者がいるという。
■いま日本人は
なかなか死にません。
戦争はないし、
病気もほとんどなおります。
平均寿命は、男性78歳、
女性は85才だそうです。
■あまりに平和なために、
「死とは何か」
「生とは何か」
「人生いかに生きるべきか」
ということを考える人は
確かに少なくなっているようです。
平和は人が幸福になるための
ひとつの条件ですが、
本当の幸福は人の思考の中にあります。
平和を獲得した今、どう平和を維持し、
どう幸福になるのか、それが
これからの課題ではないでしょうか。
■私には李登輝さんが古い日本人に見えます。
戦前の戦わずして負けるよりも、
死ぬとしても戦って負けたほうがいい。
そのほうが子孫は誇りを持って
日本という国を引き継いでくれる
はずだ、と思った日本人です。
台湾は50年間日本の統治下にあり、
李登輝さんはまさに日本人なのです。
この本で私が共感した名言
・私が大陸の中国人のことをあまり評価しない裏には、同じ「孔孟の書」に接しながら、武士道に培われた日本人の・・「実践躬行」の精神が希薄だからなのです(p54)
・中国文化ははぜこうまで腐りきったのか。理由は極めて明快です。言行不一致。言っていることと、やっていることが全く違うからです(p54)
・私は、戦時中の日本の国家神道については、政治利用がなきにしもあらずであったと思っています。しかし、だからといって、神道や、ましてや日本の国そのものを否定する考えには反対です(p136)
・北京政府(中国)からちょっと強硬に何か言われると、もう「恥も外聞もない」といった感じで何でも言うことを聞いてしまう。このように卑屈極まりない、そして自分の責任逃れのことしか念頭にない自称エリートたちばかりが霞が関や永田町、丸の内あたりにひしめき合っている・・(p212)
・「人間は正しくなければならない」とか「誠実であれ」とかいうような「武士道」精神の精髄(エスプリ)は、結局、教育を通じてしか伝え得ないのです(p291)
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【私の評価】★★★★☆(82点)
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