「米国製エリートは本当にすごいのか?」佐々木 紀彦

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米国製エリートは本当にすごいのか?
佐々木 紀彦
東洋経済新報社
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【私の評価】★★★★★(90点)


■スタンフォード大学院で2年間、
 国際政治経済を専攻した佐々木さん。


 アメリカ留学により、
 何が得られるのか?

 日本と米国の違いは?


 こうした問いに答えてくれる一冊です。


 これから留学を考えている人には
 最適な一冊ではないでしょうか。


・米国の大学はインプットとアウトプットの量がとにかく多い
 ・・・百本ノックのように、次から次に読書、レポート、
 プレゼンテーションの課題が降ってくる(p27)


■日米の大学の大きな違いは、
 とにかく本を読んで、レポートを書いて、
 議論するということ。


 授業一回に一冊の本を読むくらいの準備が必要で、
 一週間に4つの授業を受けているとすれば、
 一週間に4冊読む計算となります。


 これを4年間続ければ・・・
 一日一冊の読者の皆さんのように
 読書への抵抗感はなくなるのでしょう。


・大人数の講義は米国でもつまらない・・・
 少人数で行われるセミナー型の授業・・・
 これは最高の知的エンターテイメント(p29)


■中盤は、留学から感じられた
 米国人、中国人、韓国人の特性の違い。


 印象的だったのは、
 米国人は仕組み化、システム化しようという
 意識が強いということ。


 なんでもシステムにしてしまう。


 米国が儲かるルールを作り、
 ルールを通じて儲けるのです。


・米国人が国際政治を語るとき
 「インスティチューショナラインズ(制度化する)」
 という言葉が頻繁に出てきます・・・
 どういうふうに制度を作れば、世界がうまくまとまるとか、
 米国の国益を最大化できるか(p203)


■後半は、佐々木さん専攻の
 国際政治の話題となります。

 現実主義としては、
 軍事バランスを重要視する。

 軍事の裏づけのない政治は、
 金のない経営のようなもの。

 平和のために
 バランスが必要なのでしょう。


・日本人は「経済的繁栄=平和」と錯覚しがちですが、
 経済的な成功は必ずしも平和を保障しません・・・
 むしろ、経済的に栄え、軍事力が弱い国は、
 他国にとって格好のカモとなりかねません(p156)


■米国の大学院に留学すると
 こんな知見が広がるんだな、
 ということがよくわかりました。


 私の場合は、大学ではなく
 リゾートに留学したいです。


 佐々木さん、良い本を
 ありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・アメリカは日本とさかさまでございます。
 偉い人が賢うございます・・勝海舟(p1)


・米国の大学は、主に資産運用から収入を得ています。・・・ 
 寄付基金は、トップのハーバードを筆頭に軒並み一兆円を
 超えています。・・・275億ドル(2.2兆円)の寄付基金をもつ
 ハーバードは、収入の実に35%(約1000億円)を資産運用
 収入から得ています(p22)


・米国は日本以上に学歴社会である・・・
 ビジネス界・政界で要職にありつくには、
 一流大学のMBAやJD(法学博士)、もしくは、
 その他分野の博士号がないと厳しい(p40)


・日本人留学生の一人は、「卒業後、公務員として官庁に戻る」
 と話すと、クラスメイトから「イディオット(バカ者)。
 なぜ金融で稼がないのか」と驚かれたそうです。
 それくらい公務員の地位は低いのです(p78)


・精神論ではなく、純粋なお金の計算として、
 ベンチャーに挑戦したほうが大企業で働くよりも得。
 そういう社会システムをつくらない限り、
 本当に優秀な人間はベンチャーに惹かれないでしょう(p90)


・従軍慰安婦問題・・・
 「いったい誰がそういっているのか教えてくれ」
 と切り返したとこと
 「日本の偉い教授がそういっている」・・・
 中央大学の吉見義明教授でしょう(p133)


・歴史の失敗から学べることは
 「中国が領土拡大の野心を持たないような、
  軍事バランスを保つ
」ということです(p201)


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