■著者紹介・・・松井 順一
1961年生まれ。アイシン精機にて新製品開発に従事。
開発の仕組みづくりと実践を行う。その後、中部産業連盟にて
コンサルティングに従事。トーマツコンサルティングにて
トヨタ生産方式、改善塾のコンサルティングを行う。
2005年より、コンサルソーシング株式会社代表取締役。
●以前より、トヨタ生産方式について注目してきましたが、
トヨタ生産方式は、大量生産を目的とした工場で発展した考え方です。
ではそれを、プロジェクトの管理、事務(ホワイトカラー)の管理に、
どのように応用するのか?というのは私の課題の一つでした。
●なんと、本書には、それに対する「ひとつの答え」が書いてあります。
●この本では、「ストア管理」と言っていますが、
仕事を2時間程度の作業単位で「作業カード」として
書き出し、仕事を「見える化」するという手法です。
・組織の中で行われている作業は洗い出されて、一覧できるように
なっている。その一覧になった作業について、組織としての
優先度や重要度を判断し、決めるのである。(p89)
●毎朝、各自の手持ちの仕事を「作業カード」に書き出し、
各メンバーに仕事を割り振ります。
全員がグループ全体の仕事を把握したうえで、
各メンバーに仕事を割り振るのです。
これにより、情報共有と仕事の均平化が図られます。
・「仕事そのものの見える化」・・・その組織で行う作業を
作業カードなどに書き出し、目に見えるようにすることで、現在どのような
作業が行われているのか、どのような作業が残っているのかなどが
誰でも分かるようになる。(p84)
●作業に入れば、作業カードを「作業中」のところに置き、
作業が終われば、作業カードを「完了」のところに移動させます。
すべての作業は、「作業待ち」「本日作業」「作業中」「相手待ち」
「完了」に分類され、一目でわかるようになっています。
●しかし、これを組織として導入するのは、
かなりの抵抗があるでしょう。
私個人の場合、毎朝、自分の仕事を手帳に書き出し、
仕事の優先順位から順番を決め、その順番で仕事をしていきますので、
あまり抵抗はありません。
しかし、この本の方法はそれを、グループ全員に拡大し、
全員に強制的に行わせるものであり、リーダーの決断が
必要となるでしょう。
●この本においても、紹介している事例は、
車でいえばF1のようなレーシングカーであり、
普通の組織では、すぐに運用できないと言っています。
まずは、簡単な自家用車の改造から
入るのが良いということでしょう。
その第一歩は、仕事の「見える化」のはずです。
・改善塾による改善展開活動では、現場巡回を毎週行う。
職場に掲げてある改善ボードの前に巡回者が出向いて、
そこで職場の改善リーダーやメンバーに改善状況の説明や
自慢話をしてもらう。(p180)
●今後の改善の方向性が見えてきましたが、
導入までには反発と苦労が見えています。
「見える化」が注目されている今がチャンスだと思いますので、
小さな改善から仕事に「見える化」を導入していきたいと思います。
●ホワイトカラーの生産性向上のための
方向性を示す貴重な一冊だと思います。
★5つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・改善したことが良いのか悪いのか分からないままにするな(p21)
・一列待ちでリスクに強い組織をつくる・・・一列待ちの最も
身近な例を挙げるならば、銀行のATMや切符売り場などで
最近よく行われている客の並び方だろう。(p142)
・作業カードは、できるだけ小さい単位でつくることをめざす。
仕事の細分化を促し、そこから共通部分の作業と個別部分の作業を
分け、共通部分については、他の者が容易に手伝えるようにストア
の着手置き場に置くことで、どのような作業のニーズが大きいか
分かるようにするためだ。(p148)
・かんばん総量・・・定期的な見直しを行い、需要に応じて
かんばんの量を増減するなど総量をコントロールする必要がある。
(p156)
▼引用は、この本からです。
「職場の「かんばん方式」」松井 順一、日経BP社(2006/11)¥1,575
【私の評価】★★★★★(90点)
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