【私の評価】★★★★☆
■著者紹介・・・細川 勝
1954年生まれ。20年間の新聞記者生活を経て、
2001年フリーとして独立。歴史文化や産業の分野を中心に
取材執筆する。
●長崎県の尾崎さん(65歳)は、旅行好きの妻と一緒に
石川県にある有名旅館「加賀屋」にツアー客として宿泊しました。
宿の設備だけではなく、客室係の行き届いた心配りと対応に
驚いた尾崎さん夫妻は、今度はツアーではなく二人でもう一度
「加賀屋」に泊まろうと話し合いました。
●ところが、尾崎さんの妻は2004年12月、末期ガンで他界。
ベッドに寝ているときも「旅行がしたい」
「加賀屋に行きたい」と言い続けた末の無念の死でした。
●尾崎さんは、妻の供養になればと、
妻の遺影を胸に抱き、「加賀屋」に宿泊する北陸旅行を計画しました。
自分の心の整理にもなると考えたのです。
●尾崎さんは、石川県和倉温泉「加賀屋」に到着しました。
七尾湾と沖に浮かぶ能登島の景色が心を落ち着かせます。
部屋に案内されて浴衣に着替え、風呂から上り
食事がテーブルに並べられているとき、
尾崎さんはカバンから妻の遺影を出し、テーブルに置きました。
●こぼれるような笑顔を浮かべた尾崎さんの妻芳子さんの写真に
ハッと気づいた客室係の女性は、
「少々お待ちくださいませ。いま、陰膳を用意させていただきます」
と部屋を出て行きました。
●数分後、その客室係の女性は、
丸い漆塗りのお盆と、料理を盛った小鉢を持って現れると、
テーブルの上に見事な陰膳を作りました。
そして最後に彼女は美しい花を陰膳に添えたのです。
妻の微笑みと一緒に、客室係の女性と一緒に乾杯し、
尾崎さんは心温まる時間を過ごしました。
●翌朝、客室係の女性は和倉温泉駅のホームまで同行し、
尾崎さんを見送りました。
列車が発車する直前、客室係が手を振ってお辞儀をすると、
尾崎さんの目からは涙があふれ、
次の駅に着くまで止まることはありませんでした。
・・・・・・・・・・・・・・
●石川県和倉温泉の加賀屋は、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で
26年間も日本一の座を守っています。
2006年に創業100年を迎えた加賀屋には、
今も感動の数だけ、感謝の手紙が届いているそうです。
●ディズニーランド、ザ・リッツ・カールトン大阪とはまた違った
一流を感じることができましたので、★4つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・漁業補償の交渉の席で、漁業協同組合の組合長から「なんで、
わしらが都会の人間の電気を作るための犠牲にならんと
いかんのか」と、厳しく詰め寄られ、畳に頭をこすり付ける
立地担当者たち。(p96)
・私は中学しか出ていませんが、加賀屋で人のご恩を知り、
感謝することを知り、生きがいを持って働くことの尊さを
教わりました・・・「それは、日本一の誇りを抱いて働ける
喜びでしょう」(p98)
・禅語に「随所に主となる」という言葉がある。これは、場面、
場面で一人ひとりが主役になる、といった意味の言葉だが、
仲島さんは「まさしく加賀屋の客室係の女性たちは、その言葉が
当てはまる存在です」と話す。(p200)
▼引用は、この本からです。
「加賀屋の流儀」細川 勝、PHP研究所(2006/8)¥1,680
【私の評価】★★★★☆
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