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「先にしくじる 絶対に失敗できない仕事で成果を出す最強の仕事術」山崎裕二

2022/05/03公開 更新
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「先にしくじる 絶対に失敗できない仕事で成果を出す最強の仕事術」山崎裕二


【私の評価】★★★★★(93点)


要約と感想レビュー

 重要な仕事を開始する前にプレモータム会議をおススメする一冊です。プレモータム?プレモータムとは、医学用語で、患者が死亡する前に対処法を事前に検討することです。つまり、仕事でも失敗することを想定して事前に対策をチームで考えるのです。プレモータム会議では、最初に最悪ケースを想定し、失敗の原因や問題点を抽出していきます。そして問題の原因を分類し、似たものをグループ化する。そしてそれらの問題点を取り除く工夫を取り入れて、新しい計画を作成するのです。


 プロジェクトであれば余裕を設定したり、最悪を想定したBプランを考えておく手法や、会社であれば事業継続計画(Business Continuity Plan)で最悪の事態に対策を立てておくことに似ていると感じました。参加者が計画に対する自分の不安を発言し、対策を一緒に考える機会を設定することは素晴らしい仕組みではないでしょうか。特に新しい仕事の場合、それぞれの人の思い込みがあり、思い込みの整合が取れていないと、仕事が進んでからトラブルになることが多いように思うのです。 


・勝手な思い込み・・・とかく自分のことは棚にあげ、失敗や遅れを人のせいにしがちになる(p60)


 よくある仕事でのパターンは、上司が指示を出して、それに対して部下が心配なところを指摘しても「それは大丈夫」の一言で処理されてモヤモヤしたまま仕事を進めてしまうケース。また、部下の言い方が悪いと場合によっては、抵抗勢力と誤解されてしまい、「そんなに言うなら対案を出せ」と上司に叱られることもあります。


 つまりコミュニケーションが悪いと、部下は「話を聞いてもらえない」、上司は「できない理由ばかり考える」と不満が高まり人間関係が悪くなり、組織崩壊の可能性もあるのです。想定外のことがおこりやすい新しい仕事についてプレモータム会議を開催してもらえば、気軽に心配を発言できるし、感情を挟まずに議論できるようになるのでしょう。


・相手に対して過大な期待を抱くと、現実とのギャップが生じ、このギャップがストレスを生み、怒りに転じる(p60)


 コミュニケーションが悪いというよりも言わなくてもわかるといった思い込みのある日本でこそ、プレモータム会議が必要だと思いました。プロジェクトの目標を全員で確認し、心配なことをメンバー全員で出し合い、みんなで対策を考える場を設定することで、漏れや抜けをチェックする仕組みとして素晴らしいのです。


 特に著者はベンチャービジネスに取り組んでいるので、想定外なことにすぐに対処していかなくてはならないので、失敗のリスクに対して事前にメンバーの知恵を集めて対処しておくことが必須なのだろうと思いました。事前に失敗の対処をすることで失敗の可能性が減るし、同じ失敗するにしても、事前に対処していたなら後悔の量が減ると思うのです。


 山崎さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・現実可能な解決策でなければ意味がない(p154)


・無理しすぎず、安易すぎず、という目標設定が重要になる(p46)


・現在バイアスの例で、誰もが思いつくのは夏休みの宿題だろう・・・休みの終盤に慌てて取りかかった経験のある人は多いはずだ(p28)


・完璧主義・・・とにかく納得しなければ一歩も前に進めない人(p89)


▼引用は、この本からです
「先にしくじる 絶対に失敗できない仕事で成果を出す最強の仕事術」山崎裕二
山崎裕二 、


【私の評価】★★★★★(93点)


目次

導入編
基礎編
 一つ目の罠「現在バイアス」
 二つ目の罠 「オプション選好性」
 三つ目の罠「非合理的な信念
 四つ目の罠「コンコルド効果」
 五つ目の罠「自己中心性バイアス」
 六つ目の罠「完璧主義」
 七つ目の罠「計画の錯誤」
応用編
 ステップ一:プロジェクトのゴールを明確にする
 ステップ二:基本プランを考える
 ステップ三:未来の失敗をイメージし、失敗の原因や問題点を抽出する
 ステップ四:失敗の原因や問題点を分類し、分析する
 ステップ五:失敗しない新しいプランをつくる
 ステップ六:新プランの実行
おわりに



著者紹介

 山崎裕二(やまざき ゆうじ)・・・早稲田大学政治経済学部卒業、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校アンダーソン-シンガポール国立大学ビジネススクール(UCLA-NUS)でEMBA(エグゼクティブMBA)学位取得。大学卒業後、東芝、ゲートウェイ、モバイルベンチャーなどを経て、IT企業の米国法人で、シニアプロダクトマネジャーを務める。カリフォルニア工科大学でテクノロジー・プロダクトマネジメントを学び、2011年にUCLA-NUS EMBAを卒業。現在はIT企業のマーケティング部門でディレクターを務める。


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