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「起業は意思が10割」守屋 実

2021/05/10公開 更新
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「起業は意思が10割」守屋 実


【私の評価】★★★★★(90点)


要約と感想レビュー

顧客ありきの商品開発

著者は自称「起業のプロ」です。企業内起業で17もの事業を立ち上げ、独立後に21の事業に参画してきたという。金型のカタログ販売で有名なミスミで新規事業専門会社を立ち上げ、17の新規事業を手掛けた経験が力強く感じました。


著者の失敗と成功の体験から導き出される助言は、顧客ありきで商品開発すること。いわゆるマーケットアウトの考え方です。著者も顧客やターゲット市場をよく知らずに商品を売り込もうと考えて失敗した経験があるという。


まず消費者ありきで商品開発を進めていく・・・顧客の理解が浅い、きれいごとで作られた事業も散見される(p46)

質より量が大切

そして新規事業とはとにかく想定どおり進まないことが多い。だからこそ、何をしたいのか、お客様のどんな不便を解決したいのか、という強い意思が必要だというのです。そうした強い意思を前提としてとにかく動くこと。顧客の話を聞くこと。そして、仮設と検証を繰り返し、その繰り返しによってやっとこさ勝ち筋が見えてくるのです。


一件でも多く顧客を訪ねるほうが100倍大事というように、根性論が強いように感じました。人はただ待っているだけではやってこないのですから、100人でも200人でも語り続けることで必ず仲間が現れるというのです。見込み客や協業先は、とにかくツテを辿る。数打てば当たる方式のようです。


勝ち筋が見えるまでは、何回試したか、何回仮設を検証したか・・・試して、試して、試し切ること。そうしなければ、勝ち筋は見えてこない(p63)

理解・人材・意思決定の壁

大企業での社内起業に限れば、新規事業には親会社の理解の壁、人材の壁、意思決定の壁があるようです。つまり、大企業がゆえに社内からの干渉を排し、人材や意思決定での協力を得るための交渉力が必要なのです。


きれいな資料を作る暇があったら顧客の話を聞いたほうがよいなど、実戦的な内容でしたので★5とします。守屋さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・コミュニケーション・・・優先すべきは「あなたのメリットはこれです」と「だからこうしたいんです」という相手に利益を設計したうえでの主張だ(p126)


・大企業の新規事業・・・「3つの切り離し」の3つは、資金、意思決定、評価である(p153)


・第2の大罪 経験なき理屈(p165)


▼引用は、この本からです
「起業は意思が10割」守屋 実
守屋 実、講談社


【私の評価】★★★★★(90点)


目次

序章 ウィズ・コロナで何が変わったのか?
第1章 起業に大事な9つのポイント
第2章 起業の必修3教科 新道徳・新国語・新算数
第3章 失敗し尽くした先に学びがある
第4章 切り拓いている人の起業の物語
終章 あなたの真の強みは何か



著者経歴

守屋 実(もりや みのる)・・・1969年生まれ。明治学院大学卒。1992年にミスミに入社後、新市場開発室で、新規事業の開発に従事。2002年に新規事業の専門会社、エムアウトを、ミスミ創業オーナーの田口氏とともに創業、複数の事業の立上げおよび売却を実施。2010年に守屋実事務所を設立。新規事業創出の専門家として活動。ラクスル、ケアプロの立上げに参画、副社長を歴任後、博報堂、ジーンクエスト、サウンドファン、ブティックス、SEEDATA(博報堂グループ)などの取締役など、リクルート、JR東日本スタートアップなどのアドバイザーを歴任。2018年4月にブティックスを、5月にラクスルを上場に導く。


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