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「最速で課題を解決する逆算思考」中尾 隆一郎

2020/01/09公開 更新
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【私の評価】★★★★★(94点)


要約と感想レビュー

 リクルートに入社し、リクルートテクノロジーズ社長、住まいカンパニー執行役員、リクルートワークス研究所副所長を歴任した著者の仕事術です。


 スーモカウンター推進室長時代には6年で売り上げ30倍、店舗数12倍、従業員数を5倍を達成したという。さらにリクルートグループに管理会計の仕組みを導入し、リクルート社内大学で11年間、管理会計の講師をしていたという。学んだことを業務の中で活用し成果を出してきたことがよくわかります。


・リクルートでは・・WCMという仕組みがありました・・3年後になりたい姿がW(Will)です。そしてそのWを実現するためには、必要なスキルなどを習得する必要があります。それがC(Can)です・・最後のM(Must)は、その半年に会社がそのメンバーにもとめているミッションです(p68)


 課題解決においては、ゴールから逆算して計画する人が、生産的であるというのは納得です。さらに生産的なのは、そもそもこの仕事をやるべきかやる必要がなければやらない、と断れる人だという。そう言われればそのとおり。


 そして、そこからさらに生産的なのは、簡単な課題からスタートして、短期間に成果を出してから、さらに拡大させていく人だという。小さく生んで、実績を作り大きく育てるという実践的な教えなのです。


・「ゴールから逆算する(後ろから考える)タイプ」は・・「すぐに着手する(前からやる)タイプ」より生産性が高いのですが、このタイプEは、さらに生産性が高くなります。タイプEは「そもそも、この仕事をやるべきかどうか」を事前に判断します(p55)


 著者の仕事は、仕組みを動かして、成果を作り出していくという印象を持ちました。悪い情報が上がってこないなら上がってくる仕組みを作る。プロジェクトがうまくいかないならプロジェクトマネジメントによる管理を行なう。仕組みを作ることでだれでもその仕事の流れを再現することができるのです。


 充実した内容でした。中尾さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・短期間に成果が出る(相対的に簡単な)論点を解決することから始めるのです・・短期間に成果が出ます。するとプロジェクトメンバーは、「自分たちは、できるのだ!」と自信を持ちます(p95)


・期初に主要ミッションを決めて、メンバー全員と共有し、すべてにプロジェクト定義書を作ります・・・期末には、その振り返りを組織全体で実施します(p163)


・リスク分析の例・・
 実施計画
 重点分析域
 検討を要する具体的リスク
 原因想定
 寄与度
 予防対策
 発生時対策
 発動条件
 発動者名(p156)


・悪い情報が上がってこないのを防ぐツール・・YMC(弱みを・見せ合う・カフェ)・・悪い情報から聞いています。経営陣は、悪い兆しを聞きたいという表明です(p161)


・候補者4人から最適な人を選ぶ(決定分析)
 MUSTの物差し・・
 WANTの物差し・・
 チェックリスト(リスク項目を洗い出し、そのリスクを「予防」「発生時対策」でコントロールできるかを確認(p102)



中尾 隆一郎、秀和システム


【私の評価】★★★★★(94点)


目次

第1章 まずはゴールを考える
第2章 論点を明確にする
第3章 仮説を検証してアクションにつなげる
第4章 生産性を高めるプロセスの広げ方・閉じ方
第5章 様々な事例から学ぶ



著者経歴

 中尾 隆一郎(なかお りゅういちろう)・・・1987年、大阪大学工学部卒業。1989年、大阪大学大学院修士課程修了、株式会社リクルートに入社し、主に住宅、人材、IT領域の業務に携わる。スーモカウンター推進室長時は、6年間で売上30倍、店舗数12倍、従業員数5倍に拡大させた。リクルート住まいカンパニー執行役員、リクルートテクノロジーズ代表取締役社長、リクルートホールディングスHR研究機構企画統括室長、リクルートワークス研究所副所長などを務める。リクルートの社内大学で「KPIマネジメント」「数字の読み方・活用の仕方」の講師を11年間担当。2018年3月、同社を退職し、株式会社中尾マネジメント研究所を設立。


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