「天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々」 メイソン・カリー
2017/07/31公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
要約と感想レビュー
地元図書館でボランティアとして「時間術セミナー」を開催しているので、話のネタになるな、と手にした一冊です。161人の小説家、作曲家、詩人、画家、哲学者、映画監督、科学者の日常を抜き出した一冊です。
セミナーで説明するために161人全員の一日を棒グラフにしてみました。朝5時前に起きるといった早起きは思ったよりも少なくて、半分くらいでしょうか。
・習慣は聡明な人間においては野心の表れである
(詩人 W・H・オーデン)(p21)
気づいた点としては、午前中に創作活動する人が多い、昼寝をする人が多い、散歩をする人が多い、ということです。起きてすぐの午前中が頭の調子が良いのは、当然のことでしょう。その後、昼食をして頭をリフレッシュするために昼寝をしたり、散歩したりしているのです。
例えば、コペンハーゲンに住んでいたキルケゴールは、午前中に執筆し、正午になると散歩に出かけたという。散歩から戻るとまた執筆を始め、夜まで書きつづけ、最高のアイデアが浮かぶのはいつも散歩中だったという。
・「私は毎日書かなければならない。それは成果をあげるためではなく、習慣を失わないためだ」これはロシアの文豪トルストイが1860年代の半ばに書いた数少ない日記のなかの一文で、『戦争と平和』の執筆に没頭していたころのものだ(p254)
人間は習慣の生き物であると思いました。伝記作家のマイケル・ペビアットも、ベーコンは「習慣の奴隷」で、生涯を通じてほとんど変化のないスケジュールに従っていたと書いています。人は習慣の中で、仕事を積み重ね、大きな成果を出していくわけです。カリーさん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・何時に食事をして、そのあと昼寝をするかどうか教えてくれれば、あなたがどんな人かいいあてましょう(p13)
・午前 問い:今日はどんなよいことをしようか?・・
夕 問い:今日はどんなよいことをしたか?
(ベンジャミン・フランクリン)(p48)
・何年かのちにフローベールはこう書いている。「結局、仕事はいままでも人生から逃避する最高の方法なのだ!」(p61)
・28歳だった(ウィリアム)ジェイムズは、日記のなかで自分自身に向けてこう警告している。「忘れるな。規則正しい生活習慣がついて初めて、人は真に興味深い活動分野に進むことができ、その結果、意図的な選択をひとつひとつ、まるで守銭奴のように蓄積していける―ひとつの輪が抜けると、無数の輪がはずれてしまうことを、決して忘れるな(p127)
フィルムアート社
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
目次
W.H.オーデン(詩人)
フランシス・ベーコン(画家)
シモーヌ・ド・ボーヴォワール(作家・思想家)
トーマス・ウルフ(作家)
パトリシア・ハイスミス(作家)
フェデリコ・フェリーニ(映画監督)
イングマール・ベルイマン(映画監督)
モートン・フェルドマン(作曲家)
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(作曲家)
ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン(作曲家)
セーレン・キェルケゴール(哲学者)
ヴォルテール(哲学者)
ベンジャミン・フランクリン(政治家、学者)⇒
アンソニー・トロロープ(小説家・郵便職員)
ジェーン・オースティン(小説家)
フレデリック・ショパン(作曲家)
ギュスターヴ・フローベール(小説家)
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(画家ど)
トーマス・マン(小説家)
カール・マルクス(哲学者)
ジークムント・フロイト(精神科医)
カール・グスタフ・ユング(精神科医)
グスタフ・マーラー(作曲家)
リヒャルト・シュトラウス(作曲家)
アンリ・マティス(画家)
ジョアン・ミロ(画家)
ガートルード・スタイン(著述家)
アーネスト・ヘミングウェイ(小説家)
ヘンリー・ミラー(小説家)
スコット・フィッツジェラルド(小説家)
ウィリアム・フォークナー(小説家)
アーサー・ミラー(劇作家)
ベンジャミン・ブリテン(作曲家)
アン・ビーティー(著述家)
ギュンター・グラス(小説家)
トム・ストッパード(劇作家)
村上春樹(小説家)⇒
トニ・モリスン(小説家)
ジョイス・キャロル・オーツ(小説家)
チャック・クローズ(美術家)
フランシーン・プローズ(著述家)
ジョン・クーリッジ・アダムズ(作曲家)
スティーヴ・ライヒ(作曲家)
ニコルソン・ベイカー(小説家)
バラス・スキナー(心理学者、行動分析学)
マーガレット・ミード(文化人類学)
ジョナサン・エドワーズ(神学者)
サミュエル・ジョンソン(詩人)
ジェイムズ・ボズウェル(著述家)
イマヌエル・カント(哲学者)
ウィリアム・ジェームズ(哲学者)
ヘンリー・ジェイムズ(小説家)
フランツ・カフカ(小説家)
ジェイムズ・ジョイス(小説家)
マルセル・プルースト(小説家)
サミュエル・ベケット(小説家)
イーゴリ・ストラヴィンスキー(作曲家)
エリック・サティ(作曲家)
パブロ・ピカソ(画家)
ジャン=ポール・サルトル(哲学者)
T・S・エリオット(詩人)
ドミートリイ・ショスタコーヴィチ(作曲家)
ヘンリー・グリーン(作家)
アガサ・クリスティ(小説家)
サマセット・モーム(小説家)
グレアム・グリーン(小説家)
ジョゼフ・コーネル(芸術家)
シルヴィア・プラス(詩人)
ジョン・チーヴァー(小説家)
ルイ・アームストロング(ミュージシャン)
ウィリアム・バトラー・イェイツ(詩人)
ウォーレス・スティーブンス(詩人)
キングズリー・エイミス(小説家)
ウンベルト・エーコ(哲学者)
ウディ・アレン(映画監督)
デヴィッド・リンチ(映画監督)
マヤ・アンジェロウ(詩人)
ジョージ・バランシン(バレエ)
アル・ハーシュフェルド(風刺画家)
トルーマン・カポーティ(小説家)
リチャード・ライト(小説家)
H・L・メンケン(ジャーナリスト)
フィリップ・ラーキン(詩人)
フランク・ロイド・ライト(建築家)
ルイス・I・カーン(建築家)
ジョージ・ガーシュウィン(作曲家)
ジョセフ・ヘラー(作家)
ジェームス・ディッキー(詩人)
ニコラ・テスラ(電気技師)
グレン・グールド(ピアニスト)
ルイーズ・ブルジョワ(彫刻家)
チェスター・ハイムズ(小説家)
フラナリー・オコナー(小説家)
ウィリアム・スタイロン(小説家)
フィリップ・ロス(小説家)
P・G・ウッドハウス(小説家)
エディス・シットウェル(詩人)
トマス・ホッブズ(哲学者)
ジョン・ミルトン(詩人)
ルネ・デカルト(哲学者)
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(詩人)
フリードリヒ・フォン・シラー(詩人)
フランツ・シューベルト(作曲家)
フランツ・リスト(作曲家)
ジョルジュ・サンド(小説家)
オノレ・ド・バルザック(小説家)
ヴィクトル・ユーゴー(小説家)
チャールズ・ディケンズ(小説家)
チャールズ・ダーウィン(科学者)
ハーマン・メルヴィル(小説家)
ナサニエル・ホーソーン(小説家)
レフ・トルストイ(小説家)
ピョートル・チャイコフスキー(作曲家)
マーク・トウェイン(小説家)
アレクサンダー・グラハム・ベル(科学者)
フィンセント・ファン・ゴッホ(画家)
N・C・ワイエス(画家)
ジョージア・オキーフ(画家)
セルゲイ・ラフマニノフ(作曲家)
ウラジーミル・ナボコフ(小説家)
バルテュス(画家)
ル・コルビュジエ(建築家)
バックミンスター・フラー(思想家)
ポール・エルデシュ(数学者)
アンディ・ウォーホル(画家、ポップアート)
エドワード・アビー(作家)
V・S・プリチェット(著述家)
エドマンド・ウィルソン(著述家)
ジョン・アップダイク(作家)
アルベルト・アインシュタイン(科学者)
ライマン・フランク・ボーム(児童文学作家)
クヌート・ハムスン(小説家)
ウィラ・キャザー(小説家)
アイン・ランド(小説家)
ジョージ・オーウェル(小説家)
ジェイムズ・T・ファレル(小説家)
ジャクソン・ポロック(画家)
カーソン・マッカラーズ(作家)
ウィレム・デ・クーニング(画家)
ジーン・スタッフォード(作家)
ドナルド・バーセルミ(小説家)
アリス・マンロー(小説家)
ジャージ・コジンスキー(小説家)
アイザック・アシモフ(小説家)
オリバー・サックス(神経学者)
アン・ライス(小説家)
チャールズ・M・シュルツ(漫画家)
ウィリアム・H・ガス(小説家)
デヴィッド・フォスター・ウォレス(漫画家)
マリーナ・アブラモヴィッチ(アーティスト)
トワイラ・サープ(ダンサー)
スティーヴン・キング(小説家)
マリリン・ロビンソン(小説家)
ソール・ベロー(小説家)
ゲルハルト・リヒター(画家)
ジョナサン・フランゼン(小説家)
マイラ・カルマン(画家)
ジョルジュ・シムノン(小説家)
スティーヴン・ジェイ・グールド(古生物学者)
バーナード・マラマッド(小説家)
著者経歴
メイソン・カリー(Mason Currey )・・・ペンシルベニア州ホーンズデール生まれ。ノースカロライナ大学アッシュビル校卒業。卒業後、2005~2013年まで、ニューヨークの雑誌『Metropolis』、『Print』で編集者として勤務。その後、フリーランスライターとして『Slate』『New York Times』その他の媒体に寄稿。個人で運営していたブログ「Daily Routine」を元にした『Daily Rituals』(New York:Alfred Alfred A.Knopf,2013)が初単著となる。現在は、ウェブサイト「Core77」のシニア・エディターとして勤務しながら執筆活動を行なっている
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