「その習慣を変えれば「うつ」は良くなる!」佐々木 司
2017/06/20公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(82点)
要約と感想レビュー
精神科医が教えるうつ病への対策です。うつ病は、やる気が出なくなる状態ですが、心の病気というよりは、体の病気らしい。体が休むことを求めている状態がうつ状態なのです。特に、心身の疲労回復は睡眠中に行われるというのです。
例えば、それまで8時間は寝ていた新入生や新入社員が、大学や会社に入った途端、6時間睡眠になり、体調不良になることがあるという。朝も布団から起き上がれず、辛くてたまらないという状況になる場合もあるのです。この人は1日6時間の睡眠では足りない体質の持ち主なので、睡眠時間をちゃんと取れば治るのです。
・日本人の睡眠時間は短過ぎる・・1日当たりの平均睡眠時間が最も長いのはフランスの530分で、9時間近くになります。以下、米国(518時間)、スペイン(514時間)・・日本(470時間)(p33)
「うつ」になったら休むことです。調子が悪いということは、体が休みを要求しているのですから、健康なとき以上の睡眠時間を取る必要があるのです。特に睡眠時間を長めに取りたいものです。そもそも日本人は睡眠時間が短いのです。最低8時間くらいは寝るようにしたいものです。
また、仕事であれば、過労で動けなくなることを繰り返してきた人は、経過記録をみて、このときに休み休み取り組めばよかったのか、これから気をつけようなどと、コントロールすることが大事だという。疲労感や気分の波を経過表に書くことで見える化するのです。
・最高の休日は「ぼんやりのんびり」・・少々疲れを感じたときは、オーバーヒートした脳を休めなければならないと考えて、ぜひぼんやり、何もしないで過ごす時間を作りましょう(p111)
疲れる前に休むのが難しいんだよな、と思いました。そういう意味で、学校の時間割は規則正しい勉強ができるので効果的ですね。仕事も時間割にしたがってやれれば良いのですが。佐々木さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・たとえば徹夜で仕事をしなければならないとか、気の弱いお嫁さんの家に、口うるさいお姑さんが何週間も滞在して、一挙手一投足に文句をいわれる・・脳の中では交感神経が空回りして心身が緊張し、ちょっとしたことで傷つきやすくなる(p30)
・受験勉強で消耗しきった学生が合格・入学というゴール到達後間もなく、不調に至るというパターンです(p50)
・昼寝は「眠った」という自覚がなくてもかまいません。楽な姿勢で目を閉じているだけでも、脳波検査をしてみると、ごく軽い睡眠に達していることが多いのです(p106)
・悩めるときは体を動かそう・・うつの予防策として運動をする時には、まさにこの、「心地よい疲労感」を得ることが重要です(p115)
講談社
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【私の評価】★★★★☆(82点)
目次
第1章 うつはホントに「心の風邪」?
第2章 うつを生む現代人の生活
第3章 うつと生活習慣の深い関係
第4章 効果的な予防法
第5章 上手なセルフケアと治療の受け方
第6章 再発の予防に必要な生活習慣
著者経歴
佐々木司(ささき つかさ)・・・1960年、横浜生まれ。精神科医、東京大学教授。85年、東京大学医学部卒業。同附属病院精神神経科医員、神経研究所附属晴和病院医員などを経て、93年にトロント大学クラーク精神医学研究所に留学。帰国後、帝京大学医学部助手(96年)、講師(99年)、東京大学保健センター精神科講師(99年)、同助教授・副センター長(2000年)などを歴任。2008年より東京大学教授(精神保健支援室長)、2010年より同大学院教育学研究科健康教育学分野教授。現在にいたる
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