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「個を動かす 新浪剛史 ローソン作り直しの10年」池田信太朗

2017/03/08公開 更新
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個を動かす 新浪剛史 ローソン作り直しの10年


【私の評価】★★★☆☆(78点)


要約と感想レビュー

2002年、ダイエーの子会社から三菱商事の子会社となったコンビニ「ローソン」。 ローソンの社長には、三菱商事でローソンを担当していた42歳の新浪剛史が抜擢されました。普通なら三菱商事からの出向となりますが、新浪は三菱商事からの転籍を選びました。退路を断ったのです。


ローソンで待っていたのは、赤字の直営店とダイエーからの転籍者でした。新浪の打ち手は、赤字の直営店の閉鎖と高齢の管理職の早期退職です。また、店舗運営の基本である、品揃え・接客・清潔さについて向上できない加盟店には契約を解除したという。


・早期退職で部長クラスを二割削減。700店あった直営店舗のうち不採算の211店を閉鎖・・にもかかわらず、おにぎりの販売促進に10億もの大金をつぎ込むという・・宣伝担当者は驚き呆れた(p71)


それと並行して、最高の"おにぎり"を商品化しました。リストラをしながら、その資源を"おにぎり"に集中させたのです。今では常識の「おにぎり」商品化については、「商品のことなどまるで分からない素人たちにどこまでできるか、お手並み拝見」と、商品部員たちが新浪プロジェクトに冷ややかな対応であったという。


なぜ「おにぎり」なのかといえば、それまでの商品部が「お客様を見ていない」ことが問題であったと分析しています。つまり、商品部はお客様が求めている商品ではなく、粗利益が取れるものを店舗に流していただけだったのです。


どこの組織にも、「お手並み拝見」の人たちはいるのです。それと同じように、どこの組織にも会社を良くしようと考える人もいるのです。そうした人たちの力関係で、ローソンのおしいい"おにぎり"ができたのですね。池田さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・新浪君、『民意』を得ることが大切だ。実るほど頭を垂れる稲穂だよ。それと、改革はスピーディにやることだ
 三菱商事社長・佐々木(p51)


・まず『あるべき姿』をしっかり考えて落とさないとだめだ。改革ってのは意見を聞いちゃいけないんだよ。担当者の意見を聞いて調整していたら、サプライチェーンなんて一生変えられないんだ!・・(p224)


・『お客様のために』ということを徹底しなくちゃいけない。会社のメンツや株主など『ご本体様を守るために』行動するような組織であってはいけない。そういうメッセージを社員たちに伝えたかった(p58)


個を動かす 新浪剛史 ローソン作り直しの10年
個を動かす 新浪剛史 ローソン作り直しの10年
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池田信太朗
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【私の評価】★★★☆☆(78点)

目次

第1章 試された「分権経営」── ドキュメント・東日本大震災
第2章 迷走する経営と上場の「傷跡」── 社長就任前夜
第3章 一番うまいおにぎりを作ろう──「成功体験」を作る
第4章 「田舎コンビニ」を強みに転じる ── 「ダイバーシティーと分権」の導入
第5章 オーナーの地位を上げましょう ── 「ミステリーショッパー」の導入
第6章 加盟店オーナーにも「分権」──「マネジメント・オーナー」の誕生
第7章 「個」に解きほぐされた消費をつかむ ── 「CRM」への挑戦
第8章 「強さ」のために組み替える ── 「BPR」の取り組み
第9章 僕が独裁者にならないために ── 集団経営体制と新規事業
第10章 人間・新浪剛史 ── その半生



著者経歴

池田信太朗(いけだ しんたろう)・・・『日経ビジネス』記者。ビジネス情報誌『日経ネットブレーン』、中小企業向けIT情報誌『日経IT21』、『日経アドバンテージ』、定年退職者向けライフスタイル誌『日経マスターズ』の編集・記者などを経て、2006年から『日経ビジネス』で小売り業界を中心に取材、執筆。2011年12月に『日経ビジネスDigital』の立ち上げを担当し、2012年1月から編集長。2012年9月から香港支局特派員(


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