「誰からも必ず「よかった! 」と言われる話し方39のコツ」夏川 立也
2016/06/11公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
「新婚さんいらっしゃい!」の前説(本番前に観客に行う説明)を、10年間続けた著者が教える人前での話し方のコツです。まず著者のお勧めは、自分が話している言葉を録音することです。そのまま文字にしたときに、ちゃんとした文章になっているのかチェックしてみましょう。
そして、芸人や落語家は話のプロですので、話のパターンを持っています。出だし(まくら)+中味+まとめという構成だと、お後がよろしいようです。また、最初に「どんな話をするか」というフレームを示すと、多くの人が話を聞いてくれます。「少し難しい話になりますが」などと事前のフレーム説明によって話し手と聞き手の溝が埋まるのです。
・出だしはどう工夫すればよいのでしょうか?・・あなたのことを知ってもらうための出だしのコンテンツを落語のように固定すればよいのです(p80)
そして、パターンを固めておきながら、講演の前にネタをくる(ネタくる)、つまり事前のシミュレーションを行います。事前のリハーサルによってお客さんに合わせて話を微妙に調整したり、アドリブの準備をするのです。アドリブのネタについても、日頃からネタ帳を作って準備しているとのこと。
お笑いの人も落語家も、「こういうときには、こう言う」という「シミュレーション・ノート」を作っているのです。そうした日頃からの蓄積によって小話もアドリブもうまくなれば、人前で話すのも楽しくなってくるのでしょう。
・アドリブには練習が必要です・・反省会や食事会で、よく「あのときの返し、あれ面白くなかったよ」などと話し合います(p183)
はやりプロは準備がしっかりしているなと感じました。「この日のために、この1ヵ月間、寝る間を惜しんで準備してきました」などと積極的にアピールすることや、「これは絶対に使えると思いますので」などと聞いている人の次の行動につながるお土産を用意することなどプレゼンに活用したいコツが満載です。夏川さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・2倍くらいのキャパシティを意識する・・10人の前で発表するのであれば、20人いると思ってください(p40)
・ネタくり・・頭の中で何度か話を繰り返すことを通じて、タイミングや語尾、ちょっとした強弱を自分なりにそのときどきに応じて調整する(p145)
・自分にキャッチフレーズをつける・・「会社では『整理整とんの人間国宝』と言われている・・(p110)
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【私の評価】★★★★☆(85点)
目次
1 誰からも必ず「よかった!」と言われる場づくりのコツ
2 誰からも必ず「よかった!」と言われるネタづくりのコツ
3 誰からも必ず「よかった!」と言われるパフォーマンスのコツ
著者経歴
夏川 立也(なつかわ たつや)・・・1990年京都大学工学部卒業。大学在学中に桂三枝(現在の六代目・桂文枝)師匠に弟子入り。卒業後は吉本興業の芸人として、テレビ、ラジオ、舞台、映画等で活躍。国民的長寿番組、「新婚さんいらっしゃい! 」にて前説を10年間務めた。その後、芸人として培った「場の空気づくり」に着目し、そのロジックを体系化した「パワー・コミュニケーション」プログラムを開発。コミュニケーションのコンサルタントとして、10年以上にわたって講演・研修活動を実施中。直近6年連続で企業等への出向回数が年間200回超を記録。聴講者(受講者)の累計は15万人を超える。
読んでいただきありがとうございました!
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