「「陰山英男の「集中力」講座―伝説の教師が教える、脳の実力を120%引き出す方法」陰山 英男
2016/06/07公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(93点)
要約と感想レビュー
集中力というよりも、時間を効率的に使い、人生の目標を達成するための手法をまとめた一冊です。教師として子どもに教えてきた技術を、大人版に改良したものです。今風に言えば、陰山流ライフハックでしょうか。
例えば、休暇は事前に決めて赤ペンで丸をつけておくとか、作業は1時間ちょっとで休憩を取るとか、寝不足を避けるなど効率的に時間を使う方法を教えてくれます。
・1時間半~2時間に一度10分休むクセをつける(p27)
注目したいところは、人から頼まれたらなんでもやるのは、「社会の便利屋」であるとして疑問を呈しているところです。人から頼まれたら、「自分のものさし」で受けるかどうかを判断したいのです。「自分のものさし」とは、10年後、どうなっていたいかという計画を作ることで、明確になります。そうした自分の軸を作って、軸に合わせて日々の計画を作るのです。
そうした「自分のものさし」は仕事だけではありません。家庭についても「ものさし」を作る必要があります。夫婦間の価値観が合わないのは当たり前であり、定期的に時間をとって意見をぶつけ合うべきというのが著者の提案なのです。
・「自分自身よりも周囲の評判を大事にする人」のことを「社会の便利屋」と呼んでいます・・人から仕事を頼まれたら、常に「すべきかどうか」考える(p127)
非常にレベルの高いライフハックでした。私も「自分のものさし」を再構築するため10年計画を見直します。著者は年に2回、移動時間に2時間以上ひとり会議を開くという。それしかできない、閉じられた空間だから集中できるということなのでしょう。陰山さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・1日1行だけでOKです・・「今日、何を成し遂げたか」を淡々と記録してください(p134)
・仕事は麻薬だ。やればやるほど上手くいく。そして人間としてダメになっていく。家族と健康だけは絶対に粗末にしてはいけない(岸本裕史)(p166)
・家庭の社会科見学・・・行き先は、学校が連れて行ってはくれないところ(p177)
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★★★(93点)
目次
第1章 手帳を使いたおして「集中しやすい計画」を立てる
第2章 集中力を鍛えあげる勉強と趣味の「没頭時間」
第3章 集中の邪魔になる雑念を根絶やしにする「ひとり会議」
第4章 心配事をなくす「家庭経営」のススメ
著者経歴
蔭山英男(かげやま ひでお)・・・ 1958年兵庫県生まれ。岡山大学法学部卒。小学校教員として百ます計算や漢字練習の反復練習を続け、基礎学力の向上に取り組む。2003年に広島県尾道市律土堂小学校の校長に就任。2005年治より中央教育審議会委員を務める。2006年4月より立命館大学教授(立命館小学校副校長を兼務)。2006年10月、教育再生会議委員を経て2008年10月より大阪府教育委員会委員に就任。
読んでいただきありがとうございました!
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