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「他人を攻撃せずにはいられない人」片田珠美

2016/06/02公開 更新
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他人を攻撃せずにはいられない人 (PHP新書)

【私の評価】★★★☆☆(71点)


■世の中には、「ドラえもん」の
 ジャイアンのような人もいれば、
 のび太のような人もいます。


 この本では、ジャイアンのような
 攻撃欲の強い人の特徴を分析し、
 その対応策を考えます。


 攻撃欲の強い人は、
 常に弱い人を探しており、
 攻撃欲の強い人の周囲には
 支配された弱い人がいます。


・攻撃欲の強い人は、
 まず弱い人をターゲットにする。(p92)


■この攻撃欲の強い人は、
 自分が悪いと全く思っていません。


 仕事だから、このままでは
 相手のためにならないので、
 指導しなくてはならないのです。


 さらに、失礼な奴を許してはならず、
 自分がこうした強固な態度に出るのは
 相手に問題があるから。


 おどおどした上司や部下もいますが、
 そうした人が悪いのです。
 しっかりしてほしい。


 会社に来なくなる人もいますが、
 その人の弱さであり、
 自分に何の問題があるというのでしょうか。


・攻撃欲の強い人は、
 ターゲットの領域を尊重しないくせに、
 逆に自分の領域が侵害されるのには
 耐えられない
(p117)


■あなたにも、こうした攻撃欲の強い人に
 思い当たる人がいるでしょう。


 そうした人は何があっても、
 変わる可能性は低いのです。


 対応策としては、一つは
 一度反撃するぞという強い姿勢を示すと、
 攻撃が止む場合がある。


 もう一つは、攻撃欲の強い人から
 物理的に離れること。または、
 依存状況から精神的に離れること。


 問題のある人に
 つける薬はないという結論ですが、
 最近はパワハラで内部告発という
 手もあるようです。


 片田さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


相手を支配して自分のほうが
 優位に立つことをめざしている・・
 そうなれば、自分の言動が問題にされることも、
 批判されることもなく、居心地の良い状況を
 維持できるのだから(p132)


・何よりも重要なのは、攻撃欲の強い人は
 罪悪感をかき立てる達人なので、
 そのために、こちらに責任があるのだと
 思い込まされてしまいやすいという
 構造を見ぬくことである(p187)


・罪悪感を、攻撃欲の強い人は、
 ターゲットを支配するためにしばしば利用する・・
 「君がきちんと資料を準備しておかなかったから、
  契約がうまくまとまらなかった」と失敗の責任を
 部下になすりつける上司などが典型である(p201)


・驚くのは、上司や同僚から、ひどい言葉で侮辱されたり、
 大変な仕事を平気で押しつけられたりして、
 さんざん痛い目に遭わされているのにもかかわらず、
 言い返さずに黙々と働いていればいつか
 相手の態度が変わるのではないかと淡き期待を
 抱いている人がいることである(p165)


・世の中は、助け合いたいという善意で動いている
 善人であふれていると思い込んでおり、
 周囲の人間の嫌な部分には目を向けようとせず・・
 現実を受け入れようとしない「夢見る夢子ちゃん」は、
 ターゲットにされやすいのである(p169)


・あなたが、ターゲットにされて
 悩んでいるのであれば、攻撃欲の強い人を、
 次の3つの点からとらえ直してみるといいだろう。
  1 なぜ、こんなふうにふるまうのか?
  2 一体何を恐れているのか
  3 何に対して劣等感を抱いているのか?(p180)


攻撃欲の強い人は変わらない可能性が高い・・
 あまり幻想を抱いてはいけない・・
 つける薬がないのだと認識したうえで、
 どんなふうに対応するかを
 考えなければならないのである(p185)


・こちらが、やられるままではすまさない、
 場合によってはやり返すぞという断固たる
 姿勢を示すと、引くことが多い。
 内心びくびくしているので、
 自分より強い者を避けようとする
ためである。
 いじめっ子が弱い者いじめしかしないのと
 同じである(p198)


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【私の評価】★★★☆☆(71点)



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■目次

第1章 「攻撃欲の強い人」とは
第2章 どんなふうに壊していくのか
第3章 なぜ抵抗できなくなるのか
第4章 どうしてこんなことをするのか
第5章 どんな人が影響を受けるのか
第6章 処方箋―かわし方、逃げ方、自分の守り方

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