「奇跡のみかん農園 けっして妥協しない零細農家のすごい仕事の話」谷井 康人
2016/05/19公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(95点)
要約と感想レビュー
和歌山県有田郡の谷井農園は、生絞りのみかんジュース720mlを1620円で販売しています。毎年、一部お断りするほどのみかんの注文が来ます。
これらは30年かけて、商品を開発し、顧客を開発し、販売システムを開発した結果なのです。
・農協や市場に頼らずに、「個人通販」で、みかんを消費者のもとへ届ける(p2)
まず、最初にやったのは、おいしいみかん、ジュースを作ることです。農薬を使わない。きちんと剪定する。木に合わせて肥料を変える。7割の売れないみかんは、ジュースにします。
特殊な高額ミキサーを購入する。風味を失わない熱殺菌を開発する。25リットルの小ロット生産をする。すべてが試行錯誤です。
・試行錯誤をしていく過程で、周囲の強い反発を受けることもあります。・・「社長、それは遠回りちゃいますか」「そんなめんどくさいこと、よう手伝いません」「やるんだったら、勝手にやってください」(p57)
人のやらないことをやると、社員からの反発もあります。それでも谷井さんは、試行錯誤を続けました。表紙の谷井さんの笑顔が輝いています。
その大変さと、30年のすごみがありましたので、★5つとします。谷井さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・国から助成されるとなると、補助金目当ての農家が増えます。そういう農家は自立できず、補助金が出なくなると、つぶれてしまいます(p7)
・傷は、「美味しいみかんの花」を見つけたハチが、蜜を吸いにきた時につけたもの。まさに、美味しさの証拠です。・・・傷がついたみかんは市場では売れません(p17)
・かりんのジュースにも風邪予防効果があり、寒い時期に飲むと、咳が止まります。ゆずや、かぼすの仲間であるじゃばらのジュースは、花粉症に効果てきめんです(p21)
・まずは自分でやってみて納得しないと、次には進めない・・失敗してもいいじゃないですか。そこから、また学べばいいのです。失敗は、絶対にその後に活きてくるんです(p58)
・雲の上の頂上に登りなさい。雲の上の頂上に登ると、下界からは見えない他の雲の上の山頂が見える(永田照喜治)(p88)
・「20代で、1000万円は食べなさい」・・「食べたら、プロに負けない舌ができる。まずは食べることだよ」(美木剛シェフ)(p98)
・若い時は、お金の貯金をするより、お金を経験に変えて、「経験」という貯金をしたほうがいい・・(p100)
・個人通販を始める時、自分の周囲の方々以外では、全国の上場企業の役員や著名人の方々にDMを送ることにしました・・当時はまだ合法だったのです(p112)
・いい空気を作り、場を清めるには、見えないホコリをとる必要があります。そのために、「ふきそうじ」が重要です(p137)
・経験を積んでいる最中に、悩むのはいいことだと思います。悩むことは内へ向かうこと、そして心を磨くことです。うんと悩めばいい(p192)
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【私の評価】★★★★★(95点)
目次
1章 「自然」に任せよ!
2章 目の前のものを磨いていけば、大きく成長する
3章 掃除で「よい物事」を循環させる
4章 自然が僕に教えてくれたこと 人は神なり、神は人なり
読んでいただきありがとうございました!
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