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「薬をやめれば病気は治る」岡本 裕

2013/06/03公開 更新
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薬をやめれば病気は治る (幻冬舎新書)


【私の評価】★★★★☆(82点)


要約と感想レビュー

 いきなり、「薬は毒」で始まる一冊です。著者(お医者さん)は、ほとんど薬を飲まないし、お客さまにも出さないという。それは、「薬は毒」だからです。


 薬漬けの老人などは、精神安定剤、睡眠薬、降血圧剤を減らしていくとボケが治る人が多いそうです。


・私自身、ほとんど薬を飲みませんし、患者さんにもめったに薬を出しません(p3)


 この本で例として出てくる毒薬は、風邪薬、コレステロールの薬、高血圧の薬、睡眠薬、精神安定剤、鎮痛剤、胃薬、抗生物質、骨粗鬆症の薬です。


 たとえば、血圧を下げる薬。日本では上の血圧160mmHg以上、下の血圧95mmHg以上で高血圧として、130まで下げることにしています。しかし、薬で血圧を下げると体調を崩す人が多い。本来は、食生活や生活習慣の改善で、血圧を下げるべきなのでしょう。


 基本的に薬は毒ですから、あくまでも一時的な避難的処置として薬は飲むべきで、自己治癒力、免疫力を高めるのが基本なのです。


高血圧の薬は体に悪い・・・お年寄りなどは、130未満どころか、人によれば160未満に下げてしまうだけでも、明らかに体調を崩してしまう方が少なくない(p119)


 うちの親もたくさん薬を飲んでいるな~と思いながら読みました。薬は毒。そうした意識を持って、必要最低限の薬を使っていきたいものです。岡本さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・病院の事務長から呼ばれて、お叱りを受けたことがあります・・「医者が患者に薬を出すのはあたりまえ、ちゃんと薬を出してくれないと、『市民病院は薬も出してくれない』と議員や市民からクレームがくるし、売り上げにも響きます」というようなことをいわれました(p52)


・薬に解毒に肝臓は大わらわ・・・化学物質が体内に入ると、解毒して代謝しなくてはいけませんので、肝臓や腎臓には余計なエネルギーや負担がかかります(p71)


・単なる薬の副作用で、1年間にどれくらいの命が犠牲になっていると思いますか?・・・アメリカでは、1年間に約10万人が犠牲になっていると公表されています(p104)


・私見となりますが、家で測定した上の血圧が、60歳くらいまでなら160、それ以上の年齢なら180を常に超える場合を除き、ほかにリスク(肥満や心臓、腎臓の病気がある)がなければ、降圧剤はいらないと思います(p122)


・薬で無理に血圧を下げてしまうと、元気がなくなる、集中力がなくなる、頭がぼうっとする、足元がふらつく、おしっこが出にくくなる・・・などなど、多くの方が体調の悪化を訴えます(p122)


・鎮痛薬のほとんどが、血管を収縮させ、交感神経を刺激します。したがって、鎮痛薬を飲み続けると、慢性的に免疫力(自己治癒力)は低下してしまいます(p139)


・人は、自分で動けて、食べられて、眠れれば、なかなか死なない(p167)


薬をやめれば病気は治る (幻冬舎新書)
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岡本 裕
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【私の評価】★★★★☆(82点)


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目次

第1章 薬をやめると健康になる
第2章 なぜ医者は薬をたくさん出すのか
第3章 薬は毒だと思え
第4章 薬を飲むと寿命が短くなる
第5章 薬を飲まない病気知らずの人が実践している黄金のルール


著者経歴

 岡本 裕(おかもと・ゆたか・・・1957年大阪市生まれ。「e-クリニック」医師、医学博士。大阪大学医学部、同大学院卒業。大学病院、市中病院、大阪大学細胞工学センター(現、大阪大学大学院生命機能研究科)にて主に悪性腫瘍(がん)の臨床、研究に携わった後、従来の医療・医学の考え方と手法に限界を感じて臨床医をやめる。1995年、「21世紀の医療・医学を考える会」を仲間とともに発足させ、2001年には、本音で答えるウェブサイト「e-クリニック」をスタート。


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