「パワー・クエスチョン」アンドリュー・ソーベル、ジェロルド・パナス
2013/05/15公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(93点)
■「質問」というものは、
仕事のコミュニケーションにおいて
非常に重要なものです。
「質問」とは、
相手に考えさせること。
そして、「質問」とは、
相手の意見を聞くことなのです。
・どういう質問をするか、そして、こちらの話に
どれだけ熱心に耳を傾けるかで、
その人間の経験と洞察力がわかる。
それだけのことだ。(p7)
■本書の冒頭にある著者の失敗例が、
「質問」の本質をうまく伝えてくれると思います。
著者はお客様へのプレゼンで
「まず御社のことを教えてもらえませんか?」
と質問されました。
著者は、必死に30分も説明し続けたのです。
もちろんプレゼンは失敗しました。
1年後、著者は上司のプレゼンに同行しました。
お客様は同じように
「まず御社のことを教えてもらえませんか?」
と質問しました。
上司は、少し考えて、
「弊社のどんな点に興味をお持ちですか?」
と質問し返したのです。
・「まず御社のことを教えてもらえませんか?」
デウィットはちょっと考え込んだ。そして、顔をあげて問い返した。
「弊社のどんな点に興味をお持ちですか?」
そう言って、あとは黙っていた。(p14)
■「質問」には、指示、命令よりも強力な
人を動かす力があります。
「質問」によって、
人に大事な点を思い出させ、
大事な点に気づかせることができるのです。
大事な点に気づけば、
あとは人は自発的に判断して動く、
というわけです。
・「御社のミッションと目標を確認させていただけますか?」
「これはあなたの価値観や信念と矛盾しないでしょうか?」(p37)
■著者がアメリカ人ということで、
日本でそのまま活用するのはどうかな、
という項目もありました。
しかし、
それを割り引いても十分価値のある一冊でしょう。
ソーベルさん、パナスさん
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・「これが君にできるベストなのか?」
スティーブ・ジョブズ(p70)
・「その体験でいちばん心に残っているのはなんですか?」
「○○(人間、信頼、人間性、原動力、計画など)について
なにを学びましたか?」(p112)
・「最初の半年でいちばん力をいれたのはなんですか?」、
あるいは
「この仕事について長期的な計画を立てられましたか?」(p90)
・自分の計画ばかり話してはいけない。
相手のために計画を立てて、それを押しつけるのもよくない。
まず、こう訊こう。
「あなたの計画を話してくれませんか?」(p157)
・王子に助言するときは、ご本人が忘れていたことを
思い出していただくという形をとるようにして、
王子に見えない光を指摘してはいけない
ハルタサール・グラシアン(p102)
・相手に仕事(あるいは人生)をじっくり
考えてもらいたいときには、こう訊くといい。
「今の仕事のなににもっと時間を充てたいと思いますか?
逆に、かける時間を減らしたいと思うことはなんですか?」(p122)
・「あと三年しか生きられないとわかったら、
あなたはどうしますか?」(p223)
・「紙を配りますから、一時間以内に自分の死亡記事を書いてください。
地元の新聞に載せるための生前の略歴です。
どんな記事にしたいですか?どんな人生を描きたいですか?(p134)
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【私の評価】★★★★★(93点)
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■目次
1 いい質問は安易な答えに勝る
2 どん底に落ちたくなかったら穴を掘るな
3 四語
4 売り込みがうまくいかないとき
5 ミッションは重要なのではない。すべてだ
6 洞窟から抜け出す
7 初めから始める
8 やり直す
9 理由がわかれば克服できないものはない
10秘密
11これはあなたにできるベストですか?
他
読んでいただきありがとうございました!
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