「コーチングの神様が教える「できる人」の法則」マーシャル・ゴールドスミス、マーク・ライター
2012/01/26公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(93点)
要約と感想レビュー
だいたい会社に入ると、普通の人ならば、会社に貢献したい・評価されたいと思って成果を求めて仕事すると思います。そして役職が上がっていくと、役員、部長クラスくらいで、一つの壁が出てくるという。
これを日本では、「器」と表現しています。つまり、人間性です。一般的には組織の上にいくにつれ、評価の軸が変わっていきます。
新人・・・労働力
主任・・・知識
課長・・・判断力
部長・・・人間力
役員・・・人の器という感じでしょうか。
・あなただったらどちらをCFOに選ぶだろう。会計の知識は並だが、社外の人とすばらしい関係を築き、ものすごく優秀な部下を管理する能力に長けている人と、会計の能力は抜群だが、社外の人とうまく関係を保てず、頭脳明晰な部下を遠ざけてしまう人。(p64)
この本では、順調に出世してきた人に、さらなるステップアップ、つまり器を大きくしてもらうための注意点を教えてもらいます。ジャックウェルチが著者からコーチングをうけたというくらいですから、あくまでも優秀な人向けです。あなたの職場にもいませんか?確かに優秀で、バリバリ成果を出しているんだけれど、どうもいけすかない人が。正しいがゆえに、嫌われるということです。
もしあなたが、答えを知っているとすれば、それは他人からは「傲慢」に見えるのです。もしあなたが、他人の役に立っているとすれば、他人は「干渉」と見るのです。もしあなたが、権限譲渡をしているとすれば、・他人は「責任回避」をしていると見るのです。また、どのような形であっても、人は批判されるのを好みません。同僚、友人、あるいは家族が発言したときには、「ありがとう」と感謝の気持ちを口に出して言うべきなのです。
・若くて、頭がよくて、会社のためを考え、高い倫理観を持ち、やる気満々、よく働き、企業家精神があって、クリエイティブで、カリスマ性があり、傲慢で、頑固で、何でも知っているという顔をする、恐ろしくいやなヤツだ。(p20)
こうした軌道修正は、ちょっとリスクがあります。それは、切れすぎる刃を隠してしまうと、元々の強みを消してしまう可能性があることです。それでも、なお、上に行くためには状況に合わせて、自分を変える必要があるのでしょう。潰される前に。
日本でもこうした傲慢で優秀な人が出世して、会社がコーチをつけて修正してくれるようになれ、革新社長が増えるんだろうなと思いました。こうしたコーチングをうけるべき優秀な人が増えることを祈って、ゴールドスミスさん、よい本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・地位が昇るにつれて、こうしたらどうかという提案は、命令となってしまう(p9)
・「申し訳ない」とひとこと言う。それで気持ちは軽くなる。・・・論理上はよくても、実際に行動となると難しい。(p126)
・聞き上手になるには三つのポイントがある。
1 彼らは話す前に考える。
2 敬意をもって話を聞く。
3 反応するときにはつねに「言う価値があるか」と自問する(p220)
・怒りっぽい人だという評判をなくすことの手助けは簡単・・・「口を閉じたままでいれば、誰もあなたが本当はどう感じているかを知ることができない」(p95)
・賢人なら、私たちを腹立たしくさせる人間は、生まれつき、そういう人間なんだ、と言うことだろう。彼の存在に腹を立てるのは、机が机であることに腹を立てるようなものだ(p95)
日本経済新聞出版社
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【私の評価】★★★★★(93点)
目次
セクション1 成功で厄介なこと
セクション2 あなたをトップの座から遠ざける20の悪癖
セクション3 どうすればもっとよくなれるのか
セクション4 「自分を変える」ときの注意すべきポイント
著者経歴
マーシャル・ゴールドスミス(Marshall Goldsmith)・・・エグゼクティブ・コーチングの第一人者。ジャック・ウェルチ元GE会長をはじめ、世界的大企業の経営者80人以上をコーチしたことで知られる。1949年ケンタッキー州生まれ。UCLAで博士号、インディアナ大学でMBAを取得。76年から大学で教鞭をとるかたわら、専門とする「360度フィードバック」の手法を駆使してリーダーシップ能力開発プログラムに従事。米国における「エグゼクティブ・コーチングのグル(先導者)」と呼ばれる。93年にはウォールストリート・ジャーナル紙から「エグゼクティブ教育のトップ10人」に、2004年には全米経営者協会から「過去80年間、マネジメント分野で最も影響を与えた50人の偉大な思想家・リーダー」に選ばれた。マーシャル・ゴールドスミス・パートナーズ社の創業者であり、世界の企業教育トップコンサルタントを組織したA4SL(戦略的リーダーシップ同盟)のパートナーもつとめる
マーク・ライター(Mark Reiter)・・・リテラリーエージェント兼作家
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最近、ためになったなぁというのが
「コーチング神様が教える「できる人」の法則です。
カーネギーさんの「人を動かす」の
実践版というところでしょうか?