「ECHOES -木霊-」辻 仁成
2011/11/12公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★☆☆(79点)
■著者のことはまったく知りませんでしたが、
ミュージシャンで小説家。
奥さんが中山美穂というほうが
分かりやすいのかもしれません。
この本では、
著者の硬膜下血腫からはじまります。
脳に血がたまり、
麻痺が出たのです。
・不意に麻痺が起こり、死というものを
意識した私は生まれてはじめて、
自分が生かされていたことに気が付くことが出来た。
いや、気付かされた?(p199)
■本来はパリに戻る予定が、
頭部動脈瘤の手術をした母親が心配で、
九州に向かい、飛行機の中で発症。
九州での緊急手術の執刀医は、
偶然にも母親の主治医でした。
予定どおりパリに帰っていたら・・・
母親が救ってくれたのか??
それとも偶然?
・白装束を纏った囚われの肉体の内側に、
その時、予期せず不意に感謝の念が起きたのである。・・・
まさかここで感謝をすることになるなどとは
想像だにしなかった。(p16)
■その他にも、
トンボが寂聴さんの居場所を教えてくれたり、
祖父の三十三回忌に芥川賞を受賞したり、
比叡山で大師の霊に出会ったり、
不思議な話が出てきます。
著者は感じやすいタイプなのでしょうか。
最後には、
世の中の不思議な縁と感謝に
落ち着くようです。
辻さん、
良い本をありがとうございました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・あらゆる人生の出来事、物事、めぐりあわせは、
この因と縁のそれぞれの働きによって、
生まれる(p25)
・何か目に見えない力によって招かれているのが分かる。
私はそういう時、抗わないようにしている。
むしろ、流れる川に身を任せるのである(p159)
・新しい仕事は躊躇わずにやってみる、
で、向かないと思ったら二度と手を出さない、
というのが表現者である私の指針である(p125)
・南無阿弥陀仏を教えたのは私の両親、そして妻であった。
この六文字は阿弥陀仏に帰依するという意味である。
浄土宗では、阿弥陀仏による救済を願って唱える言葉(p43)
・「煩悩あれば菩提あり」という仏教の教えがある。
これは「迷いがあるからこそ、
逆に悟りを開くことも出来るのだ」
という意味だそうである(p198)
・バカンスに出ない者は人間じゃないというような
風潮まであり、怠けるのとは違うが、楽しく生きる
(休む)ために働いている、のがフランス人なのである。
このフランス人的人生観を理解しつつも、
私はまだ真似ができないでいる。(p214)
・「心内にあれば色外にあらわる」という言葉がある。
心の中で思っていることは自然と顔色や動作にでる、
というものである。
人間は頭よりも心に支配されている証拠であろう(p233)
【私の評価】★★★☆☆(79点)
読んでいただきありがとうございました!
この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングに投票する
メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」 50,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。 >>バックナンバー |
配信には『まぐまぐ』を使用しております。 |
お気に入りに追加|本のソムリエ公式サイト|
コメントする