「シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは」ジョセフ・シュガーマン
2011/10/18公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(94点)
要約と感想レビュー
アメリカのマーケッティングの技術は、早朝のテレビマーケット番組でもわかるように非常に発達しています。ある意味、売れないものまで売ってしまうという怖さがあります。そうした怖い技術、マーケッティングの基本を教えてくれる一冊です。
例えば、最初に無料や安い商品を買わせるのです。そして見込み客のリストを作り、見込み客にもっと買ってもらったり他の商品を買ってもらうのです。
・大事なポイントの1つとして覚えておきたいのは「最初は必ず簡単なものを買わせる」ということだ。一度買わせることができたあとは、ほかのものを勧め、売上げを上乗せするのは簡単だ(p22)
もちろん日本でもダイレクトマーケティングとして知られている技術ばかりですが、面白いのはシュガーマンさんの具体例です。オレは、こうしてこの技術に気づいた。オレはこうして売ってみた。そして、失敗もした。こうしたストーリーが面白いのです。
欠点を先に言ってみるほうが説得力が増したとか、買う人が納得する理由を列挙するなど、今のテレビショッピングを見ているようです。こうしたアメリカの技術が日本でもアレンジされて採用されているわけです。
・ストーリーは人を引き寄せる。・・・人間味のあるストーリーはお客の心の結びつきを作り出し、そして堅くしてくれるのだ。(p71)
こうしたマーケッティングの技術は、顧客の反応を見ながら選別されきたのであり、一つの芸術でしょう。そして、それらの技術を組み合わせて、売れるキャンペーンを作り上げる。そして結果は数字として把握され、試行錯誤が繰り返されるのです。デジタルで恐ろしくリアルで厳しい世界なのです。
そうした厳しい世界で稼いできたシュガーマンさん。 良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・自動車を売っている人はお客に試乗させる・・・機械のスペアパーツの入った箱を一緒に開けてもらう。・・・販売プロセスに参加させる(p62)
・所有者となった自分の姿をイメージさせればいいのだ。商品がお客の自宅や会社や工場でどう役立つのか教えてあげることだ。(p63)
・欠点は、マイナス面を最初に提示することでお客の抵抗感を抑えたり、場合によってはまったく取り除いてしまうことだってある(p42)
・もし私が店の広告を打つとしたら、安いほうの商品しか載せない。来客比を増やすためだ。そしていったん買い物客が来店したら、先に高いほうの商品を売り込む。(p91)
・「納得のいく理由」・・・節約(お値打ちである理由を伝える)や健康上の理由・・・、評判・・・高級感など(p108)
・腕時計が一番よく売れるお客は、腕時計をすでに持っているお客だ(p166)
・「Keep It Stupid and Simple」(何事もバカでいい。しかも単純に)。(p188)
フォレスト出版
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【私の評価】★★★★★(94点)
目次
アイスクリームの注文手順
隣人の急死
愛とキャンパス売春婦
臭いもののフタは開けろ
災い転じて...
No.1テレビセールスマンの秘密
「手を上げろ!」でお金をもらう
ハワイで物語する
男子風呂の「公告」
社長の愛車はラビットです
著者経歴
ジョセフ・シュガーマン(Joseph Sugarman)・・・シカゴ近郊出身。JS&Aグループ、ブルー・ブロッカー・コーポレーション、デルスター・パブリッシング会長。マイアミ大学電気工学科に3年半在籍したのち、1962年に米陸軍に召集される。その後、ドイツに渡り、陸軍の諜報機関を経てCIAに勤務する経歴を持つ。1971年、世界初の電卓を販売する通販会社JS&Aを設立。1986年、販売の中心をエレクトロニクス商品から「ブルー・ブロッカー」ブランドのサングラスにシフトさせ、ダイレクトメール、通信販売広告、カタログ、テレビのインフォマーシャル番組、テレビショッピングチャンネル「QVC」を通じて販売。ブルー・ブロッカー・サングラスは世界中の媒体を通じて、2000万本超が売れている。彼の功績により、ダイレクト・マーケティング・マン・オブ・ザ・イヤーに選出(1979年)、業界最高峰のマクスウェル・サックハイム賞(1991年)も受賞している
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