「おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ」正垣泰彦
2011/09/26公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(93点)
要約と感想レビュー
■どこにでもある飲食店「サイゼリヤ」の
創業者の一冊です。
なんと1号店は、お客が来ないだけでなく、
お客のケンカで燃えてしまいました。
借金もあり、再起するためには、
今でいう二重ローン状態。
しかし正垣さんは、そのときに、
飲食店をやっている理由を
考えるきっかけになったと言っています。
イタリア人のように食事を楽しむ文化を
日本中に広めたいという思いをもって
サイゼリヤを経営していることを
思い出したのです。
・お客同士のケンカで起きた火事のために、店が燃えてしまった・・・借金だけが残った。・・・なぜ自分は飲食店をこんなに苦労してやっているのだろう、と真剣に考えることができた・・・(p123)
■前半は飲食店経営のコツが、
どんどん出てきます。
核商品を作る。
価格より品質を重視する。
売れている店を調査する。
飲食店の人なら100万円出しても
知りたいことではないでしょうか。
・「もっと利益を出せないのか」と1人で悩むよりも、売り上げや利益が伸びている店を調べるべきだ。(p39)
■後半は、経営者としての、
仕事への姿勢を教えてくれます。
経験が大切。
大きい目標を持つ。
利益は、社会への貢献に比例する。
実際の経験から積み上げられた
ノウハウには、迫力があります。
これを「凄み」と言うのでしょうか。
・経営者や・・リーダーにとって大切なのは、将来へのビジョンを持つことだ。それを周囲に言い続け、協力してくれる人を増やさなければならない。(p150)
■これだけ、出し惜しみしない本は、
ひさしぶりでした。
サイゼリヤは食材も出し惜しみしませんが、
経営ノウハウも出し惜しみしないようです。
これがすべての成功の源なのでしょう。
正垣さん、
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・私は経営に関わる本をむさぼるようにして読んでいた。創業以来の苦楽を共にした仲間たちに十分な給料を払ってやれていなかった・・・飲食業で働く人たちの賃金は他産業より低い。(p6)
・「人時生産性」とは、1日に生じた店舗の粗利益を、その日に働いた従業員全員の総労働時間で割ったもの・・・1時間あたり6000円を目標としている(p85)
・景気が良いときは、その無駄に気が付かないから、不況はそれを見直すチャンスと捉えるべきだろう。そうすれば、景気が回復してお客様が戻ってきてくださったときに、すごい利益を上げられるようになる(p19)
・サイゼリヤの原価率は34.2%(2009年8月期)・・・同じ品質の食材を普通に仕入れていれば、原価率は40%を大きく上回っているはずだ。(p109)
・何らかの試みで客数が増えれば、それはお客様が喜んでくれている正しい行動だと考えて継続する。一方、客数が下がれば、間違った行動だったと認め、それをやめれば良いわけだ。(p30)
・実際に店を視察するときは、「商品」「設備」「作業」「立地」の4分野について、それぞれ100項目ずつ書き出していく(p41)
・仕入れは価格より、品質を重視・・・仕入れ業者との間で、納品してもらう食材の品質について下限を決めることだ。(p95)
・私の持論では、料理の味の良しあしは80%が食材で決まる。料理人の技能など、その他の要因は残りの20%にすぎない。(p96)
・野菜。本当は店の裏にある畑から取ってきたばかりの野菜をその場で調理した作りたての料理が一番うまい・・・食材保管時の1「温度」と2「湿度」、収穫からの3「経過時間」、運搬時の食材への4「振動」の4つにこだわってきた(p110)
・仕事は、一生懸命に取り組んでいると「やりがい」を感じ、さらに頑張り続けると「生きがい」を感じるようになる。(p161)
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【私の評価】★★★★★(93点)
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