「フィンチの嘴」ジョナサン ワイナー

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フィンチの嘴―ガラパゴスで起きている種の変貌 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

【私の評価】★★★★★(92点)


■ダーウィンは、
 ガラパゴス諸島の生物に触発されて
 「種の起源」を書いたといわれています。


 そのダーウィンの進化論を実証するために、
 ガラパゴス諸島のフィンチ(小鳥)すべてを
 二十年以上にわたり、
 測定した科学者がいます。


 全てのフィンチに番号をつけ、
 体重、嘴のサイズを測定し、
 だれと結婚したのか、
 いつ死んだのか、
 食糧の種類、量などを
 すべて記録していったのです。


・全個体の戸籍をつくって追跡し、家計図を描き、
 ノートにその死亡年月日を記入するほど
 徹底的な調査研究が行なわれたのは、
 ダーウィンフィンチ類以外にない(p253)


■そこからわかってきたことは、
 非常に短時間に種というものは、
 環境に適応していくということです。


 自然は乾燥と豪雨、
 暑さと寒さと大きく移り変わりますので、
 その中で生物は、自然選択と多様性の助けにより、
 どんどん環境に適応していきます。


 変化の多い時期は、
 雑種や突然変異が増え、
 その中から適応する種が生まれる。


 反対に安定している時期には、
 現状維持をする力が
 強くなるようです。

 (人間社会と同じですね)


・生活条件が厳しくなると突然変異率を上げ、
 和らぐと再び率を下げる生物が多いようだ(p280)


■島で進化した生物は、
 大陸よりも競争が少なく、
 独特の進化をするという事実に
 「日本」をイメージしました。


 「日本人」こそ、
 人間が特殊に進化してきた
 特異な種なのかもしれません。


・島の生きものたちは大陸にいる近縁種よりも絶滅する
 危険が高い。個体数が少なく、大陸で見られるような
 熾烈な競争から隔離されて進化してきたからである(p310)


■生物の進化の不思議さを
 追求した一冊でした。


 生物学の楽しさがわかりますが、
 一方で、進化が抗生物質に耐性を持った
 細菌を生みだしていることもわかりました。


 進化を突き詰めながら、
 生物の一種である人間というもの
 についても深く
 考えさせられる一冊でした。


 ワイナーさん、良い本をありがとうございました。


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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・「科学は測定である」
 ヘンリー・ステイシー・マークス(p259)


・殺虫剤は毒に弱い個体を淘汰する。
 反対に、毒に強い個体ほど長生きして 
 多くの子孫を残すので、毒に強い個体は選択される(p319)


・ロックフェラー大学のアレグザンダー・トマスは、
 こう述べている。「バクテリア類が抗生物質に対して、
 これほど短い時間のうちにいろいろな対抗手段を
 身につけたと考えるとおそろしい」。(p327)


・ゾウの密猟者がゾウの牙が小さくなりつつあることに
 不満をもつのと同様、漁師たちも魚が小さくなることを
 おもしろくなく思っている。しかし、この魚とゾウの
 どちらの変化も、漁師や密猟者自身がもたらした
 選択の直接の結果なのである(p334)


・変化する状況の中で雑種が有利なのは、
 雑種はくちばしなどが非常に個体差に富んでいるから
 というだけではない。雑種の持って生まれた新しい
 遺伝子が、わずかばかり有利な形質を数多く
 生みだしたからという理由もあるだろう(p247)


・ローズメリー曰く、「大事なことは、
 種はじっとしてはいないということ。
 種を『保存する』ことはできません。
 種は常に変化しており、さらに変化する
 可能性をはらんでいるのです(p315)


・ピーターとローズメリーに言わせれば、
 自然選択は一世代単位でも起こるが、
 進化は世代を超えて起こるものである。(p105)


【私の評価】★★★★★(92点)



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