「アル・ケッチァーノと美味なる男たち 庄内パラディーゾ」一志 治夫
2010/08/09公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
■山形県鶴岡市に、地元の素材を使った
「アル・ケッチャーノ」という
レストランがあります。
シェフは東京で5つの店で修業した
奥田政行さん。
彼の実家もレストランを経営していましたが、
知り合いに騙され、借金で潰れました。
彼は、修行のために東京に向かいます。
親の困窮もあり、彼は短期間で実力をつけ、
地元に戻って一旗揚げなくてはならなかったのです。
・人に騙され、無記名の小切手を切ったのを端緒に、借金が雪だるま式に増えていって・・・この頃の父親の口癖は、「人のことは信用するな」だった。(p46)
■努力のかいもあって、奥田さんは、
どの調理場でも味見係を任されるほどの
腕前となります。
そして、地元に戻り、庄内地域ならではの食材を
使ったレストラン「アル・ケッチャーノ」を
作りました。
カラトリイモ、藤沢カブ、
ズイキイモ、川内島キュウリ・・・
なんだか食欲をそそられますね。
■地域を元気にするとか、
産業育成などと行政は言いますが、
結局は、こうした変人とでもいうような人が
出るのかどうかなのだと感じました。
心が熱くなりました。
一志さん、良い本をありがとうございました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・日本全国に眼を移せば、いまや自家採種をしている農家は極めてわずかである。種を種会社から買うようになったのは、大雑把に言えば第二次世界大戦後である。(p29)
・カットしたサザエが8回で噛み終わるのであれば、合わせるウドもまた8回で噛み終わる固さに切って合わせる。昔はよくフレンチでも食材の大きさを整えろ、と言われたけれど(p90)
▼引用は、この本からです。
【私の評価】★★★☆☆(79点)
■著者経歴・・・一志 治夫(いっし はるお)
月刊「現代」記者などを経て、ノンフィクション作家に。著書多数。
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