「「先読み力」で人を動かす」村中 剛志
2008/07/29公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(94点)
■電通の吉田秀雄さんが書いた「電通鬼十則」のなかに、
次のようなものがあります。
二、仕事とは、先手先手と働きか掛けていくことで、
受け身でやるものではない。
六、周囲を引きずり回せ!
引きずるのと引きずられるのとでは、
永い間に天地の開きができる。
七、計画を持て!長期の計画を持っていれば、
忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
■口は悪いですが、この本は、
具体的に組織や周囲に先手先手と働きかけ、
引きずり回す方法を教えてくれる一冊です。
私が感心したのは、スケジュール作りです。
著者は3週間のスケジュールを作成しています。
そして、月曜日の定例会議で、
この3週間スケジュールを確認しつつ、
メンバーが今週やる予定の仕事を
5つ発表します。
「5つ」と具体的に指定することで、
細かく説明する人と、大雑把に説明する人の
ばらつきをなくしているわけです。
・メンバーが記入してきたTOP5のタスクを
発表してもらいます。
これはメンバー全員が発表します。
■最終的には、毎週の3週間スケジュールを
部下の持ち回りとすることを推奨しています。
部下にリーダーと同じ目線で考えてもらうことで、
次のリーダーの育成が可能となるのです。
・3週間スケジュールを月曜日の
朝11時の定例ミーティングで発表します。
このときの発表者は、メンバーの1人が
持ち回りで行います。(p118)
■多くの有能なリーダーがやっている方法かもしれませんが、
それを一般的な仕組みに落とし込んで、
マニュアル的にまとめていることが
素晴らしいと思いました。
プロジェクトリーダーのために
こんな本がほしかった。
2000冊読んでもこんな本はなかった。
そう、思わせてくれる本でした。
現役の著者だから書ける、真に実用的な一冊です。
文句なく★5つとしました。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・年上のメンバーをリードする方法・・・
「私がお客様だったら、○×と言うのではないでしょうか?・・・」
「ではそれを実際にお客様に聞いてみませんか?」(p225)
・自分でたたき台(議論のベースになるもの)
を作成してしまう(p167)
・仕事ができる人は、トラブルを起こさないように、
前もって起こりうる問題を予測する
「先読み力」がある(p4)
▼引用は、この本からです。
日本実業出版社
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プロアクティブについて、わかりやすい良書
入門書としてはよし
個人ベースの日程・タスク管理をチームに拡張
先読みの思想は良いと思いますが
【私の評価】★★★★★(94点)
■著者経歴・・・村中 健志(むらなか たけし)
1996年日本IBM入社。ITエンジニアを経て、
イギリスに3年間赴任。帰国後、役員補佐を経て、
IBCS(IBMビジネスコンサルティングサービス)出向。
2007年には年間最優秀プロジェクトで表彰される。
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