「ニンジンから宇宙へ」赤峰 勝人
2007/05/14公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(87点)
●著者の赤峰さんは、30年間農業一筋です。
最初の20年間は、試行錯誤の毎日でした。
赤峰さんは言います。
いまの農業は、化学肥料と農薬で土を殺す。
すると作物が病気になる。さらに農薬を撒く。
農薬と化学肥料で土が痩せて硬くなるの、
トラクターを買わせて畑を耕させる。
この繰り返しだそうです。
・化学肥料でごまかして土の中の養分が欠乏すると、
養分欠乏から、作物に病気が出てきます。
待ってましたとばかり、今度は農薬を高い金で買わせ、
撒かせて、結果、食べ物と土を
ダメにしてしまったのです。(p275)
●赤峰さんが20年目に気付いたのは、
いくら土の成分分析を行って、
化学肥料などで分析値を理想にしても
意味がないということです。
無農薬・無化学肥料で堆肥を使えば、
自然と土は理想の化学成分になるのです。
化学の力で数字を同じにしても、
生きた土にはなりません。
●私たちの常識は、無農薬野菜
イコール虫食い野菜です。
これもまた大間違いだそうです。
虫がつく野菜は、
未発酵の堆肥で育ったような害のある野菜であり、
病気になるのは弱っている野菜だそうです。
●つまり、虫が食べている野菜は悪い野菜などであり、
虫は悪い野菜、弱った野菜を食べて
土に返してくれていたのです!!
これは、「風の谷のナウシカ」で
腐海が毒を撒き散らしているのではなく、
腐海は土の毒を取り除こうとしているのと同じこと。
それなのに、人間が腐海を焼き払おうとするように、
人間は、虫を害虫として殺し、土を殺しているのです。
・葉について、葉を枯らすと思われてきた菌は、
悪い病菌なんかではなく、必要のなくなった葉を食べて、
糞にして、土に返してくれていたことが
わかってきます(p121)
●赤峰さんの畑では、堆肥による土で、
無農薬、無化学肥料で、
立派な野菜が取れるそうです。
赤峰さん自身も、その事実を知ったとき
感動したそうです。
その感動が伝わってくる一冊です。
●「ただ、いい野菜がつくりたかった。(p59)」
という赤峰さんの言葉には、迫力がありました。
化学肥料、農薬による安易な農業ビジネスに
警鐘を鳴らす一冊として
★4つとしました。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・農薬を散布して、体の変調を真っ先に感じたのは、
散布した本人であったはずでした。
手足の指の骨が曲がってしまったわけが何かは、
本人が直感的に知っていたはずです。・・・
それなのに、農薬や化学肥料を撒くことを
長い間やめなかったのは、
何だったのでしょう。(p41)
・アトピー性皮膚炎は病気ではありません・・・
アトピー性皮膚炎は、人間が作り出した毒
(化学合成させたもの)に敏感に反応して、
その毒を外に出してくれる、
自然治癒力なのです。(p176)
・塩田法・・・イオン式の塩が人体にもたらす影響の
学術的な裏付けも取らないまま、
イオン式塩への一本化に踏み切ってしまったのです・・
これは国を挙げての壮大な人体実験(p86)
▼引用は、この本からです。
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【私の評価】★★★★☆(87点)
■著者経歴・・・赤峰 勝人(あかみね かつと)
1943年生まれ。農業高校卒業後、百姓。
循環農法で完全無農薬野菜をそだてる。
1986年「なずなの会」を組織し、なずな新聞の発行、
なずな塾、講演などを行っている。
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お気に入りに追加|本のソムリエ公式サイト|発行者の日記
自身、身体の調子がおかしくなり病院に行ってもなんら対処なし、悩み苦しみの日々、そんな折りしも、この本に出会いました。
初版が、1996年ということで、すでに十年以上たっているにも拘らず、いえ、十年以上も前に現代の大きな問題を提唱し、その対策として自らが取り組んでおられる道は、真に正しく病気は、食べ物が大きく原因している、正しい食生活。
「ひとは食べ物の化けたもの」この一文に集約されているようにおもえます。
また、千島学説の提唱者でもあることに深く感銘を受けました。
良書(命の本)に出会えたことに感謝します。