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「黄昏のスペイン帝国―オリバーレスとリシュリュー」色摩 力夫

2007/03/10公開 更新
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黄昏のスペイン帝国―オリバーレスとリシュリュー

【私の評価】★★☆☆☆(65点)


■スペインのオリバーレスと、フランスのリシュリュー。


 二人の宰相が、国家の盛衰を左右する歴史が学べます。


 ヨーロッパの歴史の知識のない私には重い一冊でした。


 良い本をありがとうございました。


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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・フランス王国の「三部会」・・・三つの身分とは、
 聖職者、貴族、そして「第三身分」つまりブルジョアジーの
 三階級のことである。・・・その多くが「売官制度」により、
 何らかの官職の株を取得していた(p63)


・ドイツの「三十年戦争」は、・・宗教戦争の様相もないことはないが、
 ドイツにおける「国民国家」建設の主導権をめぐる抗争、すなわち
 政治的闘争だったとみるべきであろう。そして、結果としては、
 ハプスブルク王朝によるドイツの「国民国家」建設の夢は霧散霧消する(p76)


・セネカは、スペインのコルドバ生まれで、ローマ皇帝ネロの師であった。
 彼は、ローマ帝国の命運に警告を与えた。すなわち、ローマ帝国の
 道義的状況を、怠惰、偽善、性的退廃、華美飽食と要約して、
 帝国の衰退を予言した。これは、まさしくスペイン「帝国」の当時の
 状況と酷似している(p118)


・1621年3月末、フェリペ四世が即位すると・・・「ミリョーネス(売上税)」を
 補完するものとして、9年間にわたる「貢納金」の拠出を要請した・・・
 「ミリョーネス」とは、「葡萄酒、オリーブ油、酢、牛肉」に課せられる
 売上税である(p122)


・スペインに「絶対王政」が定着するのは、実に、次の世紀、
 つまり18世紀を待たねばならない。それは、スペインのハプスブルク
 王朝が消滅して、1700年に、フランスからブルボン(ボルボン)王朝を 
 導入してからのことである(p136)


・「30年戦争」の終結を契機として、スペインは、
 国際社会における覇権を決定的に失った。
 とって代わったのはもちろんフランスである(p339)


黄昏のスペイン帝国―オリバーレスとリシュリュー
黄昏のスペイン帝国―オリバーレスとリシュリュー
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色摩 力夫
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【私の評価】★★☆☆☆(65点)


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