「それがぼくには楽しかったから 全世界を巻き込んだリナックス革命の真実」リーナス・トーバルズ
2006/08/02公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★☆☆(78点)
●ヘルシンキ大学のコンピュータ好きのオタク学生が、
自分のコンピュータと大学のコンピュータをつなぐ
自分だけのソフトウエアを作り始めました。
パソコンがどのように動いているか知りたい彼は、
ハードウェアレベルからOSを書き始めます。
・ぼくは、オタクでかつシャイだったわけだ・・・
ぼくはコンピュータの前に座ってさえいられれば、
最高に幸せなのだった。(p56)
●そしてそのソフトウエアが動き出し、
いろいろな機能を追加しているうちに、
そのソフトウエアは
OSとも言えるものになってきました。
そして、その新しいOSを無料配布し、
機能を向上させていくうちに、
その新OS(Linux)を使う人がどんどん増えてきたのです。
お金を払おうという人は大勢いましたが、
彼は無料配布を続けました。
・ぼくは、面白半分に、リナックスを使っている人々に、
お金でなくハガキを送ってくれと言ったのだ・・・
みんながどんな所でリナックスを
使っているかのほうに興味があった。
現金ではなく、ハガキがほしかった(p151)
●大学を卒業し、彼はトランスメタという
コンピュータの会社に就職しますが、
Linuxの開発は続けました。
その開発方法は、中身(ソース)をオープンにし、
やりたい人が無償でLinuxの改良に参加するという
オープンソースという考え方です。
そして、数多くの人が、自分の技術力を示すために無償で
Linuxの開発に参加したのです。
・ハッカーたちは、自ら貢献したプログラムに添付された
「クレジットリスト」や「履歴リスト」の中で、
自分の名前を出している。
頻繁に名前のでるハッカーは、
優れたプログラマーを探して次々と
プログラムを読んでいる企業の目にも留まる。・・・
オープンソースによる開発は、
プログラマーにチャンスを与えている(p192)
●それまで、だれもソフトウェアの中身(ソース)を
公開しようとはしませんでした。
なぜなら、公開すれば、
簡単に真似することができるからです。
しかし、一人のコンピュータが好きな学生が
ソースを公開することで、多くの協力者を集め
大企業でもなしえないほど強力なOSを作り上げたのです。
・OSはコンピュータの中で起こるすべての基本原理となる。
だから、OSを作るのは、最高にやり甲斐のあることだ。
OSを作るというのは、世界を作ることだ(p123)
●「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、
まさに好きなことをやることこそ、無限の可能性を
もっていると感じました。
日本では「志」という言葉がありますが、
この「志」と「好きなこと」が一致したとき、
大きな力が発揮されるのでしょう。
●リーナス・トーバルズの軽いジョークが満載で、
気軽に読める成功物語でした。★3つとします。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・今日のテクノロジーの発達は
(そして、悲しいことに、音楽の発展も)、
アインシュタイン(やモーツァルト)のような天才ではなく、
ごくたまに才能の閃きを見せる、
コツコツと作業をする膨大な数のエンジニアに
(音楽の場合、お金を持っている若い女性に)
頼っている。(p313)
・ソフト自体にかかるコストというのは、
投資額全体から見ればごく僅かなもので、
サービスとサポートにもっと金がかかるのだ(p243)
▼引用は、この本からです。
小学館プロダクション
売り上げランキング: 156855
優しい独裁者の「易しい哲学書」
リーナスの素顔&オープンソース論
お金よりも誇りに生きがいを感じる人たちに次世代を感じます。
著者のLinus Torvalds氏自体に興味がある人向け
【私の評価】★★★☆☆(78点)
■著者経歴・・・リーナス・トーバルズ
1969年フィンランド生まれ。
ヘルシンキ大学在学中にコンピュータのOS、Linux(リナックス)を
開発する。すべてのコードを公開するオープンソースの考え方で
世界のサーバーOS※の4分の1のシェアを誇る。
※OS:オペレーション・システム。コンピュータを動作させるために必要な
基本ソフトウェア。マイクロソフトWindows, Unix, Linuxなど。
読んでいただきありがとうございました!
この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングに投票する
メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」 25,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。 >>バックナンバー |
配信には『まぐまぐ』を使用しております。 |
お気に入りに追加|本のソムリエ公式サイト|発行者の日記
コメントする