「はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術」マイケル・E・ガーバー
2005/12/28公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(93点)
要約と感想レビュー
この本は、お店の運営に疲れきっている女性のお話から始まります。いわゆる自分で何でもやりたがる起業家の陥りやすい失敗パターンの典型だからでしょう。著者は、すべて自分でやろうとする職人タイプの人は起業してはいけない!と断言しています。つまり、経営者の仕事とは、作業を行うことではなく、仕事の仕組みを作り、人にやってもらうことだからです。
仮に職人タイプの人が起業すると、職人タイプの人はいやな上司から逃げるために起業したのに、今度は事業そのものが上司として、職人タイプの人を管理するという皮肉な状況に陥ってしまうのです。したがって、職人タイプの人は、他人が経営する会社で働くべきであって、決して自分で会社を立ち上げるべきではないのです。
そして、起業したら仕事の仕組みを作らなくてはなりません。仕事の仕組みとは、マニュアルです。マニュアル(システム)こそが、起業のサービスを規定し、自分がいなくても事業は継続していくのです。実は、私はこの本を半年前に読んでいたのですが、このマニュアルを重視する考え方を消化しきれず、本書を今日までご紹介していませんでした。しかし、やはり、マニュアル(のようなもの)は必要であるという考えに落ち着きました。
それは、まずトヨタが海外に工場を作ろうとしたとき、まず、トヨタウェイを文書化したという事実。また、仕事の仕組みを売って事業を拡大しようとした場合、仕事のパッケージ化は避けて通れないと理解したからです。
・ライバルとの差別化をするのは、システムなんだ。システムがなければ、安定した商品やサービスを提供することはできない(p201)
起業家が陥りやすい落とし穴を教えてくれる良書だと思いました。また、自社の事業を拡大していこうする人に必須の一冊です。★5つとします。
この本で私が共感した名言
・「事業のパッケージ化」は、会社の大きさに関係なく威力を発揮するという性質をもっている。(p94)
・どんな事業にも選択肢は成長するか、縮小するかの二つしかない。・・・いろいろな問題が起きてくると、職人タイプの経営者はそれを解決することをあきらめて縮小させてしまう。・・・そして『事業を縮小する』会社は、死を迎えることになる。(p76)
・店を出た私は、もうあの店には行くまい、と決心していた。それはカットのせいではない。・・・それは、毎回のサービスに一貫性がなかったということである。(p120)
・お客さんにアンケートをすれば、彼らの住所がわかるよね?地図に書き込んでみると特定のエリアに集中するはずだから、それをきみのお店の商圏と考えるんだ。おまけにアンケートからは、特定の性別や年齢、趣味の人が多いこともわかるはずだから、商圏の中に住む人でも、現在の顧客に近い属性の人たちのリストを買えばいいんだよ(p213)(※米国では名簿の売買が頻繁に行われている)
世界文化社
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【私の評価】★★★★★(93点)
目次
1 失敗の原因を知る
2 成功へのカギ
3 成功するための7つのステップ
著者経歴
マイケル・E・ガーバー・・・スモールビジネス向けの経営コンサルタント会社E-Myth Worldwideの創業者。25000社以上のアドバイスを行う。本書は起業家養成講座の研修用テキストとして活用されている。
読んでいただきありがとうございました!
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