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「会社、辞めます。私、たこやき屋になります。―いつでも「今」が自分に賭ける時」住友由貴子

2005/03/08公開 更新
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会社、辞めます。私、たこやき屋になります。―いつでも「今」が自分に賭ける時


【私の評価】★★★★★(93点)


要約と感想レビュー

 OLが会社をやめて、たこやき屋になった。それだけの本かな~と思ったら大違いでした。たこやき屋を始めた住友さんのお話は、昔「電波少年」で猿岩石がやった大陸横断ヒッチハイクにも相当する面白さがあります。場所探しから始まって,味の工夫,開店時間,ちらし配り,配達,在庫管理,接客・・・これこそ経営の醍醐味です。


 この本で感じるのは、起業や経営の面白さ,大変さであったりするのですが、本当に感動したのは「できると思えばできる」ということが住友さんのお話で実感できたことです。とにかく行動することで何かが見えてくる。失敗するかもしれないけれど、それが学びとなるのです。


・商売には、がんばったあとの達成感と躍動感というおまけもあった。(p81)


 OLだったら味わえなかっただろうワクワク感が伝わってきました。やはり人間は、なにかに打ち込んでいるときが一番光り輝くようです。たこやきを作って食べちゃった泥棒や,人がたこやき焼きの台の上に乗ってしまった話など笑える話も満載で、人生を感じてよし、笑ってよしの最高にお薦めできる一冊でした。


 人生というのは、「できる」と思わないと一歩踏み出せないし、「できる」と思うから試練にも工夫や努力で耐えられるのだと感じました。この前向き感はどこからくるのだろう?と思いながら読み切りました。


 住友さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・不景気は不景気なりに状況に合わせれば、悪い結果にはつながらなかった。営業時間をずらしたり、配達したり、節約したり、演出したり。(p66)


・私は聞くということに徹した。私の聞き上手が、お客さんで知り合った人以外でも、ホステスさんから始まっていろんな人が店に集まる決め手になったと思っている。(p78)


・店に立っている人によって、売り上げの差は激しい。(p99)


・やたらとまわりの同業者を気にしている店ほど、自分の店のことを見ていないのか、早く消えてしまうことが多かった。(p106)



【私の評価】★★★★★(93点)


目次

1章 直感で始めた「たこやき屋」という商売
2章 お金よりも使った"頭"
3章 珍客到来―カウンター越しの「ノンフィクション・ドラマ」
4章 五年間でたまった一生の「心の財産」
5章 世間の目はこんなにも温かかった...
6章 一度きりの人生―「とにかくチャレンジ!」が私流


著者経歴

 住本由貴子(すみとも ゆきこ)・・・1972年、熊本生まれ。熊本外語専門学校卒業後、一般事務の仕事に就くが、2年間ほどでOL生活にピリオドを打ち、突如「たこやき屋」を始める。商売経験なし、開業資金もなし、しかも、料理が得意なワケでもなかった。しかし、「自分の直感」を信じて開業した「たこやき屋」は、まわりの予想をはるかに超えて大・大盛況!約5年間の営業で、3年間は東京で暮らせる費用を稼ぐ。「自分に正直」をモットーに、後ろは振り向かず、いつでも「夢まっしぐら」に生きる。"自分の肩には、いつも「可能性という鳥」がとまっている"が口癖。現在、東京で小説を執筆中


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