【書評】「ママのためのシュタイナー教育入門」ドーリス・シューラー
2009/08/04公開 更新

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【私の評価】★★★★★(93点)
要約と感想レビュー
お母さん向けの本で、この本ほど温かく包み込んでくれるような感覚になった本ははじめてでした。ドイツ式の子育てを易しく教えてくれる一冊です。
まず、多くの子育てをしているお母さんは、夫が会社で働いているために、一人家事をこなしながら、子育てをしなくてはなりません。
これは非常に大変なことであり、ストレスの度合いも高いはずです。そこにイライラしてしまう原因があると思われます。
この本では、そうしたお母さんのイライラをまず解消する方法を見つけることが大切であるとしています。
・本当に自分がいい状態になれるもの・・・。わたしにとって、それは最終的には音楽でした。・・・一日のうち、ちょっとピアノを弾く。(p25)
そうして作った自分の心の余裕を子ども達との付き合い方に配分していきます。つまり、子どもと正面から向き合う時間を作るということです。
著者は、そうした子どもと向き合い、愛情を伝えることを「こころのごはん」と表現しています。
・こころのごはん・・・ちゃんとこっちを見てもらう。この体験をすることが重要だ、ということなんです。(p49)
お母さんのイライラから、いかに「ここころのごはん」が不足している子どもが多いのだという。まずは、お母さんをサポートして、お母さんを良い状態にしてあげることから、子育ては始まるということなのでしょう。
・おばあちゃん、またはおじいちゃんがいてくれて、そしてわたしに「大丈夫だよ。これでいいんだよ」「おまえはよくやってるよ」と言ってくれたら、どれだけほっとするでしょう。(p9)
子育ての本としては一級品の一冊でした。また、これほど著者の優しさ・温かさが伝わってくる本も珍しい。文句なく★5つとしました。子育て中のお母さんは読んでくださいね。
この本で私が共感した名言
・小さな芸術的なことだったり、運動だったり、読書だったり・・・本当にそれがたのしかったら、よろこびがあったら、やってみる・・一定の期間は、同じことを習慣にすると、力になると思います(p27)
・こんなちょっとしたことのちがいを感じてみるのはどうでしょう。こどもと話すときに、首をちょこっとこどものほうに向けて話すのではなく、こどもの正面を向いて、話す(p41)
・真剣にこどもに向かって、「これはやってはいけないんだよ」と言ったら、うえから怒鳴る必要はありません。「やってはいけない」というおとなの意思を、こどもはからだも含めて体験できるからです(p51)
・こどもはいつか離れていきます。・・・小さな頃は、「ママーママー」と言って、追いかけてきました。・・・あんなに一生懸命、悩みながら悩みながら育てたのにそんなことが全然なかったかのように、家を出て行きます。(p179)
▼引用は、この本からです。
春秋社
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【私の評価】★★★★★(93点)
著者経歴
ドーリス・シューラー・・・1952年生まれ。シュタイナー学校の教員免許を取得。1979年よりクラス担任と音楽・英語を担当。1984年より理事、1998年より教員養成ゼミ講師。
読んでいただきありがとうございました!
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