「性格は変えられない、それでも人生は変えられる―エリス博士のセルフ・セラピー」アルバート・エリス
2007/12/28公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(70点)
■日本で一年に自殺する人は、
3万人を超えています。
イラクで殺害された米国人が
累計1万人強と言われていますので、
いかに大きい数字であるか分かると思います。
自殺する原因にはいろいろあるでしょうが、
自分は生きる価値のない人間であると
思っている人が多いのは事実でしょう。
■この本は、そうした自分を否定しがちな人に
「論理療法」により元気になってもらうための一冊です。
■「論理療法」とは、
自分の間違っている考え方を理解し、
正しい考え方に修正するものです。
たとえば、勉強をしなかったために受験に失敗した人は
ちゃんと勉強しなかったのは愚かなことですが、
決して愚かな人ではないのです。
なぜなら、次にちゃんと勉強するということを
選ぶことができるからです。
・私達はまず「大事なテストのために勉強しなかったことは愚かな
行動だった」と正しく判断した後に、次に「だから私は愚か者だ!」と
一般化してしまいます。・・・一つの行動のよし悪しによって、あなたが
完全によいとか悪いとかのレッテルを貼られることはありません。(p153)
■つまり、失敗したとしても、
人間である限り完璧ではないわけで、
失敗によりまた成長できると理解することもできるわけです。
・あなたが常に成功し続けることは、不可能です。
完璧な人間なんてありえないのですから。(p20)
■よい人間になろうとか、
人からよい人間と思われるようになろうとすることは、
自分を苦しめます。
なぜなら、完璧によい人間は
存在しないからです。
どうせなら、自分が楽しいと思う
人生を選んでみてはどうでしょうか。
・あなたを含め、一体誰が100%よい、あるいは
悪い人でありえましょう?・・・
もし賢明でありたいなら、あなたは自分自身、
自分の存在や人間性を評価することを
一切やめたほうがいいのです。
それより、あなたはもっと重要な目標・・・
例えば・・・楽しく生きるといったことです。(p71)
■非常に読みにくい一冊でしたが、
書いてあることは悩みがちな人には
貴重だと思いました。
ほとんどの悩みは悩む必要はなく、
適切に反省して次につなげることが大切であるということが
分かる一冊です。★3つとしました。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・私たちは自分で自分を不幸にしています。ということは、
自分で自分を幸せにできるということです。情緒の不安定は、
決して愚かではない人の実に愚かな行為によって生じます。(p27)
・どんなよいことも、あなたの人生に絶対に存在しなければいけない
ことはなく、同様に、どんな悪いことも、絶対に消えなければいけない
ことはありません。・・・どんな悪い状況でも、世の中は回り続けます。(p61)
・核となるある目標、理想をもっていると、人生に関与する度合いと
幸せの度合いが大きく感じられます。・・もしある目標に真剣に関与し、
そのために努力し続けたら、それがあなたに重要な意味を与え、
非常に満足のいくものとなるでしょう。(p174)
・人前でうまく話せなくても、「恐ろしい」ことではなく、単にとても
不都合なだけだと自分に納得させました。・・女性からデートの誘いを
断られた時、不満に思ったり傷つくけれど、自分が「ろくでなし」だと
言うことにはならず、拒否されたことで憂うつになる必要もないのだと
強く自分に言い聞かせました。(p218)
・やりたいことは、やる努力をしてみる。試しもせずに、自分には
できないと決めてかからない。困難なことでも、それができるか
できないかは、まずやってみてから判断する。(p263)
▼引用は、この本からです。
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★☆☆(70点)
■著者経歴・・・アルバート・エリス
1913年生まれ。
認知行動療法のはしりである論理療法を1955年に創設。
サイコサラピーや関係性療法に関連した書籍多数執筆。
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