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「人生をいかに生きるか(上)」林語堂

2002/08/26公開 更新
本のソムリエ
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人生をいかに生きるか 上 (講談社学術文庫 446)


【私の評価】★★★☆☆(77点)


要約と感想レビュー

ハーバード・スペンサーは、その死の数日前、十八巻におよぶかの「総合哲学」を膝の上に置いていた。そしてその冷たい本の重みを感じたとき、本より孫のほうがよかったかもしれんと思った。


■だれでもいつ死ぬのかはわかりません。
 そのときになって後悔しないように、
 よく考え、計画し、行動しましょう。


■著者はジャーナリスト、評論家らしいのですが、
 アメリカ人がせこせこ働くのを
 斜めから見ているようなところがあります。


 なぜ人間だけが働くのか。
 動物は食べるだけのために生きている。
 食べられるだけで十分ではないか。


■名声、富、権力は幻想であるのに、
 私達の人生を支配しているという。


 著者は生きているだけで幸せ。
 食べられるだけで幸せ。
 こういう考えのようです。 


この本で私が共感した名言

・現実+夢=心痛(世に理想主義というもの)
 現実+ユーモア=現実主義(保守主義ともいう)
 夢-ユーモア=狂信
 夢+ユーモア=幻想
 現実+ユーモア=叡智(p40)


・友人にご馳走する食事の数と、官僚出世の率か速度のあいだに、絶対的相関関係のあることを発見することができるであろう(p100)


・「処世体験」を学んでいくうちに、外界の多くの力が、われわれ本来の天性に働きかけ、ために自己を無感覚にし、技巧的にし、ときには冷酷無情にすることを学ぶ・・・政治と商売の世界では特にこれがはなはだしい・・・世のなかには、心の冷たい人があまりにも多い(p171)


・人生の大妄執は・・・名声、富貴、および権力。この3つのものを一つの大きな妄執に包括する恰好の言葉がアメリカにある。いわく、「成功。」しかし、・・・失敗、貧困、無名に対する恐怖を婉曲にいい現した名称であって、かような恐怖がわれわれの生活を支配しているのである(p174)


・人間の幸福はすべて生物的な幸福である・・・真の幸福とはただ精神の幸福である・・・精神とは、内分泌腺の機能が完全に行っている、ある種の状態である・・・私にとっては、幸福とはおもに胃の腑の問題である・・・内蔵さえ動いておれば幸福である(p211)


・結局人間生活についていちばん当惑することは、人間は働かねばならぬというが、はたしてそうかという問題・・・自然界のものはみなぶらぶら遊んでいるのに、人間だけが働いている(p243)


人生をいかに生きるか 上 (講談社学術文庫 446)
人生をいかに生きるか 上 (講談社学術文庫 446)
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林 語堂
講談社
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【私の評価】★★★☆☆(77点)



著者経歴

 林語堂(りん ごどう)・・・1895年-1976年。中国福建省に生まれる。文学者・評論家・ジャーナリスト。北京大学教授、反封建闘争に参加したのち、戦後、ユネスコ芸術文学部長、シンガポール南洋大学総長等を歴任した。


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