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「哲学者に学ぶ、問題解決のための視点のカタログ」大竹稽,スティーブ・コルベイユ

2023/07/23公開 更新
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【私の評価】★★☆☆☆(69点)


要約と感想レビュー

自分の目で確かめる

この本では西洋の哲学者の視点を、コンパクトに教えてもらえます。この本では、哲学的に正しい見方は、動きながら見ることであり、一つの主義に偏った思考は不健全としています。確かに、こうして羅列してみることが大事なのでしょう。


そしてこの本からは、西洋の哲学者の視点とは、現代の成功哲学と似たようなものに感じました。例えば、「自分の目で確かめよう」というのは、改善活動における現地・現物・現実と同じ考え方でしょう。また、「本当に行動することが重要だ」というのは、体験してみないとわからない成功のためのマインドセットの基本となっています。


・モンティーニュが伝授する視点は、「本当に自分の目で見ているだろうか?」である。自体が混乱しているときこそ、自分の目で確かめよう(p87)


成功哲学と似ている

「死を想え」という項目では、充実した人生を考えるための成功哲学の基本と同じものです。また、ラカンの「無意識」を意識した記載は、人間の潜在意識の大きな力を説明しているようにも感じました。


マルクスは、仕事が高度化されると、生活との距離が大きくなり、仕事に不満を感じ、気力を失い、未来に不安を感じる人を「家畜人間」と表現しました。やはり仕事においては、その仕事のビジョン、意味づけが大事なのです。


・ラカンの視点・・現実的な個人としての他者を「小文字の他者」として、「無意識」から現実の私たちを支配する他者を「大文字の他者」(p185)


哲学とは何なのか

哲学というと堅苦しいイメージがありますが、本来であれば、現代社会で使えるものであるはずです。そうしたわかりやすい解説を期待しましたが、それほどでもありませんでした。


現代社会で役立つことは、哲学の視点であっても取り入れていきたいものです。大竹さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・パースペクティブ・・「真の」という意味・・哲学者の出した答えが、「本当の〇〇なんてない!」だ(p30)


・メメント・モリ・・「死を想え」を意味するこの警句・・「人間は自分が死ぬことを知っている」という答えに「共に生きる」へのヒントがある(p181)


・ジャンケレヴィッチの視点・・・重要なのは、華々しく、気が利いて、雄弁なことではなく、本当に行動することだ(p173)


・西洋には伝統的に、「社会は自由な個人同士の契約によって成り立ち、共同体は文明化以前の悪しき旧弊である」という考え方がある(p175)


・人は女に生まれるのではない、女になるのだ(シモーヌ・ド・ボーヴォワール)(p189)


・カントは「実践理性批判」で「<愛>は強いられるものではなく、義務にはなりえいと分析した。スピノザは「エチカ」で、「愛とは外部の原因の観念を伴った喜びである」と定義した。「愛ゆえになされることは、常に善悪の彼岸にある」と看破したのは、ニーチェだ(p257)


▼引用は、この本からです


【私の評価】★★☆☆☆(69点)


目次

0 見ることは、世界と関係を結び、世界を変えていくことだ
1 整理の視点
2 解体の視点
3 探求の視点
4 発展の視点
5 再生の視点
6 創造の視点



著者経歴

大竹 稽(おおたけ けい)・・・教育者、哲学者。1970年愛知県生まれ 愛知県立旭丘高等学校から東京大学理科三類に入学するも、五年後、医学と決別。大手予備校に勤務しながら子供たちと哲学対話を始める。三十代後半で、東京大学大学院に入学し、フランス思想を研究した。専門は、サルトル、ガブリエル・マルセルら実存の思想家、バルトやデリダらの構造主義者、モンテーニュやパスカルらのモラリスト。現在、哲学の活動は、東京都港区三田や鎌倉での哲学教室(てらてつ)、教育者としての活動は横浜市港北区での学習塾(思考塾)や、三田や鎌倉での作文教室(作文堂)。詳細は大竹稽HPにて更新中。


スティーブ・コルベイユ(Steve Corbeil)・・・聖心女子大学国際交流学科准教授、翻訳家。1978年カナダ・ケベック州生まれ。2008年モントリオール大学大学院比較文学科修士課程修了。2021年東京大学大学院(表象文化論コース)博士課程単位満期退学。文学、映画、マンガなど幅広く日本戦後文化を研究。さらに、日本が直面する異文化コミュニケーション問題を考察し、対策講座などを担当。2010年~2016年静岡大学講師・准教授。ほかに、立命館大学、上智大学、法政大学、立教大学、東京大学にて非常勤講師を務めた。フランス語、英語、日本語で執筆。『翻訳とアダプテーションの倫理』(春風社 共著)など。


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