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「同志少女よ、敵を撃て」逢坂 冬馬

2024/01/05公開 更新
河西祐子
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「同志少女よ、敵を撃て」逢坂 冬馬


【私の評価】★★★★★(--点)


要約と感想レビュー

今回は5W1Hだけではなく、勝手ながらタイトルの意味を考えてみました。ご参考までに読んで頂けたら嬉しいです。


「同志」とは何を意味するのだろう?

なぜ、狙撃手の仲間入りをしたのか?(狙撃訓練学校に入ったのか)動機は色々。(戦う目的は色々)でも、結局みんな戦争に対する復讐のためだから。


「少女たち」ではなく、なぜ「少女」なの?

女性狙撃手は、セラフィマ(主人公)、シャルロッタ、アヤ、ヤーナ、オリガなど、たくさんいるけれど、セラフィマをメインとして書いているから


「敵」とは何?

独ソ戦、狙撃兵、イリーナ、歩兵、ドイツ、ミハイル、復讐心、イェーガーと色々あるけど、復讐心が一番近いかと思いました。なぜなら復讐心から物語は始まるから。


5W1Hで考えるとどうなる?

 When : 第二次世界大戦(独ソ戦)
 Where:ソビエト ドイツ
 Who:主人公はセラフィマ
 What:女性狙撃兵たちの戦争にかける思いなど
 Why:タイムリーに世界各国で戦争が勃発しているから
 How:臨場感たっぷりに


評価のまとめ

月並みな言葉だけど、すごく臨場感あふれる描写だと思いました。男目線で少し言葉が難しいけれど、自分も女性狙撃兵になったつもりで読んでいくと、物語に入れておもしろさが少しずつ分かってくると思います。


怖いし、ぞくっとする感覚が好きで読み終えました。少しでもクスッと笑えるところ、文面がやさしく書かれているところを探して読んでもらえたら嬉しいです。


読んだ後は、「あ~、やっと読み終わった。意外とおもしろかった」となるような本だと思います。


おもしろいって言っても笑えるおもしろさではなく、話の内容が思ってもみないような展開に書かれているので読んでいて楽しいと思います。


ポイント1<なんでもないいいから、戦いぬけ!!>

どちらかを選ぶように言われるけど、実際に選ぶのは難しいと思います。戦場には行きたくない。でも、その場で死にたくもない。それって本心だと思います。


でも、「戦いたい」を選ばないとこの世界だけでなく今の世の中も生きていけない気がします。


戦いたいか、死にたいか(p36)

ポイント2<女性の狙撃兵訓練学校卒業の貴重な集合写真一枚>

そりゃ、笑わないでしょう・・・って思いました。この集合写真、アガサ・クリスティーの「そして、誰もいなくなった」に使えそうだとも思いました。だって、これから第一線で戦うのだから。


本校から付いてきたカメラマンが記念撮影をすると言った。笑ってください、と言ったが、写真慣れしていない狙撃兵の卵と歴戦の元狙撃兵が笑うはずもなく、全員が真顔のままシャッターが切られた(p125)

ポイント3<純朴な少女ほど、敵兵を狩る喜びが大きいって本当?!>

怖すぎます!!銃を持った瞬間もそうだけど、敵兵を狩る喜びってどういう感覚なのだろう、と思い選びました。


純朴な少女のような彼女たちが、銃を手にした瞬間、異様な目の輝きを見せ、そして敵兵を狩る喜びを語り合う(p304)

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こんな人におすすめ!!

・世界史に興味のある人
・拳銃・ライフル銃に関心のある人
・男尊女卑に反対の人
・なんでもいいから戦い人(ちょっと怖いです!!)


「同志少女よ、敵を撃て」逢坂 冬馬
逢坂 冬馬、早川書房


【私の評価】★★★★★(--点)


目次

プロローグ
第一章 イワノフスカヤ村
第二章 魔女の巣
第三章 ウラヌス作戦
第四章 ヴォルガの向こうに我らの土地なし
第五章 決戦に向かう日々
第六章 要塞都市ケーニヒスベルク
エピローグ



著者経歴

逢坂冬馬(あいさか とうま)・・・1985年生まれ。明治学院大学国際学部国際学科卒。本書で、第11回アガサ・クリスティー賞を受賞してデビュー。第9回 高校生直木賞 & 2022年本屋大賞受賞


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