【私の評価】★★★☆☆(70点)
■東日本道路公団では、
高速道路のリニューアルプロジェクトを
実施中だという。
アルカリ性のコンクリートの中の
鉄筋は錆びないはずなのに、
錆びて、コンクリートがぼろぼろに
なっているらしい。
これは、融雪剤の塩素が影響している場合もあるし、
かぶり厚さ不足もあるという。
さらには、コンクリートのガンと言われる
アルカリ骨材反応もあるらしい。
・アルカリシリカ反応を起こさせないようにするための対策・・
第一にアルカリシリカ反応を生じる可能性のある骨材を用いない・・
第二に、セメントから供給されるアルカリ総量を
規制したセメント(低アルカリセメント)の使用・・
第三に、高炉スラグセメントやフライアッシュ
セメントの混合セメントの使用(p104)
■外国だとアルカリ骨材反応が起こらないように
高炉スラグやフライアッシュをコンクリートに
入れているのに、日本ではあまり活用されていないらしい。
これだけコンクリートを使っているのに、
100年もたないコンクリートを使っているとは
ある意味驚きです。
コンクリート、セメントについては
まだまだやるべきことが
残っているのかもしれませんね。
溝渕さん
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・コンクリートは、1℃の温度変化に対して
1m当たり約0.01㎜伸びたり縮んだりする・・
コンクリートは約10×10^-6 m/Kだが、
鉄は約12×10^-6 m/K(p61)
・エコセメントは、都市ゴミや焼却灰や下水汚泥
(この中にはセメント原料に用いる粘土の中に
含まれるケイ素などが含まれている)を主原料として、
普通セメントの製造技術を応用した方法により製造される・・
実はエコセメントには一般に使用されている
セメントに比べて10倍以上の塩素が含まれている(p86)
・エポキシ樹脂鉄筋を用いた実験では
全塩分量が1%であっても15年間は
腐食を防止できたという報告がある(p92)
・例えば厚さが1m以上あるコンクリートの場合、
セメントと水の水和反応によって生じた熱は
コンクリート内部に蓄えられ、数日~数週間かけて
徐々に外に放出されていく(p59)
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【私の評価】★★★☆☆(70点)
■目次
序章 現代社会に響くコンクリートの悲鳴
第1章 現代社会を支える鉄とコンクリート
第2章 コンクリートとは何なのか?
第3章 コンクリート構造物は本当に安全なのか
第4章 コンクリートの寿命
第5章 コンクリート構造物の人生設計
第6章 「コンクリートから人へ」がもたらした弊害
第7章 コンクリートの崩壊を防ぐには
第8章 コンクリートドクターが危機を救う