「朝日新聞 血風録」稲垣 武

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朝日新聞血風録 (文春文庫)

【私の評価】★★★☆☆(78点)


■朝日新聞とはどういう会社なのか、
 朝日新聞の内部はどんな空気なのか、
 という疑問から手にした一冊です。


 著者は、朝日新聞で整理部長、
 週刊朝日副編集長を歴任しています。


 結論から言うと、
 著者が朝日新聞に在籍していた当時は、
 社長、常務といった経営者自体が、
 親中国派は、親ソ派
であったということです。


・広岡社長および彼を取り巻く親中国派は、日中平和条約の
 早期締結のためには、中国側の主張を受け入れるべきだとし、
 72年に常務となった秦正流氏ら親ソ派は、日中国交回復は
 よいが、覇権条項を受け入れてまで慌てて条約を結ぶ
 必要はないとの意見だった(p47)


■親中国派の社長自らが、
 秋岡氏のような部下を使って、
 社内の報道をコントロールする。


 コントロールできなければ、
 左遷する。


 社長がそうした方針であれば、
 すべての社員はそれに従うのも
 不思議ではありません。


・秋岡氏はまた、外報部時代の同僚だった岡井氏と涌井編集長を
 社の近くの日劇ビルにあったうどん屋に呼び出して「今のような
 ことをやっていると、編集長の地位も危なくなるぞ
」と
 露骨に脅した(p42)


■著者の結論は、
 朝日新聞もふつうの会社である、
 ということです。


 出世と保身のために、
 社長の意向に沿って
 業務を実施している。


 バリバリの共産党員だらけという
 「空気」ではないのですね。


社長や編集担当常務などお偉方がそうだから、保身と出世のために
 阿諛追従している
のが殆どではないか。また心情左翼といっても、
 確固としたイデオロギーを持っている連中は少なく、何となく社内の
 「空気」が左がかっているから、左翼のふりをしているほうが
 何かと居心地がいいからに過ぎない(p135)


■やはり最終的には社長の方針なのだと
 思いました。


 そういう意味では、テレビ朝日は、
 朝日新聞の系列で役員の天下りが多いので、
 注意が必要かもしれません。


 稲垣さん、
 良い本をありがとうございました。


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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・広岡社長が、「中国文化大革命という歴史の証人として、
 わが社だけでも踏みとどまるべきである。そのためには
 向こうのデメリットな部分が多少あっても目をつぶって、
 メリットのある部分を書くこともやむを得ない」という
 趣旨の発言を社内の会議などでしていた(p65)


・70年四月には、広岡社長自らが松村謙三自民党代議士の
 訪中使節団に同行して中国に一カ月も滞在し、四月二十二日の
 朝刊一面に大きなスペースを割き、「中国訪問を終えて」と
 題する顔写真入りの署名記事を掲載し、文革礼讃をしている
 のであるから、秋岡批判や文革批判はタブーに等しかった(p25)


・サンケイ・毎日・西日本の三記者追放の際、北京に特派員を
 派遣している関係九社で抗議と追放理由の詳細な説明を求める
 共同声明を出そうということになった際、
 朝日新聞が脱退までちらつかせて強硬に反対・・(p34)


・時の佐藤政権のもとでは日中関係改善の望みがないという
 中国政府の意向なるものを繰り返し特派員電として伝え
 さらに佐藤退陣後の政権づくりに注文をつける中国側の
 条件まで伝えている。そして田中内閣が成立すると、
 「庶民宰相」と最大限に持ち上げた(p66)


教科書検定誤報事件のように文部省の検定姿勢の故にするなど
 他に責任を転嫁したり、毒ガス写真事件の際に佐竹学芸部長が
 言ったように「中国戦線で旧陸軍が毒ガスを使用したという
 事実は動きません」と、写真の真偽から問題を
 すり替えたりして誤魔化そうとする(p184)


・84年六月六日付の特集で、岩垂氏は、
 「社会主義国の農業はおしなべて不振だが、その中にあって
 北朝鮮は農業がうまくいっている国、というのがわが国の
 北朝鮮研究者の一般的な見方」と書いている。(p200)


・従軍慰安婦問題など、戦後補償の推進キャンペーンを張り、
 日本罪悪史観に凝り固まっている朝日新聞は、何でもかんでも
 日本の罪にこじつける体の記事が目立つ(p276)


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【私の評価】★★★☆☆(78点)



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