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2010年2月16日

「日本の「安心」はなぜ、消えたのか」山岸 俊男 :山岸俊男 

日本の「安心」はなぜ、消えたのか―社会心理学から見た現代日本の問題点
山岸 俊男
集英社インターナショナル
売り上げランキング: 7008

【私の評価】★★★☆☆(75点)


■昔の日本人は真面目だった・・・
 今の若いものは・・・
 といった風潮に、
 ちょっと待ったをかける一冊です。


■人間というものは、基本的に
 環境に適応する動物であり、
 これまで典型的日本人といわれてきた人たちは
 その環境に適応してきただけであると
 分析しています。

 たとえば、休みも取らず、
 残業しまくりで働く日本人は、
 単にそうすることが出世の近道であった
 ということです。


・日本のサラリーマンが会社に忠誠心を示すのは、
 そうやって振る舞うことが日本の社会において
 最も適応した行動であるからに他ならない(p49)


■村社会、日本的終身雇用が崩れるなか、
 そうした安心社会が崩壊してきました。

 次に来るべきは、信頼社会、商人道である
 というのが著者の主張です。

 正直ものが得をするという
 まっとうな社会です。


・市場の倫理=商人道が教える「他人や外国人とも気やすく
 協力せよ」という精神はまさに信頼社会の根本原理・・・
 「正直たれ」「契約尊重」「勤勉たれ」「楽観せよ」という
 道徳律は必要不可欠です。(p242)


■本というより論文のような本でした。

 これからは信頼、ブランドが大切になるということに
 確信が持てましたので、
 本の評価としては★3つとしました。

 山岸さん、よい本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・いい評判を積み重ねていくことで
 自分のところに人が集まってくる(p233)


・正直な人、約束を守る人たちが少しでも
 トクをする社会を作っていくということです(p209)


・「もし、ここで他人のわがままを許せば、それを理由に
 私自身が他の人たちから責められるのではないか」と
 恐れてしまう(p107)


日本の「安心」はなぜ、消えたのか―社会心理学から見た現代日本の問題点
山岸 俊男
集英社インターナショナル
売り上げランキング: 7008
おすすめ度の平均: 4.5
4 「安心」と「信頼」の次にくるもの。。。
4 ポジティブ評価を得た人たちがトクする世の中を!
4 閉鎖社会から信頼社会へ
5 ■日本が真の国際社会のリーダーになるには"武士道"ではなく、"商人道"を極めることが必要
5 いろいろ考えさせられ面白い

【私の評価】★★★☆☆(75点)


■著者紹介・・・山岸 俊男(やまぎし としお)

 1948年生まれ。
 一橋大学を経て、80年ワシントン大学哲学博士。
 北海道大学助教授、ワシントン大学助教授を経て、
 現在、北海道大学大学院教授。


■関連書評■

a. 「国家の品格」藤原 正彦
【私の評価】★★★★☆

b. 「日本人を冒険する」呉 善花
【私の評価】★★★★☆


c. 「世界の日本人 ジョーク集」早坂 隆
【私の評価】★★★☆☆


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2009年11月19日

「情と理 -カミソリ参謀回顧録- 上 」後藤田 正晴 :後藤田正晴 

情と理 -カミソリ参謀回顧録- 上 (講談社+α文庫)
後藤田 正晴
講談社
売り上げランキング: 87366
【私の評価】★★★☆☆(74点)


■警察官僚から政治家となったカミソリと言われる男、
 後藤田正晴氏の回顧録です。

 政治家として初回当選までの
 官僚としての経験が綴られています。


■この本で面白いところは、
 警察や官僚という組織の考え方、
 不文律、権力構造がわかるということです。

 やはりサラリーマンに限らず、
 役人も人事というものが、
 力の源泉になっているようです。


・組織というのは人事権が非常に重く作用するんですね。
 ・・・都道府県警察の警視正以上は、国家公安委員会が
 人事権を持つということにしているんです(p141)


■そして、もうひとつは面白いところは、
 後藤田氏がなぜカミソリと言われたか、
 ということです。

 私には、後藤田氏は、常に原則を持ち、
 その原則に従って判断していたからだと
 感じました。

 原則がある。
 だから、自分の考えを曲げるつもりはないし、
 曲げる必要もないわけです。


・一回は許すんです。人事の時にも、一回目の失敗では左遷しない。
 下へは行かせない。横転させるんです。そしてじいっと、
 そいつを一年、二年見ている。そこで立ち直った奴は、
 横転を飛び越して、次の人事で遅れを取り戻させる(p216)


■下巻も読みたくなって注文しました。

 やはりテレビや新聞を読むだけでは、
 まったく見えない部分があると
 わかる一冊でした。

 興味深く読めましたので
 本の評価としては★3つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・警視総監というのは、在職期間中は管轄外の
 地域には出ないというのが不文律なんです・・・
 それから警察庁長官は長官在任中は国を離れない(p134)


・本当の意味で登竜門といえば、警察の場合は
 人事課長と会計課長じゃないでしょうか。だいたいどの役所でも
 人事と予算をやっているやつが一番強い。(p211)


・日本の情報機関というのはいかにも呑気だ。
 情報収集の組織も貧弱だし、力もない。無力だ。(p237)


▼引用は、この本からです。

情と理 -カミソリ参謀回顧録- 上 (講談社+α文庫)
後藤田 正晴
講談社
売り上げランキング: 87366
おすすめ度の平均: 4.5
5 後藤田正晴流「部下の叱り方」
4 政治家の思い
5 政治の冷静な証言者
4 素人には分からないよ

【私の評価】★★★☆☆(74点)


■著者紹介・・・後藤田 正晴(ごとうだ まさはる)

 1914年生まれ。
 1939年内務省入省。自治省官房長、警察庁長官、
 内閣官房副長官を経て、1976年衆議院議員。
 自治相、内閣官房長官、総務庁長官、法相など歴任。
 1996年政界から引退。


─────────────────

■関連書評■

a. 「オヤジの知恵」早坂茂三
【私の評価】★★★★★


b. 「インテリジェンス武器なき戦争」手嶋 龍一、佐藤 優
【私の評価】★★★★☆


c. 「平時の指揮官(リーダー)有事の指揮官」佐々淳行
【私の評価】★★★☆☆


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2009年10月21日

「日本の常識 世界の非常識」竹村 健一 :竹村健一 

【私の評価】★★★☆☆(73点)


■あまのじゃく、竹村健一先生が指摘する
 日本のマスコミの「ここがおかしい!」です。

 日本からみると普通のことが、
 外国からみると変なことをリストアップしています。


■たとえば、原子力発電所の事故については、
 日本ではちょっとでも放射能漏れがあると、
 大騒ぎですが、よくよく聞いてみると、
 ラドン温泉よりも放射能の量が少なかったりします。

 これだけ原子力発電に敏感なマスコミは、
 日本くらいなものでしょう。
 (それ以外の意図があるのでしょうか?)


■また、自衛隊についても、
 日本は軍隊ではないとの立場をとっていますし、
 非常に自衛隊を粗末に扱っているように感じます。

 海外からみると、自衛隊は立派な軍隊であり、
 その能力は比較的優秀であるようです。
 (これも、それ以外の意図があるのでしょうか?)


■竹村先生に言わせると、
 こうした本音と建前の建前だけが
 まかり通っているのはゆるせないという
 気持ちがあるのではないでしょうか。

 日本人は、感情ではなく、
 もう少し論理的になってもよいのではないですか。
 そうした竹村先生の言葉が聞こえてきそうでした。

 本の評価としては★3つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・中国は輸出もするが輸入も大きい。
 いまの日本の景気がよくなってきているのは、
 一つは中国が大量に買っているからである。(p55)

 
・『ライオンキング』というアニメーションを
 ディズニーが作ったとき、その設定が日本の手塚治虫氏の
 『ジャングル大帝』に酷似していることで、話題になった・・・
 手塚プロは訴訟を起こさず、抗議もしなかった。(p113)


・シンクタンクの役割は政策を提言したらおしまい、
 というわけではない。その政策を政府が実行に移したあと、
 そこに投じられたお金は有効に使われたのか、本当に国民のために
 なったのかをきちんと検証するところまでやって、初めて完了する(p116)


▼引用は、この本からです。

日本の常識 世界の非常識
竹村 健一
幻冬舎
売り上げランキング: 383397
おすすめ度の平均: 4.0
5 ストレートで分かりやすい
4 視野を広げるために軽く読める短編エッセイ
5 「竹村氏の視点」は、とにかく面白い。
3 改めて認識する33の知識
3 軽めの政治経済エッセイ

【私の評価】★★★☆☆(73点)


■"常識"で検索した関連書籍


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2009年10月 8日

「フーゾク儲けのからくり」岩永 文夫 :岩永文夫 

【私の評価】★★★☆☆(76点)


■この手の業界には、とんと縁のない本のソムリエですが、
 これまで読んだフーゾク関係の本としては、この本が
 もっとも詳しいものだと思いました。


■淡々と、お店の種類、料金構成、営業時間、
 給料、開業資金、損益分岐点、
 お店の運営まで詳しく書いてあります。

 お店の取り分、女の子の取り分など
 内部に入らないとわからないことだらけで、
 業界に入ったような気分になってしまいます。


■フーゾクとは裏の世界ではあるが、
 一つの文化なんだ、という
 著者の思いが伝わってくるような一冊でした。

 真面目なフーゾク研究本として、
 ★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・日に三箱喰ったり見たりしたり也・・・1800年代・・・
 当時の庶民のお金のもっとも流れてゆく行先が三ヶ所ある・・・
 "喰ったり"の魚河岸・・・次が、"見たり"の芝居町・・・
 そして三箱目の行先が、"したり"の吉原の遊廓なのだ。(p3)


・ソープランドにくる客、それも広告を見てくる客の
 過半数はインターネットを見ての客だという。
 いや、それ以上、おそらく七~八割がネット系の
 広告の客だと極論するムキもある(p48)


▼引用は、この本からです。


【私の評価】★★★☆☆(76点)


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2009年10月 4日

「国破れて霞が関あり」若林 亜紀 :若林亜紀 

国破れて霞が関あり―ニッポン崩壊・悪夢のシナリオ
若林 亜紀
文藝春秋
売り上げランキング: 17434
【私の評価】★★★☆☆(70点)


■厚生労働省の外郭団体に働きながら、
 お役人の公金浪費の実態を
 内部告発した若林さんの一冊です。

 やはり内部で働いていただけあって、
 お役人の世界の雰囲気が伝わってくるところが、
 本書の良いところでしょう。


・浄化槽管理士・・・講習会に出席すれば無試験で資格がもらえるが、
 受講料は13万円。・・・お役所がいろいろな資格をつくって、
 天下り先の外郭団体に試験監督や講習を独占させてもうける、という
 典型的なお役所の「資格商法」なのだ(p100)


■民間企業では、いいかげんなことが
 行われれば、すぐに倒産という現実に
 直面します。

 しかし、お役人の場合には、
 組織は倒産することはなく、
 国家が倒産するまでその組織が
 存続するところが怖いことろです。


・『お役所の掟』の著者である宮本正於氏は、在職中に内部告発を
 したため厚生省(当時)でいじめられ左遷され、最後にささいな
 ミスをあげつらわれて懲戒免職となった。その後ほどなく
 がんになり、フランスの病院で客死していた。(p173)


■お役人の世界を内部告発した人の
 運命は、それが政治家であろうと、
 部内者であろうと過酷なようです。

 お役人の強さを認識させてくれる
 一冊でした。

 本の評価としては★3つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・独法(独立行政法人)は、天下りの温床にもなっている。
 役員の5割から8割が官僚OBの天下りで、ほぼ一律の
 年1600万円という高額報酬を得ている。(p166)


・残念ながら、公立学校の「大本締」であるはずの
 文科省の官舎に、その春、公立中学校へ入学する子どもは
 一人も見当たらなかった・・・文科省官僚の多くは、子供を
 「ゆとり教育」のない私立の小学校や中学校に通わせている(p128)


・ハローワークの休職・求人はコンピュータに登録されるため、
 人手もさほどいらなくなった。・・・しかし、失業給付の手続き
 窓口として、失業者をほとんど意味もないのに出頭させる仕組みにして、
 厚労省はハローワークが忙しいように見せかけ、抵抗をしている(p208)


・日本労働研究機構という厚生労働省所管の特殊法人で働いた。
 ・・・レポートを書いたりすると、「生意気だ」「必要ない」と
 上司に止められた。・・・ある若手研究員は・・・「まともに
 研究すれば、今の厚労省の政策は、大体、ムダとかおかしいという
 結論になる」といって、大学に転出していった(p168)


▼引用は、この本からです。

国破れて霞が関あり―ニッポン崩壊・悪夢のシナリオ
若林 亜紀
文藝春秋
売り上げランキング: 17434
おすすめ度の平均: 5.0
5 今後4年間の検証本
5 投票前に読もう
4 日本という国の現実がよくわかる本です
5 「霞が関改革」、待ったなし!
5 行革の必要性を再認識させられた。

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■著者紹介・・・若林 亜紀(わかばやし あき)

 1965年生まれ。
 88年大手建設会社に就職。
 91年厚生労働省の外郭団体、日本労働研究機構
 (現・労働政策研究・研修機構)に転職。
 01年に天下りや公金浪費の実態を「週刊朝日」に
 内部告発して退職し、ジャーナリストとなる。


─────────────────

■関連書評■

a. 「公務員の給与はなぜ民間より4割高いのか」北見 昌朗
【私の評価】★★★★★


b. 「一気にわかる!空港の内幕」猪瀬 直樹
【私の評価】★★★★☆


c. 「構造改革の真実」竹中 平蔵
【私の評価】★★★☆☆


d. 「泥棒国家の完成」ベンジャミン・フルフォード
【私の評価】★★☆☆☆


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2009年8月 7日

「泰平の守成と先見・日本を創った戦略集団」堺屋 太一他 :堺屋太一 

日本を創った戦略集団 (3)
【私の評価】★★★☆☆(73点)


■歴史小説でもなく、
 面白くない歴史の教科書でもない、
 社会人のために作られた歴史の教科書シリーズです。

 この本は、徳川家が日本を統一した後の、
 徳川幕府の側近集団の雰囲気がわかる一冊です。


■歴史の教科書では、表面的な事実しか
 教えてくれませんが、やはり社会人ともなれば、
 それをどう解釈するのか、多くの人の意見を
 自分なりに考えるのが面白いはずです。

 歴史を学んでいれば、
 日本の過去の侵略を批判する人もいても、
 西欧列強もかなりエグイことをやってきているじゃないか、
 といった考えを持つこともできるのです。


  ・西欧列強の植民地化政策は、キリシタン宣教とそれに続く
   軍事力による侵略とが一体となって行われたことを
   歴史は示している(p224)


■学生のときに読みたかった一冊でした。

 歴史小説もいいのですが、
 こうした日本の歴史を「実はこうだったんだよ」と解説してくれる
 本も教科書の副読本として面白いと思うのです。

 本の評価としては★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・茶道を完成させたとされる「千利休」が実は
   「政商」だったと聞かされて驚く人は少なくなかろう。
   利休は、いささか「芸」の世界に傾きすぎたとはいえ、
   彼がれっきとした堺の商人であった(p206)


  ・マラッカ、マカオ、ルソン、パタビア(インドネシア)あたりは
   西欧列強が比較的容易に征服できたのに比べて、
   日本人というのは武力、知識、忠誠心、団結力に優れ、当時から
   西欧人にとってとても手強く、扱いにくい相手であったようだ(p217)


▼引用は、この本からです。

日本を創った戦略集団 (3)
堺屋 太一
集英社
売り上げランキング: 9118

【私の評価】★★★☆☆(73点)


■著者紹介・・・堺屋 太一(さかいや たいち)

 1960年通商産業省入省。
 1970年の大阪万博の企画・実施に携わり、その後、沖縄海洋博も担当
 サンシャイン計画に携わった後、通産省を退官。
 1975年に小説『油断!』で作家デビュー。
 『団塊の世代』『峠の群像』『秀吉』『知価革命』等の著書多数。


─────────────────

■関連書評■

a. 「超速!日本近現代史の流れ」竹内 睦泰
【私の評価】★★★☆☆

b. 「これだけは知っておきたい日本・中国・韓国の歴史と問題点80」竹内 睦泰
【私の評価】★★★★☆

c. 「日本人はなぜ日本を愛せないのか」鈴木 孝夫
【私の評価】★★★☆☆

d. 「十六の話」司馬 遼太郎
【私の評価】★★☆☆☆


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2009年8月 1日

「日本人が知らない「儲かる国」ニッポン」ティム・クラーク、カール・ケイ :カール・ケイ, ティム・クラーク 

日本人が知らない「儲かる国」ニッポン―外国人起業家が教える成功術
【私の評価】★★★☆☆(72点)


■日本通の米国人から
 「これがおかしい!日本の制度」を
 教えてもらえる一冊です。


■まず、医療制度。

 医療制度については、医師の技量のチェック制度がないことが、
 著者には信じられないようです。

 米国では一定期間でガイドラインに沿ったチェックが入るようですが、
 日本の医師免許は一度取れば、内科、外科、泌尿器から精神病まで
 どのような医療行為も終身的にでき、格付けなどのチェックの
 仕組み自体存在しません。

 「ヤブ医者」という単語があること自体、
 日本の医療制度のおかしなところが表現されて
 いるのでしょう。


  ・日本では医師免許が終身有効とされている。
   免許更新の必要はなく、医師の資格を保持するために
   何年かおきに教育を受ける必要もない。(p182)


■また、不動産業界にも不満があるようです。

 つまり、不動産屋が、売り手からも買い手からも
 手数料を取っており、安かろうが高かろうが、
 取引さえ成立させてしまえば儲かるという仕組みになっているからです。


  ・不動産業者は、買い手であるあなたからだけでなく、
   売り主からも報酬を受け取っている。・・・日本以外の国では、
   買い手と売り手の両方の代理人になることは法律で禁止されている
   場合が多い。(p10)


■外人にありがちな短絡的な結論も若干ありましたが、
 外部の目というものは非常に大切であると思います。

 こうした本の指摘を真摯に考えて対応していくところに、
 日本の発展もあるのではないかと思いました。

 本の評価としては★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・アメリカでは医療ミスによる裁判や懲戒処分などに関する
   医師の個人情報が、nydoctor-profile.comのようなサイトで
   一般に公開されているに、日本ではウェブサイトはおろか、
   そうした情報そのものが提供されていない(p186)


  ・2004年半ば現在、ゴールドマン・サックスは、
   110箇所を超えるゴルフ場を所有・・・GEリアル・
   エステート・ジャパンは、400棟を超えるオフィスビルと
   1000戸の住宅用不動産を所有している(p96)


▼引用は、この本からです。 

日本人が知らない「儲かる国」ニッポン―外国人起業家が教える成功術
ティム・クラーク カール・ケイ 武井 楊一
日本経済新聞社
売り上げランキング: 785
おすすめ度の平均: 4.5
5 サービス分野におけるプロフェッショナルの不在を鋭く突き、逆にビジネスチャンスと捉えるアウトサイダー視点を解説した良書。
4 視点が面白いですよ。
5 社会政策本としてもおすすめ
4 「日本人が知らない」サービス論!
5 読まないとホントに知らないよ!

【私の評価】★★★☆☆(72点)


■著者紹介・・・ティム・クラーク

 1956年ミネソタ生まれ。
 84年日本に移住。
 大手アメリカ企業のマーケティング・アナリストを経て帰国。
 ハワイ大学でMBAを取得後、コンサルティング会社を設立し、
 2000年に売却。
 現在、ポートランド州立大学の起業学講師。


■著者紹介・・・カール・ケイ

 1956年ペンシルバニア生まれ。
 82年米国企業の日本進出を支援する会社をボストンで起業。
 98年に会社を売却し、現在はコンサルタント。


─────────────────

■関連書評■

a. 「日本の真実」大前 研一
【私の評価】★★★★☆

b. 「日本国の研究」猪瀬 直樹

c. 「「法令遵守」が日本を滅ぼす」郷原 伸郎
【私の評価】★★☆☆☆

d. 「世界の日本人 ジョーク集」早坂 隆
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2009年7月29日

「世界が愛した日本」四条 たか子 :四条たか子 

世界が愛した日本
【私の評価】★★★☆☆(72点)


■テレビや新聞を見ると、悲惨な事件・事故ばかりで
 日本はどうなったのだろうと思いますが、
 実は、日本は世界で最も安全な国なのです。

 同じように、テレビや新聞を見ると、
 中国は「過去の戦争犯罪を忘れるな」と言うし、
 韓国では日本の国旗を燃やしていたりしますが、
 実は、日本が世界で最も評価されている国なのです。


■この本では、マスコミでは報道されない
 トルコが好日である理由、
 日本がインドネシアの独立に貢献した歴史、
 外務省の命令に背き、6000人ものユダヤ人を救った外交官
 などの話を読むことができます。

 悪い歴史を学ぶことも大切ですが、
 日本の良い歴史を学ぶことも同じように
 大切なのではないでしょうか。


■それぞれのエピソードの中から、
 興味を持ったものについて深堀りして調べていくのも
 楽しいかもしれません。

 日本という国を理解する一つの視点を与えてくれる本として
 読んでおく価値のある本だと思いました。
 本の評価としては、★3つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・駐日トルコ大使はその理由を短いコメントで表した。
   「エルトゥールル号の借りを返しただけです」(p40)


  ・恩人を捜し求めたユダヤ人たちが『スギハラ』を見つけ出す
   までに28年もの歳月を要したのは、『チウネ・スギハラ』ではなく
   『センポ・スギハラ』で外務省に紹介したため・・・『該当者なし』
   とした外務省の回答には今も疑問が残る。(p127)


▼引用は、この本からです。 

世界が愛した日本
世界が愛した日本
posted with amazlet at 09.07.31
四条 たか子
竹書房
売り上げランキング: 2824
おすすめ度の平均: 5.0
5 日本人として生まれてきてよかった
5 日本人という事に誇りが持てました
5 桜が咲き誇る美しい国、日本
5 母国を愛せる人こそ、他国を愛することができる
5 泣ける映画より素晴らしい史実があるってこと

【私の評価】★★★☆☆(72点)


■著者紹介・・・四条 たか子(しじょう たかこ)

 1959年生まれ。
 競馬週刊誌、骨董店、歴史小説家アシスタントを経て、
 フリーライターとなる。


─────────────────

■関連書評■

a. 「六千人の命のビザ」杉原 幸子
【私の評価】★★☆☆☆

b. 「インドネシアの独立と日本人の心」総山 孝雄
【私の評価】★★☆☆☆

c. 「私はいかにして「日本信徒」となったか」呉 善花
【私の評価】★★★☆☆

d. 「中国人に会う前に読もう」泉 幸男
【私の評価】★★★★☆


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「特攻基地知覧」高木 俊朗 :70点, 高木俊朗 

特攻基地知覧 (角川文庫)

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■鹿児島県南九州市の知覧町に、
 知覧特攻平和会館があります。

 戦時中、知覧に陸軍の飛行場があり、
 ここから陸軍の特別攻撃隊が出撃していったのです。


■この本では、取材により
 特攻基地知覧の雰囲気を伝えてくれます。

 特攻はすべて志願兵という説もありますが、
 実際には行かざるをえないといった状況だった
 ようです。


  ・桜咲く故国をあとに我はいま
   沖縄の海に清く散り行く(p25)


■また、「生きて虜囚の辱めを受けず」といった
 言葉があるように、成果よりも、
 死ぬことが目的化されていた雰囲気も伝わってきます。

 特攻により優秀な兵士が損耗すること、
 現状の爆弾で艦船を沈没させることが難しいとの実験結果が
 あったこと、などを考え合わせると、
 軍部が頑張っていることをPRするのが
 目的だったのではないかとさえ思えてきます。


  ・倉沢参謀がきては、おうへいな態度で、ののしった。
   「死ねないようないくじなしは、特攻隊のつらよごしだ。国賊だ。」
   ・・・このような冷遇と恥辱を与えられるのも、
   ただ単に、特攻隊員が生きて帰ってきた、というだけなのだ。(p148)


■私は、こうした特攻攻撃という 
 不合理が実行されていった当時の日本を
 簡単に非難できないと思います。

 京都議定書にしろ、国債発行にしろ、
 現在も同じことが続いている。
 私は、そう思います。

 本の評価としては★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・隊員には割りきれない思いが残っていた。
   それは、体当たりをする必要があるか、ということだった。
   爆弾さえ命中させればよいはずだ。(p37)


  ・実験の結果では、陸軍の爆弾では、艦船を沈めることは
   できないことが証明された。これに対し、三航研は、公文書で
   反論を送ってきた。『飛行機が爆弾をつけて体当りをすれば、
   艦船も撃沈できる。今、必要なのは、爆弾の改良よりも、
   体当り攻撃を実施することだ』というのだ(p322)


▼引用は、この本からです。

特攻基地知覧 (角川文庫)
高木 俊朗
角川書店
売り上げランキング: 17845
おすすめ度の平均: 4.5
5 万人に読んで欲しい書物
5 是非読んでみて下さい。
4 初めて特攻隊について真剣に考えさせられました
5 書かずにはおれなかった
5 貴重な日本史の記録

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■著者紹介・・・高木 俊朗(たかぎ としろう)

 1908年生まれ。大学卒業後、松竹入社。
 戦争中、陸軍報道班員として中国大陸からビルマを回り、
 鹿児島の知覧飛行場に入る。
 そうした従軍体験をもとに、戦後ノンフィクションを書き始める。


─────────────────

■関連書評■

a. 「日本人は戦争ができるか」松村 劭
【私の評価】★★★★☆

b. 「おじいちゃん戦争のことを教えて」中条 高徳
【私の評価】★★★★☆

c. 「零戦の真実」坂井 三郎
【私の評価】★★★★☆


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2009年4月28日

「警察ウラの掟」北芝 健 :78点, 北芝健 

元刑事が明かす警察ウラの掟―公安警察、刑事警察、交番...内側からみたホントの警察官

【私の評価】★★★☆☆(78点)


■日本の安全を守る警察という組織の
 笑える実体を教えてくれる北芝さんの一冊です。

 公安捜査員でもあったことがあるようなので、
 秘密漏洩の罪で起訴されるかもしれません。

■まず、警察という組織の特殊性から、
 付き合う人もしっかり身体検査をする必要があります。

 もちろんヤクザとは結婚できませんし、
 身内で付き合ったら必ず結婚しなくてはならないそうです。


  ・警察にある男女交際の掟は、
   婦人警官や内部の職員とできてしまったら、
   必ず結婚しなければなないということ(p194)

■また、24時間勤務の交番の警察官の平均寿命は62歳!!

 これは、危険が多い現場の勤務とはいえ、
 勤務ローテーションの問題もあるようです。

 国民の身近で働く警察官ですから、
 天下り先の行政法人を作るよりも、
 警察官を増やしてもらいたいものです。


  ・交番勤務の警察官の平均寿命は、なんと、62歳だ。・・・
   交番勤務は四日に一度泊まりとなるのだ。・・・
   アメリカの警察官は、基本的に八時間労働だ。・・・
   このシステムを、ぜひとも日本の警察に取り入れてほしい。(p205)

■名刑事、珍事、デモ隊との戦い、中国の工作員、CIAなど
 言えるところしか言っていないのでしょうが、
 それでも楽しめました。

 警察官が増えることを期待して、
 ★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・キャリアとは国家公務員採用一種試験をクリアして、
   警察庁へ入った者のことで、全国警察職員27万人のうち
   五百人ほどしかいない。(p20)


  ・一般に大使館勤務しているその国の人間は
   すべからく情報部員と言ってもいい。・・・(p67)


  ・私は、あと四万人ほど、警官がいてもいいと思っている。
   機動隊ばかり大きくするよりも、もっと市民生活に近い警察官を
   増やすべきなのだ。人手不足のために、警察が動けず、悲惨な
   事件になった例もずいぶんある(p120)


  ・チャラチャラした野郎は大嫌いだ。とくに、頭を茶色に染め、
   いいかげんな言葉で女の子を騙しているホストを見ると、
   警棒でひっぱたきたくなる。なかにはマトモなヤツもいるかも
   しれないが、彼らの実体といえば、女の子を騙し、
   そこから金を引き出すというのが商売の手口。(p139)


▼引用は、この本からです。

元刑事が明かす警察ウラの掟―公安警察、刑事警察、交番...内側からみたホントの警察官
北芝 健
日本文芸社
売り上げランキング: 59755
おすすめ度の平均: 4.0
4 興味深い
4 公安の件が特に○

【私の評価】★★★☆☆(78点)


■著者紹介・・・北芝 健(きたしば けん)
 
 元警察庁刑事。
 交番勤務から方面機動隊員、刑事、公安捜査員までを経験。
 警察関連施設で講師を担当。空手六段。修道館館長。


─────────────────

■関連書評■
a. 「警察裏物語」北芝 健
【私の評価】★★★★☆

b. 「外交敗北」重村 智計
【私の評価】★★★★☆


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2009年4月21日

「乱世の知謀と決断」堺屋 太一(編) : 

乱世の知謀と決断 (日本を創った戦略集団)

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■織田信長、武田信玄、毛利元就、
 蓮如、豊臣秀吉、世阿弥という
 戦国の世に活躍した偉人を紹介する一冊です。


■責任編集を行っている堺屋太一さんの言うとおり、
 確かに歴史は面白い。

 特に戦国の時代は、技術の進歩により、
 農業生産が増え、人口の増加もはじまる。

 そして、力をつけてきた勢力が、
 それまでの身分重視の伝統から解き放たれ、
 下克上というように、権力を持つことができる
 ようになってきた時代なのです。


■本書では、やはり堺屋太一さんが書いた
 「織田信長」が秀逸でした。

 兵農分離、鉄砲の導入、成果主義の人材評価、
 楽市楽座による経済の自由化、租税の公平化、貨幣の統一、
 道路の整備、武装宗教勢力の排除とその合理性と
 革新性はすごいものがあります。


  ・当時はかなりの領地を持ち、僧兵や信徒兵を持つ寺社が各地にあり、
   大名の手も及ばぬ治外法権を誇っていたばかりか、その経済力と
   武力と信徒の数で政治や行政にも容赦なく介入した(p52)


■中学生のときに読みたかった一冊です。

 歴史マンガと司馬遼太郎とこうした歴史本を
 組み合わせれば、歴史好きができるはずです。

 本の評価としては★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・本当の歴史には、分かり難い人名や細かな年代など
   ほとんど必要がない。重要なのは、世の中の大きな流れであり、
   なぜにそうなったかという因果の追求であり、その原因と結果を
   もたらした人間の知恵と行動に対する理解である(p7)


  ・名将とは、常に自軍の長所を活かし、敵軍の短所を衝く。
   凡将は、自軍の短所に不満を持ち、敵の長所に脅える(p62)


▼引用は、この本からです。

乱世の知謀と決断 (日本を創った戦略集団)

集英社
売り上げランキング: 1087349

【私の評価】★★★☆☆(70点)


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2009年4月 8日

「「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?」細野 真宏 :75点, 細野真宏 

「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った? ~世界一わかりやすい経済の本~ (扶桑社新書)

【私の評価】★★★☆☆(75点)


■カリスマ英語講師が、
 「社会保障国民会議」の委員として年金問題などを
 解説してくれる一冊です。


■年金問題では、「未納」「職員の横領」
 「消えた年金」など、いろいろ問題が
 マスコミで報道されています。

 マスコミでは「年金は既に破綻している」というような
 否定的な報道が多いのですが、この本を見ると、
 そうでもないのかも・・・と思うはずです。


■例えば、国民年金の納付率が60%と報道されていますが、
 サラリーマンの厚生年金などを含めれば、
 公的年金全体での納付率は95%以上です。

 また、国民年金を納付しない人には、
 将来、年金は支払われませんから、
 納付率がいくら下がっても将来的な影響は少ないのです。

■さらに、年金制度は、若い世代が老人を支えるという
 「ねずみ講」のような仕組みになっています。

 しかし、これは、見方を変えればインフレになっても
 支払い額を維持しやすいというメリットがあるのです。


■このように、この本を読むと、
 制度にはメリットとデメリットがあって、
 多角的に分析しなければ、
 簡単に判断できないということがわかりました。

 マスコミを信頼できない国民は悲惨ですが、
 マスコミも組織であり、そこで働くサラリーマンが
 作っているので仕方がない面もあるのでしょう。


■この本では、年金問題だけでなく、
 サブプライム問題も出てきます。

 この2つに興味のある方には、
 とてもわかりやすく、推薦できる本だと思います。
 本の評価としては、★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・国の年金制度が「仕送り方式」になっているのは・・・
   将来、日本が「インフレ」になったりしていても、
   私たちは安心して老後の生活を送ることが可能(p145)


  ・財政的な危機に直面するのは「年金」よりむしろ「医療」と「介護」
   で、例えば団塊世代が75歳以上になる2025年においては、
   年金給付の伸びが現在の1.4倍になるのに対して、
   医療は1.7倍で、介護は2.6倍にも膨らむのです!(p180)


▼引用は、この本からです。

「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った? ~世界一わかりやすい経済の本~ (扶桑社新書)
細野 真宏
扶桑社
売り上げランキング: 21
おすすめ度の平均: 4.5
5 本質を見抜く力
5 論理的に正しく判断できることで、現在の過剰な将来不安を減らせるようになる本☆
3 肝心の年金論が弱い。著者は解説者であり、批評家スタンスを改めるべき
5 妹二人に読んでほしい本!!
5 現在の私たちの経済状況が本当に良く分かるようになる本!

【私の評価】★★★☆☆(75点)


■著者紹介・・・細野 真宏(ほその まさひろ)

 大学在学中から予備校で教えながら、「数学が本当に
 よくわかる本」を執筆し200万部を超える。
 「社会保障国民会議」の委員として年金問題に取り組む。


─────────────────

■関連書評■
a. 「公務員の給与はなぜ民間より4割高いのか」北見 昌朗
【私の評価】★★★★★

b. 「「社会調査」のウソ」谷岡 一郎
【私の評価】★★★★☆


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2009年4月 2日

「七田眞の人間学 いかに生きるか」七田 眞 :77点, 七田眞 

七田眞の人間学 いかに生きるか

【私の評価】★★★☆☆(77点)


■人こそ国の宝。
 人こそ国力の源泉である。
 このことを伝えてくれる一冊です。


■昔、日本は、資源もお金もない、
 貧乏島国国家でした。

 私たちの祖先が、屋根のある家で、
 一日三食たべることができるきようになりたいと願い、
 日本人一人ひとりの活動の結果が現代社会を作ったのです。

 飢饉のあった昔から比べれば、
 すばらしい国家になったのではないでしょうか。


  ・最澄は「国の宝とは金銀財宝のことを言うのではない。
   職業が何であろうと、自分の持ち場を最高に思い、
   そこに真心を尽くす。そういう人が何人いるかが、国が
   豊かであるかどうかの物差しなのだ。一隅を照らす人たちこそが
   国の宝物だ。そういう人になろう」と言ったのです。(p3)


■この本では、先人の言葉を多く引用して、
 これまで私たちの祖先が学んできた
 素晴らしい考え方、勉強方法を教えてくれます。

 学校の教科書ではあたりさわりのない
 物語が教えられているようですが、
 それ以外に人間としての教育方法を考えなくてはならない
 のかもしれません。


  ・四書五経のような良質の教科書を
   ひたすら音読させ、暗唱させる学習法が
   取り入れられるべきです。(p101)


■国がどうこう、教育委員会がどうこういっても、
 世の中は変わりません。

 最澄が言ったように、一人ひとりが自分にできることを
 やっていくしかないのでしょう。


■このように、ちょっと真面目一本の本ですが、
 何かをしたくなってくる一冊でもあり、
 じっくり考える機会を与えてくれる一冊と言えるでしょう。

 本の評価としては★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・スマイルズの言葉を紹介しておきましょう・・・
   国の発展は、国民一人一人の勤勉さ、元気さ、誠実さによって
   決まるといってよい(p13)


  ・天命を知る・・・
   坂本龍馬は「世に生を得るは事を成すにあり」
   と言いました(p32)


  ・人のする仕事の値打ちがその人の値打ちです。 
   だから良い仕事をしようとしなくてはなりません。
   人と同じような仕事をしていては値打ちがない。(p118)


▼引用は、この本からです。

七田眞の人間学 いかに生きるか
七田 眞
総合法令出版
売り上げランキング: 99523
おすすめ度の平均: 5.0
5 ためになる
5 人生の杖
5 魂を磨く

【私の評価】★★★☆☆(77点)


■著者紹介・・・七田 眞(しちだ まこと)
 
 1929年生まれ。しちだ・教育研究所会長。
 七田チャイルドアカデミー校長。
 七田式教育を実践している教室は全国で450。


─────────────────

■関連書評■
a. 「私が一番受けたいココロの授業」比田井 和孝、比田井 美恵
【私の評価】★★★★★

b. 「最後の授業DVD付」ランディ・パウシュ、ジェフリー ザスロー
【私の評価】★★★★★


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2009年1月23日

「祖国とは国語」藤原 正彦 :73点, 藤原正彦 

祖国とは国語 (新潮文庫)

【私の評価】★★★☆☆(73点)


■あまり子どもに「勉強しろ」と言わなかった親が、
 子どもが学校から「20点」のテストの結果を持ってくると、
 ショックを受けるでしょう。

 同じように、日本は「ゆとり教育」を実践して、
 国際学力調査の結果にショックを受けています。


■こうした中、藤原さんの主張は、
 限りある授業時間のなかで、
 日本語を強化しよう。

 それも「読む」「書く」が
 大切ということです。


■寺子屋のように読み書きを強化して、
 あとは教科書を面白くする。

 面白くするというのは、
 円周率を「3」にすることではなく、
 逆に内容を濃くするということなのです。


  ・算数と数学の教科書を見た第一印象は概して「つまらない」
   である・・・なるほどこれでは数学はつまらないだろう、
   数学離れも仕方ない、とさえ思えてくる(p53)


■実は、こうした教育論議よりも、
 藤原さんのエッセーが面白いのがこの本の魅力です。
 鼻毛を抜きながら書いたこの本を楽しんでください。
 本の評価としては、★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・私には、数学の問題を考える時に
   鼻毛を抜くという癖がある(p106)


  ・情報を伝達するうえで、読む、書く、話す、聞くが最重要
   なのは論を俟(ま)たない。・・・海外から帰国したばかりの
   生徒がよくつまずくのは、数学の文章題である。(p15)


  ・紳士の国イギリスこそ、スパイや傍受や暗号解読の
   チャンピオンである。彼等は、「愚者は武力に頼り、
   賢者は情報に頼る」と信じている(p77)


▼引用は、この本からです。

祖国とは国語 (新潮文庫)
藤原 正彦
新潮社
売り上げランキング: 9425
おすすめ度の平均: 4.0
4 やっぱ国語っすね!
4 国語が全ての学習の基礎に全く同感
5 早期英語教育への反対と「祖国とは国語」という点では,私は藤原派です。
4 国語への情熱
5 おススメいたします

【私の評価】★★★☆☆(73点)


■著者紹介・・・藤原 正彦(ふじわら まさひこ)

 1943年生まれ。お茶の水女子大学理学部教授。
 故・新田次郎と藤原ていの次男。著書多数。


─────────────────

■関連書評■
a. 「遥かなるケンブリッジ」藤原 正彦
【私の評価】★★★★★

b. 「国家の品格」藤原 正彦
【私の評価】★★★★☆


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2009年1月 3日

「創価学会とは何か」山田 直樹 :74点, 山田直樹 

創価学会とは何か

【私の評価】★★★☆☆(74点)


■公明党が発案した2兆円規模の定額給付金が実施されます。

 そういえば、昔、竹下首相のときに
 地域振興券というものがありました。

 公明党は、自民党と組んで、すでに
 日本国を動かす与党ですので、日本人として、
 公明党について勉強してみることにしました。


  ・与党入りで公明党が条件として提起したのが、
   経費も含め7700億円もの巨費を投じた
   「地域振興券(=商品券)」である。(p21)


■公明党といえば、創価学会が支持母体であることは、
 だれもが知っていることです。

 電車の中刷りによくある「SGI」も創価学会ですし、
 最近はテレビで創価学会のCMをよく見かけます。

 創価大学、聖教新聞などあらゆる分野で
 活動していることがわかります。


  ・"王仏冥合"・・・その望みを実現させるために
   池田は二つの大きな目標をたてました。一つは公明党を
   作って政治を牛耳り、もう一つが優秀な学会員子弟達を
   政官財各界に送り込み、国家の中枢、重要な部分を自らの
   勢力で抑えてしまおうという"総体革命"です。(p147)


■創価学会は、日蓮正宗の信徒団体であったものが、
 1990年に破門されています。

 こうした経緯のなかで、創価学会と日蓮正宗は、
 激しい中傷合戦、訴訟で戦っているようです。

 日本の宗教はあまり戦いは好まないと思っていたのですが、
 戦いを選ぶ宗教もあるのですね。


  ・90年12月、池田大作・創価学会名誉会長は、
   日蓮正宗の信徒代表である「総講頭」の資格を剥奪される。・・・
   翌年、破門された池田創価学会は、依頼、前章で示したような口汚い
   罵倒や凄まじい攻撃を宗門に対して仕掛けていく。その攻撃の一つが、
   全国各地で起こされていった訴訟である。(p94)


■いろいろあるようですが、
 与党である公明党、創価学会については、
 日本の運命を左右するほどの力を持っていますので、
 これからも注視していきたいと思います。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・「ゲス」「ヘビ」「犬畜生!」「カセネタ屋」「薄汚いドブネスミ」
   「人間の皮をかぶった鬼畜」「衣を着た畜生!」「インチキ坊主」
   ・・・こんな言葉で一方的に他人を貶め、嘲罵を繰りかえしている
   「新聞」があるのをご存知だろうか。(p72)


  ・実は、創価学会(フランス創価学会インタナショナル)は、
   95年12月にフランス国民議会に、「カルト(セクト)」と
   報告されている。議会に提出された「セクト調査委員会報告書」の基準には、
    ・多少を問わず反社会的な教説
    ・公共秩序の攪乱
    ・多くの裁判沙汰(p105)


  ・65年に池田が行った大石寺の正本堂建立御供養という
   資金集めで、学会は目標の十倍以上の355億円を集めて
   しまいました。池田は、全国規模の供養について、"将来は一切、
   いたしません"と言っていたのに、これに味をしめて以後、
   次々と金集めを行うようになったんです(後呂雅巳)(p126)


  ・独裁者となった池田は、折々にこんな言葉を残すようになる。
   ・・・「勝つか負けるか。やられたらやりかえせ。世間などなんだ。
   私は恐れなど微塵もない。勇者は私だ。(中略)反逆者には
   『この野郎、馬鹿野郎』でいいんだ」(埼玉指導 89年3月12日)(p168)


▼引用は、この本からです。

創価学会とは何か
創価学会とは何か
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山田 直樹
新潮社
売り上げランキング: 124886
おすすめ度の平均: 4.0
1 本当に創価学会とは何か?
5 毒されつつある日本
5 カルト宗教の国政への参加を許すな
5 カルト教団創価学会
5 補足。引っ越しても、学会員が引っ越先地域の信者にチクるからなかなか脱会出来ない

【私の評価】★★★☆☆(74点)


■著者紹介・・・山田 直樹(やまだ なおき)

 1957年生まれ。「週刊文春」の専属記者を経て、
 フリーのジャーナリストに。
 政治、経済、事件、宗教などを取材。


─────────────────

■関連書評■
a. 「お笑い創価学会信じる者は救われない」佐高 信、テリー伊藤
【私の評価】★★★☆☆

b. 「権力の司祭たち」早坂 茂三
【私の評価】★★★☆☆


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2008年11月21日

「初等ヤクザの犯罪学教室」浅田 次郎 :74点, 浅田次郎 

初等ヤクザの犯罪学教室 (幻冬舎アウトロー文庫)

【私の評価】★★★☆☆(74点)


■毒入りチョコを置いたり、江崎社長を誘拐した
 グリコ・森永事件は、なぜ成功したのか。

 倒産しそうな会社に近づく「整理屋」の手口とは?

 こうした知識は、怖いもの見たさと、
 実はそうなんだ、といった知りたい気持ちを
 刺激します。


  ・世の中には一生寝て暮らす方法が、ちゃんとあるのです。・・・
   一つは、金を貸して利息で暮らすこと。
   もう一つは、金を借りて永久に返さないこと(p100)


■やはり、オレオレ詐欺のように
 相手の手口を知っていれば、
 防げる犯罪があるはずです。

 ですから、敵を制すためには、
 敵を知らなくてはならないのでしょう。


■すべて本当でもないようですが、
 高利貸しの手法や賄賂の渡し方など
 興味深い内容でした。

 社会人として、裏の社会勉強として読むべき内容だと
 思いましたので、★3つとします。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・通例、飲酒を伴う事故に保険はおりませんから、
   被害者に対する補償はすべて実費でまかなわねばなりません。
   被害者の質によっては一生ただ働きしなければならないことも(p18)


  ・あらゆる犯罪にあてはまる基本でありますが、
   近在の警察署の所管図を十分頭に入れておき、
   犯行後はすみやかに他の所管へ逃げ込む(p81)


  ・テレビドラマなどではよく、背後から忍び寄って後頭部をガツンと
   殴って相手を気絶させてしまう・・・ところが実際にはあんなふうに
   不意にガツンとやれば、五回に一回ぐらいは死んでしまう(p201)


▼引用は、この本からです。

初等ヤクザの犯罪学教室 (幻冬舎アウトロー文庫)
浅田 次郎
幻冬舎
売り上げランキング: 832
おすすめ度の平均: 4.0
5 妖しい魅力
5 人間味あふれる、あったかい犯罪学です。
3 暴力団の弁護や暴力団の追放運動をしている弁護士の意見
3 浅田作品の元ネタ帳。
5 まずはこの本から

/
【私の評価】★★★☆☆(74点)


■著者紹介・・・浅田 次郎(あさだ じろう)

 1951年生まれ。
 吉川英治文学新人賞、直木賞など。
 著書多数。

─────────────────

■関連書評■
a. 「椿山課長の七日間」浅田 次郎
【私の評価】★★★★☆

b. 「プリズンホテル夏」浅田 次郎
【私の評価】★★★★☆


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2008年9月 4日

「冤罪弁護士」今村 核 :77点, 今村核 

冤罪弁護士

【私の評価】★★★☆☆(77点)


■テレビで多くの事件を見ていて不思議に思うのは、
 「取調べは任意なのに、拒否する人がいないのはナゼ」
 「黙秘すればいいのに、逆に自白してしまうのはナゼ」
 ということです。


■その答えは、
 「警察が有無を言わせず連れて行く」
 「自白しないと、20日拘留するなどと言って脅す」
 からです。

  ・これは警察が有無を言わせない空気で
   迫ってくるためです。(p183)


■こうしたことは、「国家の罠」を読んで知っていましたが、
 具体的事例で、客観的な証拠よりも、
 自白や証言が優先される裁判が多いことを知ると、
 なにやら怖ろしくなってきました。


■冤罪は簡単に作られるのです。

 私は、混んでいる電車では、チカンに間違われないように
 必ず両手で本を持って読んでいますが、
 それでも冤罪に巻き込まれる恐れはあるはずです。

 一度起訴されてしまうと有罪確実ですので、
 巻き込まれない、取調べられたら弁護士を付けるなど
 気をつけたいものです。


■なかなかテレビでは取り上げない、いえ、
 取り上げることのできないテーマなのでしょう。
 本の評価としては★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・日本の刑事裁判の特色は、一言で「調書裁判」「精密司法」
   「人質司法」などと言われる。・・・否認していると
   ずっと釈放されず、有罪のときは量刑もはるかに重い(p13)


  ・検察官控訴により原判決が破棄される比率は、統計上、
   およそ三分の二にも達します。検察官控訴により一審の
   無罪判決が破棄されると、その裁判官は裁判所組織内で
   冷遇される傾向にある(p222)


  ・警察官が、偽証し、あるいは証拠を捏造することは、
   かならずしもめずらしくはない。(p56)


▼引用は、この本からです。

冤罪弁護士
冤罪弁護士
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今村 核
旬報社
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おすすめ度の平均: 5.0
5 ごく最近の冤罪事例+刑事訴訟法入門

【私の評価】★★★☆☆(77点)


■著者紹介・・・今村 核(いまむら かく)

 1962年生まれ。大学卒業後、1992年弁護士登録。
 現在、自由法曹団司法問題委員会委員長。

─────────────────

■関連書評■
a. 「国家の罠」佐藤 優
【私の評価】★★★★☆

b. 「裁判のカラクリ」山口 宏、副島 隆彦
【私の評価】★★★☆☆


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2008年9月 2日

「権力の司祭たち」早坂 茂三 :70点, 早坂茂三 

権力の司祭たち (集英社文庫)

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■田中角栄元総理大臣の秘書官を務めた
 早坂 茂三さんが政治の世界を語ってくれる一冊です。

 時代は変わりましたが、
 政治家の世界はそれほど変わっていないようです。


■役人の使い方、カネの集め方、
 派閥の役割、選挙区への心配りなどは、
 いろいろな改善の動きがありますが、
 昔も今も似たような雰囲気です。

  ・田中角栄は言った。「役人は生きたコンピュータだ。
   使いこなせば役に立つ。方針を明確に示し、
   予算のわがままを聞いてやり、失敗の責任を負わせず、
   退官後の天下り先を世話することだ」(p82)


■早坂さんの思いは、そうした細かなことよりも
 天下国家のことを考えることのできる国会議員を
 一人でも増やしたいということです。

 その方向に行ってもらいたいものです。
 本の評価としては★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・自民党の派閥は、そこのボスにとって
   総理・総裁を目指すための私兵の養成機関である。(p13)


  ・田中角栄が私に言った。
   「公明党は法華さんの太鼓を叩くヒトラーユーゲントだ」
   ヒトラーユーゲントというのは、戦前、ナチスドイツの
   指導者・ヒトラーが作った青年団組織である。(p192)


  ・権力の司祭たちの頭の中は、八、九割が選挙区の心配と、
   必要なカネの遣り繰り算段だ。ボスはボスなりに途方もない
   カネが出ていく。心の休まる時が少ない。並みの代議士が経世済民、
   世界や天下国家を考えるのは、残りの一、二割だ。(p209)


  ・昔の徳川時代、幕閣は大名の妻子を江戸に呼んで人質にした。
   今は逆に地元の選挙民が人質を取る。地方出身の選挙に弱い代議士は、
   妻子を選挙区に置かなければ信頼してもらえない。
   二重生活になる。(p204)


  ・国会議員一人当たり年額一億円のカネを国庫から支出したらよい。・・
   このカネで政治家は優秀なスタッフを十人も二十人も用意したらよい。
   いい仕事をするには、頼りになる相棒が必要だ。(p231)


▼引用は、この本からです。

権力の司祭たち (集英社文庫)
早坂 茂三
集英社
売り上げランキング: 583930

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■著者紹介・・・早坂 茂三(はやさか しげぞう)

 1930年生まれ。東京タイムズ記者を経て、
 1962年大蔵大臣田中角栄の秘書官となる。
 田中が脳梗塞で倒れる1985年まで政策秘書官。
 2004年没。

─────────────────

■関連書評■
a. 「オヤジの知恵」早坂茂三、集英社
【私の評価】★★★★★

b. 「駕籠に乗る人担ぐ人」早坂茂三、集英社
【私の評価】★★★☆☆


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2008年8月25日

「ブッダの教えがわかる本」服部 祖承 :72点, 服部祖承 

ブッダの教えがわかる本―仏教を学ぶ (仏教を学ぶ)

【私の評価】★★★☆☆(72点)


■「仏教の教え」を教えてくれる一冊です。

 「八正道」「諸行無常」「六波羅蜜」など
 難しい言葉が出てきますが、
 内容は成功哲学そのものです。


■たとえば、「八正道」の
 「正見:正しくものを見よう」は、現実を素直に直視することだし、
 「正語:正しい言葉で話そう」は、コミュニケーションの技術です。

 その他にも、与えること、たゆまず努力すること、
 人の悪口を言わないなど、
 普通の成功哲学本に書いてあることばかりです。


  ・欲楽と苦行との二つの極端を離れた「中道」こそが
   理想への正しい道である・・・自己中心の考え方を
   捨て去ることである(p33)


■冠婚葬祭でしかお付き合いのない仏教ですが、
 本来は「成功哲学」を庶民に伝えるための
 仕組みだったのかもしれません。

 お寺で「成功セミナー」を開いてもらうと
 楽しいかもしれないと思いながら、
 本の評価としては★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・「自己を知り、掘り下げる教え」
   それが仏教なのです。(p7)


  ・「諸行無常」・・・その意味は「この世の中のものは、
   すべてうつりかわる」ということです。・・・
   それに執われたり、それを誇りおごっていたりしても、
   それは何もならないということです。(p71)


  ・中国唐代の禅僧、百丈禅師の言葉に、
   「一日作(な)さざれば一日食らわず」とあります。
   つまり、人の世話になるまいという決心を持つことです。(p104)


▼引用は、この本からです。

ブッダの教えがわかる本―仏教を学ぶ (仏教を学ぶ)
服部 祖承
大法輪閣
売り上げランキング: 6497
おすすめ度の平均: 5.0
5 こころが込められた素晴らしい本です。

【私の評価】★★★☆☆(72点)


■著者紹介・・・服部 祖承(はっとり そしょう)

 1928年生まれ。
 1949年~1974年小学校教諭。
 1959年~1995年自敬寺住職。
 1995年~2005年自敬寺閑栖
 1972年~2005年法務省保護司。

─────────────────

■関連書評■
a. 「ユダヤ5000年の教え」ラビ・マーヴィン・トケイヤー
【私の評価】★★★★★

b. 「甘露の法雨」谷口雅春
【私の評価】★★☆☆☆


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2008年7月12日

「時代はいつも、こう変わる」 :70点, 日下公人 

時代はいつも、こう変わる―明日が見つかる7大法則と50の小法則」日下 公人、リベラル社
【私の評価】★★★☆☆(70点)


■長期信用銀行出身の日下さんの一冊です。

 銀行という高所から
 頭の良い人が社会を見るとこうなるのだろうなと
 思いました。

 私の場合は、外国人の話のところを
 面白く読みましたが、

  ・中国人と「ドラえもん」の話をすると、子供が自分の部屋を
   二階に持っているのが大ショックだという。シンガポールの学生は、
   日本の女性はアパートに独立して住んでいるとは凄いと驚く。(p34)


■普及率7%の壁や、下手な鉄砲を数撃とうなど
 マーケッティング関係も
 充実しています。

 いろいろなヒントが入っているので、
 ちょっとした時間つぶしに読むと
 楽しめると思います。

 本の評価としては★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・お金持ちと貧乏人はやることが似ている。
   たとえば、腕時計・・・
   衣服・・・くしゃくしゃになった風合いを楽しむ(p96)


  ・本物と出会う機会を増やすことで、それが本物と偽物を
   見極める目を養うことになる。(p143)


▼引用は、この本からです。
時代はいつも、こう変わる―明日が見つかる7大法則と50の小法則

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■著者紹介・・・日下 公人(くさか きみんど)

 1930年生まれ。大学卒業後、長期信用銀行入行。
 同行取締役を経て、東京財団会長、ソフト化経済センター理事。
 著書多数。

─────────────────

■関連書評■
a. 「失敗の教訓」日下公人、ワック
【私の評価】★★★★★

b. 「お金をたくさん稼ぐには」日下 公人、三笠書房
【私の評価】★★★★☆


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2008年1月18日

「自殺という病」佐々木 信幸 :74点, 佐々木信幸 

自殺という病―毎年3万人の自殺者を減らすために、あなたができること
【私の評価】★★★☆☆(74点)


■先日、東京に出張しましたが、
 乗った電車が「人身事故のため停車」しました。

 また自殺か・・・首都圏では人口が多いだけに、
 電車への飛び込みも多いようです。


■日本では毎年三万人が自殺していますが、
 先進国の中では非常に高い自殺率になっています。

 (自殺率の上位はリトアニア、ロシア、ベラルーシ、ウクライナ・・・
  旧ソ連の国々が高いですね)


■どうして自殺するのかと普通の人は考えますが、
 精神科医から言わせると、自殺は( 病気 )だというのです。

 正常な判断をくだせない精神状態があり、
 「認知障害」といえる状態となることがあるのです。


 ・ 自殺を考えている人の脳では、特にセロトニンという伝達物質が
  少なくなっていることがわかっています。脳内のエネルギー不足の
  ような状態で・・・「認知障害」の状態で出した「自分は死ぬべき
  である」という結論は、果たしてその人が自分の意志で死を決断
  したことになるのでしょうか?(p33)


■また、どうしたときに、自殺の可能性が高まるかといえば
 人生の目的を喪失したときが危ないようです。

 つまり生きる意味を失ったときに、
 人は思い切り落ち込むのです。


 ・女性は40代、男性は50代、60代で、心理的な危機をむかえやすい
  といわれます。・・・「人生の目的の喪失」です。女性の場合は、
  人生の目標を子育てにおき・・・男性の場合は・・・「仕事」(p72)


■こうした人に対して、どう対応すれば良いのかとといえば、
 ただ、聞くだけ。
 ただ、( 傾聴 )することが大切だそうです。


 ・自殺を考える人との上手な会話法・・・
  ただ傾聴すればいい(p160)


■自殺については、日本人が真剣に考えるべき
 テーマだと思います。

 自殺についての基礎知識を学ぶには最適な一冊だと思いましたので、
 ★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・アメリカの自殺者は日本の自殺者とほぼ同じです。ただし
  アメリカの人口は約二億八千万人です。日本は約一億二千万人ですから、
  ・・・アメリカの2.4倍も自殺率が高いのです。
  イギリスに比べると3.2倍です。(p30)


 ・キリスト教もイスラム教もユダヤ教も仏教も、その他ほとんどの
  宗教は、すべて自殺を禁止していて、世界中のほとんどの人達は
  「自殺はしてはいけないものだ」という共通認識を持っています。(p47)


 ・病苦は自殺動機のトップクラス・・・自殺者の約90パーセントは、
  何らかの精神疾患にかかっている(p60)


 ・自殺念慮を持っている人にとっては、お酒はさらに危険な凶器
  となります。それは、酩酊状態、つまり酔っ払った状態で自殺
  行動を起こす人が非常に多いからです。(p89)


▼引用は、この本からです。

自殺という病―毎年3万人の自殺者を減らすために、あなたができること
佐々木 信幸
秀和システム
売り上げランキング: 44773
おすすめ度の平均: 4.5
3 副題にうつとつけたほうがいい
4 自殺も病。
5 誰もが読んでほしい本
5 本当に人を救う本
5 自殺を減らすために

【私の評価】★★★☆☆(74点)


■著者紹介・・・佐々木 信幸(ささき のぶゆき)

 1965年生まれ。精神科医。
 2004年より、うつ病・自殺研究で有名な
 イリノイ大学シカゴ校精神科に勤務する。
 メルマガ「シカゴ発 映画の精神医学」「ビジネス心理学」発行。

─────────────────

■関連書評■
a. 「朝食抜き!ときどき断食!」渡辺 正、講談社
【私の評価】★★★☆☆

b. 「病気にならない生き方」新谷 弘実、サンマーク出版
【私の評価】★★★★★


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2008年1月17日

「福沢 諭吉 国を支えて国を頼らず」北 康利 :77点, 北康利 

福沢諭吉 国を支えて国を頼らず
【私の評価】★★★☆☆(77点)


■慶応義塾の創設者、『学問のすゝめ』の著者、
 一万円札の肖像となっている福沢諭吉の生涯を記した一冊です。

 福沢諭吉の功績としては、
 学問の必要性を広め、自主独立の精神を広めたこと、
 そして西洋の知識を日本に紹介し、脱亜入欧をぶったことでしょう。


■緒方洪庵の適塾において頭角を表わし、
 25歳で幕府全権団の随行としてアメリカを視察しています。

 ここでは、アメリカの豊かさ、
 自由・平等を標榜するアメリカ市民社会に
 大きく影響を受けたようです。


 ・(1959年)当時の日本では鉄は貴重品。火事の後には、焼け残った釘を
  拾いに多くの人が集まったほどだったが、ここサンフランシスコでは
  無造作に捨てられている。アメリカの豊かさの前に息を飲んだ。(p77)


■そして、『西洋事情』と『学問のすゝめ』を発刊。

 『学問のすゝめ』は、17編の小冊子であり、
 300万部以上の人の読まれたと言われています。


 ・明治五年(1872年)二月、『学問のすゝめ』初編が発刊された。
  <賢人と愚人との別は、学ぶと学ばざるとによりて出来るものなり>
  ・・・<この人民ありてこの政府あり>という言葉などは実に
  辛辣な警句である。(p159)


■<この人民ありてこの政府あり>など、今の日本人にたいして
 福沢諭吉が怒っているような錯覚に陥りました。

 学ぶことの必要性と自主独立の精神は、
 その重要性は今も変わりません。
 ★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・諭吉がその金を書籍購入に充てた。マンデビルの英文法書を二百余冊、
  ウェブスター大辞書42冊、クアッケンボス窮理書(現在の物理書)76冊、
  地図帳33冊等々、買った大きい箱で10箱近くに達した(p113)


 ・慶応義塾では「欧米の学問と自主独立の精神」を徹底的に叩き込んだ。
  ここで「欧米の学問」と言っているのは、・・・実生活に役立つ知識を
  意味している。後にこれを「実学」と表現した。(p156)


 ・(大隈重信には)その人柄を慕って人が集まった。早朝五時には起床、
  庭を一、二時間かけて散歩し、夜は九時には就寝するという規則的な
  生活を守り、「人間125歳寿命説」を主張するほど頑健であった。(p208)


 ・イギリスが朝鮮の巨文島を占領したり、ロシアが朝鮮宮廷内の親露派と
  示し合わせて陸路朝鮮へ侵入を企てたりしているにもかかわらず、朝鮮政府の
  対応が弱腰なことに愛想を尽かし・・・<人民の生命も財産も独立国民の誇りも
  守ってやれないような国は、むしろ亡びてしまうほうが人民のためだ>とまで
  書いたため即座に発行停止を食らった(p312)


▼引用は、この本からです。

福沢諭吉 国を支えて国を頼らず
北 康利
講談社 (2007/03/30)
売り上げランキング: 3480
おすすめ度の平均: 5.0
5 我々が忘れかけているもの
4 今一つ訴求力に欠くが力作であることは間違い無い
5 理想の教育のカタチ

【私の評価】★★★☆☆(77点)


■著者紹介・・・北 康利

 1960年生まれ。大学卒業後、銀行系証券会社勤務。
 PHP研究所「次代を考える東京座会」メンバー。
 著書多数。

─────────────────

■関連書評■
a. 「中国の「核」が世界を制す」伊藤 貫、PHP研究所
【私の評価】★★★★★

b. 「華僑 大資産家の成功法則」小方 功、実業之日本社
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2007年11月 8日

「僕の見た「大日本帝国」」西牟田 靖 :73点, 西牟田靖 

僕の見た「大日本帝国」
【私の評価】★★★☆☆(73点)


■「大英帝国」という言葉があったように、
 「大日本帝国」という言葉がありました。

 大日本帝国とは、日本、台湾、朝鮮半島、サハリンの南半分、
 そして太平洋の島々からなる国家です。


 ・戦前のアジア太平洋地域の地図を見ると、日本の領土が現在より
  ずいぶん広いことに気がつく。朝鮮半島や台湾、サハリンの南半分、
  そして太平洋の赤道のあたりまでが日本領となっているのだ。(p17)


■著者の西牟田さんは、この「大日本帝国」の地図を見て、
 これらの日本領であった国々を旅してみようと決心しました。

 短期間の旅で、現地の実際の姿を知ることはできないでしょうが、
 現地に行かないよりは、より現実に近づけるはずです。


■南の島には、日本へのアメリカ侵攻を防ぐために、
 少ない武器で、玉砕していった人たちの名残がありました。

 日本の国のために自分の命を捧げた人たちがいた
 という事実を私たちは知らなくてはなりません。


 ・(ペリュリュー)神社には敵将ミニッツ提督の言葉の彫られた碑もあった。
  「この島を訪れるすべての国の人よ。この島を守った日本軍将兵が、
  いかに勇敢に祖国愛に燃えて戦い、玉砕したかを語り伝えよ」(p354)


■最近、沖縄で集団自決を日本軍が強制したという記述が
 教科書から削除されて問題になりましたが、
 気持ちはわからないではありませんが、
 日本軍がすべて悪いというのは、現実とは違うように感じました。


 ・そのころの日本人はアメリカ人など見たことがない人が多かったし、
  捕まったら殺されると思っていたのは仕方のないことなのかもしれない
  (その後終戦直前にソ連軍がなだれ込んできた満州では現実に地獄絵図が
  繰り広げられたのだ)。(p380)


■戦前は、日本の軍事力をちゃんと把握していませんでしたが、
 今は、愛国心の大切さをちゃんと把握していないように感じます。

 反日・愛国などということではなく、
 日本の歴史と、日本を考えるために良い本だと思いましたので、
 ★3つとします。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・「特攻隊の人たちは精神が純粋で『お国のために』と思っていましたから、
  任務を疑問に思っている人は見かけませんでした」(台湾の鄭さん)


 ・満州から来た日本兵に、食いものと女持ってこい、と怒鳴られたこと
  もありましたよ。・・・日本は戦争に負けてしまったが、日本が戦った
  からこそアジアが列強から解放されたとう側面もあったんだよ。
  (韓国の張さん)(p172)


 ・グアムを除く島々は二十世紀の前半、南洋群島と呼ばれ、
  三十年ほどの間、日本に統治されていた。ドイツ領だった
  ミクロネシアを日本が無血占領したのは1914年(大正3年)、
  第一次大戦中のことだった。(p331)


▼引用は、この本からです。

僕の見た「大日本帝国」
西牟田靖
情報センター出版局
売り上げランキング: 73266
おすすめ度の平均: 4.5
5 好奇心を大事にする
2 ただの旅行記。
5 等身大のアジアがそこにある!
1 旅行記としては★5つ
5 等身大の個人としての戦争体験理解を共有できる本

【私の評価】★★★☆☆(73点)


■著者紹介・・・西牟田 靖(にしむた やすし)

 1970年生まれ。8か月会社員として勤め、
 地球一周の船旅に出て、ライターとなる。
 タリバン支配下のアフガニスタン侵入、
 空爆停止直後のユーゴスラビア突入など
 挑戦的な旅を続ける。

─────────────────

■関連書評■
a. 「台湾人と日本精神」蔡 焜燦、小学館
【私の評価】★★★★★

b. 「梅干と日本刀」樋口 清之、祥伝社
【私の評価】★★★★★


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2007年11月 7日

「日本の食と農」神門 善久 :70点, 神門善久 

日本の食と農 危機の本質 (シリーズ 日本の〈現代〉)
【私の評価】★★★☆☆(70点)


■学者さんが日本の農業を分析すると、
 こうなるんだろうな、という一冊でした。

 まず、農業経営が非常に厳しいものであり、
 人一倍働かなくては成り立たないことはわかるようです。

 現状の農産物の流通では、農家に入るお金は、
 10%くらいでしかないのですから、
 農家は流通を含めてコスト削減努力が必要となります。


 ・現在の家庭の食費の大部分は加工や流通などにお金をかけている
  のであって、農産物そのものにはお金をかけていない。青果物の場合、
  小売価格の10~40%程度しか農家の手元には行かない。(p36)


■しかし、それでも農家が農家であり続ける理由は、
 農水省のばらまく補助金と、
 将来の農地転用による土地の売却期待であるというのが、
 神門(ごうど)さんの分析結果です。
 現実は、そうなのでしょう。


■また、農協と農水省にしても、
 現状維持と組織の維持に努力をするのみです。

 自殺した農水相がいましたが、
 農水省の利権には、ものすごいものがありそうです。


 ・正直に農地法を改正するのではなく、新たな制度を作って
  農地行政を複雑にし、外部からわかりにくくするのが農水省の
  知恵である。農水省のホンネは零細農家の保護である。(p161)


■「現状はよくない」ということはよくわかりましたが、

 今後、どうすべきかについては、最後の数ページで、
 外国人労働者の活用と、海外からの食品輸入の促進を
 あげています。

 サントリー学芸賞を受賞するくらい良い分析とは思いましたが、
 批判が主で、提案内容が弱かったので、★2つに近い、★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・JAの法令違反は偽装表示だけではない。最近では全農秋田による
  自主流通米の架空取引および横領事件が耳目を集めた・・・
  雪印食品が消滅してしまったのに比べて、相変わらず巨大組織で
  不祥事を続けるJA(p77)


 ・生産者との顔が見える関係とかいって宅急便を活用したような流通は、
  実は流通経費を高め、資源の浪費という環境破壊を招いている
  可能性がある。(p22)


 ・BSEであれ、環境ホルモンであれ、どの程度の有害性を持つのか、
  現在科学が正確に解明したわけではない。・・・日々われわれが
  "安心"して食べているものに、BESの比ではなく有害性が科学的に
  検出されているものが多々ある。(p48)


▼引用は、この本からです。

日本の食と農 危機の本質 (シリーズ 日本の〈現代〉)
神門 善久
NTT出版
売り上げランキング: 5705
おすすめ度の平均: 4.5
5 研究者のあるべき姿をみた
5 自己言及の難しさ
5 耳は痛むが読破した後に何かが得られます。
5 爽快感ある研究書
5 日本社会のあり方に指針を与える貴重な書

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■著者紹介・・・神門 善久(ごうど よしひさ)

 1962年生まれ。
 1984年京都大学農学部卒。京都大学博士。
 現在、明治学院大学経済学部教授。

─────────────────

■関連書評■
a. 「夢の百姓「正しい野菜づくり」で大儲けした男」横森 正樹
【私の評価】★★★★★

b. 「ニンジンから宇宙へ」赤峰 勝人、なずな出版部
【私の評価】★★★★☆


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2007年10月17日

「日本人はなぜ戦争をしたか」猪瀬 直樹 :猪瀬直樹 

日本人はなぜ戦争をしたか―昭和16年夏の敗戦 (日本の近代 猪瀬直樹著作集)
【私の評価】★★★☆☆(70点)


■昭和十六年十二月八日のハワイ真珠湾攻撃により、
 太平洋戦争がはじまりました。

 当時の内閣、議会、官僚、マスコミ、軍部は、ほとんどすべて開戦派であり、
 日本が戦争に突き進んでいく空気のようなものを
 この本は描写してくれます。


 ・「和平」という結論が出れば、若手将校によるクーデーターか、
  右翼による要人暗殺が起きかねない形勢にあった。(p84)


■そして、開戦前に軍官民の優秀な人員三十六名を集めた
 「総力戦研究所」が日米戦争をシミュレーションしています。

 その結果は、資源がなく、米国、中国、英国、ソ連に包囲された
 日本は必ず負けるというものでした。


 ・総力戦研究所研究生が模擬内閣を組織し、日米戦日本必敗の
  結論に辿り着いたのは昭和十六年八月のことであった。・・・
  日本が南方に石油を獲りにいったらどうなるか、という想定で
  シミュレーションが進められた。(p130)


■そのような現実を知る人はいるものの、
 日本はこの雰囲気の中で、開戦していくこととなります。

 六十年も前のことですが、
 一度世論が生まれると一斉に一方向に走ってしまう、
 今も変わらない日本の特性を感じてしまいました。

 当時の雰囲気を知るために良い本だと思いますので、
 ★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・彼(東條)は自分が頂点にいるとは思わない。天皇がいた。
  彼はその忠実な臣下であった。彼は軍人としてのファンクション
  (職分)のなかで生きていた。理念や思想があれば彼に制度の
  壁を破ることを期待するのは可能だが、それは望むべくもなかった。
  (p182)


▼引用は、この本からです。

日本人はなぜ戦争をしたか―昭和16年夏の敗戦 (日本の近代 猪瀬直樹著作集)
猪瀬 直樹
小学館
売り上げランキング: 57628
おすすめ度の平均: 4.5
5 戦争を知らない事はよくない
5 本当に「過去を直視」すべきは朝日新聞
5 悪質な多事争論
5 もっと多くの人に知らせたい
5 帝国主義の罠

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■著者紹介・・・猪瀬 直樹(いのせ なおき)

 1946年生まれ。
 「ミカドの肖像」「日本国の研究」など、
 日本という国家を考える書籍を多数出版。
 行革断行評議会委員として特殊法人の民営化に取り組む。


─────────────────

■関連書評■
a. 「日本国の研究」猪瀬 直樹、文藝春秋
【私の評価】★★★★★

b. 「一気にわかる!空港の内幕」猪瀬 直樹、PHP研究所
【私の評価】★★★★☆


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2007年10月16日

「プリンシプルのない日本」白洲 次郎、新潮社 :白洲次郎 

プリンシプルのない日本 (新潮文庫)
【私の評価】★★★☆☆(79点)


■白洲次郎といえば、戦後処理において吉田茂の片腕として、
 日本国憲法成立などに関係し、
 さらには通商産業省を誕生させ、
 東北電力会長を務めた大物です。

 その生い立ちは変わっていて、大金持ちの子息であり、
 イギリスのケンブリッジ大学へ留学。


■この本は、白洲次郎が雑誌などに発表した文書をまとめたものですが、
 その内容は( 日本人への警告 )となっています。


■まず、本人も率直に話す人だったようですが、
 イエスマンがとにかく嫌いだったようです。

 イエスマンは事実を話さずに、
 相手に都合の良い話ばかりするために、
 現実を歪めてしまうという怖さがあります。

 ・終戦直後、私が終戦連絡[中央]事務所に居た時分の印象の一つで、
  いまも頭に残っていることがある。それは一番平気で米軍側に
  立ち向かったのは、昔の内務省出身の役人が多かったこと。(p65)


■また、良いことであれば外国に学ぶ、
 問題があれば議論するといった、
 論理的で素直な考え方を推奨しています。

 ・当時日本で外国のことを誉めると評判が悪かったので
  みんな異口同音に、日本が一番、外国に学ぶ処は皆無と言った
  ではないか。こういう種類の狭い国粋論と一人よがりの馬鹿さ加減が
  戦争開始に貢献(?)したことは多大であったとも言える。(p98)


■最後に、国際感覚を学ぶ教育の必要性を強調しています。

 当時、北欧の国際感覚を激賞しているところは、
 これこそ白洲次郎の国際感覚の良いことを
 証明していると思いました。

 ・将来の日本が生きて行くに大切なことは、・・・日本の国の
  行き方ということを、国際的に非常に鋭敏になって考えて行くことだ。
  ・・・この国際感覚という問題だが、日本は北欧の人みたいに、
  地理的の条件に恵まれてないから、これを養成するには
  やはり勉強するよりほかにしょうがない。(p30)


■白洲次郎の言葉は、戦前・戦後を反省する形となっていますが、
 現在の日本でもそのまま当てはまる警告が含まれているように
 感じました。

 率直に話したほうが、関係は長続きするという警句は
 身にしみました。★4に限りなく近い★3つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・当時満州にいた日本の高官連は、日本語を上手に話し日本人に
  接近することに努力していた満州人連に話を聞いて、その連中の
  言うことを以って満州大衆の意見とした。結果は全然違っていた。
  ・・・個人関係に於いても、国際関係に於いても永続きする友情は
  双方が腹を打ち開けて話すことである。(p56)


 ・政府が悪い、与党がなってない、反対党が無茶だと批判しはじめれば
  きりがないが、私はまずマスコミの反省を望みたい新聞などの
  一番大切な使命は真相の報道である。・・・たとえば政府与党が
  過半数を制している議会においては、政府与党の提出する法案が
  成立することは当たり前であるということを認めないのか。(p245)


 ・日本人は盛んに、現実を凝視せよ、なんて言うけどね、事実を
  事実と認めて黙って見ているんじゃいけないんだ。議論したければ
  議論すればいいんだ。ところが、痛烈なことを言うと恨むんだね。
  人の前で恥をかかしたって、面子々々・・・(p274)


▼引用は、この本からです。
(

プリンシプルのない日本 (新潮文庫)
白洲 次郎
新潮社 (2006/05)
売り上げランキング: 402
おすすめ度の平均: 4.5
5 面白かったです
4 一本筋な生き方
5 ダンディズムとはこの人のためにある言葉

【私の評価】★★★☆☆(79点)


■著者紹介・・・白洲 次郎(しらす じろう)

 1902年生まれ。兵庫県芦屋の実業家の次男として生まれる。
 イギリス・ケンブリッジ大学に留学。帰国後は、英字新聞記者、
 商社などに勤務するが、敗戦を見越して町田市で百姓となる。
 吉田茂に請われて終戦連絡中央事務局参与となり、日本国憲法
 成立に関与。通商産業省を誕生させる。東北電力会長などを
 勤め、1985年逝去。


■関連書評■
a. 「ボロボロになった覇権国家」北野 幸伯、風雲舎
【私の評価】★★★★★

b. 「中国の「核」が世界を制す」伊藤 貫、PHP研究所
【私の評価】★★★★★


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2007年9月13日

「官僚とメディア」魚住 昭 :72点, 魚住昭 

官僚とメディア (角川oneテーマ21 A 62) (角川oneテーマ21)
【私の評価】★★★☆☆(72点)


■官僚組織とメディアは、記者クラブを通じて、
 密接な関係を持っています。

 メディアも情報組織ですから、
 組織の論理で、情報を選別し、報道しているわけです。


  ・報道が権力の介入やメディア側の自主規制によって
  ゆがめられるのは、ある意味では日常茶飯事だといってもいい。
  (p56)


■そういう意味では、最近の失言問題、政治と金などは、
 官僚の了解のもとに報道されていると考えてよいのでしょう。


■さらに、この本では、耐震偽装事件でうまく逃げ切った国土交通省、
 ライブドア・村上ファンド事件の国策捜査など、
 官僚、メディア、検察の関係の一端を見ることができます。


 ・02年4月、最高検は大阪地検特捜部に命じて、検察の裏金づくりを
  内部告発していた三井環・大阪高検公安部長を逮捕させた。・・・
  誰の目にも明らかな口封じ逮捕である。(p146)


■「真実こそが正しい」というような
 著者のやや硬直的な考え方に不安になりましたが、
 マスコミ、検察の現状を知るために
 参考となる一冊だと思います。★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・なぜ対米戦争を始めたのか」と聞いて回ったら、ある元参謀が
  こう答えた。「あなた方は我々の戦争責任を言うけど、新聞の
  責任はどうなんだ。あのときの新聞の論調は我々が弱腰になる
  ことを許さなかった・・・(p126)


 ・ライブドアの狙いは、言うまでもなくフジテレビの経営権奪取である。
  ・・・フジ・サンケイグループは記者を総動員してライブドアの
  アキレス腱を探らせている。(p133)


 ・良心的な地方紙の声が押し潰されたのは、
  電通が新聞社に絶大な影響力を持っているからだ。・・・
  新聞は収入の半分以上を広告に頼っている。(p186)


▼引用は、この本からです。

官僚とメディア (角川oneテーマ21 A 62) (角川oneテーマ21)
魚住 昭
アスキー
売り上げランキング: 13379
おすすめ度の平均: 4.5
3 個々の話題を貫くものが弱い
5 事実を見えにくくする構造
3 普遍のテーマ
4 アタマの栄養の中身
3 もう一歩の深みがあれば

【私の評価】★★★☆☆(72点)


■著者紹介・・・魚住 昭(うおずみ あきら)

 1951年生まれ。75年、大学卒業後、共同通信社入社。
 司法記者としてリクルート事件などを取材。
 96年「沈黙のファイル-「瀬島龍三」とは何だったのか」で
 日本推理作家協会賞を受賞。
 同年、共同通信を退社、フリージャーナリストとなる。


─────────────────

■関連書評■
a. 「戦争広告代理店」高木 徹、講談社
【私の評価】★★★☆☆

b. 「CM化するニッポン」谷村 智康、WAVE出版
【私の評価】★★★☆☆


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2007年9月12日

「日本人から奪われた国を愛する心」黄 文雄、徳間書店 : 

日本人から奪われた国を愛する心 (徳間文庫)
【私の評価】★★★☆☆(70点)


■著者紹介・・・黄 文雄(こう ぶんゆう)

 1938年台湾生まれ。
 1964年来日。早稲田大学商学部卒業。
 著書多数。


─────────────────

■台湾出身の著者ですが、主張は次の3点です。

 1 非武装・平和主義は幻想である。
 2 中国は日本を仮想敵国とし、反日教育、軍備を強化している。
 3 非武装国家は侵略される。


■最近ではだいぶ少なくなりましたが、日本では
 日本国憲法を理由に軍隊(自衛隊)はいらないと
 主張する組織・識者がいます。

 また、専守防衛を理由に、
 軍隊としての機能を制限しようという考え方が浸透しています。

 ・憲法を盾に、「自衛」はもちろん「戦争放棄」や「軍備撤廃」
  といったことまで唱えるご仁も登場している。
  じつにおめでたい人々だとしか言いようがない。(p42)


■しかし、歴史を見れば、
 力のない国家が力を持つ国家に蹂躙され、属国とされる。
 時には、国家が消滅することさえあるのです。

 カルタゴはローマに負け、地球上から消滅しました。
 アメリカ先住民は、西欧人に土地を奪われました。
 チベットは、中国に侵略されました。

 ・チベットは非武装の仏教国で有名な国家だ。しかし、1951年に
  中国と平和協定(チベットの平和的解放のための17カ条)を結んだ
  とたん、中国は「農奴解放」を口実にチベットへ人民解放軍を送り込み
  ラサに進駐して、無理やりチベットを「開放」し、多くのチベット人を
  虐殺したのだった。(p132)


■日本は平和主義一辺倒ですが、
 周辺国家には、日本を仮想敵国とし、
 反日教育を行い、軍備を増強している国家が存在していることを
 忘れてはならないのでしょう。

 ・中国の青少年によるインターネット攻撃が非常に先鋭化してきている。
  大和民族を地球上から消滅させろ、核攻撃で日本を地球上から抹殺しろ、
  日本人には「倭族自治区」を与えてやるなどといった、
  罵詈雑言が飛び交っているのだ。(p73)


■著者の結論としては、敵意と核兵器を持つ敵国と
 対等に話をするためには、
 イギリスのように限定的な核兵器を持つしかないとの結論です。

 マシンガンを持った暴力団には、
 最低でも小銃を持ちたいと思うのと同じでしょうか。

 国家の存亡について考えさせられる一冊でしたので、
 ★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・日中境界海域で春暁ガス田を開発・・・中国の原子力潜水艦が日本の
  排他的経済水域を侵犯・・・沖ノ島周辺の日本の排他的経済水域内に
  再び中国の海洋調査船が無断で侵入・・・これのどこが「各国の経済
  自主権を尊重」「平等で国際経済に参与」・・・という姿勢だという
  のだろうか。(p47)


 ・朱鎔基が総理になった当初、彼が部下たちへの訓辞でしばしば使った
  言葉からもうかがい知ることができる。それは「君たちがぐずぐず
  していると、世界統一でEUに先を越されてしまうぞ」というもの
  だった(p294)


 ・中国には中途半端な平和主義者がみられない。なぜなら、中国で
  平和を叫んだりすれば、それは敵の「同路人」(同調者、追随者)
  とみなされ、即刻逮捕・投獄されるからだ。(p94)


▼引用は、この本からです。

日本人から奪われた国を愛する心 (徳間文庫)
黄 文雄
徳間書店 (2006/11)
売り上げランキング: 11254

日本人から奪われた国を愛する心」黄 文雄、徳間書店(2006/11)¥620

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■関連書評■
a. 「日本軍のインテリジェンス」小谷 賢、講談社
【私の評価】★★★★★

b. 「台湾人と日本精神」蔡 焜燦、小学館
【私の評価】★★★★★


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2007年9月11日

「天晴れ!筑紫哲也NEWS23」中宮 崇 :中宮崇 

天晴れ!筑紫哲也NEWS23  文春新書 (494)
【私の評価】★★★☆☆(78点)


■アメリカが、全世界で民主化を推進するために、
 NPO,市民団体を援助しているように、

 あらゆく国家・組織が、
 手足となる協力者を育成し、
 NPO・市民団体を援助しているはずです。


■特に日本では、スパイ防止法がありませんから、
 日本の国家をひっくり返そうとする組織でさえ、
 自由に行動することができます。

 政党、宗教、マスコミ、法人、NPO,市民団体・・・
 ある意味、やりたいほうだいなのでしょう。


■この本では、TBSの報道番組NEWS23について、
 中国・北朝鮮・在日朝鮮人への偏向した報道を
 指摘しています。


 ・映画『セブン・イヤーズ・イン・チベット』・・・弾圧を続ける
  中国にとって都合の悪い作品であった・・・NEWS23は・・
  その冒頭の作品紹介のナレーションは、日本中の度肝を抜いた。
  「この映画は、中国による"自治権拡大"を描いた・・・」(p143)


■在日朝鮮人についても、差別問題はあるのでしょうし、
 それを利用して暴利をえている人もいるのでしょう。

 しかし、既得権益が複雑にからまったこうした問題について、
 中立的立場で報道することは難しいのかもしれません。


 ・在日社会の取り上げ方は、異常と言える。特集に在日差別問題が
  出てこない月は無く・・・終戦の日特集がいつの間にか在日問題に
  スライドしてしまうのはまだ良いほうで、阪神大震災特集も筑紫に
  かかっては、在日差別問題特集に大変身。(p81)


■ただ、北朝鮮については日本への敵意をあらわにするテロ国家ですから、
 もし、マスコミが北朝鮮のプロパガンダに協力しているとすれば、
 それは反逆罪にも値する行動で許されることではありません。


 ・NEWS23は、「北朝鮮核実験の"可能性"」との字幕で、
  「軍縮平和研究所」パク・ヒョンジェ副所長による「北朝鮮の
  核実験は必要だ」との、「識者の見解」を流していたのだ。・・・
  実はこれ、北朝鮮外務省の外郭団体(p105)


■やや2ちゃんねる的なとっぴな表現が多く、
 興ざめする部分もありました。

 できれば具体的な報道の事実を列挙して、
 その世論操作のテクニックを解説する形であれば
 面白かったと思います。

 マスコミ報道に接するときの心構えを
 教えてくれる一冊ということで★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・草野満代に「呆れた事実発覚です」(04年4月23日)と言わせて、
  麻生太郎、中川昭一、石破茂の三閣僚の「未納三兄弟」を激しく
  批判していた筑紫哲也自身もまた年金未納がばれてしまう(p18)


 ・筑紫哲也が編集委員を勤める雑誌「週刊金曜日」・・・
  一貫して北朝鮮による拉致被害者に対して冷淡であり、
  その後02年11月15日号では、曽我ひとみの北朝鮮帰還を促す、
  北朝鮮当局のプロパガンダそのまま記事を掲載(p50)


 ・「報道のTBS」を自称するこの局は特に、その報道に関する捏造
  などの不祥事が突出・・・石原都知事が日韓併合に触れ、「私は
  日韓併合を100%正当化するつもりはない」と発言したものを、
  なんと全く逆の「私は日韓併合を100%正当化するつもりだ」
  (p216)


▼引用は、この本からです。

天晴れ!筑紫哲也NEWS23  文春新書 (494)
中宮 崇
文藝春秋
売り上げランキング: 238746
おすすめ度の平均: 4.5
4 番組は終わっても局の問題は残る
5 資料的jにも有用
4 真面目な本
5 『TBS報道テロ全記録』と共に読んでほしい
5 悪質な多事争論

【私の評価】★★★☆☆(78点)


■著者紹介・・・中宮 崇(なかみや たかし)

 1970年生まれ。
 自称「プロ2チャンネラー」


─────────────────


■関連書評■
a. 「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」武田 邦彦、洋泉社
【私の評価】★★★★☆

b. 「歪曲報道」高山 正之、PHP研究所
【私の評価】★★★☆☆


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2007年8月 9日

「宋 文洲の傍目八目」宋 文洲 :79点, 宋文洲 

宋文洲の傍目八目
【私の評価】★★★☆☆(79点)


●ソフトブレーン創業者である宋 文洲さんのエッセーです。

 中国から留学生として来日し、短期間に東証1部上場企業を育てた
 辣腕経営者だけあって、合理的なコメントが新鮮でした。

 中国人は議論がうまいという印象がありますが、
 それを再認識させられました。


●「日本の常識は、世界の非常識」という考え方については、
 国が違えば、常識が違うのは当たり前という反論をします。

 そして、反対に、共通の常識が多いことを提示して、
 日本は非常識ではないという結論にしています。


 ・日本の常識は、世界の常識・・・清潔さ、謙虚さ、同情心、
  向上心、努力の尊さ、チームワークの重要性・・・どれも
  世界の常識であり、どれも世界が守りたいものです。(p49)


●また、日本の企業で当たり前の( 残業 )については、
 宋さんは否定的です。

 残業については、
 残業⇒儲かる、儲からない という議論から、
 枠を大きくして、「残業を前提にしたビジネス自体が問題である」と
 論理に飛躍させることで、説得力を持たせています。


 ・「残業をしても儲からないのに、残業をやめたらどうするのですか」
  との質問をいただきました。
  僕は「残業しなければ儲からないようなビジネスのやり方そのものに
  問題があります」と答えました。(p156)


●宋さんは、すでに引退しています。

 引退の理由は、自分の意見が社内で絶対視されるように
 なってきたから。そこに、危険性を感じ、
 実際に引退されたのは、すごいと言わざるをえません。


 ・会長を辞める理由・・・(ダイエーを創業した)中内さんは
  引退する記者会見で涙を流しながら「私が発言すると社内の
  議論が止まった」・・・と述べられたと記憶しています。(p173)


●中国と日本を知る著者の視点は、新鮮でした。

 経営者の視点、中国人の視点が勉強できましたので、
 ★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・トヨタ自動車の張富士夫会長にトヨタの強さの源泉を尋ねたことが
  あります。張会長の口からはカンバン方式とかカイゼンという言葉は
  一言も発せられず、その代わりこうおっしゃいました。
  「トヨタは一度潰れた会社ですから」(p87)


 ・中国文明」や「孔子、老子などの歴史偉人」について関心を示されるとき、
  僕はいつも複雑な気持ちになります。今の中国は世界に後れを取っています
  し、現代中国は世界の人々が納得するような偉人も生み出していないからです。
  (p130)


 ・教育好きな人ほど、自分は教育を受けたらないくせに、
  他人を教育したがります。(p39)


▼引用は、この本からです。

宋文洲の傍目八目
宋文洲の傍目八目
posted with amazlet on 07.08.09
宋 文洲
日経BP社 (2007/04/12)
売り上げランキング: 56838
おすすめ度の平均: 4.5
3 「仕事の常識」だけは、納得いきません
5 経験の尊さ
5 いじめに悩んでいる人に読んでもらいたい

【私の評価】★★★☆☆(79点)


■著者紹介・・・宋 文洲(そう ぶんしゅう)

 1963年中国山東省生まれ。
 1983年中国・東北大学を卒業後、日本に国費留学する。
 1990年北海道大学大学院修了。
 天安門事件で帰国を断念し、日本で就職するも、勤務先が倒産。
 1992年ソフト販売会社ソフトブレーンを創業し、代表取締役。
 1999年代表取締役会長。
 2000年東証マザーズ上場。
 2005年東証1部上場。
 2006年会長を辞任し、マネージメント・アドバイザーに就任。


─────────────────

■関連書評■
a. 「やっぱり変だよ日本の営業」宋文洲、日経BP企画
【私の評価】★★★★☆

b. 「華僑 大資産家の成功法則」小方 功、実業之日本社
【私の評価】★★★★★


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2007年7月24日

「お笑い創価学会信じる者は救われない」佐高 信、テリー伊藤 :79点, テリー伊藤, 佐高信 

お笑い創価学会 信じる者は救われない―池田大作って、そんなにエライ? (知恵の森文庫)
【私の評価】★★★☆☆(79点)


●創価学会についての一冊です。

 佐高 信さんはあまり好きではないのですが、
 創価学会について論じる人が他にいなかったのでしょう。


 ・三菱商事がからんだ絵画事件、創価学会幹部のおカネが金庫に
  入ったまま捨てられていたという事件。創価学会事件史には
  事欠かないよ(佐高)(p76)


●欧州のキリスト教のように宗教が政治力を持ち、
 ヴァチカンのように国家さえ持っている例もありますので、
 宗教を否定するつもりはありません。

 ただ、関係する人たちを不幸にしないでほしいと思うだけです。


 ・湯野さんという人の手記・・・まるで奴隷みたいで気の毒になるよね。
  財務と称するカネ集めなんか、驚いてしまいますよ。1000万円
  出した人がいると言われて、暗にあなたもそのくらいは、と言われる。
  (テリー)(p181)


●組織力と資金とマスコミと政治を握れば、何でもできるでしょう。
 自由だからこそ、そこにそれ相応の責任が生まれているはずです。


 ・『創価学会を斬る』(日新報道)の著者、藤原弘達が亡くなった。
  充子夫人によれば、その日、夜中じゅう、
  「おめでとうございます」という電話が続いたという(佐高)(p120)


●創価学会は日本の命運を左右するほどの
 組織となってきました。

 日本の命運を左右するとは、
 歴史で裁かれるということです。
 ★3つとしました。

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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・竹入(義勝)元委員長・・・池田の怒りを買ったと思われるのが、
  十一回目の「党と学会」という記事。・・・委員長を引き受ける
  ときから人事権は学会になると、明確にされていたと明言している。
  (佐高)(p91)


 ・学会員が学会員以外の相手と結婚すると、「親の信心が足りない」と
  学会内で白眼視されるのが普通でした。(湯野 重)(p200)


 ・彼らが必死になるのは、まず財務。分かりやすく言うとカネ集め。
  そしてもうひとつが、選挙。創価学会はとにかく選挙で公明党が
  議席を確保して力を持っていることが大事なんだ。(佐高)(p4)


▼引用は、この本からです。

お笑い創価学会 信じる者は救われない―池田大作って、そんなにエライ? (知恵の森文庫)
佐高 信 テリー伊藤
光文社
売り上げランキング: 92427
おすすめ度の平均: 3.0
5 悪と断言しよう
1 醜い低俗争い
5 知人に創価学会員が
5 信者沸きすぎ
1 宗教を馬鹿にしすぎ

【私の評価】★★★☆☆(79点)


■著者紹介・・・佐高 信(さだか まこと)

 1945年生まれ。大学卒業後、
 高校教師、経済紙編集長を経て、評論家となる。


■著者紹介・・・テリー伊藤(てりー いとう)

 1949年生まれ。大学卒業後、TVディレクターとして
 数々のヒット番組を手がける。


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■関連書評■
a. 「お笑い外務省機密情報」テリー伊藤、飛鳥新社
【私の評価】★★☆☆☆

b. 「天使と悪魔」ダン・ブラウン
【私の評価】★★★☆☆


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