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2010年3月11日

「経営の教科書」新 将命 :86点, 新将命 

経営の教科書―社長が押さえておくべき30の基礎科目
新 将命
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 169

【私の評価】★★★★☆(86点)


■新さん「リーダーの教科書」がなかなか良かったので、
 新さんの別の本を買ってみました。

 今回は、経営者向けの一冊です。


■やはり大企業の経営者となると実務はほとんど
 ありませんので、人とのコミュニケーションが
 非常に重要になるようです。

 つまり、会議で、または部下の報告に対し、
 どのように対応するのか、
 ということです。


・お互いに一歩も譲らず、場の雰囲気が悪くなってくると、
 私は決まって「我が信条」に照らしたら・・・
 とやるのである。(p33)


■やはり経営者たるもの、
 あるべき姿を考え、部下に対し
 高いレベルの仕事を求めていく必要があります。

 それは、会社の方針に合っていなくては
 なりませんし、また、

 その部下が自分で考え、行動できるように
 導いていかなくてはならないわけです。


・役員はこう答える。「問題点については理解した。
 ところで訊きたいのだが、きみはこの問題を解決するために、
 いままで何を考えて、何をやったのか。この先は何を考え、
 何をやろうとしているのか」(p144)


■もっとこうした新さんの
 部下指導のコツを教えてもらいたかったのですが、
 書籍では限界があるのかもしれません。

 それでも名言やジョークも多く、
 新さんの講演のネタなのかな・・・
 などと考えながら読めました。

 レベルは高いと思います。
 新さん、よい本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・自分がしゃべったすぐあとで、相手に対して
 「いまの話、どう理解した?」と水を向けて
 その場で相手にくり返してもらう・・・
 ときどき驚くほどニュアンスが異なっていて
 肝を冷やすことがあった(p227)


・「Excellence is a thousand details.
 (卓越とは、1000の細かいことである)」
 という表現がある。(p90)


・アメリカ人のこんなジョークを紹介する。
 「ハムエッグにおいて、ニワトリは参加しているだけだが、
 ブタはコミットしている」・・・
 ブタは自分の命と引き替えにハムになる(p117)


・・本を読む(一日最低一時間)
 ・・・・ジムで汗を流す(週に最低二回)
 ・経営者の勉強会やセミナーに顔を出し・・・(月に最低二回)
 ・プライベートの海外旅行に行く(年に最低一回)(p153)


・イギリス人の先輩から教わった
 「慢性的な残業は無能力の証であり、悪徳である」
 という言葉がいつも心のなかにあった(p154)


経営の教科書―社長が押さえておくべき30の基礎科目
新 将命
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 169
おすすめ度の平均: 4.5
1 内容が薄いと思います。
5 久々に、ドッグイヤーしまくりです
5 非常にシンプル。でも、深いです
3 当たり前の内容だからこそ価値がある
5 「教科書」としては最良です。長く読み続けられると思います。

【私の評価】★★★★☆(86点)


■著者紹介・・・新 将命(あたらし まさみ)

 1936年生まれ。
 シェル石油、日本コカコーラ、ジョンソンエンドジョンソン、
 フィリップスを含む6社で経営者となる。

■関連書評■

a. 「リーダーの教科書」新 将命
【私の評価】★★★★★


b. 「戦略プロフェッショナル」三枝 匡
【私の評価】★★★★☆


c. 「プロフェッショナルマネジャー」ハロルド・ジェニーン
【私の評価】★★★★★


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2010年3月10日

「現代の経営<上>」P.F.ドラッカー :P.F.ドラッカー 

ドラッカー名著集2 現代の経営[上]
P.F.ドラッカー
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 3619

【私の評価】★★★★☆(80点)


■1954年の著作とは思えない一冊です。

 経営書を書かれている人の多くは
 ドラッカーの本を、読んでいるはずです。


■ドラッカーの特徴は、
 ビシっと本質を指摘することです。

 例えば、人を活かすのは、
 欠点を消すことではなく、
 長所を伸ばすことである、

 こうしたことを
 短い言葉で断定調で
 とつとつと説明してくれます。


・その人の強みを知り、理解して初めて、
 「彼の強みを生かしてさらに進歩させるためには、
 いかなる弱みを克服させなければならないか」
 を考えることができる。(p230)


■ドラッカーの著作の内容は、
 優秀な経営者を観察するところから
 生まれてきているように
 感じました。

 ドラッカーは、一流の観察者(コンサルタント)
 ではなかったのか。
 それが今の私の仮説です。


・マネジメントは、つねに行動のための意思決定にかかわりをもつ。
 したがって、マネジメントには、つねに時間という次元が存在する。
 行動は、つねに将来における成果を目標とする。(p20)


■ドラッカーの本は、特有の持って回ったような
 言い回しで、読みこなすには頭を使う必要があります。

 その点を良く解釈するのか、
 とっつきにくいと思うか人それぞれでしょう。
 ドラッカーさん、よい本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・いかなる製品を加えるかを決定する段階では、
 「われわれの事業は何か」という問いを発し、
 それに答えを出す必要がある。(p70)


・貧弱な仕事や平凡な仕事は、ほめることはもちろんのこと、
 許すことさえしてはならない。すなわち、自らの目標を
 低く設定する経営管理者や、仕事ぶりが基準に達していない
 経営管理者をその仕事にとどめておいてはならない(p224)


・判断力や能力が不足していても、経営管理者として
 害をもたらさないことはありうる。
 しかし、人格や真摯さに欠けるものは、・・・
 最も価値ある資産たる人材を台なしにする。(p243)


・マーケティング・・・市場が必要とするものを生産する(p50)


・不況の波がやって来たとき、経験のある優れた人たちの
 首を切ってしまえば、好況の波に乗って活動を活発化させようにも、
 代わりは探せない。経験のない者に経験を積ませるには時間が
 かかりすぎる。(p128)


・予算の範囲内で仕事をすることは、ばかでもできる。
 しかし、その範囲内で仕事をするだけの価値のある予算を
 編成できる人は、数人しか知らない・・・(p130)


ドラッカー名著集2 現代の経営[上]
P.F.ドラッカー
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 3619
おすすめ度の平均: 5.0
5 『マネジメントとは何か』を問う古典的名作
5 経営者ではない私でも読んで良かった
5 経営学の祖、不朽の傑作
5 マネジメントの偉大なる古典

【私の評価】★★★★☆(80点)


■著者紹介・・・P.F.ドラッカー

 1909年オーストリア生まれ。2005年没。
 経営学者・社会学者。
 「マネジメント」を経営学の視点で取り上げる。

■関連書評■

a. 「もし高校野球の女子マネージャーが
ドラッカーの『マネジメント』を読んだら
」岩崎 夏海
【私の評価】★★★★☆


b. 「イノベーターの条件―社会の絆をいかに創造するか」P・F・ドラッカー
【私の評価】★★★★☆


c. 「ネクスト・ソサエティ」P・F・ドラッカー
【私の評価】★★★★☆


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2010年2月 1日

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」岩崎 夏海 :86点, 岩崎夏海 

【私の評価】★★★★☆(86点)


■タイトルのように高校野球の女子マネージャーが、
 ドラッカーの『マネジメント』を読んで
 チームを甲子園に連れていく物語です。

 ちょっと死を演出することで
 泣ける物語にしていますが、
 嫌いではないです。こういう本。


■ドラッカーの『マネジメント』のような本は、
 読んだだけではだめで、
 仕事でどう使うかが問題です。

 この本はそうした意味で、
 「あぁ、こうやって使うのか・・・」
 と『マネジメント』を読み始めるきっかけに
 なるのではないでしょうか。


・野球部のするべきことは、『顧客に感動を与えること』なんだ。
 『顧客に感動を与えるための組織』というのが、
 野球部の定義だったんだ!(p57)


■私がこの本で思い出したのは、
 仕事には責任を持たせるということです。

 仕事に責任を持たせ、
 高いレベルの仕事を
 要求しなくてはならないのでしょう。


■家にある『マネジメント』をまた読んでみる
 ことにしました。

 ドラッカーの『マネジメント』を持っていない人は、
 この本と2冊購入することをお勧めします。
 本の評価としては★4つとしました。


━━━━━━━━━━━

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・うまくいっている組織には、必ず一人は、手をとって助けもせず、
 人づきあいもよくないボスがいる。この種のボスは、とっつきにくく
 気難しく、わがままなくせに、しばしば誰よりも多くの人を育てる。
 好かれている者よりも尊敬を集める。一流の仕事を要求し、
 自らにも要求する。基準を高く定め、それを守ることを期待する。(p18)


・チーム制の練習の中に、さらに細かく「責任」を
 組織していくことに取り組んだ。例えば、チームごとに
 リーダーを決め、それぞれの管理運営は、
 そのリーダーに任せるようにした。(p137)


・練習の目標を決めた。・・・部全体の目標である「甲子園に出る」
 ということ、あるいは指針である「ノーバント・ノーボール作戦」
 などに基づいて決められた。(p184)


もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
岩崎 夏海
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 28
おすすめ度の平均: 4.5
5 青春小説であり、ドラッカー入門書でもある
5 最後の方で泣けた
4 部活動にイノベーションを起こすかも
4 頭を柔らかくできるかも
4 入門書としては良いのでは

【私の評価】★★★★☆(86点)


■著者紹介・・・岩崎 夏海(いわさき なつみ)

 1968年生まれ。
 大学卒業後、作詞家の秋元康氏に師事。
 放送作家。コンテンツ会社を経て、
 現在、株式会社吉田正樹事務所に勤務。


━━━━━━━━━━━


■関連書評■

a. 「プロフェッショナルマネジャー」ハロルド・ジェニーン
【私の評価】★★★★★

b. 「1分間マネジャー」 K.ブランチャード、S.ジョンソン
【私の評価】★★★★☆


c. 「プロフェショナルの条件」P・F・ドラッカー
【私の評価】★★★★☆


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2009年12月21日

「高学歴大工集団」秋元 久雄 :秋元久雄 

高学歴大工集団
高学歴大工集団
posted with amazlet at 09.12.21
秋元 久雄
PHP研究所
売り上げランキング: 31266
【私の評価】★★★★☆(83点)


■建設業界は、工事の簡略化を進め、
 実際の建設作業は下請け、孫請け企業に
 やらせる形となっています。

 そうした業界の中で、
 本物の技術を持った大工を育成する企業を
 経営しているのが秋元さんです。


・大工や職人といった現場の担い手を、
 丸ごとアウトソーシングしてもいいのだろうか?(p4)


■大卒の大工もいるという技能集団の
 経営の秘密は、やはり高品質を求める
 トップ5%の顧客の確保にあるようです。

 これは秋元さんの営業力によるところも
 あります。

 それは、特命受注を可能とする
 情報提案営業と、口コミによる
 評判なのでしょう。


・一般の営業マンはともすれば人間関係から入ろうとしますが、
 私の場合は情報交換から入ります。お互いに情報を出しあって、
 一緒に勉強していくというスタンスです。(p104)


■「日本の大工の技術を残していくのだ」、
 そうした思いが伝わってくる一冊でした。

 そしてその思いを実践しているところがすごい。

 秋元さんの思いと実践のすごさに
 ★4つとしました。

 良い本をありがとうございました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・うちでは現場にお客さまの顔写真を掲示しています(p42)


・「ことしは不景気だから採らない」・・・と採用を見合わせる
 会社がありますが、それが3年、5年も続くと、結果的に
 その会社にとって大きな損失になると思います。(p159)


・元請け、下請け、孫請け・・・と、今の日本の建設現場は
 階層がはっきり分かれています。・・・実際には利益が
 相反しているので対立が起こりやすい。お互いに責任をなすりつける。
 お互いに反目し合って、いいものが作れるわけがありません。(p93)


▼引用は、この本からです。

高学歴大工集団
高学歴大工集団
posted with amazlet at 09.12.21
秋元 久雄
PHP研究所
売り上げランキング: 31266
おすすめ度の平均: 3.5
1 本当に内製化は革新的なビジネスモデルか
3 ちょっと物足りない
5 業界の異端児は、やっぱ、面白い
5 信用

【私の評価】★★★★☆(83点)


■著者紹介・・・秋元 久雄(あきもと ひさお)

 1948年生まれ。
 大手ハウスメーカー、ゼネコンに在籍し、トップ営業マン。
 1989年平成建設を設立。
 大卒、大学院卒の大工や職人を正社員として採用。
 エリート建築技能集団として注目されている。


─────────────────

■関連書評■

a. 「千年、働いてきました」野村 進
【私の評価】★★★★☆


b. 「訪問しないで売れる営業に変わる本」菊原 智明
【私の評価】★★★★☆


c. 「凡人の野望」平 秀信、廣田 康之
【私の評価】★★★★☆


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2009年11月30日

「同行二人 松下幸之助と歩む旅」北 康利 :北康利 

同行二人松下幸之助と歩む旅
北 康利
PHP研究所
売り上げランキング: 3246
【私の評価】★★★★☆(84点)


■松下幸之助の人生をたどる一冊です。

 細かいエピソードを淡々と記録していますが、
 よく調べたな、というのが私の感想です。


■私が感心したのは、
 松下幸之助の叱り方をよく集めて、
 描写しているところです。

 その叱り方を見ると、
 いかに本質に対して厳しく、
 部下も緊張感を強いられたのではないかと
 推察されるのです。


・幸之助はよく部下を叱った。
 「今日の売り上げはいくらになった?」
 と聞かれて日計表など取りだそうものなら、
 とたんにカミナリが落ちる。(p166)


■この本の最後には、
 松下幸之助の「」という詩で
 締めくくられています。

 これだけで著者が詳細に調べ、
 松下幸之助を理解していたということが
 わかるというものです。

 幸之助の人生の資料として
 使える一冊だと思いますので、
 本の評価は★4つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・熱海会談・・・リハーサルをはじめようとしたとき、
 幸之助は出席者が胸につけることになっていたリボンを見て
 顔色を変えた。「何や!これは!」・・・役員のリボンが
 代理店のそれよりも一回り大きかったからである。
 「いったい誰が松下の製品を売ってくれると思ってるのや!」(p260)


・今日ここに松下産業労働組合が結成されたことは
 慶賀にたえません・・・みなさんの要求は、正しいことなら
 すべて聞こう。そやけど無理な要求は聞くわけにはいかん(p218)


・彼は現代のビジネスマンのように
 ゴルフをするのを嫌い、
 「ゴルフは企業を亡ぼし、国を亡ぼす」と語った(p313)


▼引用は、この本からです。

同行二人松下幸之助と歩む旅
北 康利
PHP研究所
売り上げランキング: 3246
おすすめ度の平均: 5.0
5 経営者の喜びが良く分かる本です。
5 謙虚な経営の神様
5 不況のこの時期にこそ,過去の偉人に学んではどうか?
5 経営者はいかに神様になったか
5 〈彼は限りなく優しく、限りなく厳しく、限りなく温かく、限りなく冷たかった〉

【私の評価】★★★★☆(84点)


■著者紹介・・・北 康利

 1960年生まれ。
 大学卒業後、証券会社勤務。
 著書多数。


─────────────────

■関連書評■

a. 「志のみ持参」上甲 晃
【私の評価】★★★★★


b. 「社長なる人に知っておいてほしいこと」松下 幸之助
【私の評価】★★★★★


c. 「リーダーになる人に知っておいてほしいこと」松下 幸之助
【私の評価】★★★★☆


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2009年11月17日

「会社再建―サラリーマンを超えた男」福永 正三 :福永正三 

会社再建―サラリーマンを超えた男
福永 正三
出版文化社
売り上げランキング: 21118
【私の評価】★★★★☆(87点)


■赤字会社の富岡光学(京セラオプテック)を
 再建した福永さんの一冊です。

 福永さんの前任者は富岡光学を再建できず、
 それほど富岡光学はひどい会社だったようです。

 最初は、挨拶と掃除をしながら社内の状況を把握し、
 仲間づくりをはじめました。

 まずは管理職です。


・私は毎日、午前八時の朝礼が始まる一時間前に
 管理者たちを集めて、
 京セラフィロソフィーを説き始めた。(p40)


■次は、業績を回復させるために、
 仕事のやり方を変えていきました。

 すべて組合との合意が必要です。

 交代制、時間差勤務を導入する、
 昇給賞与に人事考課を導入するなど、
 交渉に苦労したようです。


■こうした社内体制を強化しながら、
 営業を強化し、取引先の拡大。

 そして最終的には、価格引き上げ、
 海外進出を実現させていきます。


・私は常に会社のことを考えぬいた。
 夜、寝ているときに思いつくことがあるので、
 紙とエンピツを枕元に置いて、書き留めておく(p105)


■こうしてみると、
 前任者と福永さんの差は、
 結局、「熱意」であったということが
 わかりました。

 福永さんのやり方には、いいところ、
 悪いところもあったかもしれない。

 しかし、会社を良くしようという思いから出た行動は、
 最終的にはみんなが支えてくれたのでしょう。

 そうして会社の業績も伸び、
 黒字化、累損の一掃ができたのです。

 やはり熱意か・・・と思いつつ、
 本の評価としては★4つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・社員は頑張ってやっているから、褒めてあげたい。
 しかし安易に妥協したら、その人は伸びない。
 自分の枠を超えようという意思がない限り、いつまでも
 小さな自分で終わってしまう。(p99)


・夢を描いていると、自分でも先のことが読めるというか、
 見えるということがある。やはりど真剣に考えると、
 こうすればこうなるということがわかる(p128)


・人生は種まきだと思う。
 だからこそ、よい種をまいて生きていきたい(p152


▼引用は、この本からです。

会社再建―サラリーマンを超えた男
福永 正三
出版文化社
売り上げランキング: 21118

【私の評価】★★★★☆(87点)


■著者紹介・・・福永 正三(ふくなが しょうぞう)

 1938年生まれ。
 66年京セラ入社。蒲生工場総技術部長などを経て、
 87年富岡光学に赴任。(91年京セラオプテックに社名変更)
 常務取締役、専務取締役を経て、
 98年より代表取締役社長。
 2001年退職後、京セラコミュニケーションシステム顧問、
 ファミリー(株)相談役。


─────────────────

■関連書評■

a. 「仕事前の1分間であなたは変わる」長谷川 和廣
【私の評価】★★★★★


b. 「会社再建3つの戦略」高塚猛
【私の評価】★★★☆☆


c. 「経営パワーの危機」三枝 匡
【私の評価】★★★★★


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「社長が求める課長の仕事力」長谷川 和廣 :88点, 長谷川和廣 

社長が求める課長の仕事力
長谷川 和廣
かんき出版
売り上げランキング: 2585
【私の評価】★★★★☆(88点)


■2000社の業績を回復させたという
 長谷川さんの一冊です。

 この本を読んで、
 2000社というのはウソではないな
 と思いました。

 なぜ、わかるかというと
 こう考える、こう伝えるといった
 具体的な方法が書いてあるからです。


・依頼の内容と同時に三つの情報を伝える・・・
 メリット・・・デッドライン・・・ノウハウ(p38)


■しかし、この本を読む人は、長谷川さんの凄さを
 本当に理解できるのだろうか、と思いました。

 なぜなら、会社再建に必要なのは、
 問題を発見し、それを改善する手法を考え、
 そして実際に実行していくことです。

 この本を読んでわかるような
 半端の知識や意欲だけでは
 解決できるものではないはずだからです。


■長谷川さんの凄さの一端を
 垣間見ることのできる一冊です。

 仕事の参考になりますが、
 実際に長谷川さんと一緒に仕事をしてみなくては
 すべては分からないだろうと思いました。

 本の評価としては★4つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・頼まれたことは、その場ですぐに手をつける(p37)


・私がチェックするのは、仕事の準備の量です。
 本気で企画を実現させたいなら、企画書に
 書ききれない部分まで自分なりに調べているはず(p52)


・相手が若手社員の場合は、教育という視点も重要になります。
 そこで、なぜ自分がこの結論に至ったかというプロセスを
 頭から説明してあげる(p45)


・オフィススペースをあえて半分にする・・・
 なぜ狭いオフィスのほうがいいのか。
 それは不要なモノを処分できるからです(p168)


▼引用は、この本からです。

社長が求める課長の仕事力
長谷川 和廣
かんき出版
売り上げランキング: 2585
おすすめ度の平均: 4.5
5 何をどうすればいいか、具体的に書かれている、「ビジネス即戦力本」
3 ごく普通に中間管理職が読んでタメになる話
5 ビジネスの基本的考え方が学べます
4 読みやすさで○
3 (名前負けでは...)

【私の評価】★★★★☆(88点)


■著者紹介・・・長谷川 和廣(はせがわ かずひろ)

 1939年生まれ。
 十条キンバリー、ゼネラルフーズ、ジョンション等で
 マーケティング、プロダクトマネジメントを担当。
 その後、ケロッグジャパン、ハイエルジャパンなどで
 要職を歴任。
 2000年ニコン・エシロール代表取締役。
 50億円の赤字会社を1年で黒字化。
 2年で無借金経営とする。


─────────────────

■関連書評■

a. 「仕事前の1分間であなたは変わる」長谷川 和廣
【私の評価】★★★★★


b. 「5%の人を動かせば仕事はうまくいく」長谷川和廣
【私の評価】★★★★★


c. 「2000社の赤字会社を黒字にした社長のノート」長谷川 和廣
【私の評価】★★★☆☆


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2009年9月22日

「サービスの底力!」相澤 賢二 :85点, 相澤賢二 

【私の評価】★★★★☆(85点)


■神奈川県に、カルロス・ゴーンが訪れたという
 顧客満足度日本一の自動車販売会社があります。
 (ホンダなんですけどね)

 この本の著者、相澤さんが社長です。


■この会社は非常に自動車販売業界としては
 異端の経営を行っています。

 まず、訪問販売しない。


・訪問販売は百害あって一利なし・・・
 私も以前、訪問販売していたからわかるんです。
 もうしょっちゅうサボりたいとか、会社の金を使い込みたいとか
 思っていたわけですよ。(p39)


 そして、値引きもしません。


・値引きしないことこそ、サービスだ・・・
 社員には、「値引きとは、お客様への、
 店と社員の落ち度の先払い」だと言っています。(p103)


■えーっ、これで売れるの?
 これが普通の人の反応だと思います。

 というよりも、それでも車を売るだけの
 サービスがあるということなのでしょう。


・社員教育「30S」「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」「作法」
 「清楚」「素直」「親切」「誠実」「信用」「真剣」「正義」「辛抱」
 「債権ゼロ」「スピード」「スマイル」「サンクス」「サービス精神」
 「センス」「ショールームはリビング」「節約」「率先垂範」「切磋琢磨」
 「趣味の推薦」「心配が仕事」「先輩がマニュアル」「失敗は会社の財産」
 「創意工夫」「先生はお客様」(p59)


■この本だけでは、この会社のすごさは 
 分からないでしょう。

 神奈川県にお住まいの方は、
 ぜひ、訪問して、研究してみてはどうでしょうか。

 すごさのごく一端を教えてくれる本として、
 本の評価は★4つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・「普通」は不満足だと思え(p54)


・「趣味の推薦」については、それこそ本を読ませたり、
 お茶を習わせたりいろいろやっています。
 会社の推薦する趣味は、「読書と貯金と親孝行」です。(p68)


・生半可な掃除は逆効果(p75)


・男性社員は、
 「どこへ出しても恥ずかしくないビジネスマン」
 という方針です。(p150)


▼引用は、この本からです。

サービスの底力!―「顧客満足度日本一」ホンダクリオ新神奈川が実践していること
相澤 賢二
PHP研究所
売り上げランキング: 2553
おすすめ度の平均: 4.5
5 本音で語ってくれたお客様満足
4 新鮮な視点のサービス論
5 ああ、これがサービスか
5 このマーケティングは学ぶところ多し
3 トップの方向けです

【私の評価】★★★★☆(85点)


■著者紹介・・・相澤 賢二(あいざわ けんじ)

 ホンダクリオ新神奈川代表取締役社長。
 1940年生まれ。
 大学卒業後、食品会社、本田技研工業を経て、
 1969年ホンダセンター湘南を設立。
 1993年にホンダクリオ新神奈川に社名変更。


─────────────────

■関連書評■

a. 「車販売2倍・顧客満足度日本一の会社」高根沢一男
【私の評価】★★★★★


b. 「失礼ながら、その売り方ではモノは売れません」林 文子
【私の評価】★★★☆☆


c. 「私に売れないモノはない!」ジョー・ジラード
【私の評価】★★★★★


d. 「日本一メルセデス・ベンツを売る男」前島 太一
【私の評価】★★★☆☆

2009年9月15日

「DVD&ブック 「夢」は僕らのロケットエンジン」植松 努 :88点, 植松努 

【私の評価】★★★★☆(88点)


■民間会社でロケット開発を行っている
 植松努さんの講演DVDです。

 植松さんの講演を3回聞き、
 12600円の第一回講演DVDを持っている私としては、
 4200円という値段に複雑な心境でした。


■前半はやや固めの内容で始まりますが、
 10分もするといつもの植松さんの
 まじめなジョークで会場に笑いが広がります。

 なんといっても涙がでてくるのは、
 ロケット打ち上げに成功し、
 「ロケットいなくなったど~」と
 泣いて喜んでいる社員が抱き合っている場面です。

 大人でもこんなに仕事で感動できるんだ、
 と気づきました。


■なんでも自分で考え、
 自分でやってみる。

 はじめはだれでも失敗する。
 失敗するから、学ぶことができるんだよ。

 植松さんのそうしたお話は、
 自分でそれを実践しているから、
 心に響くのでしょう。


・してもらったり、誰かにさせると、
 能力は失われる一方です。
 「する」と、能力が得られるのです。(p101)


■植松 努さんの講演会の良さを伝えるのは難しい。

 でも見てもらえれば、
 その良さがわかるので、
 出版社の許可を得て職場の仲間で
 見ることにしました。

 本ではないので、
 評価としては★4つとしておきます。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・ずっとやり続けるためには、とても大事な条件があります。
 それは、よその人のお金をあてにしないことです。・・・
 国や道や大学からお金をもらったことがありません。(p25)


・無重力の実験装置・・・僕たちは、とても大切なことを学びます。
 それは、やったことのないことは、ためしにやってみると
 必ず失敗するということです。(p89)


▼引用は、この本からです。


【私の評価】★★★★☆(88点)


■著者紹介・・・植松 努(うえまつ つとむ)

 1966年生まれ。
 1989年北見工業大学卒業後、航空宇宙関連企業入社。
 1994年退社し、実家の植松電機入社。
 1999年産業廃棄物から除鉄の電磁石開発。
 2004年カムイ型ハイブリッドロケットを研究していた
 永田教授と出会い、共同開発を開始。
 2005年 北海道大学と共同で微小重力実験塔を建設。


─────────────────

■関連書評■

a. 「プロは逆境でこそ笑う」西田 文郎、喜多川 泰、植松 努他
【私の評価】★★★★☆

b. 「世界一の庭師の仕事術」石原 和幸
【私の評価】★★★★☆

c. 「奇跡のリンゴ」石川 拓治
【私の評価】★★★★★


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2009年7月13日

「成功は小さい努力の積み重ね」江口 克彦 :江口克彦 

成功は小さい努力の積み重ね
【私の評価】★★★★☆(88点)


■やはり松下幸之助の本を読むと
 どうしても姿勢を正してしまうのは
 私だけでしょうか。

 松下幸之助の晩年23年間付き添った
 著者が伝える松下幸之助の人となりです。


■松下幸之助は人を褒めても、叱っても、
 人を感動させることのできる人でした。

 人を叱って感動させるというのは
 どういうものなのかと思いますが、
 そのコトバを読んで少しわかったような気がしました。

 信頼していた君ともあろうものがなぜこんな判断をするのか。
 松下電器の考え方に反しているのではないか。
 そうした思いが伝わってくるのでしょう。


  ・私は何度となく、「きみは何を考えて仕事をしとるんや。
   この仕事できみが正しいと思うことは何や!」と厳しい口調、
   激しい言葉で叱られた。・・・そのように叱られながらも、
   何かしら、松下さんの言葉、叱り方に感動を覚えたのは、
   松下さんが私の人間としての本質や人格といったものを認めて
   くれており、それが伝わっていたからだと思う(p183)


■また、松下幸之助は決断する人でしたが、
 決断の前には多くの人に質問し、意見を聞き、
 決断をくだしていたそうです。

 ただ、意見を聞くにしても意見を鵜呑みにするのではなく、
 自分の判断が本当に正しいのか、現実と離れていないのか、
 チェックしていたのでしょう。


  ・松下さんのように、「わしはこう思うんやけど、あんた、どう思う?」
   「これについてあんたの意見はどうかなあ」と声をかけておく・・・
   (p21)


■もう松下幸之助には会えませんが、
 こうした本で会うしかないのでしょう。

 松下幸之助の声が聞こえてくるようでした。


  ・松下さんは、実によく部下に声をかけた。エレベーターで
   偶然乗り合わせた、初めて会った女子社員にも、「あんた、
   どの部門で仕事してるんや?」とか、「機嫌ようやってくれてるか?」
   などとよく話しかけていた(p94)


■姿勢を正して読まされる一冊です。

 本の評価は★4つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・汗を流し、努力に努力を積み重ねるうちに知恵が湧いてくるもんや。
   汗の中から生まれたその知恵は本物やな。本物だから人を感動させる
   ことができる、説得し納得させることもできる。(p31)


  ・ほめられるのは嬉しいことだが、ときとして油断が生じる。
   だから逆に叱ってくれる人、注意してくれる人を求め、
   大事にしなさい(p48)


  ・責任者には三つの責任がある。
   仕事の完成と仕事の創造、
   とりわけ、人材の育成である(p104)


  ・十年後、あるいは五十年後に自分の会社の経営を
   このようにしていきたいという大きな夢、大きな志を、
   現実と戦いながら並行して持っていることが大事である(p35)


  ・松下さんには、日本は必ず発展する。日本には国運があり、
   将来的に非常に希望に燃えた国になるのだという「大楽観」があった。
   しかし・・・問題が山積みしているが、それらを正視し、
   全身全霊、命懸けで取り組むのである(p37)


▼引用は、この本からです。

成功は小さい努力の積み重ね
江口 克彦
PHP研究所
売り上げランキング: 13794
おすすめ度の平均: 5.0
5 偉大な哲人、松下幸之助の愛弟子の言葉

【私の評価】★★★★☆(88点)


■著者紹介・・・江口 克彦(えぐち かつひこ)

 1940年生まれ。 
 松下電器産業入社後、1967年PHP研究所。
 秘書室長、取締役、常務、専務、副社長を経て、
 2004年同社社長。
 著書多数。


─────────────────

■関連書評■

a. 「人を見る眼 仕事を見る眼 松下幸之助エピソード集」PHP研究所
【私の評価】★★★★★

b. 「松下幸之助翁82の教え」小田 全宏
【私の評価】★★★★★

c. 「松下幸之助の見方・考え方」PHP研究所
【私の評価】★★★★☆

d. 「経営心得帖」松下幸之助、PHP研究所
【私の評価】★★★★★


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2009年6月23日

「トイレの法則」星野 延幸 :82点, 星野延幸 

トイレの法則 「トイレ掃除」でわかった! 伸びる会社・伸びる人
【私の評価】★★★★☆(82点)


■トイレ清掃を仕事にしている
 星野さんの一冊です。

 トイレ清掃だけで商売になるのか?
 と思いましたが、15年もこれで
 食べているそうです。

 料金は書いてありませんが、
 トイレ一つ1万円もしない値段のようですが、
 企業や公共施設などまとまった数をこなしているとのこと。


■私が感心したのは、
 星野さんの営業方針です。

 儲かっている会社を
 中心に営業をかけているのです。

 儲かっている会社は、
 だいたいトイレがきれいなのですが、
 それでも自分が磨くとトイレはピカピカになりますので、
 ちゃんと継続的に仕事が取れるのだそうです。


  ・トイレが汚れている会社には、共通したことがあります。
   それは、その会社の経営状態が良くないことです。(p72)


■トイレ掃除をちゃんとお金の取れる仕事に
 しているのはすごいなと思いました。


■私も家ではトイレ清掃を毎日していますが、
 慣れてくると気持ちがいいものです。

 この本(星野さん)のすごさは、
 トイレ掃除をしている人にしか
 わからないかもしれません。

 本の評価としては、
 星野さんの人間力に★4つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・にべもなく断るお客様ほど脈がある(p124)


  ・新しいビジネスを始める人は、ぜひとも
   「誰もやりたがらない仕事」を探すべきです(p39)


  ・お寺の修行・・・最も修行の浅い人には建物の外の庭掃除を任せ、
   その次の段階に進むと廊下などの建物の中、そしてさらに修行が
   進んで第三段階になるとトイレ掃除、最高位の修行僧は本堂の仏壇、
   というものです(p78)


▼引用は、この本からです。

トイレの法則 「トイレ掃除」でわかった! 伸びる会社・伸びる人
星野 延幸
PHP研究所
売り上げランキング: 10213
おすすめ度の平均: 3.5
5 トイレは心の鏡だ
2 ハズレ!

【私の評価】★★★★☆(82点)


■著者紹介・・・星野 延幸(ほしの のぶゆき)

 1955年生まれ。
 15もの職業を経験したのち、35歳で
 友人と共同経営した清掃会社でトイレ清掃という天職とめぐり合う。
 専用機材の開発や清掃法を独自で研究し、
 企業や公共機関のトイレ清掃を請け負う。


─────────────────

■関連書評■

a. 「凡事徹底」鍵山秀三郎
【私の評価】★★★★☆

b. 「「そうじ力」であなたが輝く!」舛田 光洋
【私の評価】★★★★☆

c. 「全国から人が集まる不思議な自動車教習所」小河 二郎
【私の評価】★★★★☆


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2009年4月29日

「俺は、中小企業のおやじ」鈴木 修 :80点, 鈴木修 

俺は、中小企業のおやじ

【私の評価】★★★★☆(80点)


■軽自動車、オートバイを生産している
 スズキ自動車社長の鈴木さんの一冊です。

 スズキ自動車は売上高は3兆円ですが、
 ガラス、タイヤ、バッテリーなどの部品を除けば、
 実際の売上高は5000億円程度の中小企業であるというのが
 鈴木さんの持論です。


■この本では、スズキ自動車の発展と危機の
 歴史を見ることができます。

 アルトの開発、ジムニー誕生秘話、海外進出の
 失敗と成功・・・。

 それは、鈴木社長の人生とも重なるのですが、
 成功と失敗の繰り返しの中から、
 なんとか生き残ってきたという感覚が
 伝わってきました。


■私が一番強く共感したのは、
 海外でのスズキ自動車の得た教訓です。

 まず、工場は自分の手で作り上げたほうが、
 良いということ。

 工場を買収しても、設備と人を日本流に変えることは
 一筋縄ではいきません。

 それなら、最初から作るほうが苦労はしますが、
 確実に日本流の工場を作れる可能性が高まるわけです。


  ・会社というのは、いろいろ手間がかかっても
   一から自分でつくりあげたほうが、いい結果が出る・・・
   外国については実際にはわからないことのほうが多いのです。
   私は金輪際、外国企業を買収しようとは思いません。(p172)


■海外市場にも進出している企業のトップが
 どのように考え、判断しているのか、
 非常に興味深く読めた一冊でした。

 海外にも関係しているビジネスマンにお薦めの本として、
 本の評価としては、★4つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・金融危機・・・こういうときには、外注先にコスト削減を
   強いるのはもってのほか・・・内なるコスト削減・・・不良率を減らす
   ・・・不要不急の設備投資をやめる、ムダな残業をやめる(p10)


  ・クルマ1台あたりの売上は100万円ですが、
   利益は3万円でしかない。また、クルマは、1台あたり
   1万点とも3万点ともいわれる・・・1部品あたりの利益は、
   わずか1円50銭(3万円÷2万点)にすぎない(p99)


  ・私にとって、技術者の処遇というのは大事なポイントです。・・・
   「会社のトップが会長、社長なら、そのうちひとりは技術者で
   あるべきだ」というのが私の持論です(p113)


  ・インド・・・2000年には、労組のストもありました。・・・
   「1年でも2年でもやらせておけ」と答えました。・・・給料が止まると
   どうしても我慢できなくなって働かせてくれと言ってくる・・・
   ストのひとつやふたつで腰砕けになるようでは経営者失格です(p205)


▼引用は、この本からです。

俺は、中小企業のおやじ
鈴木 修
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 136
おすすめ度の平均: 4.5
4 身に沁みますよ
5 俺は中小企業のおやじを読んで
5 読んで感動しました
5 この不況の中唯一、元気のある会社である訳
3 スズキの景気が良いってことで

【私の評価】★★★★☆(80点)


■著者紹介・・・鈴木 修(すずき おさむ)

 スズキ株式会社 代表取締役会長兼社長。
 1930年生まれ。
 大学卒業後、銀行勤務を経て、58年鈴木自動車工業入社。
 2代目社長、鈴木俊三氏の娘婿となる。
 63年取締役。67年常務。73年専務。78年社長。
 2000年会長。2008年再び社長を兼務。


─────────────────

■関連書評■
a. 「カルロス・ゴーン経営を語る」カルロス・ゴーン
【私の評価】★★★☆☆

b. 「藁(わら)のハンドル」ヘンリー・フォード
【私の評価】★★★★☆

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2009年4月13日

「会社は毎日つぶれている」西村 英俊 :82点, 西村英俊 

会社は毎日つぶれている (日経プレミアシリーズ)

【私の評価】★★★★☆(82点)


■日商岩井とニチメンが合併した双日の社長に就任し、
 リストラを敢行した西村 英俊さんの一冊です。

 当時、日商岩井は膨大な不良債権を持ち、
 株価も低迷していました。
 実質、破綻していたようです。


■日商岩井の不良債権の処理をするなか、
 西村社長が気づいたのは、
 社長が会社を潰すということです。

 つまり、海外の不良債権のほとんどは、
 社長が方針として掲げた「海外一流企業との連携」を
 達成するために契約されたものだったからです。

 しかし、実際には、自社に実力が伴わないため、
 不利な条件で提携したケースが多く、
 そうした契約が、時間とともに不良債権化していったのです。


  ・不良債権・・・社長の一斉号令で「今や海外との連携の時代だ。
   各国の一流企業との連携を深めよ」ときたもんですから、
   無理やり背伸びをしてやってしまったというのが経緯です。(p166)


■そうした不良債権も、早期に発見し、
 処理していけば、傷は浅く済みます。

 しかし、実際には
 担当者は失敗を報告したくありませんので、
 投資失敗の情報は社長までなかなか届かないのです。


  ・投資事業開始にあたって検討を重ねるいわゆる
   「入口審査」はしばしば全社を挙げて厳格に実施する・・・
   入口審査の重さがかえって事業運営開始後の管理を甘くし、
   本当のリスクを招くというのは困ったことです(p78)


■社長になると悪い情報は入りません。

 そうした中で、
 部下からの「問題ありません」という報告の中に、
 問題を発見する力が社長には求められているのでしょう。


  ・事故や失敗に関する情報の中で「大丈夫」という報告ほど
   信じてはいけない情報はないのです。・・・あなたが「大丈夫」と
   思ったその時から、誰も会社がつぶれるのを止められなくなる(p138)


■西村さんは双日のリストラと不良債権処理を実施して
 社長を退きました。

 そして、そうした仕事から得たことは、
 会社をつぶさないためには
 社長の判断が非常に重要であるということです。
 (当たり前のようですが・・・)

 「問題ありません」という報告の中に、
 いかに悪い現状のタネを
 見つけるかが勝負なのだと思いました。

 社長の苦労が伝わってきましたので、
 ★4つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・逡巡したりしている時に、「いやまだ社長、今日でなくても」
   「社長が出なくても」と言ってきて、気持ちを弱らせるおべっか
   軍団の部下たちを全部まとめてやっつけてくれるのが社長、
   あなたの高い志に他なりません。(p201)


  ・会社をつぶすもう一つのリスク、そして社長が自ら
   立ち上らなければ断ち切れないリスクに、反社会的勢力との 
   対決があります。・・・その昔は特殊株主と言ったものです(p210)


  ・社外取締役の役割の第一は社長の交代時期を提案することと、
   交代社長候補の品定めです(p216)


▼引用は、この本からです。

会社は毎日つぶれている (日経プレミアシリーズ)
西村 英俊
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 1472
おすすめ度の平均: 4.5
5 お奨めです!
5 ハードボイルド・マネージメント
3 社長たるもの。
3 良本なのに残念なことです
5 修羅場で大手商社を再生させた著者のメッセージから経営者は学ぶことはたくさんある

【私の評価】★★★★☆(82点)


■著者紹介・・・西村 英俊(にしむら ひでとし)

 1942年生まれ。65年日商(日商岩井の前身)入社。
 取締役、常務を経て、2002年から社長。
 2004年に日商岩井とニチメンが経営統合した
 双日のCEO就任。05年辞任。


─────────────────

■関連書評■
a. 「人は仕事で磨かれる」丹羽 宇一郎
【私の評価】★★★★★

b. 「中国人に会う前に読もう」泉 幸男
【私の評価】★★★★☆

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2008年12月24日

「社長の四字熟語」武沢 信行 :81点, 武沢信行 

使える!社長の四字熟語100選 経営に効く!

【私の評価】★★★★☆(81点)


■武沢さんといえば、
 メルマガ「がんばれ社長!今日のポイント」で有名ですが、
 このメルマガと同じ感覚で読める一冊でした。

 四字熟語というと、お固いイメージですが、
 中身はまったく別物。
 武沢節で統一されていました。


■8年以上もメルマガを発行されていますので、
 ネタにはこまらないのでしょう。
 私のしらないネタもあり、私の読書もまだまだだと思いました。

 2ページ読み切りですので、
 カバンに入れて通勤などでお読みください。
 ★4つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・ユニクロの柳井会長も同社の野菜事業の失敗を
   こう反省しておられた。「野菜ビジネスは、
   カネがあり人材もいたからうまくいかなかった。(p105)


  ・ディズニーのテーマパークで働くスタッフは・・・
   毎日朝夕のミーティングで・・・パーク内で起きた実際のできごとを紹介し、
   それを題材にして「その時あなたならどうするか」などと問いかけ、
   考えてもらい、発言を促すのだという。(p187)


  ・「生涯であと何冊の本が読めるかが気になる」と言った
   評論家の立花隆氏の意見に一票を投じたい。(p14)


▼引用は、この本からです。

使える!社長の四字熟語100選 経営に効く!
武沢 信行
こう書房
売り上げランキング: 835
おすすめ度の平均: 5.0
5 年末年始におすすめ
5 テンポよく読めて味わい深く勉強できる
5 教養を身に付けつつ仕事に活かせる本
5 熟語もさることながら・・・
5 社長に限らず、仕事をする人全員にお勧めしたい本

【私の評価】★★★★☆(81点)


■著者紹介・・・武沢 信行(たけざわ のぶゆき)

 1954年生まれ。「有限会社がんばれ社長」代表取締役。
 2000年の創業以来、
 メールマガジン「がんばれ社長!今日のポイント」を発行。


武沢 信行さんのインタビュー


─────────────────

■関連書評■
a. 「朝10分 熱い経営 実現シート」武沢信行
【私の評価】★★★★☆

b. 「当たり前だけどわかっていない経営の教科書」武沢信行
【私の評価】★★★☆☆


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2008年11月18日

「即戦力の人心術」マイケル・アブラショフ :88点, マイケル・アブラショフ 

即戦力の人心術―部下を持つすべての人に役立つ

【私の評価】★★★★☆(88点)


■著者が艦長となったイージス艦ベルフォルドは、
 非常に成績の悪い戦艦でした。
 アメリカのイージス艦がこれほど乱れているとは知りませんでした。

 彼は、どうやって落ちこぼれ戦艦を
 No1にまで引き上げたのでしょうか?


■彼がやっていることは、
 成功した企業の経営者がやっていることと
 同じでした。

 部下の意見を聞き、採用し、自ら動く部下を作る。
 サンキューカードで士気を高める。
 海軍でNo1となるというビジョンを示したのです。


  ・つねに部下に
   「きみがしている仕事で、もっとよいやり方はないか?」と
   聞いて回ったのである。(p22)


■食事を良くしたり、
 映画や音楽ビデオを上映したり、(ちょっとやりすぎ)
 職場環境・雰囲気の改善にも努力しています。

 成功例と失敗談。
 すべてに具体的なストーリーがあるのに
 感心しました。


  ・事件・作戦のあとで必ず、それにかかわった者たちが
   艦橋にある私の椅子のまわりに集まり、批評会を行なう。
   うまくいったときでも、やはり分析を行なう。(p70)


■最終的に著者が大佐止まりで退役した理由には、
 やりすぎたことと、嫉妬があったようです。

 そうした点には私たちも注意しなくてはいけないのでしょうが、
 成果を出した手法の価値は下がりません。
 本の評価としては、★4つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・言葉の力・・・私は部下たちに、艦を訪れるすべての
   人に対して、その人物と目を合わせ、握手をし、微笑み、
   「海軍で最も優れた艦へようこそ」と言って迎えるように
   してほしいと伝えた。(p58)


  ・部下たちの配偶者の誕生日のリストを手に入れ、
   直筆のメッセージを書き添えて、そのカードを送った。・・・
   「あなたの旦那さんはすばらしい仕事をしています」と書いた(p167)


  ・私が部下たちと一対一で行った面接の利点の一つに
   「それぞれの部下の人生を知る」ということがある。
   なぜこの組織に入ったのか、そして、夢はあるのか、といった
   ことを知ることほど有益なことはない。(p185)


▼引用は、この本からです。

即戦力の人心術―部下を持つすべての人に役立つ
マイケル・アブラショフ
三笠書房
売り上げランキング: 591
おすすめ度の平均: 4.0
4 久々にどきどきしました
2
5 組織を動かす力
4 ここにはリーダーが目指すべき理想の職場がある
3 海軍の話をされてもあまり

【私の評価】★★★★☆(88点)


■著者紹介・・・マイケル・アブラショフ

 アメリカ海軍史上一と言われた短期間で成果をあげた海軍大佐。
 戦艦ベンフォルドの艦長に就任すると、海軍No1にまで改革する。
 その後、コンサルティング会社を起業し、評価されている。

─────────────────

■関連書評■
a. 「松下幸之助の実践心理術」赤塚 行雄
【私の評価】★★★★★

b. 「人を見る眼 仕事を見る眼 松下幸之助エピソード集
【私の評価】★★★★★


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2008年9月15日

「上司はなぜ部下が辞めるまで気づかないのか?」松本 順一 :89点, 松本順一 

上司はなぜ部下が辞めるまで気づかないのか?
【私の評価】★★★★☆(89点)


■魚屋さんが、30年連続増収増益。
 さらに、東証二部上場と聞くと、
 「すごいなこれは」と思います。


■この躍進の秘密は、
 魚屋の人材育成の仕組みにあります。

 魚屋の人材育成のポイントは、
 評価の明確化と、絶対評価の組み合わせです。

 普通の企業は、相対評価で、
 評価基準もあいまいですから、
 かなり異なった仕組みでしょう。

  ・課題をもうけて、魚の種類やさばき方で難易度を決めて、
   「これができたら、昇給する」というような
   指針を定めればいい(p75)


■評価基準については、
 通常、店舗別の売上高、利益などが指標とされるようですが、
 魚屋では、顧客一人当たりの販売個数を指標にしています。

 一人当たりとすることで、店舗の大きさ、
 店舗の立地などのハンデをなくすようにしているのです。


■こうしたより公正な評価基準と、
 目標達成を基準とした明確な評価で、
 従業員にワクワク仕事をさせることに
 成功した結果が、30年連続増収増益となったようです。


■日本の会社にありがちな精神的な頑張りを排除した
 仕組み化が印象的でした。

 具体的事例がやや少なかったのは、
 詳しくはコンサルティングしましょうということなのでしょうか?
 本の評価としては★4つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・どんな経緯で出た結果なのか、そのプロセスに注目・・・
   一つひとつきちんとクリアしてワクワクしながら
   3年でモノにする方法を示唆、伝授する(p51)


  ・モデルケースは必ず社員の中から選んでください。
   そして、その社員のどこが優秀なのか?を
   細かく具体的に分析します。(p102)


  ・「分からない」を分析して解決に導くことこそが、
   上司の果たすべき仕事です。(p35)


  ・朝礼の最後には社員がワクワクできるような、
   「いい話」を持ってきて、必ず
   よい気分で締めくくるようにする(p146)


▼引用は、この本からです。

上司はなぜ部下が辞めるまで気づかないのか?
松本順市
ナナ・コーポレート・コミュニケーション
売り上げランキング: 4804
おすすめ度の平均: 4.5
5 納得することばかりの内容です。
4 当たり前のことを当たり前にすることの難しさ
5 初級管理職と中小企業経営者に必須の書
4 私の目標は、「楽しく仕事をする仲間を増やすこと」です。
5 具体的で判りやすい

【私の評価】★★★★☆(89点)


■著者紹介・・・松本 順一(まつもと じゅんいち)

 1956年生まれ。大学3年生より魚力でアルバイト。
 大学院を中退し、社長の参謀として労働環境改善に努める。
 週休二日、残業なしの勤務体系を実現。
 社員の成長を定量化する仕組みを構築。
 30年連続増収増益。東証二部上場。
 現在は、(株)多摩研の代表取締役。
 人事コンサルタント。

─────────────────

■関連書評■
a. 「儲かる仕組み」をつくりなさい」小山 昇
【私の評価】★★★★★

b. 「社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!」石原 明
【私の評価】★★★★★


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2008年7月14日

「「ホンダ流」個性を生かす仕事術」 :88点, 大河滋 

「「ホンダ流」個性を生かす仕事術」大河 滋、成美社(2002/09)\550
【私の評価】★★★★☆(88点)


■ホンダの営業マンが見た
 ホンダの内部の強さを教えてくれる一冊です。

 私には、本田宗一郎、藤沢武夫の偉大な経営者の個性が
 ホンダの文化を作ったように見えました。


■営業の現場では、商品も良かったのでしょうが、
 熱血・根性の営業も大きな力を持っていたようです。

 研修では徹夜が当たり前で、
 自主的に営業方針を考え、議論し、
 ノルマを絶対達成するという根性があったようです。


  ・所長の口癖は決まっていた。
   「どうせやるなら全国ナンバーワンを目指すんだ」(p59)


■こうしたホンダの文化は、
 経営者のエピソードからも、
 経営者の影響が大きいと感じました。

 本田宗一郎が叱るのは、良い車を作るため、
 車作りに命をかけているからであり、
 それが社員に口伝えに伝わっていくのです。


  ・芸者さんが三味線をひいている宴会の席で、若い社員たちが
   大声で私語をしていた。「我々が必死で車をつくっているのと、
   芸者さんが芸をしているのは同じことだ」と大きな声で
   社員を叱ったのは本田宗一郎だった。(p64)


■著者は、技術屋ではなく営業出身のためか、
 方法論よりも精神論が多かった印象でした。

 ホンダを知りたい人なら必読の一冊だと感じました。
 本の評価としては、星4つとします。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・異動や組織変更は、ホンダでは日常茶飯事だ。
   定期異動といった考え方ははなからない。・・・必要があれば
   パッとつくるし、役目が終わればパッと解散する。(p24)


  ・本田宗一郎氏が健在な頃、ある大手企業を辞めてホンダに
   入社した人が一番驚いたのは、工場の中を本田氏が
   白い作業服を着て一人で歩いていたことだという。(p74)


  ・部下が上司にお中元やお歳暮を贈る習慣もないし、年賀状の
   やりとりもほとんどない。・・・出張に行ったら・・・
   「お土産は遊びのときに買うものだぞ」とたしなめられる(p96)


  ・社員運動会に参加した子供の一人がツギをあてたパンツを
   はいているのを見て、藤沢氏は、帰宅してから「新しい
   パンツさえ買ってやれないような経営しかできない私は、
   最低の経営者だ」と夫人の前で泣き続けたという。(p66)


▼引用は、この本からです。
「「ホンダ流」個性を生かす仕事術」大河 滋、成美社(2002/09)\550
【私の評価】★★★★☆(88点)


■著者紹介・・・大河 滋(おおかわ しげる)

 1941年生まれ。本田技研工業株式会社入社。
 営業部勤務。研修センター専任講師。退社後、
 ホンダクリオ店常務取締役、代表取締役、
 ホンダプリモ店専務取締役を歴任。
 現在は、「マネジメントコンサルタント」社の代表取締役。

─────────────────

■関連書評■
a. 「得手に帆あげて」本田 宗一郎、三笠書房
【私の評価】★★★★☆

b. 「経営に終わりはない」藤沢武夫、文藝春秋
【私の評価】★★★☆☆


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2008年5月16日

「商売心得帖」松下 幸之助、PHP研究所 :84点, 松下幸之助 

商売心得帖 (PHP文庫)
【私の評価】★★★★☆(84点)


■松下幸之助の心得帖シリーズの
 「商売」についてまとめた一冊です。

 心得というだけあって、
 テクニック的なものはなく、
 あくまでも考え方、ものの見方を教えてくれます。


  ・商売や儲けを論ずるということは、実は国家社会を論ずるのと
   同じことなのです。・・・商売に身を入れていると、
   自然とお得意先と仕入先のことが気にかかってくる。(p95)


■お得意先へのサービス、値段のあり方、仕入れ、人材育成など
 あらゆる角度から基本的な心得がならんでいます。

 あまりに当たり前のことすぎて、
 「君は基本をちゃんとやっとるのか」と言われているようで
 逆に怖いという印象です。


  ・極端にいえば、一軒のお得意を守りぬくことは百軒のお得意を
   増やすことになるのだ、また逆に、一軒のお得意を失うことは、
   百軒のお得意を失うことになるのだ(p62)


■本としてはあまりに安いので、松下幸之助の入門編として、
 ぜひ買って読んでみていただきたいと思います。

 本の評価としては★4つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・仏教徒の方々の生活態度は、朝に礼拝、夕べに感謝といいますが、
   われわれ日々仕事に携わる者も、朝に発意、昼は実行、そして
   夕べに反省、こういう日々をくり返したいということです。(p4)


  ・たとえば“不景気もまたよし、不景気だからこそ面白いんだ”
   という考え方が、一面できないものでしょうか。(p108)


  ・長所を見ることに七の力を用い、
   欠点を見ることに三の力を用いるのが、
   だいたい当を得ていると思われます。(p142)


  ・国民の人心を回復させるためには、国民を保護すると同時に、
   やはり叱咤激励ということも必要ではないかと思います。
   そういうものなくして甘いことばかりいっていたのでは、
   人づくりはできないでしょう。(p159)


▼引用は、この本からです。

商売心得帖 (PHP文庫)
商売心得帖 (PHP文庫)
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松下 幸之助
PHP研究所
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おすすめ度の平均: 4.5
4 経営者は従業員一人一人の“心根”に立つ
5 とても読みやすい。商売をするにも気持ちが大事。
5 珠玉の言葉

【私の評価】★★★★☆(84点)


■著者紹介・・・松下 幸之助(まつした こうのすけ)

 パナソニック創業者。

─────────────────

■関連書評■
a. 「人を見る眼 仕事を見る眼 松下幸之助エピソード集」PHP研究所
【私の評価】★★★★★

b. 「指導者の条件」松下幸之助、PHP研究所
【私の評価】★★★★★


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2008年2月26日

「戦わない経営」浜口 隆則、かんき出版 :83点, 浜口隆則 

戦わない経営
【私の評価】★★★★☆(83点)


■数千人の起業家を支援してきた著者が、
 教えてくれる起業のコツをまとめた一冊です。

 起業には、まず、「心」が必要です。
 人に役に立ちたいという「心」です。

 ・仕事は人に喜ばれること
  幸せを運ぶこと。
  経営は関わる人を幸せにする仕組み。(p53)


■しかし、「心」だけではうまくいきません。

 その会社のサービスが、社会のニーズと
 ぴったり合っていることが大切です。

 ・自分のビジネスのポジショニングマップを作成して、
  ぜひ、「戦いのない場所」「戦いの少ない場所」を、
  探してみてください。(p87)


■社会に求められる仕事を、一生懸命にやっていると、
 それを助けてくれる人が現れる。
 不思議ですね。

 ・もっともっと一生懸命に仕事をしたら、
  もっと自分らしくなれる。(p13)


■著者が、実際に試行錯誤して最後に残った結論(結晶)を
 教えてもらっているように感じました。

 シンプルでありながら本質を突いているので、
 ★4つとします。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・成功の反対が失敗と考える人が多いけど、
  成功の反対は、何もしないこと。(p79)


 ・「お客さんは大切な親友」だって思って、
  仕事をしていたら、
  なぜか、とうぜん、すべてがうまく流れ始めた。(p55)


 ・やったことは、
  例え失敗しても、20年後には、笑い話にできる。
  しかし、やらなかったことは、20年後には、後悔するだけだ。
  (マーク・トゥエイン)


▼引用は、この本からです。

戦わない経営
戦わない経営
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浜口 隆則
かんき出版 (2007/05/08)
売り上げランキング: 1094
おすすめ度の平均: 4.5
5 ビジネスと同時に人生についても考えさせられます
5 たくさんヒントもらいました。
5 幸せになるために

【私の評価】★★★★☆(83点)


■著者紹介・・・浜口 隆則(はまぐち たかのり)

 会計事務所、経営コンサルティング会社を経て、起業し、
 起業家をサポートするレンタルオフィス事業、会計事務所、
 ベンチャーキャピタル、起業家教育事業を行なっている。

─────────────────

■関連書評■
a. 「独立開業 絶対に成功する88カ条」戸田つとむ
【私の評価】★★★★☆

b. 「週末起業」藤井 孝一、ちくま新書
【私の評価】★★★☆☆


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2008年1月25日

「織田信長の経営塾」北見昌朗 :80点, 北見昌朗 

織田信長の経営塾 (幻冬舎文庫 き 20-1)
【私の評価】★★★★☆(80点)


■中小企業コンサルタントである著者は、
 戦国武将に中小企業経営を学ぶという研究をしています。

 この本では、現代の社長が織田信長に相談する形で、
 アイディアとして面白く、内容もわかりやすいものになっています。

 ・人材に対する投資なくして発展はありえない。ただし、
  予は有能な人材を積極採用する一方で、そうでないものは
  ドンドン切り捨てる方針を貫いてきた。・・・
  「人材を採用したから領地が増えた」のだ。(p82)


■時代が違えども、組織経営には共通したものが
 あることがわかります。

 人を育てることが事業拡大のキーポイントといわれますが、
 戦国の時代もその点は同じようです。
 
 ・私は、企業はたびたび求人広告を打つべきだと思っている
  緊急な必要性がなくても打った方が良い。出会いはどこにあるか
  わからないのだ。求人広告費をムダ金と思ってはいけない。(p96)


■また、組織の長は、目標を示し、部下を育て、仕事を与え、
 功ある者には賞を与え、罪をおかした者は罰することが必要です。

 ・人の心に火をつけるには、理想が要る。
  予の場合は、それが天下統一というものだった。
  (p41)


■企業経営だけでなく、日本の歴史にも興味をそそられ、
 一冊で2度美味しい本でした。

 そのアイディアに敬意を表して、★4つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・軍団というものは大将がすべてを決めるのであり、独裁的で
  よいのだ。家臣たちから意見を吸い上げたうえで、大将が決断する
  のだから"衆知独裁"だ。・・・だから大将に沿わない人物は不用であり、
  徹底的に排除するべきだ。(p99)


 ・どこの会社にも「幹部らしくない幹部」がいるものだ。・・・トップから
  言われたことは一応やっているが、それ以上の仕事をしようとは思っていない。
  ・・・そんな「ぐうたら幹部」は問題だが、そういう人物をいつまでも
  幹部として置いている社長はもっと問題だ。(p128)


 ・秀吉が部下に仕事をさせる前に、まず酒肴を振舞っている点が興味深い。
  ・・・アメをばらまきながら、同時にムチも入れようとする。「仕事
  の手を抜いた者は敵の回し者とみなす」と言って回っている(p164)


 ・三十人という規模は、大将が一人で指揮すればよいのだ。
  たった三十人しかいない家臣を掌握できない人物に、武将は務まらない。
  家臣はその大将の一挙手一投足を見ているのだ。(p198)


 ・「日本は豊かな国だ」という錯覚を抱いている人もいるようですが、
  もともと日本は何の資源もない国です。信長:それは危ない状況だ。
  最近では、隣の明国も富国強兵をを進めているようだな。・・・
  南蛮の国も、日本の冨を虎視眈々と狙っていると聞いている。(p206)


▼引用は、この本からです。

織田信長の経営塾 (幻冬舎文庫 き 20-1)
北見 昌朗
幻冬舎 (2007/10)
売り上げランキング: 3796
おすすめ度の平均: 4.0
4 着想としてグッド

【私の評価】★★★★☆(80点)


■著者紹介・・・北見 昌朗(きたの まさお)

 経営コンサルタント。戦国に学ぶ中小企業経営という
 視点で研究を続けている。著書多数。

─────────────────

■関連書評■
a. 「「崖っぷち会社」が生まれ変わった3つの方法」中山 裕一郎、フォレスト出版
【私の評価】★★★★☆

b. 「小さな会社が中途採用を行う前に読む本」北見 昌朗、東洋経済新報社
【私の評価】★★★★☆


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2007年11月26日

「伝説のプラモ屋」田宮 俊作 :80点, 田宮俊作 

伝説のプラモ屋―田宮模型をつくった人々 (文春文庫 た 45-2)
【私の評価】★★★☆☆(80点)


■中学生の頃、プラモデルといえば、
 タミヤの模型でした。

 他の会社のキットは、部品がぴったり合わない
 ことがありましたが、タミヤのキットは
 部品がきっちりと合う正確な製品だったのです。

 「いい仕事してますね!」
 ということです。

 ・設計に必要なのは一にも二にも愛情である。歴史的な重要性を知り、
  零戦にとことん惚れ込まないと優れた設計はできない。(p106)


■この本では、田宮模型の発展の軌跡と、
 現場での苦労がよくわかりますが、

 やはり、新しいものへを作って挑戦していったことが、
 発展の基礎となったようです。

  木型模型からプラスチック模型への挑戦、
 RC(ラジオコントロール)カーの開発から
 ミニ四駆の開発へと次々とヒット商品を開発しています。

 ・タミヤという会社の今日があるのは、76年から、電動RCカーを
  世界に先駆けて開発し、これが世界的に流行したことと、一億数千万台
  販売したミニ四駆の開発を手がけたことによる。(p285)


■模型とはいえ、ただの模型ではない。
 愛情と思い入れのある模型を作るところが、
 日本の製造業の真骨頂なのでしょう。

 今年の正月は、家族でプラモデルを作ることに
 決定して、★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・細部にこだわり過ぎて、必要以上にパーツが多すぎるキットは、
  組み立てる側にストレスをためてします。・・・模型の設計で
  一番肝心なことは、うまく省略することにあると私はいまだに
  考えている。(p44)


 ・私は、自分の目の黒いうちは自分が嫌いだと思う飛行機の
  模型は絶対につくらない。たとえば、B-29爆撃機が最たる
  ものだ。(p268)


 ・ゴーン氏が『ルネッサンス』という著作を出版したばかりだったので、
  サインをいただこうと本を差し出すと、「この本を書いたのは自分の
  ためじゃない。日産の社員のために書いたんだ」という。(p162)


▼引用は、この本からです。

伝説のプラモ屋―田宮模型をつくった人々 (文春文庫 た 45-2)
田宮 俊作
文藝春秋 (2007/05)
売り上げランキング: 68353
おすすめ度の平均: 4.5
4 タミヤの歴史が分かります
5 「1/48 フェアリー ソードフィッシュ MK.II」とか「1/32 零戦52型」とかつくってみたい
5 「世界のタミヤ」へ...その足跡

【私の評価】★★★☆☆(80点)


■著者紹介・・・田宮 俊作(たみや しゅんさく)

 1934年。大学卒業後、父・義雄が経営する田宮商事に入社。
 模型の企画・設計に携わる。77年より社長。

─────────────────

■関連書評■
a. 「マティーニ・イズム」毛利 隆雄、たる出版
【私の評価】★★★★★

b. 「オシムの言葉」木村 元彦、集英社
【私の評価】★★★★★


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2007年7月16日

「成功はゴミ箱の中に」レイ・ロック、ロバート・アンダーソン :85点, レイ・ロック, ロバート・アンダーソン 

成功はゴミ箱の中に―レイ・クロック自伝 世界一、億万長者を生んだ男-マクドナルド創業者
【私の評価】★★★★☆(85点)


■著者紹介・・・レイ・クロック

 1902年生まれ。1984年没。高校卒業後、ペーパーカップの
 セールスマン、ピアノ弾き、ミキサーのセールスマンとして働く。
 1954年、52歳のときにマクドナルド兄弟と出会い、
 マクドナルドのフランチャイズ権を獲得、全米展開に成功。


■著者紹介・・・ロバート・アンダーソン

 アメリカ在住のライター、ジャーナリスト。


─────────────────

●マクドナルド帝国を作り上げたレイ・クロックの
 自伝です。

 52歳のレイ・クロックは、
 ミルクセーキ用のマルチ・ミキサーのセールスマンとして、
 アメリカ中を旅していました。


●ビジネスに悪戦苦闘していた彼がロスで出会ったのが、
 マクドナルド兄弟のハンバーガーレストランです。

 新しい商品を探していた彼は、
 すぐにマクドナルド兄弟とフランチャイズ権の
 交渉に入っています。

・・・ここから苦労が続きます。


●この本のレイ・クロックからは、
 なんとしても自分の求めるものを手に入れるのだ、
 という執念を感じました。

 彼は、ダートマス大学の卒業生に向かって
 起業家になる心得として、次のように言っています。

 ・あきらめずに頑張り通せば、夢は必ず叶う(p98)


●問題が続出し、それに立ち向かっていくレイ・クロックの姿に
 起業のダイナミックさを感じました。

 ここまで、マクドナルドが大きくなったのも
 成功への執念、人との出会い、適切な判断などの総合的な
 ものが、時代にマッチしたからでしょう。

 ・ばか野郎!景気の悪いときにこそ建てるんだ!なぜ景気が上向きに
  なるのを待たねばならない?そんなことをしていたらいまよりずっと
  金がかかるようになる(p246)


●最後に、この本は、実は目次が一番素晴らしいことに気づきました。
 目次だけでも感銘するアドバイスだらけです。

 経営者には必読の一冊ですので、★4つとしました。
 (あなたが経営者なら★★★★★)


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・1950年代後半には正社員を雇った。
  我々は彼らに夢を売り、できるだけ給与を少なく払った。
  そのことについて罪悪感はない。自分のための行為ではなかったからだ。
  我々の元に残った者は、現在、大きな成功を収めている。(p175)


 ・次なるビジネスチャンスを逃さないよう注意を払っていた。
  「未熟でいるうちは成長できる。成熟した途端、腐敗が始まる」
  これは私の座右の銘だ。(p16)


▼引用は、この本からです。

成功はゴミ箱の中に―レイ・クロック自伝 世界一、億万長者を生んだ男-マクドナルド創業者
レイ A.クロック ロバート・アンダーソン 野崎 稚恵
プレジデント社 (2007/01)
売り上げランキング: 760
おすすめ度の平均: 4.5
4 フライドポテトが食べたくなる本
5 テンポがすごいです。
2 人の妻を横取りするとは

【私の評価】★★★★☆(85点)


■関連書評■
a. 「社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!」石原 明
【私の評価】★★★★★

b. 「はじめの一歩を踏み出そう」マイケル・E・ガーバー
【私の評価】★★★★★


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2007年6月25日

「巨人・渋沢栄一の「富を築く100の教え」」渋澤 健 :88点, 渋澤健 

巨人・渋沢栄一の「富を築く100の教え」 (講談社BIZ)
【私の評価】★★★★☆(88点)


●私は日本の経営者の巨人としては、
 渋沢栄一と松下幸之助が思い浮かびます。

 渋沢栄一は、明治初期に500社もの企業の設立に関係し、
 日本近代国家の基礎を作った偉人です。


 ・王子製紙、東京海上保険、日本郵船、清水建設、東京電力、
  東京ガス、東京石川島造船所、帝国ホテル、東京製鐵、
  札幌麦酒会社、帝国劇場(現東宝)、日本興行銀行・・・(p22)


●その教えは、松下幸之助と共通点があるように感じました。

 それは、営利事業というものは、個人の活動ではあるものの、
 実際には公的なものであるという意識です。


 ・個人を利すると共に
  国家社会も利する事業なるや
  否やを知ること・・・(p186)


●そして、理想を持ち、着実に実行していく。

 こうした成功法則の基本は、
 当然のこととして書いてあります。


 ・自分が信じぬことは言わず、
  知った以上は必ず行うという念が強くなれば、
  自然に言語は寡黙になり、
  行為は敏捷になるものである。(p60)


●また、松下幸之助は、理外の理といって、
 説明しにくいのだけれども、
 現実はそうなっているという知恵を
 経営者は持たなくてはならないとしていました。

 この本でも、「ゆっくり急ぐ」というような、わかったような
 わからないようなことばがでてきます。

 渋沢栄一には、その理外の理を
 数多く知っていたのではないかと感じました。


 ・真似はその形を真似ずして、
  その心を真似よ。(p44)


●もはや渋沢栄一に会えない以上、こうした本で、
 渋沢栄一の考え方を学ぶのは貴重だと感じました。
 ★4つ(88点)とします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・およそ目的には、理想が伴わねばならない。
  その理想を実現するのが、人の務めである。(p46)


 ・世人は、一もニもなく彼を順境の人と思うであろうが、
  実は順境でも逆境でもなく、
  その人自らの力でそういう境遇を作り出したに過ぎない。(p94)


 ・すべて世の中の事は、
  もうこれで満足だという時は、
  すなわち衰える時である。(p96)


 ・何事にも熱情なき人がある。・・・
  その種の人が多くなれば
  すなわち国は必ず滅ぶ。(p198)


 ・金はそれ自身に善悪を判別するの力はない、
  善人がこれをもてば善くなる、
  悪人がこれをもてば悪くなる。(p238)


▼引用は、この本からです。

巨人・渋沢栄一の「富を築く100の教え」 (講談社BIZ)
渋澤 健
講談社
売り上げランキング: 76966
おすすめ度の平均: 5.0
5 富とは、生きざまそのもの

【私の評価】★★★★☆(88点)


■著者紹介・・・渋澤 健(しぶさわ けん)

 1961年生まれ。渋澤栄一の5代目の子孫。
 小学校2年生で父の転勤で渡米。
 83年テキサス大学を卒業。87年UCLA経営大学院を修了、MBA取得。
 その後、JPモルガン、ゴールドマン・サックス、
 ヘッジファンドのムーア・キャピタル・マネジメントなどを経て、
 2001年投資コンサルティング会社シブサワ・アンド・カンパニーを設立。


─────────────────

■関連書評■
a. 「経営心得帖」松下幸之助
【私の評価】★★★★★

b. 「続・志のみ持参」上甲 晃
【私の評価】★★★★★


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2007年5月30日

「外資系トップの仕事力」ISSコンサルティング :86点 

外資系トップの仕事力―経営プロフェッショナルはいかに自分を磨いたか
【私の評価】★★★★☆86点


■著者紹介・・・ISSコンサルティング

 経営者、スペシャリストの紹介に特化した人材紹介会社。
 クライアントの98%が外資系企業。
 米国ロサンジェルスにもオフィスを持つ。


─────────────────

●人との出会いは貴重なものですが、
 この本では一度に外資系社長12名の話を聞くことができます。

 こうしてみてみると、上昇志向、自信、積極性、勤勉、実力志向など
 共通点があるように感じました。

 ・副社長になりたいとか、たくさん給料が欲しいとか、
  そういうことを考えたことはまったくないですね。・・・
  どれだけ自分の潜在力を試せるか、ということなんです。
  (藤森 義明)(p172)


●本人の能力が高いのは当然ですが、
 成長する段階で、人から助言を受けている人が
 少なからずいるようです。

 どのような先輩、同僚と一緒に仕事をしたのかということも
 その人の運命を変える力を持っているのでしょう。

 ・就職の時、父親がひとつだけ僕に言った言葉を今も覚えています。
  天下国家のための仕事を、社会のために役立つことをしろ、と。
  (安田 雄典)(p180)


●また、彼らの共通点は、結果を出し続けているという点。

 その職場を学ぶ⇒課題に取り組む⇒結果を出す⇒昇進する
 という流れを作っているようです。

 ・結果の出し方もわかってきました。たとえば、「六・十二・六の法則」。
  職場を移ると、最初の六ヶ月はまず覚える。次の十二ヶ月でそれをマスター
  して、変える必要があるところは変える。そして最後の六ヶ月でドーンと
  結果を出すんです。これでちょうど二年。(脇若 英治)(p239)


●MBA取得者ばかりなのが気になりましたが、
 この人たちは違うな、と思わせてくれる人選でした。

 トップになるには何か必然性があるはずです。
 それを感じ取りたい人にお勧めします。
 貴重なインタビュー集ということで、★4つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・部下にできないことがあったとき、黙っている経営者もいるかも
  しれません。でも僕は聞きます。どうしてできなかったのかと。
  それを明確にしないと、「思い」は出てこないと思うからです。
  ・・・ケンカをしない仲良し集団はダメです。(関口康)(p70)


 ・二十代はとことん勉強、三十代は自分のスタイルをつくる。
  四十代で勝負をかけて結果を出し、五十代で組織を任される。
  十年スパンで、そんな目標を立てていました。(山中 信義)(p204)


 ・私は在オランダ日本大使館に行くことになるんです。・・・
  官庁型の縦割り組織の弊害というのは、ちょっとショックでしてね。
  みんなはいいことを言うんですが、組織になるとおかしくなる。
  こりゃ日本ってヤバイ、と思った。(柴田 励司)(p30)


▼引用は、この本からです。

外資系トップの仕事力―経営プロフェッショナルはいかに自分を磨いたか
ISSコンサルティング
ダイヤモンド社 (2006/09/08)
売り上げランキング: 3337
おすすめ度の平均: 4.5
5 等身大のトップの姿
5 プロ意識
4 たまに、ガツンと頭を殴られることもしないと、ね?

【私の評価】★★★★☆86点


■関連書評■
a. 「松下幸之助翁82の教え」小田 全宏
【私の評価】★★★★★


b. 「35歳から仕事で大切にしたいこと」村井 勉
【私の評価】★★★★★


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2007年4月20日

「松下幸之助の見方・考え方」PHP研究所 :87点, 松下幸之助 

松下幸之助の見方・考え方―ビジネスの王道はこうして歩め!

【私の評価】★★★★☆87点


●松下幸之助の本を読むと、涙が出たり、
 体の芯が震えるような感覚に陥ります。

 それはなぜなのか?

 それは、松下幸之助のエピソードから、個を超越した公を考える
 松下幸之助の思想が伝わってくるからではないかと考えています。


●この本は、そうした松下幸之助の考え方を、
 社員が体験したエピソードや、松下自身の言葉によって、
 分かりやすく教えてくれる一冊です。

 現場にいく事務屋さんには、「工場の中に机を置け」
 という。

 販売課長には「会社を辞めて、しるこ屋になれ」という。

 突飛な発言のなかに、
 松下幸之助の真剣さが見えてきます。


 ・きみ、製造部長として事業部へ行ってくれんか・・・物づくりを
  勉強してもらうんやから、事務所あたりに机をもっとっちゃいかん、
  工場の中に机をもちこんで仕事をすることや(p53)


●松下幸之助は、成功の要諦は成功するまで続けることにあると
 喝破していますが、
 その努力は並大抵のことではなかったのでしょう。

 それは、部下にいかに成長してもらうのか、
 いかに自分の考えを伝えるのか、常に考えていたようです。


 ・きみが電熱担当の課長か・・・きみ、あしたから会社をやめてくれ・・・
  会社をやめて、しるこ屋になれ・・・まずあしたから何をやるか・・・
  しるこ屋の店主としても、毎日これだけの努力をせねばならない。
  きみは電熱課長として、何千円もの電化製品を売っている。だから
  しるこ屋の百倍、二百倍もの努力をしなくてはいけないな。
  そのことがわかるか。(p69)


●写真、イラストなどが入って、非常にわかりやすい一冊です。

 100万部以上売れて、100万人以上が感動しますように
 と祈りながら、★4つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・頂戴した利益は無意味にこれを使うわけやない。よりよき
  再生産のためにこの資金を使っていく。その一部は従業員の
  生活向上に回す。一つは設備に回す、一つはまた、社会へ
  還元していろんな寄与にもする。・・・そういう尊い使命が
  あるために、利益を求めるということが許されるわけである。(p35)


 ・PHP研究所を創設した・・・戦後の・・・道徳の乱れ、人心の荒廃
  ・・・"正直に、誠実に働いている人間が
  なぜこれほど苦しまなければならないのか。人間には本来、
  平和で幸せな生活を実現する力が与えられているはずである。・・・
  この世に物心一如の繁栄をもたらすことによって、
  真の平和と幸福を実現する道を探求しよう"(p24)


 ・困っても困らないこと。
  困難を困難とせずに、思いを新たに決意固く歩めば、
  困難がかえって飛躍の土台石となる、というのである。(p83)


▼引用は、この本からです。

松下幸之助の見方・考え方―ビジネスの王道はこうして歩め!
PHP研究所 ピーエイチピー研究所=
PHP研究所 (2006/11)
売り上げランキング: 12057
おすすめ度の平均: 4.5
5 もう最高です。起業した人志す人読んでください!
4 やっぱり松下幸之助はすごい

【私の評価】★★★★☆87点


■関連書評■
a. 「若さに贈る」松下 幸之助
【私の評価】★★★★★

b. 「道をひらく」松下 幸之助
【私の評価】★★★★☆

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2007年3月23日

「小さな会社が中途採用を行う前に読む本」北見 昌朗 :83点, 北見昌朗 

小さな会社が中途採用を行なう前に読む本
【私の評価】★★★★☆83点


●どのような企業も、創業時は中小企業であり、
 その規模に応じた適切な賃金・人事を行っていく必要があります。

 この本は、中小企業であった事例を示しながら、
 中小企業のレベルに応じた賃金政策や
 人事のあり方を提言してくれます。


●やはり身につまされるのは、賃金政策でしょう。

 中小企業とはいえ社長となれば従業員の人生を
 あずかる身です。

 従業員を満足させつつ、会社の発展も妨げない
 レベルを決めていく必要があります。


●また、会社を大きくしていくためには
 中途採用を行っていく必要がありますが、

 こうした人を採用するときに、
 副作用として色々なトラブルが発生するようです。


 ・大手と中小企業とでは、幹部の働き方が違います。中小企業に
  おいては、幹部はプレイングマネジャーであり、自ら現場で
  率先垂範して働くべき人です。(p151)


●特に中小企業では、大企業のように余裕がないことから
 ちょっとした失敗が企業の存続にも影響します。

 そうした失敗を事前に防ぐためにも、
 こうした本が必要なのでしょう。


●中小企業向けの実用書が少ないなか、具体的な事例を示し、
 著者の考え方を示してくれる貴重な本だと思います。

 中小企業の社長さんの苦労を感じつつ、
 実用に耐える本ということで★4つとしました。
 (あくまで中小企業向けです)


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・単純作業は非正規従業員でこなすべきだ!(p20)


 ・私は「30歳までは生活給重視で、30歳過ぎたら実力主義で」
  と考えています。(p94)


 ・必要以上の時短は、従業員のためにならない(p102)


 ・A社の社長は、C氏を雇用するときに"年俸制"を採用しました。
  問題は、この"年俸制"という概念です。それは次のように
  2種類あります。正規従業員型・・・契約従業員型(p128)


▼引用は、この本からです。

小さな会社が中途採用を行なう前に読む本
北見 昌朗
東洋経済新報社
売り上げランキング: 86670
おすすめ度の平均: 5.0
4 今までも
5 中途採用の給与の決め方はこれで大丈夫☆
5 事例があり読みやすい
5 おすすめです
5 頼れる一冊

【私の評価】★★★★☆83点


■著者紹介・・・北見 昌朗(きたみ まさお)

 1959年生まれ。1995年独立して北見式賃金研究所を設立。
 中小同族会社を対象にした賃金・人事コンサルタント業を始める。


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2007年3月15日

「そう考えると楽ですね-松下幸之助との日々」岩井 虔 :89点, 岩井虔, 松下幸之助 

そう考えると楽ですね―松下幸之助との日々
【私の評価】★★★★☆89点


●松下幸之助はどのような人であったかというと、
 本当は気が弱く、神経質な人間であったと思います。

 しかし、そのような人間がどうして経営の神さまと呼ばれ、
 松下電器という巨大国際企業を作り上げることができたかといえば、

 松下電器という企業の使命に対する「思い」であり、
 そして、社主である自分の「信念」であったのではないでしょうか。


●従業員と話をするときも、
 従業員を知ろうとする、従業員から何かを得ようとする。

 細やかで神経質である性格を、
 うまく転換していたように感じます。


 ・「君、家族は何人や?ご両親は顕在か」・・・
  「そうか、そうか。君はなんでこの松下に入ってくれたんや?」
  「君、松下で何をやりたいと思ってるんや?今の仕事楽しいか。
  これからの夢あるんか・・・(p16)


●ときおり部下が失神するほど
 叱責することがあります。

 しかし、気が弱い松下をそのようにさせていたのは、
 社主としての自分の立場、その人を育てたいという
 激烈な思いだったようです。

 これは社員を思う気持ちというよりも、
 自分の子どもを思う気持ちに近いものでしょう。


 ・部下指導は真心をもって行うべきものにして、単なる御機嫌とり
  政策の如き浅薄あるべからず、宜しく言うべきは言い、糾すべきは
  糾し、真の向上のために鞭打つの誠意をもって行うべし
  「社員指導及び各自の心得」(p61)


●そして、松下自身、「経営」つまり組織をあるべき
 方向に導いていくことに面白みを感じており、
 常に経営のあり方というものを考えていたようです。


 ・「じゃあ君は、一家の主人やな」「はい、そうです」
  「主人といえば、家庭の経営者やな。経営者なら、夢を語り、
  方針を示さないかんと思うんやが、君は奥さんやお子さんに、
  "五年後の岩井家、十年後の岩井家をこうしよう"ということを
  ちゃんと言うて、協力を求めているんやろうな」(p70)


●松下幸之助関係の本を読んでいるといつも姿勢が良くなります。
 腰が立ち、胸を張っている自分がいます。

 自分の姿勢を正してくれる良書として
 ★4つとしました。


──────────────────────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・塾生の一人が質問をしました
  「なんでリーダーと掃除が関係あるんですか」
  その質問に対し、松下は、
  「自分の身をきれいにできない者が、なぜ社会をきれいにできるのか」
  と答えたそうです。(p21)


 ・松下幸之助自身、晩年の幹部研修会などで、
  「部下の良さ、偉さがわかるか」
  「出ばなをくじくな」
  「拝む心を持て」などと、繰り返し指導していました。(p48)


 ・できるだけ質問を受けることにしていたんや・・・
  「そんな時、パッと手を挙げる従業員の名前を覚えておく」
  「覚えてどうなさるんですか」
  「昇格や」
  「えっ・・・(p85)


 ・「君、100のうち三つできたらどう思う?」・・・
  私は、「・・・100のうち三つしか成功しないのであれば、
  やめたほうがいいと思います。」・・・
  「わしは、違うなあ。100のうち三つできたら、
  勇気がでてくるんや」(p157)


▼引用は、この本からです。

そう考えると楽ですね―松下幸之助との日々
岩井 虔
PHP研究所
売り上げランキング: 235370

【私の評価】★★★★☆89点


■著者紹介・・・岩井 虔(いわい けん)

 1936年生まれ。1958年松下電器入社。
 1961年PHP研究所へ出向し、研究、編集、国際、研修部門を担当。
 1992年専務取締役・研修局長を経て、1997年顧問、現在、参与。

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2007年1月 9日

「戦略プロフェッショナル」三枝 匡 :85点, 三枝匡 

戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)

【私の評価】★★★★☆85点


●若くして経営者として活躍した著者の実際の経験を、
 脚色して、小説仕立て(ケース・スタディ)とした一冊です。

 大企業の新規事業担当者が、投資先のベンチャー企業に出向し、
 事業を立て直します。


●著者の経験をベースとしているため、
 本当にありそうな設定で(本当にあったのですが)、
 小説とは比較にならないくらい現実味があります。

 修羅場にいきなり入っていく親会社の社員の気持ち、
 いきなり外から上司がやってきたときの部下の気持ちなどが
 リアルに描かれています。


 ・なまぬるい会社に共通した特徴は、社員のエネルギーが内向している
  ということである。・・・「お客様」と「競争相手」に対する意識が
  薄く、もっぱら自分たちの都合がまかり通っていることが多い。(p78)


●MBAではケース・スタディを重視する学校が多いようですが、
 そのケース・スタディは、表面的なものであることが多いようです。

 その点、この本を読むことは、MBAで学ぶケース・スタディより
 もっと効果的なはずです。


 ・経営戦略のことをよく勉強していたつもりでも、いざ自分一人で
  考え悩むと、こんな簡単な理屈を割り切るまでに時間がかかる。
  そうして苦労し、悩んでいると、ちょっとしたきっかけで天からの
  啓示のようなひらめきが降ってきて、それで頭の中の混沌に整理が
  つくといった感じだ。(p259)


●経営にはプロがいるんだ・・・ということを実感する一冊でした。

 日産のカルロス・ゴーンのやったことと比較しながら読むと、
 さらに楽しめる一冊だと思います。★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・部下をプロに育成するためには、その組織にプロの上司や教官が
  いなければならない。・・・狭い組織の中で、突出してくる
  「出る杭」を、プロ意識の薄い上司や同僚が皆で叩いているうちに、
  部下は普通の人になってしまう(p8)


 ・画期的な成果を収めるマーケティング戦略は、しばしば、
  営業マンのそれまでの常識や習性に逆らう内容を持っている。
  (p194)


 ・日本で成功する人のパターンは、二十代でたくさん恥をかき、
  三十代で一度は自信過剰になって失敗し、四十代では謙虚に努力して、
  五十代で花開く、といったところではなかろうか。(p260)


▼引用は、この本からです。

戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)
三枝 匡
日本経済新聞社
売り上げランキング: 1173
おすすめ度の平均: 5.0
5 本書の内容をを参考にして1人でも多くの人が戦略を実線展開できるリーダーをこの国に育てたいという意図がひしひしと伝わってくる力作である。
5 繰り返し読んでも古くならない永遠の名著
5 30代で経営者の視点を身につける
5 戦略はこうやって実現されていく
4 あっ!という間に読み終わった

【私の評価】★★★★☆85点


■著者紹介・・・三枝 匡(さえぐさ ただし)

 1944年生まれ。三井石油化学に入社。ボストン・コンサルティング・
 転グループに職。75年スタンフォード大学MBA。
 その後、バクスター社、大塚電子、テクノインベストメントの代表取締役。
 86年三枝匡事務所を開設。事業再建のため、役員、事業部長、監査役
 などの立場で企業に参画する。2002年よりミスミ代表取締役。


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2006年11月23日

「アメーバ経営」稲盛 和夫 :89点, 稲盛和夫 

アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役
【私の評価】★★★★☆89点


■著者紹介・・・稲盛 和夫(いなもり かずお)

 1932年生まれ。
 1959年京都セラミックス(現京セラ)を設立。
 1984年に第二電電(現KDDI)を設立。


●稲盛経営の一つの大きな柱といえば、
 アメーバ経営でしょう。

 会社を小さな組織に分割し、それぞれの組織(アメーバ)を
 一つの会社のように取り扱います。

 ・中小企業がどんぶり勘定のままで大きくなれば管理不可能となり
  潰れるとよく言われるが、当時の会社は、すでにその状態に
  近づいていた。(p28)


●社外のみならず、アメーバ同士の取引についても、
 それぞれのアメーバの利益を乗せた価格で取引が行われ、
 それぞれのアメーバが決算を行っています。

 つまり、社外と取引しているアメーバは市況により取引価格を変えるため、
 社内のアメーバ間の取引により、市況がすぐに全社に
 共有されることになるのです。

 ・アメーバ経営では、製品の市場価格がベースとなり、社内販売により
  市場価格が各アメーバに直接伝えられ、その社内販売価格をもとに
  生産活動がおこなわれている。(p135)


●決算といっても、会社の決算とはちがいます。

 労務費は経費に参入せず、その代わり、
 付加価値を労働仕事で割った数字を見るようにしています。

 ・経営というものは、月末に出てくる時間当たり採算表を見て
  おこなうものではない。・・・日々集計をおこない、その結果を
  スピーディーに現場へフィードバックしている。(p150)


●これは、アメーバが、人件費を
 コントロールできないこともありますが、

 時間あたりの付加価値を把握することで、
 労務費単価と比較することで、
 利益が出るか出ないかが把握できるからでしょう。


●しかし、実際にアメーバ経営を進めるなかでは、
 アメーバ間のさまざまな問題が発生しているのも確かです。

 システムに完璧なものはありませんから、
 そうした問題を解決するためにも、会社の理念の共有や、
 部門リーダーの調停が必要なのです。

 ・アメーバ経営を実践していくと、担当している事業を守り、
  また伸ばしていくために、リーダーが優秀な人材を自部門に
  囲い込むようなことが起こる。・・・しかし、それでは適材適所
  の人材配置ができなくなり、会社全体の進歩発展が阻害されてしまう。(p242)


●アメーバ会計を維持するのは、たいへんなことでしょう。

 それでも独自の管理会計を推し進める稲盛さんに、
 ドンブリ勘定に対する危機感を感じました。

 アメーバ会計だけでなく、経営そのものについて示唆に富む
 内容の一冊でしたので、★4つとします。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・金銭により人の心を操るような報酬制度を京セラはとっていない。
  ・・・アメーバがすばらしい実績をあげれば、会社に大きく貢献
  してくれたという理由で、信じ合う仲間たちから賞賛と感謝という
  精神的な栄誉が与えられる。(p84)


 ・技術的優位というのは、このように永遠不変のものではない。
  だから、企業経営を安定させようと思うなら、たとえ技術的に
  さほど優れていなくとも、どこでもやれるような事業を優れた
  事業にすることが大切である。(p92)


 ・外注を増やすことで、自部門の従業員を減らして、「時間当たり」を
  よくすることは可能である。しかし、それでは永続して事業を発展させて
  いくことはできない。・・・製造業であれば自社内で重要な技術を蓄え、
  創意工夫を重ねて付加価値を高めていくべきである。(p234)


▼引用は、この本からです。

アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役
稲盛 和夫
日本経済新聞社
売り上げランキング: 164
おすすめ度の平均: 4.0
4 突き詰めると人材育成が肝
5 盛和塾は何を勉強しているのか
3 稲盛さんの経営理念,実学書を期待してはいけない?

【私の評価】★★★★☆89点


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2006年11月22日

「経営者の教科書」江口 克彦、PHP研究所(2006/1)¥500 :88点, 江口克彦 

経営者の教科書―実践しなければならない経営の基本100
江口 克彦
PHP研究所
売り上げランキング: 82978
おすすめ度の平均: 5.0
5 これが経営の本質
【私の評価】★★★★☆88点


■著者紹介・・・江口 克彦(えぐち かつひこ)

 1940年生まれ。大学卒業後、松下電器に入社。
 その後PHP研究所。1976年より経営を任され、
 2004年に代表取締役社長。
 松下幸之助晩年の22年間、つねにその側で仕事をし
 日々の交流のなかで薫陶をうけた。


●PHP研究所の経営関係の本は、地味な本が多いのですが、
 この本もそうした一冊です。

 なぜ地味かというと、当たり前のことを当たり前に行うということが
 経営だからでしょう。
 

 ・松下幸之助の成功の要因は何であったのか。・・・
  ごくごく「当たり前」の要因であった。たとえば、熱意を持つこと、
  努力すること、誠実であること、思いやりの心あること、・・・(p68)

●とはいえ、長年、松下幸之助の側で仕事をした著者の伝える
 松下幸之助の言葉は、至宝の光をはなっています。

 松下幸之助は、感動を与える名人だったのでしょう。

 ・松下幸之助は相手の目をじっと見つめ「今回の仕事、きみはようやった」
  と心の底からほめてくれる。時には家に帰るとまた電話がかかってきて、
  「きみはえらいな」「ようやった、大成功やったな」と、またほめてくれる。
  (p113)


●松下幸之助は、経営とは教えても教えることのできないもの、
 伝えることが非常に難しいものであると言っています。

 この一冊ではとても伝えきれない経営のコツですが、
 この本で少しでも学んでいきたいものです。

 ・松下幸之助は無理を嫌った。「きみ、無理はあかん、
  無理したらあかんよ」と、私はよく教えられたものだ。
  (p44)


●わかる人にはわかる。地味ながら充実した一冊です。
 経営者、経営者を目指す人にお勧めします。★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・長く成功し、社会的にも尊敬を受けている経営者に会うと、
  必ずと断言していいが、その謙虚さに感心させられる。(p24)


 ・部下を感動させることができない経営者は、
  経営者たる資格がない。
  感動を与えることのできない経営者は、
  それだけで経営者失格である。(p35)


 ・松下は絶えず、「正しい仕事をしているか」
  「何が正しいか、よく考えて進めているか」と
  口グセのように言っていた。(p40)


 ・「長」のつく人間の責任は三つある。
  一つ目は自分のグループの仕事をやり遂げる責任、
  二つ目は自分の下にいる人材を育てる責任、
  そして三つめは新しい仕事を創造していく責任である。(p90)


 ・将来から現在を考えるのが経営者の発想、
  現在から将来を考えてはいけない(p154)


▼引用は、この本からです。
経営者の教科書」江口 克彦、PHP研究所(2006/1)¥500
【私の評価】★★★★☆88点


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「組織の盛衰」堺屋 太一 :85点, 堺屋太一 

組織の盛衰―何が企業の命運を決めるのか (PHP文庫)
【私の評価】★★★★☆85点


■著者紹介・・・堺屋 太一

 1935年生まれ。大学卒業後、通産省入省。
 日本万国博覧会、沖縄海洋博、サンシャイン計画を企画、推進。
 1978年退官。執筆、講演活動を行っている。


●元通産省の役人であり、日本帝国陸海軍に詳しい堺屋さんだけあって、
 組織の硬直化の本質をずばり指摘しています。

 腐敗した組織の状態を、『共同体化』と表現しています。
 つまり、仲間の利益を優先する集団という意味です。

 ・共同体化した組織では、構成員の目は内志向となり、共同体内部
  だけの多数意見(有力意見)が正義正解になる。敢えて創造性を
  発揮するものはいなくなり、たまに現れると異端者として
  中枢から外されてしまう。(p64)


●共同体化した組織では、極力競争を排除します。

 そのために年功序列や、キャリア制度が発達します。
 そのほうがお互い、ギスギスせずに人生をまっとうできるからです。

 ・旧日本帝国の陸海軍では士官学校や兵学校での卒業成績が、
  将軍、提督になるまでついて回るという悪習が生まれた。(p52)


●とにかく組織内で波風を立てなければ出世できますので、
 予算は平等、人員配置も文句のでないようにしようとします。

 ・共同体化した組織では、特定の部局や構成員に不満を
  抱かせることを嫌うので、敢えて能力の集中をせず、
  全部局に総花的な分散が行われる。(p182)


●このように、大きく古い組織は共同体化しやすいのですが、
 それを防ぐには、定期的に組織に揺さぶりをかける必要があります。

 著者は、官僚組織については政治家に、そして、大企業においては
 社外取締役などにその揺さぶる役割を期待しています。

●大きな目的を達成するために組織ができたはずなのに、
 なぜか組織が大きくなると本来の目的を失ってしまう。

 そうした組織の問題をこの本を読んで意識することで、
 少しでも硬直化した組織に揺さぶりを与えることのできる人が
 増えてもらいたいと考えました。

 組織の一員ならば、必読の一冊と言うことで
 ★4つとします。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・無謀な白兵銃剣戦術を推進した辻政信などは、どんどん出世する。
  共同体化した組織では、失敗の責任は追及されず、馬力と迎合だけが
  評価されるのである。(p60)


 ・個の優秀さも、組織の共同体化が進むとむしろマイナスに働く。
  各部分組織の構成員が有能であればあるほど、その部分組織の
  目的だけを追求して譲らないので、総合調整がますます困難に
  なるからだ。各課長が全て有能で、上手に理屈をつけ熱心に
  要求してくると、どれも削れない。(p67)


 ・実際、「才ある者は徳がない、徳ある者は才がない」というのは、
  人事における不滅の公理である。才があって仕事をすれば必ず
  周囲と摩擦を起こして徳望は傷が付く。逆に仕事さえせず
  才能を発揮しなければ、大抵の人は「良い人」、
  つまり徳人であり得る。(p322)


組織の盛衰―何が企業の命運を決めるのか (PHP文庫)
堺屋 太一
PHP研究所
売り上げランキング: 8406
おすすめ度の平均: 4.5
5 優秀な人を集めた組織が失敗するメカニズム
5 今まで読まなかったのがもったいなかった
5 組織には大切な役目がある
5 素晴らしい!
5 組織だって・・・『奢れる者は久しからず。盛者必衰の理をあらわす。』

【私の評価】★★★★☆85点


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2006年7月 3日

「ダメな奴でも「たたいて」使え!」後藤芳徳 :89点, 後藤芳徳 

社長のための人材錬金術 ダメな奴でも「たたいて」使え!~ゴトー式 人の使い方・活かし方

【私の評価】★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です89点


■著者紹介・・・後藤 芳徳

 1968年生まれ。全国で、水商売・風俗店・飲食店を経営。
 1991年より風俗コンサルタントとして活躍。
 「ビジネスようちえん」を立ち上げ、コンサルティングを行う。


●多くの本を読んできてわかるのは、知識としては理解しても
 やはり経験して体得した人は強いということです。

 その点、本書は、後藤さんが実際の経営において
 体験したこと、苦労したことがベースとなっていますので、
 実践的です。

 ・ふまじめな人間を放置することは、真剣な人間達全員の努力を
  すべて台無しにしてしまうことです。・・・問題点を伝え、
  改善して欲しい方向性を具体的に提示し、その上で期限を
  設定します。(p47)


●やはり中小企業においても大切なのは人材であって、
 自然と人が集まる大企業とは苦労の度合いが違う
 のは当然でしょう。

 ・会社の一番の資産は社長です。・・・一見、「人材育成」と
  矛盾するようですが、「扱えない社員」は最初から引き受けない
  ことが重要です。(p41)


●会社を経営していると、マニュアルをどうするか、
 社員のやる気をどう出させるか、悩みはつきません。

 この本はそうした苦労に一つのヒントを
 与えてくれるのです。

 ・中小企業にとってマニュアルとは、それがとどこおりなく
  できたら0点になれるという基準です。
  マイナス点がなくなるという意味ですよね。(p72)


●体系的ではりませんが、中小企業経営における社長への
 ヒントとして、非常に実践的な内容が印象的でした。

 ・彼ら(新入社員)に覚えさせるのは、手が空いたらすぐに
  上司や周囲の先輩社員に「何かやることはないですか」
  と常に尋ねて回る、御用聞きの習慣です。(p74)


●あくまでも中小企業向けですが、
 普遍的な社長のコツが満載されています。
 ★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・たとえば、地震や大雨があると、その地方出身のスタッフに
  必ず実家に電話をさせます。・・・血がつながっている身内を
  大切にしないヤツが、血のつながっていない僕のことを大切に
  するわけがありません。(p70)


 ・全工程を復唱して確認した方がいいわけです。
  「俺がお願いしたことを、復唱してみて」と。
  口にすることで、社員自身のアウトプットにもなります。(p82)


 ・勉強嫌いの子供の例・・・僕だったら・・・
  強制的に算数のトレーニングをして、テストで3回いい点数を
  取らせる。できれば100点を。(p91)


 ・社員との信頼関係の構築は、日頃のあなたの対応からしか
  できません。そのために僕が注意していることは、まずは
  自分の判断をはっきりと伝えることです。・・・社員から
  何か要望があったら、「できること」「できないこと」
  「がんばること」のいずれかに分類します。(p168)


 ・上に立つ人間の仕事は、どんなに危機的な状況になっても
  笑って「大丈夫だ」と励ますことだと僕は考えています。・・・
  真剣な顔は見せなければなりませんが、深刻な顔は見せる相手を選ぶ
  必要があります。(p173)


社長のための人材錬金術 ダメな奴でも「たたいて」使え!~ゴトー式 人の使い方・活かし方
後藤 芳徳
フォレスト出版 (2005/10/04)
おすすめ度の平均: 4.25
3 他の著作に期待
4 人間学のテキスト
4 むむむむ・・と考える本

【私の評価】★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です89点


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2006年5月23日

「君に志はあるか―松下政経塾 塾長問答集」松下幸之助、PHP研究所(1995/10) :83点, 松下幸之助 

君に志はあるか―松下政経塾 塾長問答集
松下 幸之助
PHP研究所 (1995/10)
売り上げランキング: 53,326
【私の評価】 ★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です83点


■著者紹介・・・松下幸之助

 1894年生まれ。1989年永眠。松下電器創業者。


●松下幸之助九十歳のときの、松下政経塾での
 塾生との問答集です。


●当時の日本はオイルショックを経験し、赤字国債を発行し始め、
 累積赤字が70兆円となろうというときです。
 (現在の累積赤字は700兆円)

 すでに、この段階で松下幸之助は、このままでは国家財政は破綻すると、
 指摘しています。

 ・毎年税収が足りなくて、赤字予算を組んでいるでしょう。オイル・
  ショックのあと、そういう姿になったのですね。・・・国債という
  形で借金をして、足りない分をまかなっていますが、それがもう
  七十兆円にもなろうとしているでしょう。このままいったら、財政
  破綻ですね。(p98)


●松下幸之助は常に「今、自分は、なにをすべきか」ということを
 自分に問うているように思います。

 86歳の松下幸之助は、これからは国の経営を行う
 政治家の育成が重要であると判断し、
 そのために松下政経塾を設立したのでしょう。


●政治の世界では、政党間で批判し合う傾向にありますが、
 相手政党を褒めてあげてはどうか、
 それが人の支持を勝ち得るコツであると松下幸之助は提案しています。

 さすが商売の神様だと感心しました。
 (今でも、テレビなどでは他の政党を批判し合っていますね・・・)


 ・将来諸君が立候補したら、反対党をみんなほめてみたらどうでしょう。
  前に言ったように、そういういいところを集めて、よく吟味した上で、
  おいしく味つけして、国民のみなさんに提供する。(p39)


 ・私は長い間、企業の経営にかかわってきましたが、相手をクサしたことは
  一度もありません。「甲さんの品物もよろしおます。乙さんの品物も
  よろしおます。けれどもそういうことも、ちゃんとうちの品物のこの中に
  入っています」ということで売ってきたわけです。(p40)


●私は松下幸之助の本はほとんど読破していますが、
 松下幸之助と塾生との会話が記録されている本書は、
 松下幸之助の生きた言葉を読むことができ、
 新しい松下幸之助観を持つことができました。

 ・仮に、その人が自分の仕事に生きがいを感じられないというように
  不平を言ったら、「その不平はまちがっている。あなたの仕事の結果
  はこういうふうに世間に役立っているのですよ。だから、非常に尊い
  仕事なんですよ」と、言ってあげる。そういうことが言えないと、
  人と指導することはできませんね。(p62)


●古い本ではありますが、松下幸之助の深さを知ることの
 できる良書だと思います。★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・私は、失敗するかもしれないけれども、やってみようという
  ようなことは決してしません。絶対に成功するのだということを、
  確信してやるのです。何が何でもやるのだ、
  という意気込みでやるのです。(p148)


 ・人間は、行きづまるということは絶対にないのです。
  行きづまるということは、自分が「行きづまった」と思うだけのことです。
  自分で「行きづまった」と解釈して、はなはだしい人は自殺するわけです。
  そんなもったいないことだけはしないでください。(p219)


 ・諸君は、単に勉強をするのみでなく、相当の世間の信用を得なければ
  なりません。この塾というものは今後、松下政経塾を卒業した人だ、
  といったら、それだけでハクがつくというようにならなければ
  いけないのです。(p25)


君に志はあるか―松下政経塾 塾長問答集」松下幸之助、PHP研究所(1995/10)¥490
【私の評価】 ★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です83点


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2006年5月 2日

「青年社長」高杉 良 :82点, 高杉良 

青年社長〈上〉 (角川文庫)
(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)82点


■著者紹介・・・高杉 良

 1939年生まれ。大学卒業後、石油化学新聞記者。
 急性肝炎で入院しているときに、友人のアドバイスで小説を執筆開始。
 1975年に「虚構の城」で作家デビュー。
 綿密な取材に基づく企業小説を多数執筆。


●2000年に一部上場を果たした「居食屋 和民」の創業者
 渡邉美樹さんのノンフィクション小説です。

 小学生で「社長になる」と決心し、
 経理会社で1年間、財務を勉強。
 その後、創業資金を佐川急便セールスドライバーとして稼ぎます。

●そして予定どおり「つぼ八」のフランチャイジーとして創業。
 急成長するなかで、ベンチャーには避けられない経営危機も
 支援者の協力で持ちこたえていきます。

●若くして「私の夢には日付がついている」と断言する
 渡邉美樹社長には驚かされますが、

 外食産業への夢を語るその情熱が、人を動かし、
 協力者を集めていくのだと感じました。

 ・「・・・渡邉さん個人に、日粉の外食部門の展開をまかせたい-
  そんな気持ちなんです。外食産業に対するあなたの熱意というか、
  情熱には頭が下がりますよ」(p288)


●「志」というものの大切さを再認識できる良書だと思います。
 ★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・「渡邉っていう奴、なかなか見所があるなぁ。なにかどでかい
  ことをしでかすような、そんな可能性を秘めているじゃないか」
  (p153)


 ・「・・・だいたいあなたの器では三店までが精いっぱいなんじゃない
  でしょうか。・・・失礼ながら、いまの渡邉さんに融資してくれる
  銀行はないと思います」「そんなにまで言われなければいけませんか。
  三菱銀行さんとはご縁がなかったと諦めます」(p254)


青年社長〈上〉
青年社長〈上〉
posted with amazlet on 06.05.06
高杉 良
角川書店 (2002/04)
売り上げランキング: 8,701
おすすめ度の平均: 4.35
5 信念の強さに感服
5 自己啓発小説
5 渡邉美樹社長のカリスマ性の源( ^-^)だね

(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)82点


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2006年4月21日

「繁盛の天才2時間の教え」大久保 一彦 :86点, 大久保一彦 

繁盛の天才 2時間の教え―127人の店長を成功させた

(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)86点


■著者紹介・・・大久保 一彦

 1965年生まれ。両親が病気のため大学中退。「とんかつ新宿さぼてん」
 を展開するグリーンハウスに入社。多くの不振店を蘇生させ、カリスマ
 「不振店舗再生人」として有名になる。97年独立。1000店以上の
 指導にあたる。「飲食店会」、「夢-商ドットコム」も運営。


●今は「お店を選べる時代」だといいます。

 それはどういうことかといいますと、
 その日の気分で、高級な店に行く日もあれば、
 今日は牛丼ですませようということもできるということです。

 ・印象に残る何かがなければ、お客様がその店を繰り返し訪れる
  ことはないのです。店を選べる時代では
  「お客様が二度と来るとは考えない」ことが大切なのです。(p78)


●私も自分のことを考えてみれば、
 外食しようというときには、行ってうれしい店、
 驚きがあって人に話せるような店を選んでいるように思います。

 ・店長の本当の仕事とは、自分の与えられた責任の範囲
  (私は、ちょっと超えてもいいと思っていますが)
  で、「お客様を感動させること」なんです。(p23)


●著者は、そうした「お店を選べる時代」においては、
 経営者の「軸」、つまりビジョン、志が大切だと主張します。
 それが独自性を発揮するわけです。

 ・私は「軸を決めた」のです。
  「小さな幸せと喜びを家庭にお届けする」という軸を決めました。(p189)


●著者の経験でも、ビジョンを決め、
 実際にそのビジョンが業務に反映されたとき、
 組織が大きく活性化したといいます。

 ・私の管轄する店では、入れ忘れがあった場合どんなに忙しくても
  タクシーで届けることにしました。その効果は絶大でした!・・・
  「お客様の幸せについて考える」というマインドが、マネージャー、
  店長から、アルバイトさんにいたるまで浸透したのです!(p183)


●このような店舗運営ノウハウは、
 著者は年6回の欧米の店舗視察を含めた膨大なリサーチから
 得られたものです。やはり現場に行こう!!ということでしょう。


 ・ヨーロッパのレストランでは、同じ師匠にずっとついて料理を
  学ぶことはありません。・・・レストランを渡り歩き、それぞれの
  料理長の「料理哲学」、つまり「軸」を学びます。(p203)


●著者の実績が示すだけあって、説得力ある一冊でした。
 ★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・たとえば、本や雑誌で「新しい店」「楽しい店」を見つけたら、
  自分の店を休んで実際に見に行く。そして、あわよくば経営者に
  会って、「繁盛の秘訣」を教わる。そういうのがいいですね。(p66)


 ・仕事とは「あなたの人生」そのものです。
  仕事では「あなたの人生観」を売っているのです。(p3)


 ・店が変われるか変われないかのポイントは「経営者の肝がすわっているか」
  なんだ。肝がすわっていないのに、無理に手伝うのはよくない。・・・
  本人が決断し、門を叩くまで待つんだ。(p62)


繁盛の天才 2時間の教え―127人の店長を成功させた
大久保 一彦
三笠書房 (2005/07)
売り上げランキング: 8,971
おすすめ度の平均: 4
3 サラっと読むのにいいでしょう
5 大事なキーワードが豊富

(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)86点


■関連書籍

 ・「ダントツ飲食店の繁盛ノート」
 ・「お客様に「一番近い」繁盛法則」
 ・「行列のできるダントツ飲食店」の秘密


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2006年1月31日

「俺が黒字にしてみせる」杉野 正 :85点, 杉野正 

俺が黒字にしてみせる!

(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)85点


●著者紹介・・・杉野 正

 1958生まれ。大学卒業後、ユニ・チャーム入社。
 1989年より単身、サウジアラビアで市場を開拓し、成功させる。
 1996年HISへ転職し、支店長、人事課長、営業本部長などを歴任。
 2002年田中康夫知事に見込まれ、しなの鉄道の社長に就任。


●長野県に長野新幹線の開業に合わせ、JR東日本から分離した
 「しなの鉄道」という路線があります。よくある第三セクターです。


●元県職員の社長のもと、五年が経っても赤字続き。
 債務超過となって社長は引責辞任。
 田中康夫知事がHISに頼み込んで著者が社長として派遣されました。

 ・オレはプロのサラリーマン。
  「ノー」と言わないことがポリシーだ。(p3)


●著者が「しなの鉄道」でやったことを挙げてみましょう。

 挨拶の徹底
 経費の三割カット
 乗車料金の値上げ
 通勤時間の増発
 JR子会社経由の契約の解除
 (他にもいっぱい)


●こうしてみると、当たり前のような対策が並んでいますが、
 実際にやろうと決断するのは、大変だったに違いありません。

 ・すべて三割引で契約するように指示を出した。・・・「大きな目標で
  変える」これこそが何事においても大切だ。(p20)


●こうした施策の実施だけでなく、著者が強調しているのは
 社員の意識改革です。


●そのために、JRの子会社にマージンを搾取されている契約書を
 社員の前でビリビリと破り捨てる。

 ・敷地内に入ってくるタクシーやバスの構内営業権で一台につき
  3000円をしなの鉄道でいただいていたが、そのうち四割も
  JRの子会社に搾取されていた。(p70)


●赤字を減らすために会社を潰してはどうかと提案する(脅してる?)。
 こうした、あらゆることをしているわけです。


●その結果、「しなの鉄道」は三ヶ月で黒字転換しました。

 ・俺は失敗したことがない。・・・失敗しないために何倍も準備を
  するんだ。・・・準備の他に大切なことが一つある。それは、
  失敗するような仕事には手を出さないということだ。(p120)


●前の社長にはかわいそうですが、
 会社は社長しだいということでしょう。


●リーダーの大切さを再認識させてくれる一冊であり、
 読んでいて杉野さんの語り口が楽しいので★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・答えは絶対に現場にあるんだ。(p56)


 ・逆に言えば「結果の出やすい部分から手をつけろ」ということだ。
  (p182)


 ・俺がここで伝えたい真実は、「何ごとにおいても必ず手本がある」
  ということだ。(p63)


俺が黒字にしてみせる!
杉野 正
かんき出版 (2003/11)
売り上げランキング: 121,409
おすすめ度の平均: 3
3 この自信はどこからくるのか

(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)85点


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2005年12月 2日

「全国から人が集まる不思議な自動車教習所」小河 二郎 :84点, 小河二郎 

全国から人が集まる不思議な自動車教習所―たった二週間で若者が変われるMランドの秘密
(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)84点


●著者紹介・・・小河二郎

 1923年生まれ。益田ドライビングスクール(MDS)代表取締役。
 大学卒業後、石見交通入社。63年益田自動車学校代表取締役。


●滞在型の自動車教習所というものがありますが、
 私のイメージは「短期間で免許を取れればいいや」という人が行くところと
 思っていました。


●しかし、島根県には、運転免許を取りに2週間行っただけで、
 笑顔で挨拶し、すすんで掃除をして、整理整頓するようになるという
 自動車教習所があるそうです!!


益田ドライビングスクール(MDS)
〒699-5131島根県益田市安富町3330-1
TEL:0856-31-5050 FAX:0856-25-1540
ホームページ


●その益田ドライビングスクール(MDS)の秘密はいくつかあるのですが、
 まず第一に、【挨拶】することがルールになっています。

 ・ルールはきわめて簡単です。「人に会ったら挨拶をする」それだけで
  いいのです。・・・Mランドにいる人は、みな名札をつけることに
  なっています。(p69)


●そして、二つ目が「サンキューレター」「ナイスカード」といった
 感謝の手紙を書くという仕組みがあります。

 ・手紙のなかで、もっとも多く書かれているのが「サンキューレター」
  です。(p132)


●そして、三つ目には、トイレ掃除やイベントの手伝いなどの
 ボランティア活動を推奨していることです。

 ・心も磨く「清掃ボランティア」・・・「Mランドで印象に残ったことは?」
  と尋ねたとき、「清掃ボランティア」と答えるゲストは少なくありません。
  (p152)


●そして、これらの仕組みを促進する手段として、
 MDSの中ではMマネーといわれる金券しか
 使えないルールになっていています。1ダラーが100円です。

 「サンキューレター」を書くと1ダラー、トイレ掃除は5ダラーが
 もらえるのです。

 ・Mマネーは、大きく分けて三種類の行為に対して支払われます。
  ・・・トイレ掃除やイベントの手伝い・・・よい成績を出した場合、
  ・・・「サンキューレター」など、Mランドが用意した用紙で、
  手紙を書いた場合です。(p82)


●いろいろと仕組みはあるんですが、すべては著者の小河二郎さんの
 どうすれば教習生のためになるのか、という思いから生まれているだ
 と思いました。まさに、「人を作る教習所」です。

 ・MDSは「心を創る学校」です(p122)


●私も免許を取りに行きたくなりましたので、
 ★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・不思議なことに、挨拶やボランティア活動を積極的に奨励するうちに、
  教習所内の雰囲気が変わってきたのです。(p129)


 ・教習生も「ゲスト」と呼び、「生徒」という扱いはしません。・・・
  逆にゲストから評価をしていただきます。(p36)


 ・父の姿勢を振り返ると、つねに「社会の公器として、どうあるべきか」
  を考えていたように思います。そんな父を身近に見ていたので、教習所を
  設立するときも、しぜんに会社は「社会の公器」と考えられたのです。
  (p55)



(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)84点


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2005年11月29日

「いい会社をつくりましょう」塚越 寛 :88点, 塚越寛 

いい会社をつくりましょう。

(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)88点


●著者紹介・・・塚越 寛

 1937年生まれ。21歳で社長代行として赤字会社の伊那食品工業
 の建て直しに尽力する。83年社長に就任。05年会長に就任。
 伊那食品工業は47年間連続の増収増益を達成している。


●伊那食品を経営している著者は、長期安定・低成長を目指すとして
 います。

 実際に健康ブームで寒天の需要は大幅に増えています。それでも、
 伊那食品は急激な成長を排し、着実な成長を目指しています。

 実際に伊那食品工業は、47年増収増益を続けています。

 ・年輪経営・・・私は木の年輪から、確実な低成長をつづけること
  の正しさを学びました。(p107)


●インターネットで急成長を目指す企業や、
 リストラでV字回復を目指す流れとは、全く正反対の考え方です。


●しかいs、よく考えると、日本はもはや食べ物がない、物がないと
 いう時代ではなく、
 何でもある、では人々は何を求めているのか?
 そういう時代になりました。

 そういう時代には、着実な経営が求められている
 のかもしれません。

 ・末広がりの八の字経営とは、急激な成長を抑えようという考え方
  です。(p66)


●そのためには、国でさえも、好況をなくして、できるだけ安定した
 経済政策が必要であると著者は提言します。

 現在の量的緩和によりインフレを目指す経済政策とは、
 まったく正反対の考え方ですね。

 ・私は、「好況対策」こそ、国が本来なすべき経済対策だと考えて
  います。いわば、山の突出した部分を削り、成長の曲線をゆるやか
  にすることです。景気の波は小さく、平坦に近いほど良いと
  思います。(p84)


●『企業とは社会の公器です』(p53)というコトバを聞いて、
 松下幸之助の本を読んでいるような感覚を覚えました。
 この経営者ありて、この企業ありなのでしょう。

 ・社員はいつも「果たしてこの経営者に自分たちの生活や将来を
  預けて大丈夫だろうか」という目で見ているものです。(p154)


●着実な低成長経営というのは、今の時代に合っているのではないかと
 共感する部分がありましたので、★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・私の日々を支えてくれている座右の銘は、江戸末期の篤農家で
  実践的な思想家であった、二宮尊徳先生の言葉です。
  遠くをはかる者は富み
  近くをはかる者は貧す
  ・・・(p14)


 ・スーパーなどの駐車場に車を止めるとき、当社の社員は店から
  一番離れたところへ止めて、店までスタスタ歩きます。(p149)


 ・「どこの国はいやだ」「これからはどこの国に進出すべきだ」
  というように、国で選ぶ傾向があります。しかし、当然のこと
  ですが、国よりも人を選ぶべきだと思います。(p126)


 ・池上(房男)さんは常づね、「目的と手段をとり違えてはいけません
  よ」とおっしゃっていました。(p50)


いい会社をつくりましょう。
塚越 寛
文屋 (2004/09)
売り上げランキング: 2,690
おすすめ度の平均: 4.6
5 理想の会社
4 トップがぶれないこと、そこに成長の秘密があります
4 道徳心と美意識

(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)88点


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2005年11月24日

「見える化」遠藤 功 :84点, 遠藤功 

見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み

(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)84点


●著者紹介・・・遠藤 功

 大学卒業後、三菱電機、コンサルティング会社を経て、
 現在、早稲田大学大学院教授、ローランド・ベルガー取締役会長。


●「裸の王様」という寓話がありますが、組織が大きくなると、
 「現場が見えない」といったことが普通におこります。


●もちろん、ちゃんと現場が見えている会社も少なくないでしょうが、
 「見える」ようにする努力はたいへんなもので、だまっていれば
 どんどん「見えなく」なってしまうようです。


●では、どうすれば「見える」ようになるのか?
 そのヒントがこの本にあります。

 ・トヨタの各部署では、たんに計画日程表を「見える化」するだけ
  にとどまらず、作業の進捗状況が逐一計画日程表上に掲示され、
  どの工程が予定どおりに進み、どの工程が遅れているのかが
  一目瞭然にわかるようなチャートにする工夫が行われている。


●「見える化」は組織の運営にとって、非常に重要なポイントです。
 そのヒントとして、実際の34の事例が書かれてあるのですから、
 それだけで、価値ある一冊だと思います。

 ・(J社では)役員全員が三ヵ月に一度、自社のコールセンターに
  赴き、どのようなやりとりが顧客との間で行われているのかを
  直接聞く機会を持つことを義務付けた。(p145)


●著者は、大学の教授でありコンサルタント会社の重役ですので、
 やや抽象的なところがありますが、
 「見える化」の事例だけで「買い」です。★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・(キヤノンでは)カイゼンを継続させるための「月一改善」や
  「週一改善」「品質朝市」といった改善を実践する「場」が
  仕組みとして埋め込まれ、工場の幹部と現場が一体となって
  カイゼンに取り組んでいる。(p113)


見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み
遠藤 功
東洋経済新報社 (2005/10/07)
おすすめ度の平均: 4.33
5 気軽に読めて直ぐに役立つ
3 大事なテーマを取り扱っている
5 現場力を鍛える第二弾

(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)84点


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2005年11月22日

「大野耐一 工人たちの武士道」若山 滋 :86点, 若山滋 

大野耐一 工人たちの武士道―トヨタ・システムを築いた精神
(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)86点


●著者紹介・・・若山 滋

 1947年生まれ。大学院卒業後、建築事務所を経て、助教授。
 現在、名古屋工業大学大学院教授。


●仕事をしていく上で、何といっても大切なことは、会社全体を
 見るということだと思います。大きな会社では、関係会社まで
 含める必要があるでしょう。

 ・大野はこの作業標準手順を、自分で決めるのではなく、組長や工長
  など現場の人間につくらせた。・・・<問題は、部分的に効率を
  上げることじゃない。全体が流れるようにしなければ>
  それが大野の信念である。(p141)


●いかに優れた人であっても、自分の持ち場だけの効率を考えて
 いては、会社全体の効率を落としかねません。

 しかし、実際には、私のサラリーマン生活の経験からも
 そのような部分効率を優先する事例は多いのではないでしょうか。


トヨタでは昔から、その工程に問題があれば、ラインをすぐに
 止めて、その場で問題を解決するという方針をとっていたようです。
 しかし、業界ではラインを止めるなどとんでもないというのが常識
 だったのです。

 ・「どんなにラインが止まっても、どんなに効率が落ちてもいい。
  問題があったら、その場で対処しろ」それが大野のやり方だった。
  (p176)

 ・「それぞれの工程で完全に作れば、製品検査など必要ないのだ」
  それが大野の信念であり、思想であった。(p178)


●つまり、これは、ラインを止めないことで、見かけ上の効率を
 維持しようとするものですが、全体で見ると、後で製品のやり直しが
 発生して、全体効率は落ちることになるのでしょう。


●ついに生産台数世界一となったトヨタの生産方式は一日にしてならず、
 ということがわかる良書です。★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・生き残るには少しでも安くていいものをつくって売れるように
  しなければいかんのだ(大野)(p131)


 ・大野はどんなにレア・ケースであっても、必ずその原因を
  突き止め、改善するよう指導した。問題を追及するために
  「『なぜ』を五回繰り返せ」と教えている(p187)


 ・工場の床にチョークで円を描き、「一日観ていれば、何が問題か分かる
  はずだ」といって、組長や工長をそこに立たせた。時によっては、相手
  がわかるまで自分も立ちつづけたというから、かえって厳しい。(p211)



(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)86点


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2005年11月 2日

「カーネギー自伝」アンドリュー・カーネギー :88点, アンドリュー・カーネギー 

カーネギー自伝 (中公文庫BIBLIO)
(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)88点

●著者紹介・・・アンドリュー・カーネギー

 1835年生まれ。移民として家族とアメリカに渡る。電報局、鉄道会社で
 働き、その後、鉄橋をつくる会社を創設。鉄鋼王と言われる。多額の寄付を
 したことで有名。カーネギー・メロン大学、カーネギー・ホール、ニューヨーク
 のカーネギー財団、アメリカとイギリスに1700もの図書館を作った。


●不正なことをしなければ大金持ちにはなれないと考えている人も
 多いと思います。
 確かに「悪は栄える」ということもあるでしょう。


●しかし、私は「正」「悪」という視点でものごとを見るのではなく、
 「正しい考え方」「正しくない考え方」という視点が大切ではないか
 と思うのです。


●たとえば、投資と投機という言葉がありますが、投機が「悪」なのでは
 なく、それはお金を育てるためには「正しくない」ということが
 ポイントなのではないかということです。

 ・私は一生のうち一回を除いては、投機的に株を売買したことはない。
  (p163)


●ですから、人間の見方についても、性善説、性悪説という見方ではなく、
 人は信頼しながらも、ちゃんと仕事はチェックするという考え方が
 正しいのだ、という物事の捉え方が大切なのではないでしょうか。

 ・彼ら(労働者)は、彼ら独特の偏見をもっていて、それは硬い
  しこりのようなものであるが、私たちはそれを丁重に扱わなければ
  ならないのである。なぜなら、そのよって来るところは無知であって、
  敵愾心ではないからである。(p247)


●100年も前に書かれた本とは思えません。株式投資に対する視点は
 バフェットと同じものです。

 ・「一つの籠に手持ちの卵をみんな入れてはいけない」という諺とは
  逆の方針をとることにしたのであった。私は「よい卵をみんな一つ
  の籠に入れて、その籠から目を離さない」というのが正しい方針
  だと、決意したからであった。(p183)


●さらに、スピーチの原則も独学とは思えないほど的確です。

 ・公開の席で話をするについて私は二つの掟を胸にきざんでおいた。
  第一は、聴衆の前で固くならず、くつろいで、お説教するのでなく、
  語りかけること。第二には、だれか自分以外の人物になろうとせず、
  自然に、また美辞麗句を使わないこと。(p75)


●カーネギーが鉄鋼王となったことが、必然であったのだろうと思える
 くらいの知恵の凝縮された一冊です。★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・私は蒸気機関についてなんの知識ももっていなかった。
  しかし、私はそれよりももっと複雑な機械-人間-を知るように
  努めたのであった。(p34)


 ・清貧の家に育った子供は、裕福な家庭の子たちとくらべて、
  なにものにもかえることのできない尊い宝を与えられている。(p42)


 ・ごく些細なことに、人間の運命をきめる最も重要なことがかかっている
  かもしれないのである。(p48)


 ・賢明な人たちはいつもかしこい少年たちを探しているのである。
  (p55)


カーネギー自伝
カーネギー自伝
posted with amazlet on 05.11.06
アンドリュー カーネギー 坂西 志保
中央公論新社 (2002/02)
売り上げランキング: 11,403
おすすめ度の平均: 4
3 ナポレオン・ヒルに影響を与えたカーネギーの自伝
5 人生のアイデアが詰まった本です
4 カーネギーに学ぶ人材登用術

(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)88点


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2005年9月12日

「椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!」酒巻 久 :83点, 酒巻久 

椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!
(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)83点


●著者紹介・・・酒巻 久

 1940年生まれ。キャノンにおいて、VTR、複写機、ファックス、
 ワープロ、PCなどを開発して、生産本部長まで昇進。99年キャノン
 電子の社長に就任。5年で利益を10倍にする。


●この本では、椅子をなくしたり、社員のパソコンの使用状況をチェック
 していることなどが目立っていますが、酒巻さんのすごさは別のところに
 あると感じました。


●それはトップがやるべきことを理解し、その方法を知っているという
 ことです。それは目的を明確にすること。そして具体的な方法を自分が
 指示するのではなく部下に考えさせるということです。

 ・「座ってないで立ちなさい」などと、私から命令したことはただの一度も
  ない。トップがすべきは、改革の「目的」を明示することであり、それを
  実現するための「手段」は部下に考えさせないといけない。(p57)


●著者がキャノン電子の再建で掲げた目標はすべてを半分にしようというもの
 で、普通に考えれば無理な目標です。しかし、著者が現場をみて「できる!」
 という確信があり、実際できているのですから、著者の目が確かということ
 でしょう。

 ・私がキャノン電子へ赴任し、最初に言ったのは、次の二つだけである。
  1 世界のトップレベルの高収益企業になろう
  2 そのためにすべてを半分にしよう(p20)


●部下に自分で考えさせるということも徹底しています。
 会議でも書類でも、かならず自分の意見を出させるということです。

 ・前に会議では「~だろう」式の発言を禁じていると書いた。実は同様に、
  自分の意思のない報告書も禁止しており、そのような報告書を持ってきた
  場合は、その場で突き返すことにしている。(p206)


●荒っぽい中に、実は光るヒントが含まれる一冊として★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・米国のラムズフェルド国防長官は、齢70をゆうに越えるが、職務中は
  一日中立っていると聞いた。(p66)


 ・キャノン電子ではその後も部署ごとに定期的にパソコンの操作履歴を
  チェックしている。これは定期的にやっていると社員に知らせる必要
  がある。(p110)


 ・具体的には組織として共有すべき書類や資料は、個人が抱え込むことを
  厳禁とし、すべて収納棚にまとめた。(p146)


 ・事務用品は、再利用を徹底すれば、新規に購入する必要はほとんどない。
  ・・・再利用をさらに徹底させるには、備品の購入は社長決済とする
  ことだ。(p150)


椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!
酒巻 久
祥伝社 (2005/07)
売り上げランキング: 1,338
おすすめ度の平均: 2.5
1 吐き気がしてきました
4 赤字部署、赤字会社の立て直しを考えたら
2 すごいな

(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)83点


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2005年8月15日

「革命社長」吉越 浩一郎 :88点, 吉越浩一郎 

革命社長

(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)88点


●著者紹介・・・吉越 浩一郎

 1947年生まれ。大学卒業後、極東ドイツ農産物振興会、メリタジャパン、
 メリタカフェを経て1983年トリンプインターナショナル(香港)入社。
 86年トリンプ・インターナショナル・ジャパンのマーケティング本部長、
 87年副社長、92年社長就任。18年連続増収増益を達成。毎朝、開催
 されるMS(マーケティング・セールス)会議が有名。


●実績を出している社長は何が違うのでしょうか。

 ・会社はトップで変わることを目の当たりにしました。トップがどういう
  方向を示すかで、社員の心まで変わる。(営業本部長 木田博明)(p10)


●まず、仕事はきつい。実際にトリンプでは、中途入社の人がついていけなく
 て退社するケースが多いという。そのスピードと責任追及についていけない
 のです。

 ・たとえば私が「他の部署にお願いしてあることがまだあがってこないので、
  これ以上進められません」と言うと、「それは頼んだことを追いかけてい
  ない自分の責任だ」と返されます。・・・デッドラインを自己責任として
  守って完了させない限り、仕事は終わらないということなんですね。
  (佐藤真貴)(p64)


●第一に期限の決め方が厳しい。基本は明日だという。私の会社でも「明日
 の朝まででいいから」という上司がいますが、このような期限の決め方でも、
 早朝に会議をしているからこそ仕事が回っているのでしょう。

 ・会議の手法はこうです。まず僕のもとに来た情報について、「こういうこと
  が起こった」「こういう報告があった」と、すべて会議でオープンにする。
  そして決まったことについては「誰が、何を、いつまでに」というデッド
  ラインを引く。それもできるだけ細分化して、期限は短く。基本は「翌日」
  までです。最長でも1週間。(p135)


●さらに、残業は基本的にないので、担当は時間内に集中して業務を完結させ
 るように強制されているのです。

 ・子供のいる女性にとって、特に残業はつらい。うちだったら毎日18時
  には全社員退社しますから、その後、子供を迎えに行って夕飯も作れる。
  ・・・今では18時25分になると無条件に社内が消灯されるシステムに
  しちゃったから、平日はだれも残業できません。(p88)


●課長が2週間連続で休暇を取らなくてはならないのも、楽しそうですが、
 やっていること、実績はすべてオープンであり、業績により降格もありえる
 職場ですから、休んでいる間もあまり気が休まらないのかもしれません。

 ・うちは、課長が部長に昇格するだけじゃなく、部長から課長に降格する人も
  いれば、そこからまた部長になった、なんていう人も何人かいます。・・・
  朝の会議で各部署のやっていることがみんなの前でオープンになってしまう
  から、どの部署のどの役職の人が仕事ができるのか、できないのかが一目
  瞭然。(p92)


●また、社長自らが現場感覚を持っていて、決断できていることもポイントでしょ
 う。もし、全く同じ仕事のスタイルの人がいたとしても、現場を知らなければ、
 間違った判断を下してしまい、会社はすぐにぼろぼろになってしまうでしょう。

 ・企画畑の人は、現場感覚から全くズレたことを言ったりする。「アンケート
  を取ります」というのがいい例で、僕はそれが大嫌いです。直接本人に
  聞きに行けばいいことなんです。(p117)


●もう、吉越社長は引退を考えているようです。しかし、これからが本当の吉越社長の力量を
 評価されるときなのでしょう。引退後に、トリンプの成長を維持できる人をいかに育てたか
 ということが数字で評価されるのです。


●吉越社長の優秀さと、こういう会社もいいな~と思わせる仕事のやり方に
 ★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・社内にある問題を僕が引きずり出すと、初めの頃はみんな「えーっ!」って
  声を出して驚いていたのに、僕があまりにオープンにどんどん出しちゃうもの
  だから、次第にしーんとして僕のメモを読むようになりました。(p143)


 ・お客様の視線で売り場を見ようと、アルバイトを使った店舗調査を始め
  ました。抜き打ちで、最初は月10店舗、今では月20店舗やっていま
  す。そして接客の点数を付けて店舗ランキングを出すんです。
  (教育課長 松ヶ谷明子)(p214)


 ・絶対やると決めたことは、任せたうえで、常に進捗状況をチェックして、
  どうしてもうまくいかない時にはトップ自らの責任で、徹底的に入って
  いってでも成功させることです。(p70)


 ・ホンダは役員だけを大部屋に入れていると聞きますけど、これはとても
  重要なことだと思います。・・・役員同士で情報の共有化ができれば、
  同じ認識に立って「そうだな」と前に進むことができる。(p38)


革命社長
革命社長
posted with amazlet on 05.12.05
吉越 浩一郎
日本実業出版社 (2005/06/23)
売り上げランキング: 792
おすすめ度の平均: 4.33
3 早朝の会議か・・・
5 働き続けたい女性の理解者
5 格言
(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)88点


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2005年6月30日

「黄金のおにぎり」高橋 朗 :85点, 高橋朗 

黄金のおにぎり
(評価:★★★★☆)85点


●「ブランド戦略」の教科書なのですが、おにぎり屋さんのストーリー
 自体が面白いので、文句なく★4つとなりました。


●よく考えればビジネス書や成功本というものは、内容はそれほど
 違いはありません。何が違うかといえば、それは読者に何が残る
 のか、ということです。


●「伝わらなければ存在しないのと同じ」といった人がいましたが、
 本を読んで読者の心に何かが残らなくては、読まないのと同じ
 なのです。


●そういう意味で、ブランド戦略入門書を小説仕立てにしたことは、
 それこそ戦略勝ちということでしょう。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・キャラクターは感情移入できる(p32)


 ・ブランドとは、一言でいえば約束ですね(p53)


 ・こちらから積極的にお客さんからクレームを聞き出す仕組みを用意して
  おく必要があるのです。(p71)


 ・お客さんからの要望は絶対・・・なぜ絶対に対応しなければならないか
  と言うと、自社には「できない」と思われることであっても、もしかし
  たら競合にとっては「できる」ことかもしれないからです。(p86)


黄金のおにぎり
黄金のおにぎり
posted with amazlet on 05.12.11
高橋 朗
ナナ・コーポレーション (2005/01/25)
売り上げランキング: 6,175
おすすめ度の平均: 4.75
5 あっという間に読んじゃった!!
5 わかりやすく、おもしろい、なおかつ感動するビジネス書☆
5 すごい本だった!気持ちの中では今年のビジネス本の1位です。

(評価:★★★★☆)85点


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2005年5月16日

「ジャック・ウェルチに学んだ仕事の流儀」ロザンヌ・バドゥスキー :81点, ロザンヌ・バドゥスキー 

ジャック・ウェルチに学んだ仕事の流儀

(評価:★★★★☆)81点


●ジャック・ウェルチについての本はほとんど読んでいますが、この本ほど
 リアルなジャックについて知ることのできる本はないでしょう。短気で
 落ち着きがなく、カギを忘れるCEOです。


●しかし、やはり経営者としての能力は抜きん出ているようです。常に質問
 (コミュニケーション)し、追求の手を休めることはありません。


 ・ジャックはじっときき入ったが、いつもこう答えた。
  「その問題を解決するために、きみはどんなことをしたんだね?」(p113)


●日本では経営者といえば会社組織のスゴロクの上がりで、部下がすべてやって
 くれるようなイメージがありますが、ジャックの仕事のイメージはまるで
 プロドライバーがコクピットでレーシングカーを運転しているようです。
 つねにチャレンジを忘れません。


 ・今やっている仕事がチャレンジとなって自分を成長させてくれるかぎり、
  異動する時期うんぬんという議論は無意味だな(ジャック・ウェルチ)
  (p70)


●私はジャック・ウェルチ自身の能力ではなく、彼をCEOとしたGEという
 組織の意思決定に興味があります。日本では、実力と情熱はあっても欠点のある
 人は、なかなかトップにはなれないでしょう。


 ・CEOは常に恐れられているとはかぎらないが、ニセモノやごまかしを
  指摘できない人間がトップに上りつめることはない。(p34)


●CEOの選択が、その企業の運命を決めてしまいます。日本には日本に合った
 CEOの選択プロセスが必要なのではないかと思いました。


●最後に一点。GEには社内打合わせの議事録がないようです。日本だと一日
 の半分をかけて議事録を作成している人もいるは