4日本の最近のブログ記事

産廃ビジネスの経営学 (ちくま新書)
石渡 正佳
筑摩書房
売り上げランキング: 26297
【私の評価】★★★★☆(83点)


■千葉県の産廃Gメンとして不法投棄を
 数多く摘発してきた著者の一冊です。

 不法投棄の手口だけでなく、
 産業廃棄物行政、不法投棄がなくならない
 仕組みを教えてくれます。


■産業廃棄物の不法投棄は、
 禁酒時代の密造、鎖国時代の密輸と同じです。

 つまり、制度の問題が、違法行為として
 表面化しているわけです。

 逆にいえば、違法行為があるからこそ、
 現状の問題が表面化していないのです。


・毎日100万トン、年間4億トン発生するとされる産業廃棄物は、
 正規の処理施設が足りないからといって、工場内に積み上げておく
 わけにはいかない。・・・オーバーフロー分を無許可業者に横流し
 する闇の構造があったから、施設不足は表面化しなかった(p14)


■そうした相関関係から、
 多量に発生する産業廃棄物に対して、
 最終処分場が足りなければ、不法投棄の値段は上がります。

 一方、最終処分場と不法投棄場が増えれば、
 値段は下がるのです。


・銚子市の現場で捕まえたダンプ運転手に、いくらで
 産廃を棄てているのかと試しに聞いてみた・・・
 「2万5000円に決まってんじゃんか。どこの
 棄て場だって同じだよ」と、バカにしたように答えた(p10)


■日本は廃棄物・リサイクルの体系ができているように
 見えますが、実際には不法投棄、高コストなど
 課題は多いようです。

 リサイクル法が整備されたことから、
 リサイクル偽装も増えているようです。


・リサイクル施設を偽装・・・廃プラスチックを再生資源原料として
 1トン500円で買い入れ、別途運搬費を1万円請求するのである。・・・
 会計書類検査を実施しなければ、偽装行為を立証することはできない(p80)


■役人ながら本質を見据える著者の眼力に
 驚きました。

 本の評価としては★4つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・安定型最終処分場の場合、穴を掘って廃棄物を埋めているだけであり、
 不法投棄現場とほとんど同じ場合もあるのに、10倍も価格が違うのだから
 ぼろ儲けしているのは、不法投棄現場ではなく最終処分場(p13)


・建設汚泥の最終処分場では、天日で乾いてしまった汚泥は
 土砂と見分けがつかないので、残土処分場に移動しても
 問題となることがまずなく、移動が常套的に行われていた(p71)


・中間処理残渣の偽装というのは、処理を受注した廃棄物の中から、
 売れそうなプラスチックか紙くずをほんの数枚抜き取ったことにすれば、
 残りの廃棄物はなんらの処理もしていないのに選別残渣と
 みなされるという法解釈を悪用して、最終処分業の許可のない
 自社処分場に埋め立ててしまう行為である。


・子会社・・・廃棄物を子会社に再生品(有価物)として偽装売却して
 廃棄物処理法の適用を切断し、行政の立入検査を受けない子会社が
 残土処分場などの無許可施設に横流ししてしまうというのが、
 よくある手口だった(p185)


産廃ビジネスの経営学 (ちくま新書)
石渡 正佳
筑摩書房
売り上げランキング: 26297
おすすめ度の平均: 4.5
5 ベンチャーがアウトローを駆逐する
4 すべてが現場の経験から描かれている
5 知的興奮が味わえる本
3 まぁまぁかな
5 石渡さんの産廃本決定版!

【私の評価】★★★★☆(83点)


─────────────────

■関連書評■

a. 「産廃コネクション」石渡 正佳
【私の評価】★★★★★

b. 「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」武田 邦彦
【私の評価】★★★★☆


c. 「正義で地球は救えない」池田 清彦
【私の評価】★★★★☆


d. 「「法令遵守」が日本を滅ぼす」郷原 伸郎
【私の評価】★★☆☆☆

楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

いつも応援ありがとうございます
人気ブログランキング
に投票する

人気ブログランキングへにほんブログ村 本ブログへ


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
44,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。



お気に入りに追加
本のソムリエ公式サイト一日一冊:今日の名言

私は日本のここが好き!―外国人54人が語る

【私の評価】★★★★☆(88点)


■54名の外国人から
 日本の良いところを聞いた一冊です。

 私もカザフスタンに駐在していましたので
 どうしても自分の国と比べてしまう。
 だからこそ、わかることがあると思うのです。
 

■客観的に見て、現在のように世界第二位の
 経済大国となった日本には、
 その原因があるはずです。

 そして、多くの国の人は、
 そうした日本をすごいと思っているし、
 日本人もそれを誇りに思ってよいのでしょう。


  ・日本人の正直さ、契約を守ること、時間に正確であること、
   それから丁寧で清潔な暮らし方や伝統を守るところ、
   勤勉さなどはとても優れた資質だと思います
   (モハマド・サリーム・メマン)(p20)


■日本では当たり前のことが、
 外国では当たり前ではないことがあります。

 口ではうまいことを言っても、実際には騙す、嘘をつく、
 そんなことは日常茶飯事という国もあるのです。

 ですから、批判されても、それほど自分を卑下する
 必要もないし、批判する人こそレベルの低い人と
 考えるくらいで良いのではないでしょうか。


  ・中国にいた頃、「資本主義国の人間関係は、金と金の関係」
   と教えられましたが、日本に来てそれだけではないことが
   わかりました。(よう南)(p29)


■元気のない日本ですが、
 客観的に自分を見つめなおし、
 また新たな心でいきたいものです。

 本の評価としては★4つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・日本は、お坊さんが生活の中に入り込むことによって、
   仏というか南無阿弥陀仏みたいなものが一人ひとりの人間の中に
   いるんじゃないか。日本の素晴らしいところはそこだと思う。
   (毛丹青)(p14)


  ・日本は本当に差別のない国だと感じます。・・・
   これは、意識の底に必ず人種差別の心を持っている
   欧米人とは異なるものです。(ビージャン・カーベ)(p50)


  ・文化大革命は外国の本はすべて禁書としてしまったのです。
   ところが日本ではどんな本も自由に読めるんですね。・・・
   勉強したい者の最高の環境だと思いました。(王敏)(p35)


▼引用は、この本からです。

私は日本のここが好き!―外国人54人が語る

出窓社
売り上げランキング: 732
おすすめ度の平均: 5.0
5 素晴らしい魅力の日本を再発見!
5 情けある社会の美しさ
5 素晴らしい国に生まれた幸せを感じます
5 誠実な日本人
5 客観的な意見が面白おかしく、また嬉しく感じました。

【私の評価】★★★★☆(88点)


■編者紹介・・・加藤 恭子(かとう きょうこ)

 1929年生まれ。
 米国留学、フランス留学。
 65年早稲田大学大学院博士課程修了。
 72年までマサチューセッツ大学で研究。
 73年上智大学講師、95年同大学コミュニティカレッジ講師。
 現在、地域社会研究所理事、加藤恭子ノンフィクション・グループ代表。
 フランス中世文学専攻。

─────────────────

■関連書評■

a. 「梅干と日本刀」樋口 清之
【私の評価】★★★★★

b. 「千年、働いてきました」野村 進
【私の評価】★★★★☆

c. 「台湾人と日本精神」蔡 焜燦、小学館
【私の評価】★★★★★


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

いつも応援ありがとうございます
人気ブログランキング
に投票する

人気ブログランキングへにほんブログ村 本ブログへ


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
44,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。



お気に入りに追加
本のソムリエ公式サイト一日一冊:今日の名言

農協の大罪 (宝島社新書)
【私の評価】★★★★☆(81点)


■多くの本を読んできましたが、
 農協を良く言う本を読んだことがありませんでした。

 農業へ参入しようとする人のジャマをする。
 自分で農産物を売ろうとすると妨害する。
 農業の指導ではなく、借金をさせようとする。

 この本でその理由がわかりました


  ・農協を通さずに直接スーパーなどに出荷しようとしたら、
   農協はこれらの農家の農協口座を閉じ、プロパンガスの供給を止め、
   共同利用の用水の使用を禁じ、文字通り『村八分』にした。
   こうした例は全国に無数にある(p88)


■著者が指摘する農協の大罪は、
 農協は農業を発展させることを
 目的としていないということです。

 農協の目的は、米の価格を税金で高く維持し、
 農家に高い肥料や飼料を売り、
 農家から資金を集めて、投資し、利益を上げることなのです。

 したがって、米の価格を高くするために、
 お金を払って減反もするし、
 外国からの安い米が入らないようにするわけです。


  ・「高米価」「兼業」「農地転用による巨額のキャピタルゲイン」
   という三種の神器により、米兼業農家の所得(792万円)は
   勤労者所得(646万円)を大きく上回るまでになったが・・・
   企業的農家の育成は妨げられ、農業は衰退した。(p64)


■日本の農業のGDP(国内総生産)は4.7兆円ですが、
 この金額は農業保護に使っている金額とほぼ同じだそうです。

 つまり、農業関係者は税金をもらうだけで、
 付加価値をほとんど生んでいないということなのです。


  ・農家戸数は285万戸、農協職員だけで31万人、
   農協の組合員は約500万人、准組合員は約440万人もいる。
   GDPに占める農業の割合は1%にすぎないのに、日本の成人人口の1割が
   農協の職員、組合員、准組合員ということになる。(p25)


■農業もここまできたか、という感じですが、
 外国から食料が来なくなったらどうするかについては、
 自分で考えなくてはならないのでしょう。

 庭で野菜でも作ってみます。
 本の評価としては、★4つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・最初に農水省の課長補佐になったときの小さな出来事を
   いまだに思い出す。上司に「君は農協が農家や農業のために
   仕事をしていると思っているのか」と一喝された・・・
   農協による農協のための支配にうんざりしている
   農水省の同僚諸氏も多いのではないかと思っている(p204)


  ・元農協幹部が独自の農協を北海道で設立し、
   韓国から国内の3分の2の価格で肥料を輸入している。
   現在でも、JAの飼料価格は市場価格の4割高だったとか、
   農家が飼料や肥料を海外から輸入したら5分の1ですんだ
   という話もある(p86)


  ・同じように高い農産物価格で農家を保護したEU(欧州連合)は、
   作りたいだけ作らせて、できた過剰生産物に補助金をつけて
   国際市場へ輸出した。自給したうえで輸出するのだから、
   EUの食料自給率が100%を超えるのは当然である(p44)


▼引用は、この本からです。

農協の大罪 (宝島社新書)
山下一仁
宝島社
売り上げランキング: 547
おすすめ度の平均: 4.5
5 本来の目的を忘れた巨大組織の権益
4 農協・農林族議員・農水省のトライアングル構造を切り口鋭く批判する
5 老衰する農業
5 お見事!
5 行政で農政担当者のバイブルになりうる本

【私の評価】★★★★☆(81点)


■著者紹介・・・山下 一仁(やました かずひと)

 1955年生まれ。77年農林省入省。
 農林水産省ガット室長、欧州連合日本政府代表部参事官、
 地域振興課長、農村振興局整備部長、農村振興局次長などを歴任。
 08年農林水産省退職。経済産業研究所、東京財団の研究員となる。

─────────────────

■関連書評■

a. 「そうだ、葉っぱを売ろう!」横石 知ニ
【私の評価】★★★★★

b. 「ニンジンから宇宙へ」赤峰 勝人
【私の評価】★★★★☆

c. 「奇跡のリンゴ」石川 拓治
【私の評価】★★★★★

d. 「日本の食と農」神門 善久
【私の評価】★★★☆☆


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

いつも応援ありがとうございます
人気ブログランキング
に投票する

人気ブログランキングへにほんブログ村 本ブログへ


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
35,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。



お気に入りに追加
本のソムリエ公式サイト一日一冊:今日の名言

五郎治殿御始末 (中公文庫)
【私の評価】★★★★☆(82点)


■幕末から明治維新にかけての
 混乱の時代を、描写した歴史小話六編です。

 明治維新では、幕府・藩が消滅し、
 西欧の技術・文化を移入し、
 日本発展のきっかけになったと学校では学びました。


■しかし、その一方で、
 武士がその居場所と収入を失い、
 家族離散、浪人による犯罪など
 その反動も大きかったのです。

 この本では、主に武士の視点で、
 明治維新の時代の雰囲気を
 疑似体験させてくれます。


■すべてを武士が取り仕切った時代から、
 官僚、そして商人が活躍し、
 そして軍隊の育成に入っていく
 明治の風がこの本からリアルに伝わってきました。

 やはり歴史というものは、こうした時代小説のような
 もので味わいたいと思いました。


■司馬遼太郎のような格好良さはありませんが、
 人間の心のひだを感じさせてくれる良書だと思います。

 歴史小説の素晴らしさを
 伝えてくれる一冊ということで、
 本の評価としては、★4つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・本年の十二月三日をもって改暦をなすは、
   西洋歴の中でも、ぐれごりお歴の採用に他ならぬ。
   すなわち、あめりか及びえうろっぷの時間に、
   わが日本国の時を合致せしめるという意味じゃ。(p100)


▼引用は、この本からです。

五郎治殿御始末 (中公文庫)
浅田 次郎
中央公論新社
売り上げランキング: 35341
おすすめ度の平均: 4.5
5 魂だけは売り払わない誇り高き侍たちの物語
5 引きずってきた過去との折り合いに苦しむ男たちの物語
5 曾祖父は戊辰戦争のただなかに生まれたことになる
5 浅田劇場が本作でも堪能出来ます。
5 出色

【私の評価】★★★★☆(82点)


■著者紹介・・・浅田 次郎(あさだ じろう)

 1951年生まれ。
 95年「地下鉄に乗って」で吉川英治文学新人賞。
 97年「鉄道員」で直木賞。
 2000年「壬生義士伝」で柴田錬三郎賞を受賞。


─────────────────

■関連書評■
a. 「椿山課長の七日間」浅田 次郎
【私の評価】★★★★☆

b. 「プリズンホテル夏」浅田 次郎
【私の評価】★★★★☆

c. 「天国までの百マイル」浅田 次郎
【私の評価】★★★☆☆

d. 「初等ヤクザの犯罪学教室」浅田 次郎
【私の評価】★★★☆☆


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
人気ブログランキング
に投票する

人気ブログランキングへにほんブログ村 本ブログへ


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
35,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。



お気に入りに追加
本のソムリエ公式サイト一日一冊:今日の名言

八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)
【私の評価】★★★★☆(83点)


■「天はわれ等を見放した!」で有名な
 199名の死者を出した八甲田山雪中行軍を
 描いた小説です。

 弘前から出発した徳島大尉の小隊は
 八甲田雪中行軍を成功させ、
 一方、青森から出発した神田大尉中隊は
 199名の死者を出しています。


■当時は、ロシアとの戦争を控えながらも、
 まだ寒気に対する装備が十分ではなかったため、
 寒気の中での軍事行動の実験として
 八甲田山雪中行軍が行われました。

 同時期に行われた雪中行軍ですが、
 成功と失敗の差はどこにあったのでしょうか。


■まず、徳島大尉は、上司に対し、
 雪中行軍の危険性を指摘し、
 「すべてをおまかせ願いたいのです」と
 上からの口出しに釘を刺しています。


 しかし、一方の神田大尉は、上司である山田少佐の
 機嫌を伺いながらの計画立案になってしまいました。

 そのために、案内人を同伴できず、
 出発までの時間も少なく、
 天候悪化による出発延期もできず、
 不幸な結果となったのです。


■私は、上司の機嫌を伺う優柔不断な
 神田大尉を否定できません。

 私の経験でも、山田少佐のように
 まったく部下の意見を聞かない人が実際に存在します。

 そして、そうした人に限って、
 自分の考えに自信満々で、
 それを否定されるのをとても嫌がるのです。


■神田大尉は、心に不安を持ちながらも、
 上司という権威の前に自分のやりたいことができませんでした。

 神田大尉は、「天はわれ等を見放した!」と叫びましたが、
 山田少佐と一緒に仕事をすることとなり、
 山田少佐に対して意見できなかった時点で、
 運命は決まっていたのでしょう。


■「明日は我が身」という言葉が響く、怖い小説でした。
 実際にありそうなのが、本当に怖いので、
 ★4つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・当時の将校の履歴を見ると
   ほとんどが士族又は華族出身であり、
   平民で将校になれたものは非常に珍しかった(p15)


  ・「軍隊の監獄は普通の監獄より恐ろしいところだそうだ」
   誰かがそんなことをいうと、他の者は、そこからみんな
   揃ってその監獄へ行くかのように震えるのだった。(p210)


▼引用は、この本からです。

八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)
新田 次郎
新潮社
売り上げランキング: 5972
おすすめ度の平均: 4.5
5 超迫力の描写
5 遭難とは
5 研究と訓練なのにこうなっちゃうの?
4 一気に読める冒険もの
5 雪の恐さを知った

【私の評価】★★★★☆(83点)


■著者紹介・・・新田 次郎(にった じろう)

 1912年生まれ。1980年没。
 中央気象台に就職し、富士山測候所勤務等を経験
 56年「強力伝」で直木賞を受賞。
 「縦走路」「孤高の人」「武田信玄」など著書多数。


─────────────────

■関連書評■
a. 「父の威厳 数学者の意地」藤原 正彦
【私の評価】★★★★☆

b. 「遥かなるケンブリッジ」藤原 正彦
【私の評価】★★★★★


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
人気ブログランキング
に投票する

人気ブログランキングへにほんブログ村 本ブログへ


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
40,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。



お気に入りに追加
本のソムリエ公式サイト発行者の日記

散るぞ悲しき―硫黄島総指揮官・栗林忠道 (新潮文庫)

【私の評価】★★★★☆(88点)


■硫黄島については、映画も製作されていますが、
 太平洋戦争末期、日米で激しい戦闘が行われた
 東京南方1250kmの島です。

 日本側は、栗林陸軍中将以下二万の兵。
 米国側は、後方支援十万、重装備の海兵隊六万。


■栗林中将の指揮する日本軍は、
 高温で硫黄ガスが噴出する地面を掘り、
 地下道を作り、ゲリラ戦を戦いました。

 圧倒的な物量に対して、
 日本軍は玉砕。死亡者2万人。
 米国は2万7千人が死傷し、
 うち7000人が死亡したそうです。


■硫黄島の状況から浮かび上がってくるのは、
 当時の日本軍の雰囲気です。

 中央からの命令だからといって、水際攻撃に固執する。
 飛行機がないのに、飛行場を整備する。
 全く合理性がない判断が多いように感じました。

 それでも現場で働く兵隊は、
 命令を遂行しようと努力し、頑張っている。
 今の日本のようですね。


  ・栗林が硫黄島行きを命じられたのは、・・・
   彼のアメリカ的な合理主義が嫌われ、
   生きて還れぬ戦場に送られたとする見方もある(p74)


■当時は、
 「そんなアホな命令、聞いとれんわ」
 という対応はできなかったのでしょう。

 私たちの日本を守るために命をかけて戦った人がいたこと、
 現実を直視しないと、とんでもないことになるということ、
 正しくとも組織では否定されることがあることなど、
 勉強になる一冊でした。

 やはり歴史は学ぶべきものだと思います。
 本の評価としては★4つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・ぼくは米国に五年ほどいたが平和産業が発達していて、
   戦争ともなれば一本の電報で数時間を要せず軍需産業に
   切り替えられる・・・こんな大切なことを日本の戦争
   計画者たちは一つも頭においていない。・・・この戦争は
   どんな慾目で見ても勝目は絶対にない。(栗林)(p72)


  ・ご存じ?硫黄島には、十六歳の兵隊さんもいたんですよ」・・・

     思えば遠し 故郷の空
     ああ わが父母 いかにおわす(p123)


  ・予が諸君よりも先に、戦陣に散ることがあっても、諸君の
   今日まで捧げた偉功は決して消えるものではない。いま日本は
   戦に敗れたりといえども、日本国民が諸君の忠君愛国の精神に燃え、
   諸君の勲功をたたえ、諸君の霊に対して涙して黙とうを捧げる日が、
   いつか来るであろう。安んじて諸君は国に殉ずべし(栗林)(p274)


  ・1994(平成6)年二月、
   初めて硫黄島の土を踏んだ天皇はこう詠った。

    精根を込め戦いし人未だ地下に眠りて島は悲しき(p282)


▼引用は、この本からです。

散るぞ悲しき―硫黄島総指揮官・栗林忠道 (新潮文庫)
梯 久美子
新潮社
売り上げランキング: 1751
おすすめ度の平均: 5.0
5 名著に巡り合え感謝
5 最高のビジネス書
5 僕はすきま風を心配できるだろうか。
5 悲しき戦いの中から
5 硫黄島に散った名指揮官・無名の兵士達への鎮魂の賦。

【私の評価】★★★★☆(88点)


■著者紹介・・・梯 久美子(かけはし くみこ)

 1961年。編集者を経て文筆業に。
 本書で「大宅壮一ノンフィクション賞」を受賞。
 著書多数。


─────────────────

■関連書評■
a. 「おじいちゃん戦争のことを教えて」中条 高徳
【私の評価】★★★★☆

b. 「日本人はなぜ戦争をしたか」猪瀬 直樹
【私の評価】★★★☆☆


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
人気ブログランキングに投票する
人気ブログランキングへにほんブログ村 本ブログへ


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
40,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。



お気に入りに追加
本のソムリエ公式サイト発行者の日記

オフレコ!別冊[最高権力の研究] 小泉官邸の真実 飯島勲前秘書官が語る!
【私の評価】★★★★☆(82点)


■小泉内閣には賛否両論あるようですが、
 結果を見れば、郵政民営化、道路公団民営化、
 靖国神社参拝、訪朝と拉致被害者の帰国と
 結果と筋を通したように感じます。

 マスコミをもコントロールする役人の抵抗を排除しながら、
 こうした実績を残したのは、評価すべきでしょう。


  ・小泉VS郵政官僚の大喧嘩・・・翌年、ドイツの郵政三事業が
   民営化になったんです。これは郵政省が、表に出ないように
   マスコミを規制した。・・・うまくいかないニュージーランドや
   オーストラリアの話を懸命に表に出そうとしていましたね。(p57)


■あちこちに「●●省はひどい」「●●省は・・・」とあり、
 やはり官僚組織との戦いが主戦場であり、
 役人の操縦方法の最終兵器は、やはり( 人事 )だったようです。


  ・政策を実践していくのは官僚だから、官僚を無視できない。
   ・・・官邸に局長級の人事検討会議がありますから、ここで
   人事を握る。閣僚もすべて自分で選ぶ。ダメな閣僚は、これも
   誰にも相談せずに更迭する。(飯島)(p118)


■小泉内閣では、官僚組織に対して
 小泉純一郎、竹内平蔵、飯島勲と
 役者がそろっていたように感じます。

 小泉は目標設定と人事の天才であり、
 竹中平蔵が経済問題の対策を設計し、
 飯島勲が小泉の片腕として実務を進めていくという形です。


■最近、小泉内閣の規制緩和の反動として、
 役所の生き残りをかけた規制強化が進んでいるように感じますが、
 官僚が生き残っても、民間が死んでしまえば同じです。

 この本を読みながら、
 官僚組織をコントロールできる内閣を
 期待するしかないと思いました。
 本の評価としては、★4つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・うちが受け取る政治資金は、・・・ひと口月額2万円なんです。
   ・・・1000社近くが後援会に入って、陳情なしで30年以上
   支えてくれるというのは、これはたいへんなことです。(飯島)(p44)


  ・年金福祉事業団は、99年末に廃止法案が通って、
   01年3月に廃止された。つまり小泉は、厚生大臣になったとたん、
   財政投融資に流れ込む郵貯、簡保、年金という「三本の矢」
   の一本を折った。(飯島)(p158)


  ・北朝鮮工作員の問題も話としてはあったが、断定できない状態だった。
   新幹線のレールに鎖を巻いて転覆を謀った。あるいは鉄橋のボルトを
   相当数抜いて鉄塔が倒れそうになった。(飯島)(p181)


▼引用は、この本からです。

オフレコ!別冊[最高権力の研究] 小泉官邸の真実 飯島勲前秘書官が語る!

アスコム
売り上げランキング: 171405
おすすめ度の平均: 4.0
4 臨場感ある仕上がり
4 小泉政権の日々

【私の評価】★★★★☆(82点)


■著者紹介・・・田原 総一朗(たはら そういちろう)

 ジャーナリスト。1934年生まれ。
 大学卒業後、JTB、岩波映画社、テレビ東京を経て、フリー。
 「朝まで生テレビ」「サンデープロジェクト」など。

─────────────────

■関連書評■
a. 「小泉官邸秘録」飯島 勲
【私の評価】★★★★★

b. 「日本国の研究」猪瀬 直樹
【私の評価】★★★★★


読んでいただきありがとうございました!

この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
人気ブログランキングに投票する
にほんブログ村 本ブログへ


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
44,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。



お気に入りに追加
本のソムリエ公式サイト発行者の日記

日本の真実
【私の評価】★★★★☆(82点)


■大前研一氏の強さは、海外を含めたコンサルタント経験から、
 視野が非常に広いということでしょう。

 歴史的な背景を説明しながら、
 問題を指摘して、こうすればよくなった事例があると
 ベスト・プラクティスを示すことができるのです。


 ・大学の役割・・・「社会人として飯を食べていくために必要なスキル
  を身につける場所」である。・・・大学教育にアカデミックなことなんて
  まったく必要ないし、大学と呼ぶ必要もない。(p117)


■また、役人でもなく、産業界にも属さないため、
 制約のない自由な主張ができることが大きいと思います。

 特に政治については、核武装論、靖国問題の異常さ、
 役人の犯罪についてはっきり主張できるのは、
 しがらみをまったく考慮していないので、気持ちがいいくらいです。


 ・本来なら日本の新聞は、北朝鮮が核ミサイルを配備したら日本は
  どうするべきなのか、という問題を提起しなくてはならない。非核
  三原則は「我が国は核抑止力のない丸腰の国です」と北朝鮮に
  宣言しているようなものである。(p131)


■こうして読んでみると、海外の経験が長く、日本のあり方を指摘し、
 人材の育成に活動する大前研一氏は、現代の福沢諭吉ではないかと
 思いました。

 多くのしがらみから、すぐに実現は難しいのでしょうが、
 現実を直視し、率直に判断するとこうなるのだな、と思いながら、
 ★4つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・日本政府は強い産業が嫌いである。アメリカが日本の強い産業
  (歴史的には繊維から始まって、テレビ、自動車、半導体・・など)
  が嫌いだからだ。日本政府はアメリカに目をつけられた産業の勢力を
  削ぎ落とすことを自分たちの任務と心得ている(p36)


 ・国の政策や予算を実質的に決定している官僚が私たち国民に
  損害を与えても、日本の現行制度の中では、その責任を問うこと
  ができない。・・・課長以上の公務員はすべて特別背任罪の対象と
  すべきである。(p146)


 ・日本人の大半は知らないようだが、銀行の企業に対する債権放棄は
  法律違反である。・・・銀行の株主は「なぜ、地獄の果てまで追いかけて
  いって取り立ててこないのか」と言うべきである。(p137)


▼引用は、この本からです。

日本の真実
日本の真実
posted with amazlet at 08.11.26
大前 研一
小学館
売り上げランキング: 55959
おすすめ度の平均: 4.5
5 辛口かつ分かりやすい
4 歯切れがいい
5 大前流日本人への提言書
3 中庸
4 未来を切り開く為に

【私の評価】★★★★☆(82点)


■著者紹介・・・大前 研一(おおまえ けんいち)

 1943年生まれ。大学、大学院で原子力工学の博士号取得。
 日立製作所を経て、1972年マッキンゼー入社。
 日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。
 1992年に「平成維新の会」を設立。
 1994年マッキンゼーを退職し、「一新塾」
 「アタッカーズ・ビジネス・スクール」を設立。
 数多くの代表取締役、教授職を持つ。著書多数。

─────────────────

■関連書評■
a. 「考える技術」大前研一、講談社
【私の評価】★★★☆☆

b. 「ビジネス力の磨き方」大前 研一、PHP研究所
【私の評価】★★★☆☆


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
人気ブログランキングに投票する
人気ブログランキングへにほんブログ村 本ブログへにほんブログ村 本ブログへ


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
40,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。



お気に入りに追加
本のソムリエ公式サイト発行者の日記

ノーフォールト
【私の評価】★★★★☆(88点)


■小説をあまり読まない私があっという間に
 読んでしまった強烈な一冊でした。

 産婦人科医の主人公を通して、
 現在の産婦人科医の現実に、
 自分が直面しているように感じました。


 ・「そうだよなあ、こんなに忙しくて・・・責任は重いし」
  「僕は当直を何とかしてもらいたいね」「君、先月何回?」
  「僕ですか?二十回くらいやりましたよ」「そんなにやったの!」・・(p277)


■産婦人科医が減少しているというニュースを聞いたことがあります。

 その原因は、夜勤による時間外勤務の多さと、
 訴訟リスクの高さだと言われています。

 普通の人ならば、セブンイレブンのような勤務で、
 人の命を預かり、失敗すれば告訴されるような職場を
 選びたいとは思わないはずです。


 ・その病院の先生、よく手術を引き受けてくれたよ。最近は、
  何かあるとすぐ訴えられるから、皆、難しい手術は引き受け
  なくなってきているんだ。・・・(p198)


■産婦人科医が減少しているということは、
 新人よりも辞める産婦人科医が多いということ。

 ただでも悪い産婦人科医の労働条件は、
 どんどん悪い方向に進んでいるわけです。


 ・産婦人科に興味を持つ二十名ほどの学生を前に小演説を行なった時、産婦人科の
  学問としての幅広さと魅力、これからの社会における産婦人科医療の重要性を話した後、
  現状の人員不足を訴えているうちに口惜しさ込み上げて来て、恥ずかしさも忘れ、
  私は学生の前で号泣してしまいました。(p433)


■お産の場面では、人間が人間を生むという神秘的な活動と、
 それを支える産婦人科医の仕事の素晴らしさを感じることができます。

 しかし、その一方で、産婦人科医の労働環境は、
 どう見ても「悲惨」に近い状況としか言いようがありません。


 ・だいたい黒字の大学病院は若手医師にほとんど給料を払っていないんですから、
  研修生みたいな扱いにして・・・研修医じゃないですよ、昨年から臨床研修の
  必須化で研修医は給料がもらえますから。その上、現場で日本の医療を支えている
  連中です。アルバイト収入だけで食っているんですよ。(p348)


■小説としても強烈に読ませてくれる一冊です。
 さらに、産婦人科の現状についても学べますので、一石二鳥ですね。
 ★4つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・私は先日、医療安全講習会に参加したが、弁護士の話を聞いてがっかりしたよ。
  "患者さんにはこういう話をしなさい、そうすれば訴えられない。カルテはこう
  書きなさい、こんな事を書いてはいけません、カルテはいつでも開示されます。
  治療法は患者さんに選択させなさい、そうすれば訴えられる事が少なくなります"、
  そんな話は医療安全ではない。(p326)


 ・理事長!大学病院はまだいいんですよ。三人も当直していて、
  その中にベテランが必ず一人いますから。一般の病院は二年目、
  三年目の医師が一人で当直しているんですよ。もし、今回のケース、
  一般の病院で起こったら・・・(p174)


 ・アメリカではお産一件で百万円くらいかかる、たった二日の入院でね。
  もちろん患者が払う。そのうちの一部、最近では平均約40%分、
  つまり40万円は医師が保険会社に払うほうに回されるってことだ。(p221)


 ・最近はなぜ術前検査で、"出血時間"をやらないのかね?」「そうですね、
  いつの間にか、やらなくなりました。精度が悪いからですかね?・・・
  「教授、それだけじゃありません。だいたい手間のかかる割に保険点数が
  低いんですよ。出血時間測定は十六点、百六十円ですよ、バカにしていると
  思いませんか?(p293)


▼引用は、この本からです。

ノーフォールト
ノーフォールト
posted with amazlet on 08.02.02
岡井 崇
早川書房 (2007/04/18)
売り上げランキング: 1055
おすすめ度の平均: 4.5
4 結末が、ちょっと...
4 現役産婦人科医による渾身の一撃
5 産婦人科医になる決意をさせてくれた本

【私の評価】★★★★☆(88点)


■著者紹介・・・岡井 崇(おかい たかし)

 1947年生まれ。医学博士。
 1973年東京大学医学部医学科卒業。
 東京大学医学部助教授、総合母子保健センター愛育病院副院長等を経て、
 昭和大学病院総合周産期母子医療センター長。

─────────────────

■関連書評■
a. 「ラストホープ」福島孝徳、徳間書店

【私の評価】★★★★★

b. 「医学常識はウソだらけ」三石 巌、都築事務所
【私の評価】★★★★☆


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
人気ブログランキングに投票する
人気ブログランキングへにほんブログ村 本ブログへにほんブログ村 本ブログへ


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
40,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。



お気に入りに追加
本のソムリエ公式サイト発行者の日記

千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン (角川oneテーマ21) (角川oneテーマ21) (角川oneテーマ21)
【私の評価】★★★★☆(84点)


■日本には、創業百年以上の会社が、
 十万社以上あるそうです。

 ところが、日本を除くアジアでは、
 百年以上の会社自体がそれほどないという事実が
 あります。


 ・創業百年以上・・・十万社以上と推定されている・・・日本以外のアジア
  では、まず百年以上も歴史のある店や会社を探すのすら、相当に難しい。
  お隣の韓国には俗に「三代続く店はない」と言われる・・・
  中国には・・・百年以上続いている老舗が何件もある。(p23)


■この背景には文化的なものがあるのでしょうが、
 著者は、その理由として次の2つをあげています。

 まず、日本人が職人を好むことから、
 その職人の技術が、代々受け継がれる可能性が高いこと。


 ・さまざまな分野で、手仕事の稼業や製造業が、親から子へ、
  子から孫へ、孫から曾孫へ、曾孫から玄孫(やしゃご)へ・・・、
  と受け継がれている。・・・"職人"を好む(p31)


■そして、会社を同族内だけで運営するのではなく、
 優秀であれば養子などに経営を任せるなど、
 人事の自由度が高いということです。


 ・華人を含むチャイニーズの企業で、実の長男をさしおいて、養子や
  赤の他人がトップに立つことは、まず絶対に考えられない。・・・
  一方、日本の商都・大阪には「息子は選べないが、婿は選べる」
  という言い習わしがある。(p134)


■日本だけに、十万社もの百年続く企業があるという
 事実に、少し日本人としての誇りがもてました。

 日本人というものを考える一つの視点になると
 思いましたので、★4つとします。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・世界最古の会社はどこにあるのだろうか?・・・
  実はここ日本にある。その会社、いつから現在まで続いているのか?
  ・・・答えは、西暦578年、時代で言えば、なんと飛鳥時代(p19)


 ・三百年も続いてすごいなと思われるかもしれないですけど、
  実際われわれとしては三百年生きてきたという認識は持ってないんですよ。
  それはあくまでも結果ですよね。毎日毎日積み重ねた結果が三百年になったわけ
  でして、それは五百年経ったとしても同じでしょう。(福田金属)(p49)


 ・世界最大のシェアを誇るノキアのケータイにも、エプソントヨコムの
  人工水晶が埋め込まれている。ちなみに、ノキアもまたフィンランドの
  老舗企業で、1865年の設立時は製紙会社だった。(p177)


 ・中国じゃ従業員が、よく会社の品物を黙って持って帰っちゃう。・・・
  会社への忠誠心なんてないんだから。それなのに経済産業省のバカどもは、
  うちら中小企業に『中国に行ったらどうですか』とか、いまだに言ってくる。
  中国に出て裸で帰ってくる人がいっぱいいるっていうのにね。(p172)


▼引用は、この本からです。

千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン (角川oneテーマ21) (角川oneテーマ21) (角川oneテーマ21)
野村 進
角川グループパブリッシング
売り上げランキング: 25094
おすすめ度の平均: 4.5
5 日本の知られざる巨人たち
5 ビジョナリー・カンパニー
4 掘り下げは浅いがこれでいいと思う。実に楽しく読むことができた。
5 TBSはパクったの?
5 タイトルは、「百年以上、働いてきました」にすべき

【私の評価】★★★★☆(84点)


■著者紹介・・・野村 進(のむら すすむ)

 1956年生まれ78年フィリピンに留学。
 「フィリピン新人民軍従軍記」を発表し、ライターとなる。
 アジア地域、医療、メディアなどの分野で取材、執筆を続ける。
 拓殖大学国際開発部教授。

─────────────────

■関連書評■
a. 「中国の「核」が世界を制す」伊藤 貫、PHP研究所
【私の評価】★★★★★

b. 「華僑 大資産家の成功法則」小方 功、実業之日本社
【私の評価】★★★★☆


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
人気ブログランキングに投票する
人気ブログランキングへにほんブログ村 本ブログへにほんブログ村 本ブログへ


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
40,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。



お気に入りに追加
本のソムリエ公式サイト発行者の日記

1 2 3 4

Line up

バックナンバー

Powered by Movable Type 4.25

最近のコメント