【私の評価】★★★★☆(82点)
■中学の歴史で学んだ南北朝時代。
南朝は後醍醐天皇。
北朝の足利尊氏。
この南朝を支えた北畠顕家(あきいえ)が、
この本の主人公です。
東北地方を武力により支配する陸奥守として
16歳で派遣されます。
・十六歳である。青公家が、と心の底では思っている
諸将もいるであろう。そういう軽視も、
打ち砕いておかなければならなかった。(p27)
■顕家は持って生まれた才能で、
陸奥を平定すると、
足利尊氏の反乱を鎮圧するために、
京都まで進軍します。
朝廷の命令に従うべき、
という使命感。
一方で、
命令に従うことで兵が死に
農民も死ぬという現実。
国家とは、国体とは、朝廷とは
何なのか。
何のために国はあるのか。
顕家は考えるのです。
・国というものには、根幹が必要なのだ。
この国では、それが主上だ。
根幹は、長い歴史によってはじめて作られるものだ。
武士は、ほんの短い間、その歴史を曲げているだけだ(p137)
■現在でも日本の国体は、
天皇を支持する国民の意識で
支えられています。
それがあるのも、
過去の混乱、多くの国民の死を積み重ねて、
日本の象徴としての天皇という制度が
現代まで続いてきたのだと感じました。
北方さん、良い本を
ありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・京には年貢を運ばなければならない。
大内裏造営の課徴金も申しつけられる。
陸奥の富が京に運ばれ、腐った公家たちの贅沢に
費やされるだけだ、と顕家はよく考えた。(p93)
・この旗のために死のうとした者が、何人いたのか。
そして自分は、そういう無数の死に支えられて、
陸奥を平定してきたのではないのか。
あまり深くは考えなかった。ここは戦場である。(p393)
・知は力。これも父に教えられた。
いまの世で、知は力ではない。
武だけが、真の力だと言ってもいい。(p269)
・朝廷は飾りで、幕府が政事をする・・・
それがいま、実現しつつある。
朝廷があまりに障害になるようなら、
潰すしかないだろう。
それは、尊氏にはできないことだ。(p214)
【私の評価】★★★★☆(82点)
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