【私の評価】★★★★★(90点)
税理士として30年以上、500社以上経営にアドバイスしてきた著者の経験談を教えてもらいましょう。
ある企業で、手元の余裕資金で銀行からの融資をすべて繰上返済してしまったという事例が紹介されています。世の中には無借金経営の会社もあるのに、何が問題なのでしょうか。
松下幸之助はダム式経営と言っていますが、企業には将来への投資や、何か予期しない事態に対応するための運転資金や余裕の資金が必要です。有り余るほど資金があれば問題ありませんが、普通は借入金によって現預金を多めに持っておくことが基本なのです。
また、銀行側の視点で言えば、利子が入ってくる予定であったものが突然ゼロになってしまうのですから、銀行の担当者は困ってしまうでしょう。ただでも困ったときに銀行はお金を貸してくれないのですから、さらにお金が借りにくくなったということです。
会社を倒産させないためには、いかなる状況でも、支払い以上の現預金を確保する必要があります。そのために、銀行との付き合いは大切だし、自社ビルを持たないなど資産の流動性を高めておくことが重要なのです。
借入金の金利は、会社の安全性を担保する「保険料」と考えてください(p39)
経営者が、安売り競争したことで売上がさらに落ちてしまったケースも紹介されています。大企業なら薄利多売戦略も可能ですが、中小企業では高い付加価値を狙っていくことが手堅い作戦なのです。自社製品の粗(あら)利益率と損益分岐点を把握しておくのは経営の基本です。価格を高くし、コストを下げることで粗利益率を高めるのが経営なのです。
また、一倉定先生の言葉を引用して受注側の場合には、シェア35%以上あれば取引を切られる可能性が少なくなることを指摘しているところはさすがです。発注側の視点では、一つの会社に依存しない努力をしなければならないのです。
税理士というと決算書類を作ってくれるというイメージですが、こうして読んでみると著者は「倒産はさせない」をモットーに経営コンサルとしても仕事をしていると思いました。
安定的なシェアは大体35%・・不況に陥ったとしても相手は簡単に切れない(p119)
人事関係でもヘッドハンティングで採用された人の中で、会社にとって本当に有益になった人を一度も見たことがないという著者の言葉に驚愕しました。そういえば稲盛和夫氏も、中途採用で「どこまでも付いていきます!」と威勢のよいことを言っている人に限って、経営が傾くとすぐに転職してしまったと言っています。金で集まってきた人は、金しだいで別の会社へ行ってしまうのです。
資金繰りだけでなく、人材採用、営業、商品開発、資材調達までこれだけ社長が判断すべきことがあるのですから、間違わないために専門家のアドバイスが必須なのだとわかりました。
著者は信用金庫と、最低でも2行お付き合いすることを提案しています。なぜなら、担当者の当たりはずれが大きいからです。それ以上に、税理士の先生の当たり外れが大きいのではないかと思いました。もちろん著者は当たりのほうなのでしょう。松岡さん、良い本をありがとうございました。
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・共同経営は難しい。一緒に仕事をするならまずはジョイントベンチャーで・・一人社長のような形(p29)
・起業の資金調達には、政策金融公庫の創業融資を検討する(p32)
・家賃よりも税金の支払いを優先・・税金を滞納すると完全に銀行からの借入れ手段が止められてしまう(p194)
・中小企業が大手企業と契約する際に総代理店契約を結び、つぶされるというケースはよくある話です(p251)
【私の評価】★★★★★(90点)
第1章 起業時の選択
第2章 経営戦略の選択
第3章 税務の選択
第4章 資金繰りが悪くなったときの選択
第5章 つぶさない社長の選択
松岡靖浩(まつおか やすひろ)・・・松岡靖浩税理士事務所代表。1967年東京生まれ。1990年中央大学商学部会計学科卒業。1995年税理士試験合格。現在、東京税理士会板橋支部所属。税理士として決算書を作成する一方、ノンバンクの役員としては証券会社や公認会計士から送られてくる決算書を確認。粉飾決算、税金・社会保険の滞納、隠れ負債がないか、決算書の裏の裏まで知り尽くしたプロ。一貫して「倒産はさせない」をモットーに、現場一筋33年、500社以上の経営サポートを行う。銀行交渉、ノンバンクを利用、弁護士を利用しない企業再生の専門家
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【私の評価】★★★☆☆(72点)
序文をピクサー・アニメーション元社長エドウィン・キャットマルが書いています。ピクサーでは徹夜で仕事をする一方で、夜中にミニゴルフ大会やスクーター競争をしたりしていたという。そうした仕事仲間とマジメに遊ぶピクサーの文化が、面白いストーリーのアニメを作ることを可能にしていたのです。
世界一の投資家ウォーレン・バフェットは、毎年の株主総会で「私が消費したカロリーの4分の1はコカ・コーラから摂取している」などいつもジョークを飛ばしています。どうやらアメリカの一流の人は、ジョークも一流なのです。
その一方で、就職が決まって通勤距離が長いことを揶揄するツイートした人が首になった事例も紹介されています。その場において適切なジョークでなければ、マジメでないと罰せられるのは日本と同じなのです。
面接の場でジョークを言ってのける度胸があるかどうか、さらに、その場において適切なジョークかどうか(p40)
ジョークの事例が多いようで少ない気がしました。政治関連では、オバマ大統領が2011年の一般教書演説で「サケが淡水にいるときは内務省の管轄です。しかし、サケが海水にいるときは商務省の管轄になります・・問題がさらにややこしくなるのは、スモークされたときです」と言ったところは、確かに面白い例です。
同じようにブッシュ大統領が、アメリカ連邦準備理事会(FRB)議長バーナンキが会議で黄土色の靴下を穿いていたのをからかった次の会議のとき、大統領以外は全員黄土色の靴下を穿いていたのは、日本ではありえないジョークでしょう。
サミット最終日の晩餐会では、各国の代表団が余興を披露するのがならわしとなっている・・韓国の潘基文外相が緑のスパンコールのジャケットを着てABBAの曲を歌ったり、ロシアのラブロフ外相が映画「スター・ウォーズ」の悪玉、ダース・ベイダーに扮したり(p226)
話の中にジョークを取り入れましょう。話を聞いている人の記憶に残るのは、途中の面白い話と、最後の話なのです。コメディアンは、ネタ作りと練習に何か月もかけますが、私たちも自分で持ちネタを集めれば、面白い話ができるはず。以前うけたジョークや面白かった出来事を引き合いに出すだけでも、うけるのです。
著者のナオミ・バグドナスはコンサルタントとして働きながら、夜、コメディアンとして勉強しながら活動しているのがすごいと思いました。本自体としては面白くなかったので、★3とします。
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・家でパートナーと一緒のときは、ピリッと辛口のトークをする人も、職場のチームのみんなと一緒のときは、軽やかな明るいユーモアにとどめておいたりする(p53)
・スティーブ・リアドンも、「CEOになって悟ったのは、どんなにつまらないジョークを飛ばしても、みんな笑ってくれることだ」(p331)
【私の評価】★★★☆☆(72点)
序文――ユーモアが私たちを人間らしくする
はじめに――真面目さと陽気さ
第1章 ユーモアの4つのタイプ
第2章 ユーモアの脳科学
第3章 プロのコメディアンのテクニック
第4章 ユーモアを仕事に活かす
第5章 ユーモアとリーダーシップ
第6章 職場で陽気な文化をつくる
第7章 ユーモアのグレーゾーンを切り抜ける
第7.5章 ユーモアは人生の秘密兵器
あとがき――マイケル・ルイスとの会話
ジェニファー・アーカー(Jennifer Aaker)・・・スタンフォード大学ビジネススクールのゼネラル・アトランティック・プロフェッサー、行動心理学者。目的と意義が個人の選択に及ぼす影響や、テクノロジーが人間の幸福や企業の成長にプラスの影響をもたらす可能性に関する研究の第一人者。Distinguished Scientific Achievement Award(科学部門顕著業績賞)、MBA年間最優秀教授賞などを受賞。個人的には、1980年代初めのダンスコンテストで優勝を飾ったのが最大の偉業。
ナオミ・バグドナス(Naomi Bagdonas)・・・スタンフォード大学ビジネススクール講師、エグゼクティブ・コーチ。バグドナスは、劇場の舞台に立ってコメディーを実演し、サンフランシスコ郡刑務所では、レジリエンスを高めるための即興コメディーを教えている。バグドナス家に次々にやってくる保護犬たちは、彼女のことを「お人よしで、おやつをいっぱいくれる人」と評している。
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【私の評価】★★★★★(90点)
タイトルの「夏の騎士」とは、主人公が小学生6年生の夏に、友人3人で結成した騎士団のことです。勉強もスポーツもできない3人組が、森の中に秘密基地を作り、小学校のマドンナを守る騎士団を結成するという臭い設定なのにワクワクしてきました。
そしてクラスで嫌われ者で、親が精神を病んでいる男みたいな荒くれ者女子の壬生が登場します。この女の子がキーマンになりそうです。
騎士団3人はマドンナから、模擬試験を受験して県内100位以内という宿題をもらいます。勉強のできない3人組は、勉強の習慣もなければ、勉強のコツもわからない。だから、ゲームやテレビを見ながら、ただ時間が過ぎていくのです。そんなとき、騎士団3人組をバカにするオトコ女の壬生が、勉強を教えてくれるという流れ。バカにしあいながらも、お互いに興味を持ち合う小学生の頃を思い出しました。
強くて、名誉と勇気を重んじる・・俺たち、騎士団を作ったら、そんな風になれるかな(p13)
オトコ女の壬生は、心の病気の母親をバカにされると徹底的に反撃していたからクラスの女子の中で浮いていました。そのせいなのか文化祭の恒例劇「眠れる森の美女」の姫役に女子が全員投票して壬生を選びます。オトコ女が美女役をやることで恥をかかせようとしたのでしょうか。壬生と一緒に勉強していた主人公は、思わず王子役に立候補してしまうのです。
オトコ女壬生さんは、短い髪にジーンズにくたびれたシャツを着ていたのに、姫役の衣装を着るときれいに見えたのです。メガネを外すと実は美人という人、いたよな~。バカ騎士団3人組とオトコ女は一緒に勉強し、学力をつけていきます。そしてその結果は、この本を読んでいただきたいと思います。
こんなに勉強したことないよ・・なんか、ドラクエのレベル上げに似てへんか?(p154)
自分の小学生の頃を思い出しながら読みました。たとえ劣等生も、やればできる、努力は裏切らないということを学ぶのが小学生の頃なのです。人が優等生と呼ぶ人たちは、短期的には苦痛なことも、将来の結果を予想して、充実感や楽しさに変換できる人なのです。
著者は、「人生はベストを尽くせばいい。そうすれば、その結果に何ら恥じることはない」ということを言いたいのだと思いました。殺人事件も伏線として組み合わされ、小説としてはテレビドラマ化できるレベルになっているのではないでしょうか。百田さん、良い本をありがとうございました。
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・人生の成功者は、優先順位を間違えない人間だと。簡単に言えば、「今やるべきことをやる」(p93)
・恥じなければいけないのは、ベストを尽くさずに逃げることだ。そして自分に言い訳をすることだ(p249)
【私の評価】★★★★★(90点)
百田 尚樹(ひゃくた なおき)・・・1956年、大阪生まれ。同志社大学中退。放送作家として人気番組「探偵!ナイトスクープ」など多数を構成。2006年、特攻隊の零戦乗りを描いた『永遠 の0(ゼロ)』で作家デビュー。高校ボクシングの世界を舞台にした青春小説『ボックス!』が圧倒的な支持を集め、2010年、映画公開
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【私の評価】★★★★☆(89点)
ビジネススクールで企業幹部養成育コースを教えていた著者は、連日、移動しながら講演・講習をこなしていました。同時に書籍や雑誌への執筆、人脈づくりと忙しい毎日を続けていたのです。時間に追われる中で、著者は自分の時間を切り売りして金を稼いでいるだけだという事実に気づくのです。「私はなぜ、こんな人生を選んでしまったのだろう?」と衝撃を受けた著者は、2016年にオンラインコースを立ち上げています。
著者は欧米社会は「お金」に最適化されており、できるだけお金が稼げる仕事を選ぶ傾向にあるとしています。そのため、「自分にとって本当の成功とは何か?」とよく考えずに人生を選択している人が多いのです。著者もお金と名誉のために、講演家として自分の時間を切り売りしていたのです。声がかかればどこにでも行って話をしていたので、自分の時間さえなくなっていました。
著者の提案は、他人の要求を優先するのをやめ、自分の成功の定義を決めて、自分のペースで生きることです。人生の「意義」に最適化する人生を提案しているのです。
欧米社会で最も優先されるのは、たいてい、「お金」に最適化することだ・・「意義」に最適化する人生はどうだろう(p79)
タイトルのロングゲームとは、自分のビジョンに忠実になることです。自分にとって「意味のある人生」を定義し、それを追求するのです。そして目的達成までに時間がかかること(ロングゲーム)を、覚悟しなくてはなりません。途中で出てくるであろう誘惑に負けず、不安の中で、価値のある将来の目標に向かって努力を続けることなのです。
著者は当時は珍しいオンラインコースを立ち上げたし、転居したニューヨークで一流エキスパートの交流会を作りました。難しいと思っても一歩踏み出した著者の行動力が素晴らしいと感じました。著者の主張は、今、無理と思われる目標は、今だから無理に見えるのであり、時間をかければ、実は欲しいものはほぼすべて達成できるということなのです。
あなたは、「結果がまったく保証されていない状況で、それでも、努力する意思はあるのか?」という問いを突きつけられている(p19)
プロ野球の外国人選手が子供の出産があるとシーズン途中でも帰国するのを見ていて、アメリカ人は家族との時間を大切にするのが当たり前なのだと思っていました。しかし、それは違うのです。この本では、月に2万ドルのオファーを娘と会えなくなるので断った人の例が出てきます。アメリカでも家族を取るのか、仕事を取るのかということで葛藤があるのです。
そこであえて、自分の家族を大切にするという価値基準を優先するということなのです。「何を選択するのか」という視点で日本とアメリカではアメリカのほうが自由な人が多いのではないかと感じました。日本では大きな流れに逆らわない人の比率が多いように感じるのです。
最初の目的を忘れないこと・・自分はどんな人間になりたいかということ(p229)
自分らしい人生を考えてみようと思いました。この本ではライターとなって、労働時間は週に30時間前後で、毎年7月と12月はひと月バカンスに出かけている家族の例が出てきます。また、本を読むために、本のコーチを雇って、週に1冊の課題図書を決め、金曜夜にその本について1時間かけて議論している人も紹介されています。
著者の「バカげた目標は今だからバカげた目標に見える」という言葉の意味をよく考えたいと思います。クラークさん、良い本をありがとうございました。
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・たくさんのことに興味があるという人は、「自分の興味に最適化する」という方法をおすすめする(p80)
・映画「マリオン・ストッダート:1000の仕事」・・母親は旅立つ娘を呼び止めると、最後に一つのアドバイスをした。「何をすべきか迷ったら、いつも面白そうなほうを選びなさい」(p82)
・たいていの人は、真剣に練習すれば2週間くらいで逆立ちができるようになると考える。しかし実際は、半年間、毎日練習することが必要だ(p267)
▼引用は、この本からです
ドリー・クラーク 、ディスカヴァー・トゥエンティワン
【私の評価】★★★★☆(89点)
パート1 余白
第1章 私たちはなぜこんなにも忙しいのか?
第2章 魅力的なことに対しても「ノー」と言う
パート2 集中
第3章 正しい目標を設定する
第4章 新しいことに挑戦する
第5章 波で考える
第6章 戦略的レバレッジ
第7章 正しい人々、正しい部屋
パート3 信念
第8章 戦略的忍耐
第9章 失敗を再定義する
第10章 収穫する
ドリー・クラーク(Dorie Clark)・・・デューク大学フクア経営大学院とコロンビア大学ビジネススクールのエグゼクティブ教育コースで教鞭を執る。グーグル、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、世界銀行などをクライアントにもち、講演やコンサルティングを行う。 2年に1度発表の、世界で最も影響力のある経営思想家ランキング「Thinkers50」に、2019年、2021年、ランキング入り。マーシャル・ゴールドスミス・リーディング・グローバル・コーチ賞が選ぶ世界ナンバーワン・コミュニケーション・コーチ。グローバル・グルが選ぶ世界トップ10コミュニケーション・プロフェッショナル。『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌のレギュラー執筆者。大統領選挙キャンペーンのスポークスパーソンも務めた。グラミー賞を複数受賞したジャズアルバムのプロデューサーの顔ももつ。 ハーバード大学神学大学院卒。
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【私の評価】★★★★★(92点)
システム開発の本は珍しいなと、手にした一冊です。私が入社した頃は、社内のシステムはスクラッチ開発ばかりでしたが、最近はパッケージをカスタマイズするのが主流です。この本ではいかにベンダー(システムを開発する会社)を選ぶのかにはじまり、受入テストまでシステム導入の原則が説明されています。
驚くのは、ベンダー選定までに4割くらいの時間をかけるスケジュールが引かれていることです。つまり、候補ベンダーに発行する提案依頼書・RFP(Request For Proposal)の作成とベンダー選定プロセスに時間をかけているのです。
提案依頼書(RFP)を作るためには、関係部署を巻き込んでどの部分をシステム化するのか、どの業務プロセスは絶対に変更しないのか、どのようなメリットを目指すのか、そうした方針を決めておかなくてはなりません。システムに関連する部署、キーマンには全て確認を取って、最終的には役員まで提案依頼書(RFP)の内容について社内合意しておくことが重要となります。
パッケージ導入のスケジュール・・ベンダー選定までの期間は十分確保する(p45)
ベンダーの選定にあたっては、応募のあったベンダーをリストアップし、徐々に数を絞っていく過程を、関係者と共有します。ベンダーの評価基準も事前に作成し、関係者を巻き込みながら、ベンダー選定をしていくのです。
責任をベンダーに丸投げしないという視点では、システム開発中の障害管理表を自社で管理するということも重要です。「ベンダーの課題管理表」と「自社の課題管理表」を管理するのです。また、受入テストも十分な時間を取って、主導権を握りながら行うとすれば、マスターデータの全件テストや現新比較テストも全件で行うことで導入後のトラブルを防止することができます。
関係者にシステム開発の状況を社内でオープンにすることで、仕様の抜けが防止でき、実際の業務の実態がベンダーに伝わりやすくなるのでしょう。
プロジェクトの推進と責任をベンダーに丸投げしている(p4)
システム開発の経験が少ないと、ベンダー選定やテスト期間を短く見積もる傾向にあることがわかりました。また、そういう人にかぎってシステム開発をベンダーに丸投げし、必要十分な情報をベンダーに渡さず、何が重要なのかはっきりさせないのです。数十億円、数百億円をかけたシステム導入が失敗するのは、ベンダーの責任もありますが、発注した企業がそういう人を責任者にしてしまうことにも問題があるのです。
この本を読んで、発注する企業側で改善すべきところを改善すれば、システム開発での大きな失敗を防ぐことが可能となるのでしょう。類書が少ないということで★5としました。田村さん、良い本をありがとうございました。
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・システムの効果は全ての数値化を試みる・・金額換算は難しい(p34)
・担当者にプレッシャーをかける暇などない・・「期限が厳しい」と相談を受ければ、メンバーを増員する、方針を変える、関係者にフォローをお願いする(p151)
【私の評価】★★★★★(92点)
第1章 システムの企画提案―ITベンダー選定までのルール
第2章 プロジェクト立ち上げ―要件定義までのルール
第3章 ユーザー受入テスト―システム検収までのルール
第4章 ユーザー教育―システム本稼働までのルール
第5章 システム運用/保守のルール
田村 昇平(たむら しょうへい)・・・情シスコンサルティング株式会社 代表取締役。ITプロジェクトを推進する情報システム部門を支援する情シスコンサルタント。支援したIT部門は20社以上、プロジェクト数は60以上に及ぶ。ITベンダー側で10年、ユーザー企業側で13年のITプロジェクトを経験。現場の課題が上流工程にあることに気づき、「ファネル選定」などの上流工程のノウハウを編み出し、IT部門のシステム開発の支援を行っている。
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【私の評価】★★★★☆(86点)
富士山を背景とした富嶽三十六景で世界的に有名な葛飾北斎。その絵の一部は、娘のお栄が描いていたということをご存じでしょうか。北斎の二人目の妻の子であるお栄は、北斎が一目を置くほどの画力を持っていました。北斎は「美人画や枕絵では、お栄にはかなわない」とまで言っています。
お栄は20代で北斎の弟子に嫁ぎますが、心身ともに合わず離縁されます。その後は、父子二人でゴミ屋敷のような長屋暮らしをしながら、二人で絵を描いていたのです。
お栄の画号「葛飾応為」として残された絵は、十数点しかありません。葛飾北斎が数万の絵を残していることと、常に二人で同じ家に住みながら絵を描いていたことを考えれば、北斎の多くの絵にお栄の手が入っていたことは多くの人が認めるところなのです。
「葛飾応為」とは、北斎がお栄に与えた画号である・・死んだ後のお栄のよすがを思うと、わずかでも世の中に、葛飾応為の足跡を残しておかねばと考えた(p116)
葛飾北斎は日常生活では、絵を描くこと以外のことは気にしなかったようです。掃除をしないから、ゴミ屋敷のようになり、耐えられなくなると引越すということを繰り返していました。食事は出前や、お栄が買ってきたものや,客人の手土産で済ませていました。北斎は寒い時期にはコタツに入ながら絵を描いていたというのですから、奇人変人だったのです。
絵ばかり描いていた北斎の朝の日課は、起きたら厄除の願掛けとして「日新除魔」の獅子舞の絵を描くことでした。北斎の一日一獅子「日新除魔」を検索してみましょう。
この本の中では、お栄は二人目の北斎の妻の連れ子で、北斎と血のつながりはなかったという設定です。金も食事も暖かい家にも関心はなく、ただひたすら絵を描く北斎と、それを支える娘のお栄を見て、著者は北斎の実の子ではないという仮説を立てたのでしょう。
借金なんて後回しにすりゃあいい・・今は画業を極めることが第一ってことが、なんでわかんねぇんだ(p67)
美術館に行って葛飾北斎の絵を見るよりも、この本を読みながら「富嶽三十六景」や「八方睨み鳳凰図」を検索して鑑賞してみることをお勧めします。
例えば,富嶽三十六景と共に描かれた神奈川沖浪裏には、三隻の船が描かれています。北斎は「風を描く」つまり風景の一瞬一瞬を捉えながら絵を描いていました。神奈川沖浪裏の船も実は一隻の船をコマ送りで描いていたのです。そんな解説がうれしいのです。
お栄(葛飾応為)の出自や北斎死後のお栄の足取りがよくわからないところも、お栄の「吉原格子先之図」や「夜桜美人図」を怪しく輝かせてくれます。北斎とお栄を身近に感じさせてくれる小説ということで★4つとしました。車さん、良い本をありがとうございました。
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・子どもたちにとって、今はまだ、お絵かきは遊びだ。だがこれを生業にしてしまうと、つまらなくなったり、限界を感じたりして、苦しみ、もがく日が必ずやってくる(p191)
・シーボルトは日本地図を自国に持ち帰ろうとしたのを見つかり、国外追放・・没収された品々の中に、北斎が注文を受けて描いた物を混じっていた(p202)
【私の評価】★★★★☆(86点)
車 浮代(くるま うきよ)・・・時代小説家/江戸料理文化研究所代表。江戸風キッチンスタジオを運営。故・新藤兼人監督に師事しシナリオを学ぶ。第18回大伴昌司賞大賞受賞。著書は『蔦重の教え』(双葉文庫)、『落語怪談えんま寄席』(実業之日本社文庫)、『春画入門』(文春新書)、『天涯の海酢屋三代の物語』(潮文庫)、『江戸っ子の食養生』(ワニブックスPLUS新書)など20冊以上。国際浮世絵学会会員。
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
タイトルの「定年顧問」とは、早期退職や定年などで会社を辞めた後に、社外顧問として働くことです。社外顧問とは、専門知識を持った専門家として社外からアドバイスするという役割となります。
普通は弁護士や税理士、経営コンサルなどが社外顧問となる場合が多いようです。著者の場合は技術的な専門知識で社外顧問となっています。顧問派遣会社が数多く存在し、登録することで、運がよければ声がかかって顧問となれるわけです。
「人材の穴埋め」「新規ビジネス対応」「売り上げアップ」が顧問を必要とする3大理由(p46)
もちろん自分自身の専門知識が、その会社の役に立ちそうだと認識してもらわなければ、社外顧問となることはできません。著者のアドバイスは、まずはスポットコンサルを行い、自分の経験にニーズがあるか確認することです。
専門家として登録することで1時間数万円スポットコンサルを紹介してくれるサイトがあるので、登録して、コンサルしてみるわけです。こうして自分の強みが見えてきたら、社外顧問へ挑戦してみましょう。ニーズのありそうな専門知識を中心に、職務経歴書を作成して登録してみるのです。
顧問派遣会社の担当者・・人間的に魅力のある人物と認識してもらうことが必要です(p138)
60歳以降は、再雇用で同じ会社で働くこともよいでしょうし、ニーズがあればフリーランスとして仕事をしたりしてもよいのです。選択肢の一つとして、顧問契約を頭の中に入れておいて損はないのだと感じました。
社外顧問は報酬は少ないものの、自分が持つノウハウを伝えていくことが社会貢献になるという視点で、仕事を選んでいってもよいのです。若いうちからニーズのある人材になるように考えておくべきだと感じました。定年後に自分の専門性に値段が付くのです。岩﨑さん、良い本をありがとうございました。
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・毎週月曜日は午後1時間半の顧問業で出勤します。火曜か水曜は図書館に行って、翌週のための下調べをする(p62)
・顧問先企業の業務と同じような仕事を経験した人・・退職時に「秘密保持契約」などを結んでいるため、同業での就業については、制限される(p159)
・面接・・私の持っているこういうスキル、ノウハウを使って貢献できるといった結論を話します(p168)
【私の評価】★★★☆☆(78点)
第1章 早期退職・定年後は「社外顧問」=「定年顧問」という選択がある
第2章 自分に合う顧問派遣会社を探し、登録する
第3章 豊かに働ける顧問先企業との面談ノウハウ
第4章 顧問ライフを100%楽しむ方法
岩﨑 和郎(いわさき かずお)・・・アドバイザー・技術顧問。1955年大阪生まれ、生後3か月で東京都へ移住、東京都大。田区在住。1981年岡山大学大学院工学研究科修了、同年小野田セメント株式会社入社、以後数社を経て、2016年昭和 KDE 株式会社を定年退職。退職後、顧問派遣会社に登録、東証プライム化学品製造会社、建築・土木構造物の検査・調査を行う会社等で技術顧問として業務支援中。また、住宅用建材メーカーなどから市場調査などの業務をスポットコンサルとして、随時支援している。趣味は、神社仏閣巡りとお遍路さん。
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
「お金持ちになりたいですか?」こう聞かれたら、あなたは何と答えるだろう。本当は「お金が欲しい」と思っているのに、なんとなくそれを言ってはいけないと思ってはいないだろうか。私なら迷わず「お金持ちになりたい」と答える。
ではなぜ、お金持ちになりたいのか?この本は、お金を稼ぐノウハウ本ではない。お金持ちになるために必要な心構えを教えてくれる本だ。
「収入は増えないけれど、働いていればきっと良いことがある」「楽に稼ぐのは悪いことだ」「貧乏なのは仕方ない」このようなメンタルブロックを外して、お金持ちへの第一歩を踏み出せる。
この本では、お金持ちになりたい筆者が大富豪の「えびすさま」と出会い、えびすさまからお金持ちに必要な考え方や行動を教わっていく。
私は、どちらかといえば貧乏な家庭に生まれ、両親から「お金がない」と言われ続けて育った。家族旅行なんてほとんどしたことがないし、貧乏なせいで両親が不仲だと思っていた。だから、お金が欲しいとずっと思って生きてきた。
今40歳でフリーライターをしている私は、貧乏ではないがお金持ちでもない。子どもが2人いるので、今後の教育費などを考えるともっとお金が欲しいと思う。でも、えびすさまはこう話す。
「お金が欲しい、と言う人ほど自分と向き合わず、自分自身を蔑ろにしているね。自分との対話がうまくできていない、ということだから。本当に欲しいのはお金じゃない。求めているのはもっと別のもの・・その先の『感情』なんだ。手に入れたい感情があるから稼ぐ。そして、その感情を実際に手に入れるために、使う。お金は、そういった感情を得るための『交換券』に過ぎないんだよね」 (p.36)
本当に欲しいのは、お金じゃなく感情。幸せや充実感。ああ、たしかにそうだ。貧乏で家の中がどよんとしていて、「幸せだな」と思えなかった幼少時代。私はお金を手に入れて、夫や子供と幸福感を得たいと思っているのだ。
このような一般人・貧乏人の「常識」を、えびすさまがオセロのようにひっくり返してくれる。その軽快さが読みやすく、日本人にありがちな「お金持ちになることの罪悪感」を感じる必要もない。
お金持ちになりたい人にはもちろん、「お金持ちになりたい」と胸を張って言えなくても、現状の生活に満足していない人におすすめの本だ。
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
第1章 お金持ちになりたいのなら、常識を捨てなさい
第2章 20歳の女子大生が「投資」を選んだ理由
第3章 お金持ちだけが知っている、お金を稼ぐ「秘密の法則」
第4章 お金持ちだけがやっている、お金に好かれる習慣
第5章 ようこそ、豊かで自由なお金持ちの世界へ
冨塚 あすか(とみずか あすか)・・・個人投資家。投資コミュニティ・ixi(イクシィ)、お金のオンラインサロン・ハッピーマネラボ主宰。1988年生まれ、仙台出身。慶應義塾大学卒。「お金を理由に何かを諦める、という事態とは生涯無縁でいよう」と決め、20歳のときに10万円から資産運用を始める。会社員を辞めてからは2年ほど、専業投資家として資産運用のみで生活をする。2016年3月より自身の経験を元に投資を教え始める。受講者は累計1300名以上。現在は、男女混合の投資コミュニティ・ixi(イクシィ)や、女性限定のオンラインサロン・ハッピーマネラボを主催しており、投資の仕方や生き方、女性がお金持ちになるために必要な「お金の帝王学」について指南している。趣味は旅行と食べ歩き、お金持ちの話を聞くこと。特技はお金を増やすこと、世界各国で知らない人と仲良くなること。
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【私の評価】★★★★☆(84点)
世界で活用されている時間術について教えてくれる一冊です。人はそれぞれ違いますので、各種の性格に合った時間術が紹介されています。例えば未来のために、今の行動を計画できない人。手をつけるタイミングが遅くなり、失敗するような人です。
こうした人には、将来の自分に手紙を書くという方法が効果的です。手紙を書くことで将来の自分を「わたくしごと」としてとらえることができ、より長期的に人生を計画することができるようになるのです。
また、効率的に仕事をすることばかり考えて、本来の自分の幸せにつながる「遊び」を計画するのが苦手な人もいます。こうした人には、事前に強制的に「遊び」のスケジュールを決めておく方法が効果的です。
休暇の予定を計画する際に「この選択をした場合に10年後の自分は後悔するだろうか?」と考えてみてください(p131)
世の中には、計画を立てても行動できない人がいます。こうした人へのアドバイスとして、私は次の3つに注目しました。
1つ目は、勉強や仕事などできないことに悩んでいる人へのアドバイスとして、逆にそれを他者に教えるという方法です。「教える人が一番学ぶ」と言われるように教えることが一番学べるのです。
2つ目は、計画どおり行動できなかったことを記録することです。例えば、YouTubeを見て予定を1時間オーバーした、スマホゲームをして運動できなかった、などとメモするのです。書くことで、その問題を認知し、何らかの対策をせざるを得なくなるのです。
3つ目は、自分が過去に成功した経験からうまくいった理由を考え、そこから得た教訓を新しいタスクに使う方法です。人それぞれ違うので、自分の成功体験を分析して、同じような成功体験を積み重ねるという作戦です。
アドバイス法・・誰かに助言することで「私は他者を助けている」といった感覚が脳に刷り込まれ、これが自己効力感の改善につながる(p191)
世の中には、時間術のやり過ぎで、逆に自分で判断する力がなくなり、自ら創造的な仕事をやろうという気力がなくなってしまっている人がいるそうです。時間術を活用して仕事が効率的になったにもかかわらず、「人生の満足度」が下がってしまう人もいます。本当の時間術とは、効率的に仕事をすることではなく、生きがい感覚が持てる時間を増やすことだと思いました。時間術で自分らしい時間を減らしてしまうのは、本末転倒なのです。
著者は自分の時間を取り戻すために、「退屈を突き詰める」ことを提案しています。退屈な時間を自分に強制することで、時間の中に余裕が生まれる感覚をよみがえさせるのですマインドフルネスのようなものなのでしょうか。そもそも自分の人生で本当に大事なことを明確にすることが、大事なのではないかとも感じました。鈴木さん、良い本をありがとうございました。
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・生きがい感覚が強い人ほどストレスに強く、免疫システムが健全で寿命が長く、人生の幸福度も高い(p215)
・「ほどほどの解」さえ採用しておけば、最適な答えは出せなくとも日常の用に足るだけの近似は出せます・・認知のリソースを使い尽くすよりはましでしょう。これが、満足化です(p272)
・ToDoリストがうまく機能するのは、やり残したことを外部にすべて吐き出したことで脳が安心し、持てる力をすべて発揮できるようになったからです(p89)
【私の評価】★★★★☆(84点)
はじめに―時間術の"不都合すぎる"真実
序章 時間術の罠に気づく―時間の使い方について誰もが間違う3つの真実
第1章 時間の正体を知る―あなたが時間をうまく使えない驚くべき理由
第2章 未来をやり直す―「予期」の精度を高める13の方法
第3章 過去を書きかえる―「想起」を正しく使いこなす11の方法
第4章 効率化から解き放たれる―時間を"うまく使いたい"気持ちが時間不足を起こす理由
終章 退屈を追い求める―あなたから時間の余裕を奪う最大の難敵
おわりに―ほどほどの誤りを受け入れる
鈴木 祐(すずき ゆう)・・・1976年生まれ、慶応義塾大学SFC卒。16才のころから年に5,000本の科学論文を読み続けている、人呼んで「日本一の文献オタク」。大学卒業後、出版社勤務を経て独立。雑誌などに執筆するかたわら、海外の学者や専門医などを中心に約600人にインタビューを重ね、現在は月に1冊のペースでブックライティングを手がける。現在まで手がけた書籍は100冊超。科学論文で得た知識を仕事の効率アップに活かし、1日に2~4万文字の原稿を量産するいっぽうで、ライター界では珍しい「100%締め切りを守る男」としても知られる。近年では、自身のブログ「パレオな男」で健康、心理、科学に関する最新の知見を紹介し続け、現在は月間250万PV。
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【私の評価】★★★★☆(83点)
イーロン・マスク関連の本を読んでいます。この本のタイトルは、ちょっとだけタイトル詐欺の匂いがしました。なぜなら、イーロン・マスクの面接試験については、2箇所しか記載がないからです。
最初はマイクロソフトやスペースX社など、アメリカの企業では、面接官が応募者との相性が悪いと判断した時点で、採用プロセスは終了するとの記載があります。また、2つ目はイーロン・マスクお気に入りの採用プロセスでの質問として、「地球上で、南に1マイル、西に1マイル、北に1マイル歩いて、出発した場所に戻る場所はどこ?」というクイズを紹介しています。
そもそも英語のタイトルが、「面接クイズにうまく対応して就職する方法」であり、イーロン・マスクの質問は、紹介する面接クイズ一つなのです。この本に書いてあるクイズ・質問を解いて予習しておけば、面接官にもっともらしい回答ができるという寸法なのです。
イーロン・マスクは、テスラとスペースXの従業員全員と面接するという方針を長い間とっていたが、それは清掃員にまで及んでいた(p61)
アメリカの就職プロセスは、性格テスト+面談というパターンが多いようです。ただ、性格テストは仕事の成果との関連性が低いとの評価もあり、やはり面接が重要です。面接のよくあるパターンは、行動に関する質問です。「仕事で十分な時間がなかった時にどう対処したか」「不当な要求をする上司や顧客に、どう対処したのか」質問するのです。また、答えのないような質問、クイズのような質問、数学の問題のような質問をする企業もあります。
実務を重視する企業では、ワークサンプリングといって、応募者にマーケティング計画の作成、アプリのプログラム作成、契約書作成などの実務課題を与える企業もあります。また、オーケストラでは、応募した演奏家がカーテンの後ろで演奏して、その演奏だけを審査員が聞いて、採用可否を決めるというブラインド・オーディションという方法も紹介されています。
(面接官は銀色の物体を持っている)これがアルミなのか鋼(スチール)なのか、どうやって見分けますか?(p124)
後半7割は面接クイズの事例と回答でした。ケンブリッジ大学とオックスフォード大学では、なぜ動物には車輪がないのですか?とか、地球に穴を開けて、その中に飛び込んだらどうなりますか?といった変な質問が出されるという。
ウォール街の金融関係の企業では、数学の確率に関する質問をするという長い伝統があるという。ゼネラル・エレクトリックを創業したエジソンは採用にあたって、「レ・ミゼラブル」の作者は?強力な毒物を3つ挙げてください?20×30×10の部屋にある空気の重さは?最大のアメジスト鉱山がある州は?といった雑学クイズのような質問をしていたというのです。クイズを楽しめるのなら、最高の一冊でしょう。
ゲームに参加して10ドル受け取りました。そのお金の一部をパートナーに送ることができます。送ったお金は3倍になってパートナーに渡されます。パートナーは、あなたにお金の一部を返すチャンスが与えられます・・10ドルのうち、あなたはいくらを送りたいと思いますか?(p14)
採用面接とは変な間を採用しないための仕組みですが、完璧な採用試験、完璧な採用面接は存在しないのでしょう。そもそも著者は、採用の面接とは、従業員が自分たちが採用に関与したと感じさせるためのプロセスであると定義しています。つまり、人事部が勝手に採用したのではなく、現在の従業員たちが面接を通じて自分で選んだという証拠づくりのプロセスなのです。
結局、採用面接は続くのであり、アメリカの企業に就職したい皆さん、この本を読んで準備しておきましょう。パウンドストーンさん、良い本をありがとうございました。
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・あなたのデート相手が、ウェイターをどう扱うかを見てみよう。それが相手の本当の姿だ(p45)
・アマゾンのジェフ・べゾスは、「間違った人間を採用するくらいなら、50人を面接して誰も採用しない方がましだ」と言っている(p44)
・暗号解読者・・1941年、「デイリー・テレグラフ」紙は、10分以内にクロスワードパズルを解いた人に100ポンドを与えるというコンテストを行った。成功したのは5人。彼らは政府から連絡を受け・・秘密工作を依頼された(p59)
▼引用は、この本からです
ウィリアム・パウンドストーン、青土社
【私の評価】★★★★☆(83点)
1 評価の歴史を振り返る
2 心理ゲーム
3 パズルと問題解決
ウィリアム・パウンドストーン(William Poundstone)・・・アメリカのサイエンスライター。MITで物理学を学んだ後、ライターになり、ニューヨーク市に住んでいる
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【私の評価】★★★★★(95点)
著者は大学生時代に、幻の怪獣ムベンベを探しにアフリカへ行っていたという。そして現地調査のために、これまで25以上の地元の言語を学んできたというのです。なぜ地元の言語かといえば、現地に溶け込むためには、地元の言語を学ぶのが最短距離で、片言を喋るくらいになれば、それが現地人にウケる!のです。
冒険をしながら、旅先のローカル言語を学び、現地人と交流する醍醐味に著者は目覚めてしまったのです。語学はあくまでも道具であり、話したいことがあれば語学はできるようになるとうのが、著者の成功の方程式なのです。
「目的を達成するためには言語という魔法を手に入れるもの」というRPG意識が根付いてしまったため、むしろ新言語の学習にワクワクしてしまう有様だ(p133)
著者の語学の学び方は、ネイティブを先生にしてメモし、辞書を引き、繰り返すというおなじみのものです。多少意味がわからなくても、ネイティブが言うとおりに話せば、けっこう通じるのです。例えば著者がフランス語を学んだときには、1時間の授業の雑談というか先生のリアルなフランス語を丸ごとテープレコーダーに録音して、すべて文字起こししたという。次のレッスンでフランス語の先生にチェックしてもらうのです。
著者は現地人と交流するために語学を学んでいるのであり、「ウケるかどうか」を重視していました。だから、言葉の正しさよりいかに現地の人の普段使いの言葉を記憶するようにしていたのです。そして、実際に外国旅行しながら語学を上達させたいと思ったら、自分よりできる人と一緒に行かないことが、著者のアドバイスです。なぜなら、語学ができる人が近くにいれば、その人に頼ってしまい、自分が語学を学ぶチャンスがなくなってしまうからです。
話したいことがあれば語学はできるようになる(p34)
著者は子どもの頃から世界の秘境で古代遺跡を発掘したり、未知の動物を探索したいと思っていたという。そのせいか、20代の頃も、「誰も行けないところへ行って、誰にも書けない本を書かねば」と行動し続けていたのです。具体的には、アフリカで怪獣を探したり、タイとミャンマー国境の麻薬地帯に潜入して、ケシを栽培したりしています。確かに誰も挑戦しないであろう冒険と、有言実行におののきました。
アフリカで悪徳警官に拉致されたり、インドでぼったくられ、全財産を盗まれたり、冒険らしいエピソード満載です。著者の人生そのものが「冒険」で満ち溢れているのです。 著者の本はフォローしていきます。高野さん、良い本をありがとうございました。
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・インドの旅・・特に「向こうから話しかけてこる人間は絶対に悪人」と肝に銘じていた(p25)
・授業が始まって数日後には「共産党は「共産党は人民のために奉仕する」と言っているが、実際には「人民が共産党に奉仕する」だ」という例文を作って黒板に書き、私の方がギョッとした(p246)
・クリスチャンの言語研究は特に辺境に強い・・宣教師は辺境の村に入ると、まずモノを配ったり病気を治療したりして民心をつかむ。次に行うのが「聖書の翻訳」である(p280)
▼引用は、この本からです
高野 秀行、集英社インターナショナル
【私の評価】★★★★★(95点)
第一章 語学ビッグバン前夜(インド篇)
第二章 怪獣探検と語学ビッグバン(アフリカ篇)
第三章 ロマンス諸語との闘い(ヨーロッパ・南米篇)
第四章 ゴールデン・トライアングルの多言語世界(東南アジア篇)
第五章 世界で最も不思議な「国」の言語(中国・ワ州篇)
高野 秀行(たかの ひでゆき)・・・1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに文筆活動を開始。「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションや旅行記のほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。1992-93年にはタイ国立チェンマイ大学日本語科で、2008-09年には上智大学外国語学部で、それぞれ講師を務める。『ワセダ三畳青春記』(集英社文庫)で第一回酒飲み書店員大賞を受賞。『謎の独立国家ソマリランド』(本の雑誌社)で第35回講談社ノンフィクション賞を受賞。
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【私の評価】★★★★☆(87点)
学校で歴史を学んだことがない本のソムリエは、本を読んで歴史を学ぶしかありません。なんと、出口さんも大学で歴史を学んだわけではなく、本を読みながら歴史を紐解いていったのです。歴史が好きな出口さんは、疑問を持ったら、それを調べてみる習慣を持っているようです。
例えば、日本の7世紀末の奈良時代には持統天皇、元明天皇、元正天皇、孝謙天皇など女性が天皇になっています。男系とはいえ、なぜ日本において女性天皇が続いたのでしょうか。
出口さんは持統天皇と同時期に、唐では武則天(則天武后)が即位し、新羅でも7世紀に善徳女王と真徳女王と二代続けて女性の王が生まれていることを指摘しています。7世紀に白村江で負けた日本は、中国大陸・朝鮮半島を強く意識しており、鹿鳴館時代のように貴族たちは胡服・乗馬服を着て、椅子と机で生活をしていたのです。女帝も中国、韓国での女帝誕生を意識していたのではないか、と出口さんは考えているのです。
「古事記」や「日本書紀」も、俺たちはちゃんとした歴史のある立派な国なんだと唐に読んでもらうために書いたものだろうと思います(p23)
ヨーロッパの歴史はキリスト教の歴史です。その影響が、日本にも及ぶことがあります。例えば、16世紀にレオ十世が、サン・ピエトロ寺院再建の費用を捻出するために免罪符を発売します。これを批判したドイツのルターの宗教改革でローマ教会は北欧、ドイツの信者を失いました。信者を増やすためローマ教会は、イエズス会を使ってアジアに進出したのです。
16世紀の日本の種子島に鉄砲を持ったポルトガル人が漂着しますが、その6年後にイエズス会宣教師フランシスコ・ザビエルが島津藩を訪れています。この時期にイエズス会が日本に上陸したのは、宗教改革で追い詰められたローマ教会の信者獲得キャンペーンの一環であり、鉄砲の伝来もその影響が考えられるのです。
キリスト教は、原則として専従者を持たないイスラム教とは異なり、大勢の専従者を抱えているので喜捨してくれる信者を獲得しないと生きていけない宗教なのです(p140)
当時も大多数は貧しい被支配階級でした。出口さんは、宗教は不幸な人々の心を癒す「貧者の阿片」だとしています。こうした見方ができるのも、歴史を知ることで、人という生物の特性を知ることができるからでしょう。
今も歴史が作られているのであり、歴史が繰り返すとすれば、人の特性はそれほど変わらないのではないかと思うのです。社会人になるとテストはないので、気軽に歴史を学びたいと思います。出口さん、良い本をありがとうございました。
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・隋、唐は、五胡十六国の中から生まれた国家です。鮮卑という遊牧民の中の拓跋部という有力な部族が最終的に権力を握って樹立した国家です。ローマ帝国に侵入した諸部族の中で、最後にフランク族が残ったのとよく似ています(p22)
・テンプル騎士団・・フィリップ四世は、この赤十字のついて白衣を着る騎士団に目をつけ、諸々(もろもろ)の罪を負わせて捕え財産を没収してしまいました(p196)
・実際にローマと正倉院をつないでいたのはシルクロードではなく、草原の道であり海の道であったと思います(p241)
・銃の出てこない西部劇はありません・・アメリカにはどうしても許せない悪い奴は最後は暴力で片をつけるという文化が、残っている(p295)
【私の評価】★★★★☆(87点)
第1章 世界史から日本史だけを切り出せるだろうか
―ペリーが日本に来た本当の目的は何だろうか?
第2章 歴史は、なぜ中国で発達したのか
―始皇帝が完成させた文書行政、孟子の革命思想
第3章 神は、なぜ生まれたのか。なぜ宗教はできたのか
―キリスト教と仏教はいかにして誕生したのか
第4章 中国を理解する四つの鍵
―難解で大きな隣国を誤解なく知るために
第5章 キリスト教とローマ教会、ローマ教皇について
―成り立ちと特徴を考えるとヨーロッパが見えてくる
第6章 ドイツ、フランス、イングランド
―三国は一緒に考えるとよくわかる
第7章 交易の重要性
―地中海、ロンドン、ハンザ同盟、天才クビライ
第8章 中央ユーラシアを駆け抜けたトゥルクマン
―ヨーロッパが生まれる前の大活劇
第9章 アメリカとフランスの特異性
―人工国家と保守と革新
第10章 アヘン戦争
―東洋の没落と西洋の勃興の分水嶺
終章 世界史の視点から日本を眺めてみよう
出口 治明(でぐち はるあき)・・・ライフネット生命保険株式会社会長兼CEO。1948年、三重県生まれ。京都大学法学部を卒業後、1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当する。1988年に生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長に就任し、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2005年に退職。東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師、慶應義塾大学講師などを務め、2006年、ネットライフ企画株式会社(2年後、現社名に商号変更)を設立、代表取締役就任。2013年より現職。 訪れた世界の都市は1000を超え、読んだ歴史書は5000冊以上。母校京都大学の「国際人のグローバル・リテラシー」特別講義で歴史の講義を不定期で受け持った。
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【私の評価】★★★★★(92点)
月収収18万円の元教員が英語のオンラインスクールで、月商3.6億円を達成した方法を解説する一冊です。著者は職場に不満を持つ普通の英語の先生でした。最初は、メルカリで不用品を売っていたのですが、メルカリで「オリジナル教材を売って稼いでいる人がいることを知ります。
そこで著者は英語の個別授業を開始し、YouTubeチャンネルでは登録者40万人、スクール運営によって月商3.6億円を達成したのです。メルカリで3万円の教材を100個売るよりも、5人を半年50万で個別授業でしっかりフォローしたほうが成果が確実に上がります。その成果をPRしてさらに集客するのが「おさる式」なのです。
売りっぱなしの3万円のコンテンツより、しっかりフォローアップのついた50万円のコンテンツのほうが受講生の成果は確実に上がります(p35)
「おさる式」の商品開発方法は、次のとおりです。まず最初に無料の個別相談から商品開発を始めます。無料相談で、「集客」「教育」「販売」「顧客サポート」の経験を積むのです。
次に無料相談の中でニーズのありそうなサービスを商品化します。そしてモニター生を募集して、その商品を改善していくのです。ここで商品を磨き上げるのです。モニター生で安定的に成果が出るようになったら、その実績をYouTubeにアップします。改善された良い商品があって、実績があるのですから売れないはずがないのです。
無料相談・・モニター生を募集し・・問題点を改善し、ブラッシュアップしながら商品・サービスを完成させ・・受講者対談動画で「実績」と「透明性」をフロントに出す(p69)
著者が警告するのは、ネットで爆発的に成功した人は、急に落ち込む可能性があることです。一時的に稼いだインフルエンサーが、生活水準を上げて悲惨な末路を迎えたケースを、著者はいっぱい見てきたという。ネットの世界では、炎上することもあるし、アカウントが停止されることもあるし、「飽きられる」こともあるのです。サラリーマンの生涯賃金は3億円とも4億円とも言われますが、ネットの世界では不安定ですので、稼げるときに億単位で稼いでリスクに備える必要があるのです。
そのため、著者は無駄な物を買わず、生活水準を上げていません。大切な時間を、物を買うことに使いたくないというのですから徹底しています。儲けたお金は、自己投資や事業投資に回し、余った資金を金融投資にまわしているという。筋トレやサウナにお金をかけるのは、健康のためだし、月60万円のマンションに住んでいるのは移動の時間を買っているのです。
合理的な一冊でした。私も真似したいと思います。イングリッシュおさるさん、良い本をありがとうございました。
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・休みなし、365日仕事でも疲れない理由・・好きなことをやってその結果、みんなが利益を出して喜んでくれる(p201)
・スタートアップで大事なこと・・量をこなすことが圧倒的に大事(p62)
・モニター生の成果が出なかったら・・返金すればOK(p89)
・節税よりも稼ぐことだけに集中しましょう(p172)
▼引用は、この本からです
イングリッシュおさる、KADOKAWA
【私の評価】★★★★★(92点)
第1章 月収18万円の元教員が起業1年目で月商3.6億円を達成するまで
第2章 感謝されながら最短最速で「億」をマネタイズする方法
第3章 おさる式 億を稼ぐロードマップ
第4章 「お金持ち」を続けるための「おさる式お金の哲学」
第5章 お金で不幸になる人・幸せになる人
イングリッシュおさる:英語オンラインスクールの経営者兼講師。28歳。手取り18万円の教員から起業1年で月商3.6億円、2年半で累計17億円を売り上げた。利益は95%。スクールの生徒は1,600人を超える。TOEIC 970点・英検1級・英単語検定1級を所有。英語系YouTuberのチャンネル登録者数は40万人を超える。動画を通してより多くの人に正しい英語学習を広めるために活動中。「SNS動画マーケティング」「とコンテンツ販売」を組み合わせたビジネスと各業界のトップインフルエンサーマーケティング指導も行っている。
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【私の評価】★★★☆☆(70点)
この本は、Web業界の仕事でフリーランスになりたい人に向けた本だ。「フリーランスとサラリーマンの違い」から始まり、6大Web系フリーランスといわれるコーダー、Webデザイナー、Webエンジニア、Webライター、Webマーケター、動画編集の仕事について詳しく解説している。
フリーランスになることは考えていなくても、「副業でWeb系の仕事を始めてみたいが、どんな仕事があるのか分からない」と悩む人にもおすすめできる。
特に参考になったのが、3人のWebフリーランスへのインタビューだ。佐々木ゴウ氏、沖ケイタ氏、中村昌弘氏の3人は、Web系フリーランスなら誰もが知っているであろう成功者である。
「フリーランスにとっての信頼は、 生命線と言っても過言ではありません」(P.254)
つまり、フリーランスとして信頼を勝ち取ってきた人たちということだ。
「Webライターは数こそ多いですが、しっかりとスキルを身につければ未経験からでもチャンスがある仕事です。なぜなら、お客様が満足するクオリティの文章を納品できる人が少ないからです」(p175)(沖ケイタ氏)
「忙しい中でも勉強する時間を作ったり、新しいジャンルの仕事に挑戦したりするなど、長期的に物事を考えることがものすごく大切です」(p177)(中村昌弘氏)
初心者の背中を押してくれる 言葉ばかりだった。
Webライターとしてフリーランスになって半年になった私でも、多くのことを気づかされた。
Web業界で仕事をしたいと思っている人、今副業でWeb系の仕事をしていてフリーランスになりたいと考えている人にぜひ読んでほしい。きっと、背中を押してくれるだろう。
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・「とにかく何でもやってみることですね。自分が得意なことはやってみないとわかりませんし、『自分が最高に好きな案件』なんてなかなか見つからないもの。まだ自分の得意がわからないうちは『嫌いじゃないこと』をやってみて、その中で自分が楽しいと思える分野を伸ばすことを意識していました」(佐々木ゴウ氏)(p171)
【私の評価】★★★☆☆(70点)
第一章 Web系フリーランスとは?
第二章 Web系フリーランスへの道(×6職種)
第三章 フリーランスになりたい人へ
デイトラ(でいとら)・・・Web制作やアプリ開発、デザインなどを学べるオンラインプログラミングスクール
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
ベンチャーキャピタルの著者が、起業で成功している人たちの特徴をまとめています。プロ野球や投資家と一緒で、大成功している起業家は一握りです。しかし、挑戦しなければ、大成功することもないのです。
まず、起業家は変人です。ソフトバンクの孫正義氏は、起業したばかりの頃、「売上や利益を1兆、2兆と豆腐屋のように数えられる会社にすると言っていたという。ユニクロの柳井正さんも小さな洋服店を引き継いだときに、GAPを超えると言っていたのです。ジェームズ・ダイソンは、サイクロン掃除機を開発するために数千個のプロトタイプを作りましたが、楽しくて夢中になれるプロセスだったと言っているのです。
変人とは、英語でいうとパラノイア傾向のある人です。その変人的な性格をプラスに転換できた人がうまくいっているということです。
孫正義・・2017年の時点ですでに・・AIがこれまでの生活概念をすべて覆すだろう、と予言している(p47)
興味深いのは、二人で組んで起業している人が目立つことです。二人がチームとして働くほうが、三人が個人として働くよりも生産性が高いというデータもあります。
アップルは、スティーブ・ジョブズという芸術を愛する天才と、プログラムの天才スティーブ・ウォズニアックの二人で創業しています。ソニーは、天才技術者の井深大と営業マンの盛田昭夫のペアでした。盛田は営業だけでなく、資金繰りも責任を持っていたという。ホンダも技術の本田宗一郎と営業と資金繰りなどの経営全般を藤沢武夫が担当しています。
二人でペアを組むことで、それぞれの良いところを発揮しながら、弱いところをカバーしあうことができるのでしょう。
盛田さんはとにかく資金調達・・実家からたくさんお金を借りて、井深さんを支えた。だから一時期、盛田家の酒造会社が、ソニーの筆頭株主だった(p235)
起業家は普通の人とは違う発想をしますが、言葉を変えれば、未来が見えていたから成功したとも言えます。ビル・ゲイツはMS-DOSをIBMに売るとき、売り切りではなく、パソコン1台につきロイヤリティをもらう契約をしました。パソコンの普及に伴って、巨額の利益がMicrosoftに転がり込んできたのです。
また、ニュース専門チャンネルCNNを創業したテッド・ターナーは、ニュースを一日中やっても売れないよと、言われていました。しかし、湾岸戦争でリアルタイムで戦況を報道し、ニュース専門チャンネルの地位を確立しました。
すべての産業が、ベンチャーからはじまっていることを考えれば、多くの起業家が挑戦する社会のほうが、革新的なサービスが生まれる可能性が高まるのだろうと思いました。古我さん、良い本をありがとうございました。
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・リーダーというのは、誰かが自分をリーダーに仕立ててあげてくれてはじめてリーダーになれる(p29)
・失敗することができる自由・・自分の人生のシナリオを自分で書く自由(p257)
・アメリカでは大手の書店はほとんどAmazonのせいで潰れてしまった(p174)
【私の評価】★★★☆☆(79点)
第1講 エンジェル投資家は、アントレプレナーのどこを見ているのか?
第2講 アントレプレナーに見るリーダーシップ
第3講 アントレプレナーの必須要件
第4講 「人格者」アントレプレナーの人格を示す「善・知・徳」
第5講 DX時代をつくるアントレプレナーたち
第6講 アントレプレナーは、たいてい共同創業者
第7講 いずれ起業したいと思っているきみへ
古我知史(こが さとし)・・・ウィル・キャピタル・マネジメント株式会社代表。早稲田大学政経学部政治学科卒業後、モンサント、シティバンク、マッキンゼー・アンド・カンパニーなどを経てウィルキャピタルマネジメント株式会社を設立、80社の起業、事業開発や投資育成の現場に、投資も含め、直接参画してきた。九州大学大学院客員教授、FBN(ファミリービジネスネットワーク)ジャパン理事長、一般社団法人衛星放送協会外部理事などを歴任。 橋下徹が大阪市長時代に進めていた大阪都構想に参加。大阪府市統合本部特別参与として、経済部門を担当した。 現在、県立広島大学大学院客員教授、京都大学産学官連携本部フェロー、IPOを果たしたベンチャー企業の取締役などを兼任。
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