「パーキンソンの政治法則」C.N.パーキンソン

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パーキンソンの政治法則 (1967年)

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■「仕事の量と予算は、与えられた
 時間、予算をすべて満たすまで膨張する」


 このパーキンソンの法則で有名な
 パーキンソンさんの一冊です。
 1967年なのでかなり古い。


 政治形態、国家の意思決定が
 どのように変わっていくのか
 考察しています。


・民主主義国では主権は多数派にあたえられる。
 多数派は、せいぜいのところ、無知で、
 おろかで、感情に左右される大衆にすぎないばかりでなく、
 毎年のようにつぎつぎと移りかわってしまう。
 (J・W・アレン著「16世紀政治思想史」
 ロンドン、1951年発行、437、483ページ)(p117)


■歴史から見た政治法則としては、
 君主政治が封建制度に変化し、
 多くは寡頭政治を経て民主政治となり、
 民主政治は愚かな市民の対立により混乱に陥り、
 秩序は専制・独裁政治によって
 回復される、としています。


 歴史を見ると、アテネの民主主義も
 ヨーロッパの民主主義も
 国内の派閥対立で戦争に負けるか、
 軍事力より国民福祉に予算配分し、
 他国の軍事的侵略を許してしまうことが
 多いのです。


 民主主義は民主であるがゆえに、
 愚かで感情的で移ろいやすいものであり、
 その悪いところが出ると
 容易に国家を破滅させることになる
 ということです。


・1934年7月に弱々しい政府が英空軍の強化を
 提案したとき、労働党と自由党は不信任決議を
 上程した。アトリー氏は航空機増強の必要を否定し、
 また武力の強化が平和に寄与するということを否定した・・・
 ディスレーリは、「諸君はやがて、恥知らずに求め、
 恥知らずに手に入れた平和に屈服するだろう」
 といったが、事態は彼の予言の正しさを示す
 ことになった。民主主義者は、人民の意思は
 常に正しい、と声明してきた。だが、自分自身の
 破滅を用意するのが人民の意思でありえようか?(p381)


■一つ確実なことは、
 国家は勃興し、発展し、衰退する
 ということです。


 日本という国家はこれから
 どうなるのでしょうか。
 過去の民主主義国家の歴史のように
 内紛のうちに混乱するのか、
 愚かな市民の声が国家を衰退させるのか。


 パーキンソンさん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・共産主義という神権政治・・・
 この信条の創始者カール・マルクスは・・・
 書斎暮らしで、実際問題はほとんど知らず、
 みずから友人になろうともとめた
 労働者階級についてはさらに知らなかった・・・
 マルクスは科学的な公平さをもつらぬくことが
 できなかった・・『資本論』は
 科学的な教科書とはくらべものにならない・・
 むしろ聖書、コーラン、あるいは
 論語と比べるべきである(p228)


・共産党員には、マルクスその人をはじめとして、
 事実ユダヤ人が多い。かれらは教典の文章の
 正確な解釈をめぐって論争する傾向があるが、
 これもまたユダヤ人に似ている(p236)


・この事件のいちばん重大な意味は
 アテネの敗北ではなくて、
 国内政治がこれほどまで国の安全を
 危うくするということである。
 党派感情がこれほど高揚して、
 政敵の敗北を希望する人たちの力で
 その政敵が司令官に任命されるにいたっては、
 戦闘の見通しははなはだ影が薄い(p269)


・第一次世界大戦は、
 衰えゆく国と前進する国との間の、
 すなわち専制政治と民主政治の間の
 たたかいとしてあらわすことができた・・
 この戦争の結果、民主的生活様式のほうが、
 専制者に戦闘を命ぜられた軍隊よりも
 じっさいに強力な軍隊をうみだしうる
 ということが示されたかに見えた・・・
 ふりかえってみて異常なのは、こうした
 ヴィジョンが消え失せた速度である(p363)


・独裁政治は、民主的統治の崩壊がもとで
 非常にしばしば生ずる無政府状態の当然の
 帰結である。しかし、独裁政治はふつうは、
 その本質からして短命な実験であって、
 一人の人間の生涯のながさに限られ、
 別のかたちの統治にその席をゆずる(p382)


・法王の権力や聖職の特権を
 もっとも熱心に擁護する人たちでも、
 ふつうは王制の廃止を
 要求するまでにはいたっていない。
 王は法王の命に服すべきだと
 宣言するについては、そもそも
 王が存在すべきだという
 ふくみがあったのである(p110)


・キリスト教世界の騎士はすべて・・・
 たがいに戦争をする場合、
 個々の人間は殺すけれども、
 名門の出である家族をみな殺しに
 することはめったにない。
 おたがいに協定があって婦人や、僧侶や、
 子どもはたすけてやるが、これはひとつには
 自分の家族をまもるためであり、
 また仕返しをさけるためでもある(p135)


・キリスト教の教えの要点は、
 政治上の見地からすれば、
 神が父であることと
 来世の生活とに関する教義にある。
 神がみんなの父であるという信仰は
 人類をすべて兄弟姉妹にしてしまうわけで、
 したがって(多かれ少なかれ)少なくとも
 神の前では価値がひとしいことになる・・・
 現世が天国への候補者のための訓練
 (あるいは予選)にすぎないという
 信念が入っている(p185)


・秘密を保つための理想的な人数は
 (あるインド人が指摘している通り)
 三人である。
 かなりはやく分別をわきまえた決定を
 くだすためにいちばんいい会議の人数は
 五人から七人である(p91)


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■著者・・シリル・ノースコート・パーキンソン

 英国の歴史学者・政治学者



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