「抵抗の拠点から 朝日新聞「慰安婦報道」の核心」青木 理

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抵抗の拠点から 朝日新聞「慰安婦報道」の核心

【私の評価】★★☆☆☆(62点)


■テレビ朝日の「サンデーモーニング」で
 青木 理という人が出演していたので、
 どういう背景を持った人なのか知りたくて
 手にした一冊です。


 共同通信の記者時代はソウル特派員。
 現在は、ジャーナリストと言いますが、
 フリーということでしょうか。


 驚くのは朝日新聞の報道は、
 捏造ではなく人から聞いた話を
 伝えただけで問題ないと断言しています。


 また、慰安婦報道など事実と異なる
 キャンペーンを張ったことも
 国家権力の隠されていることを
 表に出そうという努力は評価すべき
 としています。


 そんな理論で言ったら、安全のための
 エアバック問題で破綻したタカタは
 悪くないことになります。


 慰安婦報道によって
 日本という国家を貶めた成果は
 タカタよりも大きいと私は思います。


・93年に河野談話が出たことによって、
 吉田証言の意味が薄れ、証言の真偽を
 とことん追求する意味がなくなっていたんですね。
 つまり、吉田さんの言うような奴隷狩り的な
 強制連行はなくても、日本軍の関与による
 不当な募集や、強制的な管理・運営があったことが
 河野談話で明かされた・・・朝日の記者が自分で
 でっち上げた報道ならいざ知らず、
 人の語った話を伝えたということですしね(p116)


■相手の批判については、
 バッシングとかヘイトスピーチと
 批判する。


 一方で、自分は相手に、
 不気味な歴史修正主義者・・
 排外主義者やネオナチ、極右・・
 とレッテル貼りをする。


 記者として文章を書いていて
 その論理性のなさに
 気付かないのか、
 それとも意識して書いているのか、
 よく分かりませんでした。


・日本社会にいま、妖しく根を伸ばす排他と不寛容の空気。
 その大本を辿れば、排外主義者やネオナチ紛いの極右と
 奇妙な親和性を持つ現政権に突き当たると、
 私は思っている(p39)


■このような人がジャーナリストとして、
 また元報道機関に存在していること、
 堂々と書籍にしていることに驚きました。


 同じような考えの人は
 もっといるようです。


 意図をもって
 サンデーモーニングは青木さんに
 出演してもらっているのでしょう。


 青木さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・吉田調書報道に関していえば、朝日は記事化の過程で
 大きなミスを犯したというのだが、政府が隠している
 情報をいち早く入手し、世に発信しようとした姿勢と
 努力は認めるべきであり、こうした調査報道こそ、
 危機が叫ばれる新聞メディアに
 最も求められる仕事ではないか(p14)


・日本社会の「上部」にも「下部」にも
 不気味に根を広げる歴史修正主義の蠢きが
 朝日に襲いかかり、朝日の側でも
 稚拙でひ弱な対応を繰り返すことで
 無残に膝を屈してしまった、というのが
 一連の事態の実相であることに
 疑いはないと思われる(p26)


・共同通信で編集主幹などを歴任した原寿雄さんから、
 ふたたびこんなメールが届いた。
 「朝日の編集幹部が本気の覚悟を決めて
 紙面作りに立ち向かっているか。
 のんきな『良識』のままでは次々やられてしまいます。
 戦う決意を固め直すことはできると思いますが、
 結局は一線記者たちが声をあげること。
 覚悟の必要な時代です」(p34)


・結局、慰安婦問題を否定したがる人たちって、
 元慰安婦の人たちとはほとんど向き合ったことが
 ないと思うんです。おばあさんたちの肉声に
 直接向き合っていない。それで証言の食い違い
 みたいなところに固執して否定したがるのであって、
 すごく残念な気がする。こんなことをいくら
 つづけても、世界から孤立しちゃんじゃないかって
 いう気がしますよね(稲村隆)(p87)


・市川速水氏・・・実をいうと市川氏は、
 もともと社会部記者として長年にわたって
 戦後補償問題を取材し、慰安婦問題の報道にも
 深くかかわっていた。朝日の慰安婦報道を
 めぐっては、若手記者時代にわずか2本の
 記事を書いただけの植村氏がことさら激しい
 バッシングを浴びているが、市川氏の方が
 はるかに長く、深く、関連の報道に
 直接たずさわってきた(p161)


・新聞社といっても、所詮は権謀と嫉妬が
 うずまくサラリーマン組織である。
 しかも、かつては"ブン屋"と呼ばれていた
 ような生業だから、どちらかといえば粗野で
 乱暴な物言いと振る舞いを好む風潮が
 いまも残っている(p204)


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【私の評価】★★☆☆☆(62点)



■著者・・青木 理(あおき おさむ)

 1989年、共同通信社入社。
 1997年~1998年、韓国の延世大学校韓国語学堂に留学。
 2002年~2006年、ソウル特派員。
 2006年共同通信社退社。『オーマイニュース』副編集長。
 2011年からテレビ朝日『モーニングバード』の
 コメンテーターとしてレギュラー出演。


■目次

第1章 朝日バッシングに異議あり!
第2章 歴史を破壊する者たちへ
第3章 全真相 朝日新聞「慰安婦報道」
エピローグにかえて――外岡秀俊氏との対話



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