「最強の人生指南書 佐藤一斎「言志四録」を読む」齋藤 孝

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最強の人生指南書(祥伝社新書205)

【私の評価】★★★★☆(80点)


■「言志四録」は、幕末の儒学者・
 佐藤一斎の著作です。


 「言志四録」といえば、
 西郷隆盛が座右の書とし、
 気に入った101の言葉を
 「手抄言志録」としてまとめ
 持ち歩いていたという。


 現在読んでも通用する
 言葉がならんでいます。


・佐藤一斎は、幕府直轄の教育機関だった
 昌平坂(しょうへいざか)学問所のトップ、
 いまで言えば大学の学長まで務めた人です(p4)


■その教えは次のようなものです。


 うまくいったときに調子に乗るな。
 一芸に秀でるのがよい。
 一を積み重ねるがよい。
 才能のある人より度量のある人。


 現代の成功哲学と
 まったく同じことが
 書かれてあるのです。


・思いがかなった時こそ、
 一歩さがる工夫をすべきである。
 時間的にも、事柄的にも、
 昇りつめた龍、つまり、尊貴を極めたものは、
 退歩を考えておかないと必ず
 敗滅の悔(くい)があるものである(p53)


■人間社会を生きていくためには、
 人間というものをこのような本で
 学ぶ必要があるのだと思いました。


 この本で学ばなくとも、
 いずれは実社会で
 学ぶことになるからです。


 齋藤さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・国民のふところを豊かにするには、
 租税を免じてやるに越したことはない。
 利益になる仕事を始めるよりは、
 害になるものを取り除くに越したことはない(p42)


・思うということは
 道の実行について工夫を重ねることである。
 思えばそのことについて
 ますますくわしく明らかになり、
 いよいよまじめに取り組むようになる。・・
 したがって、「知」も「行」も
 結局は「思」の一字に帰着する(p46)


・過去の非を後悔する人はあるが、
 現在していることの非を
 改める人はすくない(p51)


・一芸に秀でた人、
 何かの道を究めた人は、
 お互いに語り合うことができる(p69)


・若い時は、経験を積んだ人のように、
 十分に考え、手落ちのないよう工夫するがよい。
 年をとってからは、若者の意気と気力を
 失わないようにするがよい(p87)


・春風を以て人に接し、
 秋霜を以て自ら粛(つつし)む
 (後・33)(p119)


・才と量との二つを兼ね備えることが
 できないとしたら、
 いっそ才能を捨てて
 度量のある人物となりたい(p125)


・志ある人は鋭利な刃のように鋭く、
 邪(よこしま)なものを引き払う力を
 備えているけれど、
 志のない人は鈍い刀のようなもので、
 いろいろな魔物に魅入られやすい(p148)


・発憤するの憤の一次は、
 学問に進むための道具である。
 顔淵が「(中国の伝説の王である)
 舜も自分も同じ人間ではないか」
 といったことは、
 まさに憤ということである(p159)


・およそ生物は欲がないわけにはいかない。
 ただ、聖人はその欲を善いところに
 用いるばかりである(p202)


・「一の字、積の字、甚だ畏る可し」・・
 「一は最初の一歩、積はその積み重ね、
 世の中のことはすべてこれに尽きる」
 そう言われると、そんな気がしてきませんか(p229)


・私は、文章を書くときは、
 それが400字でも800字でも、
 原稿用紙100枚でも、まずはメモ書きで、
 いくつかのキーワードを中心に、
 構成を考えるということをします(p36)


・仕事というのは、
 八割を九割にし、九割を九割五分にし、
 九割五分を九割八分にしようと
 ひたすら頑張るより、
 だいたい七、八割の出来で、
 一定のリズムで回していくのが
 いいのではないでしょうか(p152)


・出版業界から「読書について」という
 文章を原稿用紙三枚程度で
 依頼されたとしましょう・・
 『本の未来は明るい!』としか言いようがない」
 という一文で、この文章を締めくくると
 決めてしまいます。
 結論を決めてしまってから、
 その材料を探すのです。
 なぜなら、そのほうが効率が
 いいからです(p37)


・私は本を読んで忘れないコツは
 人に話すことだと思っているので、
 本を読むと、とにかくよく人に話します(p176)


・佐藤一斎は、自分は鍼が好きで
 気分が優れないと、胸の下に
 十数本の鍼を刺すと言っていますが、
 実は私も月に一度、
 臍下丹田に鍼を三、四本立てて、
 それにモグサをつけて燃やしてもらう
 ということをしています(p178)


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■目次

序 章 現代こそ『言志四録』が役に立つ
第一章 「忙しい」の九割は無駄な仕事のせい――仕事術
第二章 才能よりも包容力を持て――人間関係・リーダー論
第三章 志があれば、何からでも学べる――学習法
第四章 「やむを得ざる」の生き方――人生論



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