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「手ぶらで生きる術 忘れ上手は生き方上手」桜井章一

2018/05/04公開 更新
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手ぶらで生きる術 忘れ上手は生き方上手 (竹書房新書)


【私の評価】★★★☆☆(79点)


要約と感想レビュー

賭け麻雀の世界で無敵の代打ち「雀鬼」の異名を持つ桜井さんの一冊です。現在は、麻雀道場「牌の音」を運営し、麻雀を教える「雀鬼会」でメンバーを指導しています。「雀鬼会」には悩める若者や、ドロップアウトしたような人も集まってくるという。そういう会員に、桜井さんが教えている内容をまとめたのが、この本なのです。


桜井流の基本は、だれもが未熟だという認識です。友人に裏切られたとしましょう。そういう未熟な人がいるのは当たり前で、たいしたことはない。辛いことがあったとしましょう。それでも動いていれば、いずれ過去のこととなって薄まっていくのです。常に「たいしたことない」と思っていれば、多少のことでは動じなくなるというのです。


・忘れるということは大事なことですが、同様に、立ち止まらずに動いていくことも、またとても大事なことです。動いていれば、今は「特別に濃い」ものも、自然と「薄まって」いく(p23)


自分の価値観どおり行動できないとしましょう。わかっていてもできないのが人間であり、やれる範囲で努力すればいいのです。完璧を自分に求めるのが間違いであり、他人にも完璧を求めるのは間違いということです。仮に「自分の価値観」が分かったところで、正しい行動していくことは、とても難しいことです。普通の人は「人から良く見られたい」という思いをゼロにすることは難しいのです。


結局、なにを捨てて、なにを捨てないか。それは生き様であり、生きる指針だという。桜井さんは、「与えられた状況の中で、やるべきことをやっていればいい」ということを教えているし、また自分自身にもそう望んでいるという。


・私は、時々、あえて自分に向いていない嫌なことをやっていこうと思っています・・「好きこそものの上手なれ」というやり方もあるでしょう・・しかし、それだけだとどこかに「とらわれ」ができてしまうのもまた事実です(p99)


人間関係とは、不完全な自分と不完全な他人の間でどうやっていくのかという当たり前の話でした。普通の人は、プライドというものに縛られているのです。熱血な人も実は弱さの裏返しで、そういう熱い自分を演出して、その姿にすがっていないという見方もあるのです。


不敗の雀鬼が人生論を教えていることにびっくりしました。麻雀には人生に通じるものがあるのでしょう。桜井さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・表も裏もあるのが人間の自然な姿です。「僕には裏表がありません」ということは「表側だけの人間です」ということで、私は「平面図かこの野郎!」と思いました(p45)


・たとえばいじめという目に見える要因があって自殺したにしても、暴力を受けて「痛い」とか「しんどい」と思って、それで死ぬ人はほとんどいないと思う。やっぱりそこから派生したプライドの著しい損傷が、自らを死に追いやっているのです(p56)


・生きていればいろんな壁にぶつかります・・壁にぶつからないほうが問題です・・壁はなにも「乗り越える」感覚ばかりではなく、「壁の上で遊ぶ」という感覚があってもいいということです(p82)


・「現場」という言葉が好きです・・なんにしても現場で体験する「現場感覚」がないと、ズレてしまうのです(p187)


手ぶらで生きる術 忘れ上手は生き方上手 (竹書房新書)
桜井章一
竹書房
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【私の評価】★★★☆☆(79点)


目次

第1章 忘れ上手は生き方上手
第2章 目標は横に置け
第3章 無意識を開け
第4章 時間の目盛りを変えろ



著者経歴

桜井章一(さくらい しょういち)・・・東京都に生まれ、大学4年生の時に麻雀を覚える。以降、昭和30年代の無法地帯・新宿で瞬く間に頭角を現す。麻雀を覚えてからわずか半年後、代打ちの世界に身を投じてからも連戦連勝。一晩で何億という大金が動き、生命の危険すらも伴う裏麻雀で、20年間にわたって超人的な強さを誇り、「雀鬼」の異名を取る。そして無敗のまま引退し、生きながらにして伝説となる。現役引退後に、桜井をモデルとした小説、劇画などで、その名を広く知られるようになる


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