「経営者の大罪――なぜ日本経済が活性化しないのか」和田秀樹

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経営者の大罪――なぜ日本経済が活性化しないのか(祥伝社新書276)

【私の評価】★★★★☆(82点)


■精神科医でありながら、
 評論家として多くの著作を持つ
 和田さんの一冊です。


 今回は、「経営」に絞った
 ネタを集めています。


 まず、簡単に海外に工場を移転する
 経営者を叱っています。


 日本ブランドはどこに行ったのか、
 ということです。


・日本企業が、そのブランドイメージを
 自ら台無しにしています。
 グローバルな世界で生き残るには
 「安売り競争」に参加するしかないと
 思い込んで、人件費の安い国に工場を移転する。
 これでは、先人が作り上げてきた
 ブランドイメージを守れません(p34)


■また、犯罪スレスレのビジネスや、
 パチンコ、ケータイ、ゲーム、アルコール
 といった依存性の高いビジネスを
 批判しています。


 極端ですが、
 これらは覚醒剤を販売しているに
 等しいとまで言っています。


 本当にお客さまが幸せになる
 サービス、商品を販売するのが、
 経営者ではないのか、
 ということなのでしょう。


・パチンコ、ケータイ、ゲーム、そしてアルコール。
 近頃のテレビを見ていると、
 こうした依存性の高い商品やサービスの
 CMばかり目に付きます(p97)


■この本でいう経営とは、
 国家の経営をも含むようです。


 和田さんの提案は、内需拡大重視、
 つまり消費税増税反対、
 所得税増税賛成。


 また、現代の植民地経営は
 株式を通じて行われることから
 日本人が株式を購入するよう
 勧めています。


 "見識がある"という言葉は、
 和田さんのためにあるのかもしれませんね。


 和田さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・日本の経営者には自国の製品に対する
 誇りというものが欠けています・・
 自国の従業員に対する誇りがない。
 「どこの国で作らせても同じだ」と考えているから、
 平気で工場を海外に移転できるのです(p77)


・経営者自身が犯罪スレスレの
 アコギやり方で利益を
 追求することが少なくありません・・
 不道徳なやり方でも「利益を上げた者が勝ち」
 ということになれば、社会全体の
 モラル低下は避けられないでしょう(p198)


・依存症ビジネス・・
 どんなに生活が厳しくても、
 やめようとしない娯楽がある。
 そう、パチンコです・・(p95)


・日本では、視聴率の高い番組や時間帯ほど
 CMの料金が高くなります。
 それに対してアメリカの場合、
 知的レベルの高い層が
 よく視聴する番組ほど、高く売れる(p43)


・(日本では)多くの企業が、
 知的レベルの高い人が見向きもしないような
 低俗な番組に高い料金を払って、
 CMを垂れ流している・・
 まともな常識のある人が見れば、
 「この会社はこんな番組を平気で
 スポンサードするのか」と軽蔑し、
 ブランドイメージはかえって
 下がるでしょう(p44)


・ドイツのメルセデス・ベンツは、これだけ
 円高が進んでいるにもかかわらず
 「円高還元セール」をやりません。
 かつて1ユーロ=170円ぐらいだったのが、
 いまでは100円程度まで下がっているのに、
 1円たりとも値下げしない(p75)


・日本の自殺者数は三万人を下回ったことがありません・・
 東日本大震災の死者・行方不明者を超える
 「大惨事」が毎年起きていると考えると、
 きわめて憂慮すべき状態といえるでしょう(p82)


・血圧やコレステロール値など、
 健康診断の検査値を正常にするために
 与えられる膨大な薬が、果たして
 本当に患者のためになっているのかどうか・・
 マスコミは高血圧や糖尿病など
 生活習慣病の危険性を煽り立て、
 医者は正常値に戻す薬を処方し、
 製薬会社を大儲けさせているのです(p101)


・1万人を対象に行ったアコード試験によれば、
 血糖値を正常化させたグループよりも、
 血糖値をやや高めにコントロールしたグループのほうが、
 死亡率が低いという結果が出ました(p101)


・ほとんどの経営者が、
 「足りない分は消費税アップでまかなえ」
 といいます。
 私には、それが「国を思う経営者」の
 いうことだとはとても思えません。
 内需の縮小している現状で消費税を上げれば、
 当然、消費不況はさらに深刻化するでしょう(p202)


・現代の植民地経営・・
 日本はほかの国にくらべると
 外国人株主の割合が低いほうですが、
 それでも流通株に関してはすでに
 3~5割が外国人株主になっています(p192)


・日本は韓国とのあいだに竹島の領有問題を
 抱えています・・もし、日本国内で韓国製品の
 「不買運動」が起きたら、どうなるでしょうか・・
 これは韓国にとって、かなり堪えるはずです(p59)


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【私の評価】★★★★☆(82点)

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■目次

序章 かつての経営者と、いまの経営者の違い
第1章 誰が日本ブランドを凋落させたか
第2章 内需の弱い国に未来はない
第3章 社員を死に追いやる経営者たち
第4章 会社への「信用」を破壊した経営者たち
第5章 なぜ消費者は、お金を使わないのか
第6章 なぜ「高齢者」に目を向けないのか
第7章 なぜ、日本が市場で弄ばれるのか



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