「使える地政学 日本の大問題を読み解く」佐藤優

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使える地政学 日本の大問題を読み解く (朝日新書)

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■地政学は地理的要因で、国際関係や
 歴史を読み解こうという考え方です。


 しかし、佐藤さんは地政学が
 すべてではないとしています。
 地政学もあるが、それ以外の
 イデオロギーもあるのです。


■しかし、地政学は政策の理由として
 使われることもありますので、
 理解しておく必要があるのでしょう。


 そしてそれがすべてではないことも
 理解しておく必要があります。


 佐藤さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・地理的要因は時間を経ても変化しにくい。
 この地理的要因を基本に、政治、経済、軍事、文化などの
 諸要因を加味して情勢を分析するのが
 地政学的な見方なのである(p5)


・国家が膨張政策をとるときの正当性を
 地政学で説明する。あるいは他国の脅威から
 自国を守るための安全保障政策を合理化するためにも
 地政学は使われている・・
 ナチス・ドイツ関連の本を読んだことのある人ならば、
 生存圏(レーベンスラウム)という言葉を
 目にしたことがあることだ(p22)


・戦前の日本でも、1931年、のちに外相になる
 松岡洋右が「満蒙は日本の生命線」と唱え、
 広く人口に膾炙した。生存圏という考えに
 通じることがわかるだろう(p23)


・民族問題はエスニッククレンジング(民族浄化)では
 解決しないと言われるが、それは嘘だ。
 民族問題はたいていの場合、民族浄化か
 暴力によって解決されるものなのだ(p39)


・天皇や皇族が国民に「見られる」ことによって、
 国の隅々まで支配者と政治体制が変わったことを
 周知させ、その権力の正当性を認識させるのだ。
 戊辰戦争で最後まで政府軍に抵抗した東北の
 旧諸藩の地を訪れる目的は、
 「頑愚ノ旧夢ヲ嗅覚シ、開明ノ曙光ヲ認見セシムル」
 (東北の民に、いまだ頑で愚かな昔の夢を
 見ていることに気づかせ、新しい時代の
 幕開けを認めさせる=「全国要地巡幸の建議」)
 とされた(p135)


・フェルガナ盆地は権力の空白地帯だ。
 「権力は真空を嫌う」の言葉にならえば、
 どの主権国家も優位性を保つことができない地域において、
 国家に対抗できる武力をもつ組織は支配的地位に立ち、
 その空白を埋めることが可能だ(p192)


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使える地政学 日本の大問題を読み解く (朝日新書)
佐藤優
朝日新聞出版 (2016-05-13)
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【私の評価】★★★☆☆(70点)



■目次

第1章 私と地政学の出会い
第2章 ロシアと中東をめぐる勢力図
第3章 「パナマ文書」と地政学
第4章 ネット空間と地政学
第5章 国家統合と地政学――沖縄編――
第6章 国家統合と地政学――EU編――
第7章 中国の海洋進出が止まる日



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